|

|
|
■ 内閣委員会
|
|
■ 平成十六年二月二十七日(金曜)
|
青少年問題に関する件(児童虐待問題)
○答弁者
国務大臣 小野清子君 (青少年育成及び少子化対策担当)
文部科学大臣政務官 馳浩君
厚生労働大臣政務官 佐々木知子君
政府参考人 金森越哉君 (文部科学省大臣官房審議官)
政府参考人 北井久美子君 (厚生労働省大臣官房審議官)
○武山百合子委員長 次に、泉健太さん。
○泉(健)委員 それでは、質問をさせていただきます。
先ほど来、私どもの委員の方からいろいろな質疑をさせていただきました。その中で、やはり岸和田の虐待の問題を初めとして、この虐待の問題についてどうしても取り上げなければならないという思いを持っております。
まず、先ほどから、それぞれの議員、委員の冒頭で御認識をいただいているところですけれども、私は、今回、また児童福祉法と児童虐待防止法の改正が進んでおります、そういった中での担当大臣の御決意をいただきたいと思います。
○小野国務大臣 大変痛ましい児童虐待を防止しまして、被害児童を早期に発見、保護する上で、学校、そして児童相談所、児童福祉施設、こういう関係機関が綿密に連携をとりながら真剣に取り組むことが重要であると考えております。
青少年育成を担当する私といたしましては、関係大臣からお話を伺い、それぞれの関係大臣からもお話をいただき、必要に応じて、青少年育成推進本部やあるいは同本部の副本部長会議などで、総合調整の場を活用しながら、児童虐待について施策の着実な推進を進めてまいりたいと思っております。
○泉(健)委員 ただいまの御答弁をいただいて、それぞれの大臣から御意見を伺いというふうに言っておられました。これは、小野大臣がそれぞれの大臣から積極的にお伺いをするというふうにとってよろしいでしょうか。
○小野国務大臣 そのとおりでございます。
○泉(健)委員 ぜひともお願いいたします。
まず、先ほど山井議員からも質問がありましたが、岸和田の件について再確認をしなければならないと思います。水島委員からもお話がありましたが、今回のケースでは、認識として、児相内の連携がとれていなかったということではないということで、改めて確認をさせていただきたいと思います。
学校からの相談が通告と受け取られてなかった、このことについての認識は正しいと思いますが、そもそも、通告と受け取られないものを、どれだけ連携を児相の中で強化していても、これはそのまま虐待の課の方に行くわけがなくて、この件については、児相の方にはもう千件近くの抗議が来ている。これは、初期の報道の誤りからこうなってしまっているわけですが、児相の方の誤解を明確に解くためにも、ぜひとも大臣の御意見を伺いたいと思います。
○小野国務大臣 私の方の情報が違っていたということ以外ございません。
○泉(健)委員 ありがとうございます。
そう言っていただけると、児相で頑張っておられる皆さん、あるいは学校で頑張っている皆さんも再認識をしていただく意味で、大変重要なことかというふうに思います。
私は、こういった問題は、とにかく繰り返してはならない、再発防止が一番大切だと思います。何せ、あの岸和田の事件が起きた後も、小さい子供さん、まだ学校に行ってない子供さんの虐待事件も含めて、引き続き起こっているという状況です。これを何とか、これから私たちが法律を変えていく中で、議員立法でつくっていく中で、繰り返してはならないし、つくった後の運用で、絶対にもう一度穴がありましたなんということがないようにしていかなければならないと思っております。
そういった中で、幾つか指摘をさせていただきたいところがありますので、細かい話にもなりますが、御協力をいただきたいと思います。
まず、文部科学省の方なんですが、不登校の数に関しては十四万人ほどの方々がおられると聞いておりますが、現在、その不登校の方々の数、一件一件の不登校のケースについて、児相の方に相談あるいは報告という形のものはとられていますでしょうか。
○金森政府参考人 お答えを申し上げます。
平成十四年度の国公私立の小中学校における不登校児童生徒数は約十三万一千人でございまして、年間三十日以上の欠席者数について調査を開始した平成三年度以来、初めて減少いたしておりますが、依然として相当数に上っており、憂慮すべき状況にあると考えているところでございます。
各学校現場におきましては、それぞれの状況に応じまして、必要があれば、児相に御相談をし、また御連絡をするということをいたしているものと考えておりますけれども、全国的に見てそれがどのぐらいの数になるのかというところまでは、現在承知しておらないところでございます。
○泉(健)委員 早速、こういうことなわけです。必要があれば児童相談所にお話を持っていくということなんですね。
例えば、岸和田の子ども家庭センターというのは、虐待問題だけを扱っているわけではないわけです。子供たちをサポートするためにあるわけですね。だとしたら、なぜ、不登校のケースに関して、まず児相に、一緒に地域で支えていこうと報告をなさらないんでしょうか。
○馳大臣政務官 お答えいたします。
それぞれのケースにおいて、やはり学校においての対応、そして、学校内の十分な把握がされれば児相に連絡をするという判断が各小中学校においてとられているものというふうに認識をいたしております。
○泉(健)委員 厚生労働省の方にお伺いをしたいんですが、児相では、不登校に対して、数の把握あるいは対応というものはなされていますでしょうか。
○北井政府参考人 児童相談所で受けた虐待相談のうち、子供が不登校になっているケースの数は、個々の児童相談所におきましては把握しているところでございますけれども、全国的な統計としてはとってございません。
それから、不登校そのものの児童相談所の相談件数は、全国で一万件ほどでございます。
○泉(健)委員 個々の児相の方で確認をされているということですが、これは漏れがないというふうに考えてよろしいでしょうか。
○北井政府参考人 虐待の通告がありましたときには、必ず……(泉(健)委員「不登校、不登校ですよ」と呼ぶ)まず、不登校の相談件数は一万件でございますが、虐待と不登校の関係でございますけれども、児童相談所に虐待の通告があったときに、就学状況を確認して、その虐待の通告のあったお子さんが不登校の状況なのか、就学の状況はどうなっているのかということは、手引に基づきまして確認をするということになっております。
○泉(健)委員 これは、もちろん、虐待のときには通告という言葉が出てきます。しかし、児相というのは、複合的な、子供たち全般に対する相談も受け付けているわけですね。ただ、残念ながら今、体制が余りに脆弱過ぎるという現状も抱えております。
そういう中で言いますと、まず大切なのは、児相の体制の強化であると思いますし、そしてまた、不登校に関しても、ぜひとも地域で一緒にサポートしていこうという意味で、学校内で解決をする、スクールカウンセラーがいるからそれでいいんだ、学校内で把握をしていればそれでいいんだ、文部科学省だけで把握をしていればいいんだということであれば、これは解決にならないケースが出てくるんじゃないのかなと思います。
その意味で、ぜひとも今後、それぞれ連携を強化していただきまして、私は、不登校のケースがあった場合は、不登校全部に対して、児相としっかりと連携をして対応を決めていくというふうになるべきだと考えておりますが、それぞれ、政務官、もしよろしければ御意見をいただきたいと思います。
○馳大臣政務官 おっしゃるとおりだと思います。
今、児童虐待防止法の法律においても、教職員とか病院の先生とか保健師さんなど、いわゆる関係者としてそういった問題に対応するとなっておりますが、今後は、法改正も視野に入れながら、学校であったり児童福祉施設関係機関であったり、組織としてしっかりと対応して、先生おっしゃったように、漏れのない対応ができるような、きめの細かい連携が求められるものと承知いたしております。
○佐々木大臣政務官 岸和田事件にとどまらず深刻な虐待事件が頻発していることを踏まえれば、現在の児童虐待防止対策につきましては、運用面のみならず制度面についても課題を抱えており、両面からの対策を講じることが必要と考えております。
このため、厚生労働省におきましては、各都道府県に対しまして、今回の事案を踏まえ、組織的かつ迅速な対応、子供の安全確保の優先といった基本に立ち返った取り組み及び児童相談所内の連携体制の再確認、そして、学校等の地域の関係者との協力、連携の確保に遺漏なきを期すよう通知を発出したところでございます。
また、先日国会に提出しました児童福祉法改正法案におきましても、市町村が中心となって、虐待を受けた児童など要保護児童に対する支援のネットワークの運営等に関する規定を整備し、虐待の予防や早期発見を促進し、それに対して都道府県、児童相談所が連携、後方支援をするという措置を講じようとしておるものでございます。
このネットワークでございますけれども、これは、警察、それから学校、今委員がおっしゃいましたスクールカウンセラーというのももちろん入ってまいりますが、保健所とかそういった関係機関ということを考えております。及び保護者指導に関する司法関与の強化ということも改正に盛り込んでおりますので、制度的な面からの虐待防止対策の充実を図ることとしており、これらのさまざまな取り組みによって虐待防止に万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○泉(健)委員 厚生労働政務官に引き続きお伺いしたいんですが、それで実際に、その中には、不登校について児相の中で調査票なりをつくるところまで体制がいっているとお思いでしょうか。
○佐々木大臣政務官 残念ながら、今のところでは、もしかしたらいっていないかもしれない、十分ではないかもしれませんので、この点については考えさせていただきたいと思っております。
○泉(健)委員 ここで、やはり担当大臣、見ていただいたとおりだと思うんですね。基本的な不登校、今回のケースで言えば、学校に行っていなかったことは確実にだれから見ても明らかだったわけですね。しかし、学校に行っていないことだけをもっては児相に相談しませんよという体制になっていたことが一つ問題だったのじゃないかなと思っております。それを踏まえてこの連携を強化していかなければならないと私は思っておりますので、どうか改めて御認識の方をお願いしたいと思います。
さらに、文部科学省さんの方にお伺いしたいと思います。
一週間ほど前の予算委員会で、我々の原口議員が、不登校の児童の安全確認ができているのかということを質問させていただきました。そうしますと、大臣の方は、早急にこの調査をさせていただきますというふうにおっしゃられておりましたが、その後、結果はどうなっておりますでしょうか。
○金森政府参考人 お答えを申し上げます。
児童虐待の早期発見、対応の観点から児童生徒の状況の把握に努めることは重要でございまして、文部科学省におきましては、不登校児童生徒が家庭などにいる場合につきましても、学級担任等の教職員が児童生徒の状況に応じて、家庭の訪問を行うことなどを通じてその状況の把握に努めるよう指導しているところでございます。
御指摘の不登校児童生徒のうち、安否確認ができていない児童生徒がどのくらいいるかということにつきましては、現在、私どもでは全国的なデータを持っておりませんので、今後、長期間学校を休んでいる児童生徒に関し、学校が把握している状況につきまして都道府県教育委員会を通じて調査することといたしておりまして、その準備を進めているところでございます。
○泉(健)委員 河村文部科学大臣が答弁で言っているんですね。状況把握に努めるということで今指導もしていると。そして、具体的な数字、全国的に安否が、状況がはっきりできないという状況をまず数的につかんでいないことがわかったので、これは早急に把握する必要があると私も思っておりますというふうに言っております。早急にとはいつまででしょうか。
○金森政府参考人 お答えを申し上げます。
現在、私どもでは、長期間学校を休んでいる児童生徒に関し、学校が把握している状況につきまして調査をする準備を進めているところでございますが、きょうが金曜日でございますけれども、来週早々にもそのための調査を発送したいと思っておりまして、現在、その調査でどういうふうな調査の仕方をすると正確な実態の把握ができるかということで準備をしているところでございます。
○泉(健)委員 ちょっとこれはまずいんじゃないかなと思いますね。というのは、やはりその間にも、もしかすると虐待を受け続けているケースがあるかもしれない。もしかすると、文部科学省さんの調査を待ったら一年、二年なんという話になるんじゃないのかなと。じゃなければいいんですけれどもね。
ただ、香川県は今回の事態を受けて、もう県として動いておられます。そういう状況に対して、なぜ今文部科学省さんが、大臣が早急にやりますと言っていることを、一週間たって、また来週にやります、これはおかしいんじゃないですか。政務官、どうですか。
○馳大臣政務官 先般、予算委員会で大臣が、しっかりと実態調査に入ります、児童虐待と認める、あるいは思われる事案について早急にと申しておりますし、それを考えれば、四月にはまた新学期も始まりますし、それを待っておるわけにもまいりません。いつ幾日までとは、具体的な日にちは確かに申し上げることができないのは御理解いただきたいんですが、まさしく、早急にその実態の把握をと。
要は、私も先生のおっしゃることはわかるんですよ。不登校の実態というのはわかっているわけですね。来てないわけですから。三十日以上、経済的問題ではなく、また精神疾患上、いわゆる病気とかの問題ではなく来てないんですから。
実際には、福岡市などのようにマンツーマンで、対面で把握しているところもございます。そういったことを考えれば、早急に、要はマンツーマンで本人と面会をして、また御家族に事情をお聞きして、そういった形で速やかに行うということをまず御理解いただきたいと思います。
○泉(健)委員 ぜひ、この件については早急に調査をしていただきたいと思いますし、もちろん不登校児というのはいろいろなケースがありますから、その方々に配慮もした上の、ただ、虐待というのは緊急なケースですので、あるいは不登校の中ではすぐ分類が可能なものだというふうに認識をしておりますので、より一層速いスピードでの調査をお願いしたいと思います。
時間が余りありませんので、もう一つ、先の質問に行かせていただきます。
文部科学省さんにお伺いをしたいんですが、現在、児童への調査として、虐待を受けたことがあるかということを調査されたことがありますでしょうか。
○金森政府参考人 お答えを申し上げます。
児童生徒に虐待を受けたことがあるかという調査は今まで私どもございませんものですから、このたび、長期間学校を休んでいる児童生徒に関する調査とあわせまして、児童虐待の発見や疑いにより学校が関係機関等へ通告、連絡、相談を行った児童生徒につきましてもあわせて調査をいたしたいと考えております。
○泉(健)委員 もう一つ、虐待を受けたと児童から幼稚園、学校に対して申告のあった件数というのは調査をされていますでしょうか。統計があれば教えていただきたいと思います。
○金森政府参考人 お答えを申し上げます。
児童から学校に相談のあった件数につきましては、それぞれの学校で、また教育委員会で把握しているところもあるかと存じますが、私どもとして、全国的なデータとしてはそういった数字を把握していないところでございます。
○泉(健)委員 これは、厚生労働省の方は、児相に対する通告先というのはいろいろあるわけですが、学校からの件数というのは出ているわけですね。二千八百八十二件、こういうデータが出ている。このデータのとり方一つ、あるいは取り組み一つとっても、やはり文部科学省と厚生労働省の方の連携ができていないのではないか、情報共有ができていないのではないか。言葉で連携と言うのは簡単なんです。情報共有、ネットワーク、すばらしいと思うのです。でも、実際、運用でできていない。これを何とかもう一回再認識をしていただいて、運用がしっかりされなければ、この問題の解決にはならないんだという御認識をもう一度持っていただきたいと思います。
ほかにもいろいろございます。例えば、実例を挙げると申しわけない部分もあるんですが、ある県の子供虐待防止マニュアル、ホームページが出ております。この中には、子育てに悩む親、子供が夜泣きで困っていますということに対して、QアンドAで書いているわけですね、マニュアルの対応を書いている。そこには、一人で頑張らないで友達に助けを求めましょうと書いてあるんですが、児相に連絡しましょうということが書いてない。それで、虐待をして体罰が繰り返されて、自分に歯どめがきかないようになったら、児相に相談してくださいなんということが出ているわけですよ。こっちにもあります。子供の虐待が深刻な場合には、児相に速やかに連絡をしてくださいとか。
こっちはまた首都圏の方の別な町ですが、保健婦の児童虐待対応マニュアルですね。虐待の情報を入手したときは、さらに情報を収集し、検討、現状の確認を行い、ランクを決定します。これらのケースは防止ネットワーク会議で協議をされ、児相がかかわったらいいという問題は児相に速やかに連絡されますとなっているわけですね。
しかし、そもそも保健婦というのは、第五条で、早期発見の努めがあり、そして第六条で、すぐ通告をしなければならないとなっているわけですよね。この現状について、厚生労働政務官、どう思われますか。
○佐々木大臣政務官 制度と運用というのがございまして、制度ではそうなっていても、なかなか運用ではうまくいっていないというケースにそれは該当するのではないかと思われますが、通知なり、これから指導なりというのをきっちりと徹底してやっていかねばならないというふうに考えております。
○泉(健)委員 これでもう最後にさせていただきますが、今指摘をさせていただきましたのは、とにかく、まず連携が必要です。しかし、連携のみならず対応が現場で必要なわけですね。その対応とは、実際に動かなければこれは対応にならないわけでして、幾ら大人が頭を突き合わせて会議を開いても、実際に子供たちに届かなければ、これは虐待対応したことにはなりません。確実に対応のできる形をとっていただきたい。
そのために国がやらなければならないのは、まず、縦割りの行政を改めるために、今回、こうして青少年の委員会ができ、我々の議員立法に対して小野大臣がこうして出席をしてくださっているわけですよね。であるならば、小野大臣、やはり、冒頭にも申しましたが、各大臣とお話をしていただく、そしてまた、それぞれの大臣に強く、この運用面も、細部までしっかり押していただきたいということを強く申し入れをしていただきたいと思いますが、最後に一言お願いいたします。
○小野国務大臣 さまざまな議論を拝聴させていただきまして、私も、連携、そしてまた運用という言葉を何度も使わせていただきますけれども、改めて、現実をしっかり踏み固めていかなければならないという気持ちを持たせていただきました。ありがとうございました。
○泉(健)委員 どうもありがとうございました。
|
|
|