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公益通報者保護法案の審議
○答弁者
国務大臣(経済財政政策担当) 竹中平蔵君
内閣府大臣政務官 西川公也君
政府参考人(内閣府国民生活
局長) 永谷安賢君
○山本公一内閣委員長 次に、泉健太君。
○泉健太委員 きょうは、大臣、ありがとうございます。先日、代表質問の方をさせていただきまし
て、御答弁もありがとうございました。
また、いろいろな分野を担当されている大臣でございますので、非常にいろいろ頭を
切りかえていかなければならないかもしれませんが、国民は本当に、この法律、必要性を含めて、非常に注目をしておりますので、どうか、この審議を充実した
ものにしていきたいと思いますし、先日も、委員会審議の中では、いろいろなことについて、国会でやはりこの法案を議論していこうということが与党議員の方
からも話がありましたので、継続してこれからもやっていけるものというふうに解釈をしておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いしたいというふうに思
います。
まず、この公益通報者保護法なんですけれども、やはり一般の国民の皆さんにとって
は、自分自身が当事者になる機会というのはいつなんだろうかといっても、なかなかこれはイメージがつきづらいものだと思うんですね。しかし、目の前でそう
いう事態が起こったときに、正義感というものが日本人であればやはりあると思うんですね、日本に住む人であればあると思うんです。そういう正義感に基づい
て公益通報しようと決意をするわけなんですけれども、ここで一つ、大臣御自身がこれまでの人生の中で公益通報を行いたくなるような場面に遭遇したことはあ
るかどうか、ちょっとお答えいただきたいと思います。今でも結構です。
○竹中国務大臣 政策を考える場合に、常に我が身に置きかえて、しっかりと地に足をつけた議論をし
ていくということは大変重要だと思います。その意味で、私自身がどうだったか、大変よい視点から御指摘をいただいたと思っております。
通告をいただきまして、つらつら振り返りまして、また、今はどうなんだというよう
な声もございますけれども、振り返りまして、これは幸いにしてと言うべきか、私の周りで特に法令の違反とかそういうものがあって、これはいかぬぞ、そのよ
うな問題に直面したということは私の場合はございません。今まで、金融機関等、また大学、政府、研究所、いろいろなところで仕事をしてまいりましたけれど
も、まさに今回の法律の対象となっています労働者として私が仕事をしていた時期を通しまして、幸いにしてとあえて申し上げますが、そのようなことはござい
ませんでした。
○泉健太委員 同様の質問を、政務官はいかがでしょうか。
○西川大臣政務官 私も県庁の職員を長くやっておりまして、疑問の点も時々ありましたけれども、奮っ
て名乗りを上げて申し上げる、こういう場面に遭遇したことはございません。
○泉健太委員 疑問に思われたケースもあったかもしれないというようなお話もございましたが、や
はりそこの決断をするに当たっても、自分自身がどれだけ情報を持っているのか、そしてまたこの情報を本当にここで決断して出していいのかというのは、政治
家の皆さんで、今こうしてされている皆さんですら疑問に思うぐらいですから、相当な決断が要るということを、まず私たち政治家自身もこれは心にとめておか
なければならないと思うんですね。
いろいろな内部告発の方々がおられるわけですけれども、ある方の御意見というか思
いを吐露した文章もありまして、日本の社会風土は告発という行為を思いのほか受け入れてくれない、この実情をわかってほしいと。おもしろおかしく取り上げ
られる、自分の本当にやりたかったこと、本当は社会をよくしていきたいというふうに思ったことが、本人の利益ではないか、あるいは何か会社に恨みがあった
のではないか、いろいろな言われ方をすることによって、外からその姿勢というものがねじ曲げられてしまう可能性が多分にあるということをやはり御理解いた
だきたいというふうに思います。
代表質問で重要な論点は大体指摘をさせていただきましたので、きょうは、その答弁
も含め、また前回のこの委員会の質疑の答弁も含めて、より突っ込んだ議論をしていきたいというふうに思っております。
まず、この法案の前提について、背景についてお伺いをしたいというふうに思ってお
ります。
公益通報者保護法、いろいろな社会的な事件等々があったかというふうに思いますけ
れども、この法が政府で初めて検討されたのはいつになりますでしょうか。
○永谷政府参考人 平成十三年の十月から、国民生活審議会の消費者政策部会のもとに設置されました自
主行動基準検討委員会、そういう場が設置されまして、その場におきまして、消費者の信頼を回復するための事業者による消費者対応のあり方などについて審議
がなされております。そこでの審議というのが平成十四年の十二月に取りまとめられまして、その報告書の中で、公益通報者保護制度の整備が必要という提言が
なされております。
その後でありますけれども、昨年の一月に、同様に、国生審の消費者政策部会のもと
に公益通報者保護制度検討委員会なるものを設置していただきまして、そこで制度の具体的な中身につきまして審議を重ねてきたということであります。
○泉健太委員 その理由となった具体的事件、もしありましたらお答えいただきたいと思います。簡
単にで結構です。
○永谷政府参考人 先生も多分記憶しておられるんじゃないかと思いますけれども、車のリコール隠しで
ありますとか、食品の偽装表示でありますとか、原子力発電所のトラブル隠し、あるいは医療ミス、そういう相次ぐ事業者の不祥事というのが引き金になって、
それらのケースのほとんどが事業者内部の関係者からの通報によって明るみに出たということで、保護制度をすぐつくる必要があるんじゃないかというふうに認
識してやったということであります。
○泉健太委員 政府から配付をしていただいた資料、「背景」というふうに書いてあるわけですけれ
ども、「消費者の信頼を裏切る企業不祥事の続発」というふうに書いてあるわけですね。
ただ、我々、これを見たときに少し違和感を覚えました。というのは、それ以前に行
政の不祥事というものがあったはずではなかったのかなというふうに認識をしているところなんですね。外務省不祥事を初めとして公金の横領問題ですとかそう
いったことがあったにもかかわらず、いただいた資料には、確かに「労働者」という中に公務員が含まれている部分はございますけれども、「背景」に全くその
行政不祥事ということが書かれていないわけですね。この理由について、お聞かせいただけますか。
○永谷政府参考人 行政の不祥事について、私どもがそれを無視したということでは全くありません。要
は、私どもでこの制度を考えた、その考えるきっかけがたまたまそういう企業の不祥事というものに端を発していたということで、そこについて、その通報した
人が不利益をこうむらないようにしてやる必要があるんじゃないかということが引き金になってこの制度を考えたというだけの話であります。
○泉健太委員 いやいや、もしそれがきっかけでこの法案の検討がスタートしたというのであれば、
それは少し足らない部分があるのではないかなと私は思いますね。やはり行政の不祥事というものも背景にあるはずなんですよ。たまたまこの法案の前後に、前
後にというか、いろいろな民間の事件が起こったからそれを書くというのは確かにわかりますけれども、少しさかのぼって見てみれば、当然、行政の不祥事が出
てくるわけですね。
ですから我々は一昨年の五月に、民主党として、公益開示法というものを、公務員対
象のものを、公金流用も含めた形のものを提出しているわけなんです。そういった意味から、行政の不祥事も背景にあるというふうにお認めをいただけないで
しょうか。
○永谷政府参考人 今回のこの公益通報者保護制度でありますけれども、官と民と同様に対象にして考え
ているということが物語っているのではないかなというふうに思います。
○泉健太委員 今のお答えでもう御認識をいただけたというふうに思います。
実際、これはどのような機関で、何度ぐらいの検討を重ねられたんでしょうか。
○永谷政府参考人 検討の場でありますけれども、これは、先ほども申し上げましたように、国民生活審
議会の消費者政策部会のもとに設置されました公益通報者保護制度検討委員会であります。この委員会で、企業の不祥事が頻発している、そういう事態を踏まえ
て、昨年の一月から五月にかけて都合六回の会合を開いております。
○泉健太委員 その審議会のメンバーもいたかというふうに思うんですが、検討期間は十分だったと
いうふうに、これは共通認識としてその審議会メンバーが持たれているというふうに考えていいでしょうか。
そしてまた、この法案を作成するに当たって、各国同様のこれに類する法律というも
のがあると思いますけれども、どちらの国のものをイメージしておつくりになられたか、それをお伺いしたいと思います。
○永谷政府参考人 検討の期間が十分であったかという御質問であります。
この手の検討というのは、時間をかければいい、かければかけるほどいいのかといっ
たら、そこは必ずしもそうではない。ある程度のスピード感を持ちながら事態への対応というのを考えていくのが本来あるべき姿なんだろうと私はかねがね思っ
ております。
そういう意味で、制度の必要性でありますとか通報者の保護でありますとか保護要件
といった制度の基本的な考え方について、今申し上げました都合六回の会合で十分に議論を重ねて、おおむね合意を得ながら取りまとめているというふうに考え
ております。
○泉健太委員 非常にすばらしい御答弁をいただいたというふうに……(発言する者あり)
○永谷政府参考人 済みません。もう一つ、どこの制度をモデルにしたかという質問、ちょっと忘れてい
まして、失礼いたしました。
この公益通報者保護制度でありますけれども、イギリスに包括的な公益開示法という
のがございます。それから、アメリカの連邦法、州法、それからオーストラリア、ニュージーランドといった、いわゆるアングロサクソンの国で法整備がなされ
ているということであります。
○泉健太委員 いい御答弁をいただいたので、ついつい二つ目を聞くのを忘れてしまうところでし
た。
今、時間がかかればいいものではない、スピードも大切だというふうに言っていただ
いたと思います。その思いを、ぜひ、この施行期日及び見直しの期日の前倒しというところにつなげ
ていただきたいなというふうに思います。
やはり、公布してから三年、そして見直しが五年ということでは、私は、それこそ今
おっしゃったような、時間をかければいいものではないというふうに思いますし、周知徹底を図るという意味でも、やはりスピード感、そしてそれだけのプレッ
シャーみたいなものもなければならないというふうに思っておりますので、ぜひ今の思いで、この施行期日についても、これは大臣、政務官含めて、ぜひとも一
年、三年という形でお認めをいただきたいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○永谷政府参考人 この法案でありますけれども、営利企業、まあ営利企業といっても大企業もあれば中
小企業ももちろんあるわけですけれども、そういう営利企業であるとか、行政機関、それから各種の非営利団体なども含めて、あらゆる事業者を対象とする制度
であります。
したがいまして、先ほど来お話が出ておりますけれども、制度の周知それから事業者
の通報受け付け体制の整備というような部分に十分な準備期間を設ける必要があるというふうに片一方では考えておりまして、まさに、公布後二年以内の政令で
定める日から施行するというふうに考えております。
○泉健太委員 ここは本来、少しさっと通り過ぎようかというふうに思っていたんですが、少し問題
もあるような気がするんですね。
国民の生命、身体、財産、やはりこういうものを守らなければならないということで
今この法律の審議をしている。そしてもちろん、先ほどおっしゃったように、国民生活審議会の審議もスピードアップをして、国民のニーズにこたえるために頑
張ったわけですね。
とすると、これは、仮に公益通報をしようという人があらわれてきても、三年後まで
保護をされないというふうになってしまうのではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
○永谷政府参考人 施行後五年の見直しというのが問題ではないかという御質問であります。(泉健太委
員「違う、違う。三年後だと守られないんじゃないか」と呼ぶ)
それは、先ほど来何回も申し上げていますように、今回のこのルールにのっとった通
報であれば、当然その保護の対象になるわけですね。この要件に合致しない通報をするというのは、それはそれで、当然なされて構わない。それで、今までどお
り、解雇権濫用に関する一般法理等で当該問題については判断されるということであります。
○泉健太委員 委員長も首をかしげております。
だったら法律は要らないんですよ。三年というのは物すごい長い時間だと思うんで
す。千日以上なわけですね。京都で高僧が修行する千日回峰行というのがありますが、それが一回できるぐらいの長さですよ。それだけ公益通報する方々の苦し
みが持続し、また、公益通報ができるかどうかという思い、悩みを持ち続けなければならない。あるいは、それによって公益に対する大きな被害、損害が出るか
もしれないわけですね。
でも、法律ですから、最低限の周知期間は私は必要だとは思います。しかし、今こう
して国民のニーズがある中で、三年というのは余りにも長いのではないか。せめて施行期日を、今のところ公布から三年というふうになって……(発言する者あ
り)二年ですか。二年というふうになっているわけですけれども、やはりこれは一年以内というふうに変えていただくことが必要ではないのかなというふうに
思っております。
次の質問に移らせていただきます。
パブリックコメントを政府がとられたというふうに思っておりますけれども、このパ
ブリックコメントによって、当初の骨子から現在の政府案に、どこがどのように変わったのか、そしてまたその理由をお聞かせいただきたいというふうに思いま
す。
○永谷政府参考人 パブリックコメントの結果を踏まえました骨子案からの主な変更点であります。
一つは、犯罪行為等が生ずるおそれについての通報は、その当事者間の事実関係の相
違というか、紛れを生ずる可能性が高いということで、「生ずるおそれ」と言っていたものを、「まさに生じようとしている」というふうに修正しております。
第二条第一項、あるいは第三条にかかわる部分であります。
それから二つ目には、内部通報をしてから二週間を経過してもその調査の開始等がな
い場合に外部通報をできるというふうにしていた規定を、「二週間」ではなくて「二十日」というふうに修正し、社内手続等に要する期間に配慮をしたというこ
とであります。これが第三条の第三号にかかわる部分であります。
それから、骨子に記述がなかった点で、パブコメの結果を踏まえて新しく規定を追加
したものがございます。それが、本法案の対象とならない通報については現状どおり一般法理に基づいた保護が図られるとする点を明確にするという規定を置い
ておりまして、労働基準法第十八条の二が従前どおり適用されますという「解釈規定」を置いております。これが第六条の第二項にかかわる部分であります。
それからもう一つが、仮に公益通報であっても、それに伴って例えば個人情報を漏ら
しちゃったとか国家の機密を漏らしちゃったとかいうような場合に、その刑事上、民事上の責任というのは免責されるものではないというふうに制度を考えてお
りまして、そこを明確にするという観点から、通報者の努力義務というものを第八条に設けさせていただいているということであります。
○泉健太委員 これは代表質問でも話をしましたけれども、消費者団体や弁護士会ですとかそういっ
たところからは、パブリックコメントを受けてこの法案がどんどん後退をしていっているというふうに言われているわけですね。そういった御認識はございます
か。
○永谷政府参考人 制度自体をどうやって円滑に導入していくかということ、そういう配慮に基づく修正
であろうと思っております。
今申し上げましたような変更で、私どもが考えておりました政府案の骨格が変更され
たものではないというふうに思っております。
○泉健太委員 でも、実際のところは、それだけ消費者団体ですとか弁護士会がこういう声を上げて
いる、そのことは事実なわけですから、やはりそういった声に真摯に耳を傾けていただきたいと思います。それがそもそも国民生活審議会というものであったは
ずでしょうし、このパブリックコメントの本来の役割だというふうに思うんですね。パブリックコメントという名目でどこの声を聞いてしまったのかというとこ
ろは、やはりしかし考えていかなければならないのかなというふうに思っております。
でも、我々は希望を捨てずに、これはやはりできる限り修正をして、また、竹中大臣
が代表質問のときの答弁で、今の時点で最良のものというおっしゃられ方をしましたが、恐らくそれは、今の答弁をお伺いしますと、円滑にというような、いろ
いろな妥協も含めて最大限頑張ったものだというようなことなんだろうなというふうに思います。我々野党もそういう意味では協力をいたしますので、もっと最
良のものをつくっていきたいというふうに思っております。
そして、またさらに進みますけれども、対象法令の部分についてお伺いをしたいとい
うふうに思います。
先ほど、イギリスを参考にして、もちろんアメリカ等々も入っておりますけれども、
こういった公益通報者保護法をつくっていったというようなお話をいただきましたけれども、イギリスでは、対象法令ということで、法令だけではなくて、情報
の隠匿ですとか環境の破壊というような一般的なそういった侵害についても対象としているというふうに認識をしておりますけれども、そういったものを含める
ということは検討はなされていないんでしょうか。
○永谷政府参考人 この法案では、国民生活審議会での議論を踏まえまして、保護される通報の範囲を明
確化する、予測可能性を高める、そういう観点から、犯罪行為それから法令違反行為を通報の対象としております。
今、泉先生おっしゃっておりました情報隠匿でありますとか環境破壊でありますけれ
ども、例えば、その情報隠匿が刑法の証拠隠滅罪に該当する、あるいは環境破壊については大気汚染防止法とか廃棄物処理法とかいうような法律が対象になると
いうのは書いてございますけれども、そういうものに該当するものにつきましては対象となるというふうに考えております。
○泉健太委員 該当するものが対象になるのは当たり前の話でして、そう聞くと何か全部うまくいく
ように聞こえてしまうんですが、やはりそうではないと思うんですね。
例えば、平成九年になりますけれども、シックハウス被害があって、そういった事例
に基づいてこの法というものを検証してみますと、例えば、厚生省の指針値というのがあって、それに違反をしていた、化学物質の指針値、その基準をオーバー
していた、それで結果的に健康被害が出た、しかしこれは別に何か罰則があるようなものではなかったというケースもやはりあるわけでして、そういった意味
で、やはり個人の健康に被害が出てきたりというケースは、法令違反にかかわらず、あるというふうに思うんですね。そういったものにもやはり対応できるよう
な公益通報者保護法にしていくべきではないのかなというふうに私は思います。
そして、この法律の中では七本の法律が別に書かれているというふうになっていますけれども、これは竹中大臣が代表
質問でバランスよく例示をしたというふうにおっしゃられていましたが、バランスよくという、そういったものは、基準として明確なものというか、採用される
べきものなんでしょうか、大臣。
○竹中国務大臣 先般の四月二十七日の答弁で、私そのように答弁をさせていただきました。その瞬
間、議席で委員が首をかしげておられたのを私も記憶しておりますけれども。その趣旨は、まさにこの法案が対象とする国民の生命、身体、財産その他の利益。
例示を振り返ってみますと、実は、財産等々に関連する、経済的な利益に直接関連するものが非常に多くなっている。その意味で、独禁法にかえて個人情報保護
法を掲げることにした。
まさに、バランスの意味は、国民の生命、身体、財産その他の利益、そういう幅広く
できるだけ見るんだということを示す意味からも、個人情報保護法を掲げた、私はこれはやはり、まさにバランスをよく示すという意味ではよかったのではない
かなというふうに思っております。
その意味で、先般答弁させていただいたのはそのとおりでございまして、その趣旨を
何とぞ御理解賜りたいと思います。
○泉健太委員 いろいろ憶測を呼ぶようなことをそもそもやらなければいいのではないのかなという
ふうに思うんですが、先日の委員会での答弁でも、まず、生命、身体、財産の保護が必要だというふうに言っているわけですね。それを例示するということで、
生命、身体の保護にかかわる法令の代表例は刑法及び食品衛生法、消費者の利益擁護にかかわる法令の代表例は証取法及びJAS法、環境保全は大気汚染防止法
及び廃棄物処理法、二本挙げていたりするわけですね。その他利益の保護にかかわる法令の代表は個人情報保護法。
ここでは、明確に財産のと言っているのが実はないんですよね。ぼかした表現になっ
ているわけです。何だか逆にバランスが悪いような気がするわけですね。生命、身体、財産と先に三つ挙げておきながら、一つ一つ説明したら財産という言葉が
ないというのは、やはりこれは何かおかしいなという気がいたします。
ともかく、ここに書かないにしろ、当然独禁法は恐らく入ってくるというふうに認識をしてお
りますけれども、これは政令で定められるものの中にも含めて、そういう認識でよろしいでしょうか。
○永谷政府参考人 法令上は、通報対象の分野というものも、七つの法令以外に分野という形で掲げてお
りまして、その中に「公正な競争の確保」というものを入れております。したがいまして、私ども、独
禁法というのはその公正な競争の確保にかかわる法律であると認識しております。
そういうような点を踏まえながら、国民生活への影響の大きさ等につきまして精査を
行った上で、パブリックコメントなどにより各方面の意見も聞いて、判断していこうというふうに思っております。
○泉健太委員 実はここの部分を質問のために勉強するに当たって、大変残念なんですが、別表を資
料としていただけないですかという話を事務所からさせていただいたんですね。そうしたら、拒否をされまして、それはそういうものなんだなと最初は思ったん
です。そうしましたら、前回の委員会質問の中で大口委員が、「四百八十九本の法令が、一覧表を私もいただきました」というふうに言っておりまして、野党で
すけれども、やはりそれは残念だなという思いがいたしてしようがないんですね。
でも、やはりこれは、我々一人一人、同じ有権者の信託を受け、負託を受け、こうい
う仕事をさせていただいているわけですから、こういった資料の格差が出てきてしまっては国会でいい議論ができるわけがないと思うんですね。大臣、この状態
についていかがお考えですか。
○永谷政府参考人 泉先生からそういう要請があったのがいつの時点であろうかというのを私も今の段階
でよく承知していないんですけれども、いずれにしましても、いろいろな時点でいろいろな案があったということであります。
したがいまして、恐らく、御依頼を受けた時点で、政府として決定したものではない
ということで、まさに内容的にも暫定的なものであるということでもって、お渡ししなかったんじゃないかなというふうに思っております。
それ自体、とても不愉快な思いをされたとすれば、謝りたいと思います。
○竹中国務大臣 御依頼を受けた時点で、政府として、これは正式なものではなかったと。与党と相談
する中でいろいろな議論をいたします、そうした中での資料等々、これは暫定的なものであり、そうした意味でお渡しをしなかったものであるというふうに認識
をしております。
○泉健太委員 暫定的なものであれば、ほかの議員にとっても暫定的なものは変わらないわけですか
ら、そっち側に渡ってこちらに渡ってこないというのはやはりおかしな話だと思うんですね。それをよくあることだというふうにそのまま見過ごしてしまって
は、これはいい議論ができないわけですし、非常に残念なわけなんですね。(発言する者あり)
資料の提出、お願いします。
○山本委員長 何を要求しているんですか。
○泉健太委員 四百八十九本の別表です。
○山本委員長 今お話がありました件につきましては、ちょっと理事会で
協議させていただきたいと思います。
○泉健太委員 ぜひこの四百八十九本の法令、今の時点で決まっているわけがないはずなんですよ。
これから一つ一つ吟味をしていく。しかも、先日の委員会の中では、国会の中での審議ということも含めてというような発言もあったと思っておりますので、当
然これは、これからも委員会でこの法令についてどう書こうかということを話し合いをしていくものというふうに私たちは認識をしていますから、片一方の委員
に出されていて片一方の委員に出されていないという状況はやはりおかしいというふうに思っておりますので、資料の提出を要求したいと思います。(発言する
者あり)では、理事会でお願いいたします。
次に質問をさせていただきます。
改めてになりますが、政令で定める際の今後のスケジュールをちょっと教えてくださ
い。
○永谷政府参考人 この法案の施行でありますけれども、先ほど来申しておりますが、制度の周知とか事
業者及び行政機関の体制整備等の準備期間を考慮するということで、公布後二年以内の政令で定める日としております。附則の第一条にあるとおりであります。
それを踏まえれば、対象法令を定める政令でありますけれども、今の法案が今国会で成立すれば、平成十六年度中には制定したいというふうに思っております。
○泉健太委員 先ほど資料の提出を要求しましたが、今後もいろいろとそういった新しい資料が作成
されれば、これはもう当然資料を提出していただけるものというふうに思っておりますので、それも今後お願いをしたいというふうに思います。
そこで、先日の委員会審議の中では、これは官報で周知をされるというようなお話を
お伺いいたしました。官報以外に周知をされる手段というものはございますでしょうか。
○永谷政府参考人 官報というのは一つの公示の手段であるというふうに認識しておりまして、ただ、そ
れだけで足りるとは当然のことながら思っておりません。ではどうするのかということでありますけれども、まさに十分に周知を図っていくために、説明会を開
催するとか、あるいはシンポジウムをやるとか、解釈指針とかガイドラインを作成する、あるいはパンフレットとかハンドブックを配布する。予算との相談もあ
るんですけれども、我々ででき得る限りのことを検討していこうというふうに思っております。
○泉健太委員 私は、先日の答弁を聞いていまして少し不安を感じました。それは、業種ごと、事業
者団体等を通じて周知を図る、恐らくこの方法でいくと、肝心の労働者の方にまで情報が行かない可能性が十分にあるわけなんですね。事業者の方には行って、
一生懸命対策を練る、ヘルプラインをつくる。そういうのも労働者にとってもありがたい一つの対策ではありますけれども、やはり労働者自身がどの法令があるんだということを理解しなければならないわけですので、もちろんインター
ネット等々を含めて、末端まで届く政令の周知というものをぜひお約束いただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
〔委員長退席、大村委員長代理着席〕
○永谷政府参考人 おっしゃるとおり、労働者
にその政令の中身が、あるいはその法律の中身が極力浸透するように広報活動に努めていきたいというふうに思います。
○泉健太委員 次の質問に行かせていただきます。
私は、この間の代表質問と先日の委員会質疑をお伺いしていまして、少し疑問に感じ
たところがあります。それは、私の代表質問に対して、大臣はこう答弁をしております。労働者が一定の知識を有している、だからこそ、ちょっと読むと、本法
律案の公益通報者といいますのは、事業者内部の、内部の労働者であるために、当該事業者が遵守すべき法律につきましては一定の知識を有しているというふう
に考えられます、このため、対象法令の範囲が明確化されれば、当該事業者の法令違反行為が通報対象か否か判断できるものというふうに考えているわけでござ
いますというふうにおっしゃられていますけれども、この御認識で今もよろしいでしょうか。
○竹中国務大臣 基本的にはそのとおりでございます。
○泉健太委員 その労働者が、一方ではこうも言われています。労働者の主観による合理的でない思
い込み等々があるから、やはり「おそれ」ではなくて、まさに生じようとしているときと。いろいろな理由のときに、こういう言われ方を労働者はされているわ
けですね。先日の葉梨議員の議論でも、警察官はプロであるし、それでも厳しいただし書きというか言葉があるから「おそれ」という言葉が使われているんだと
いうふうにおっしゃっておられました。
そう考えると、一番最初の代表質問の答弁からいくと、労働者は一定の知識を有して
いる、まさにその業種業種ごとのそういった法令もよく知っているということであれば、これはまさにプロではないのかなというふうに私は思うんですね。まし
てや、ましてやというか、お金をもらってお仕事をしているんであれば、これは当然、アマチュアだというふうには普通ならないはずですけれども、労働者とは
素人なんでしょうか、プロなんでしょうか。大臣、お願いします。
○竹中国務大臣 素人、プロ、明確な線引きがいろいろなところにあるわけではないと思っておりま
す。しかし、その職についている者は、一般的に、他の一般的な方々に比べればそれなりの知識を持って、経験を持ってお仕事をしておられる、そのような立場
にあろうかと思います。
しかし、誤解を避けるために申し上げますが、常に一〇〇%の知識を、非常に詳細な
法律の条文にわたって知識を持っているかというと、現実問題としてそんなことはあり得ないわけでございます。その意味では、あくまでも私自身は相対的に申
し上げているわけでございますけれども、正確な知識を一〇〇%持っているわけではない。
その意味では、こうした制度の周知徹底を図るというのは、先ほど委員のお尋ねにも
ございましたけれども、やはり同時に行っていくことは法の円滑な執行上大変重要なことであるというふうに私たちは思っております。
それから、委員、もう一点、私の答弁について御言及をいただきましたけれども、そ
れは、事実の認識について、仕組みがどうかということではなくて、事実の認識等々について思い込みがあるような場合もあり得ると。
例えば、ちょっと極端な例で大変恐縮でありますが、恐らく証券会社に働いている方
は、多くの方々、資格も取っておられるということで、証券取引法等々、やはり枠組みについてはお詳しいのだと思います。一〇〇%知っているとは言いません
けれども、お詳しい。そこは前提にしてよろしいのではないかと思います。ただ、事実認識については、あの部長は悪い人だ、例えばそういう思い込みがあった
もので何か誤解があってはならない。その意味では、事実認識に当たっては、まさにそれなりの要件を具備しているという慎重性が必要なのではないか、そのよ
うな趣旨の答弁をさせていただいたわけでございます。
○泉健太委員 そのところは、しかし、少々やはりダブルスタンダードのような気はいたします。確
かに、今おっしゃったような事実認識の部分とそうでない部分というようなお話ではあると思うんですが。
この法律をつくるに当たって考えなければならないのは、先日の委員会であった、消
費者基本法をちょっと思い出していただきたいんですね。この消費者基本法においては、消費者と事業者の間には情報の質、量、交渉力の格差があるということ
を明確にうたっているわけですね。だからこそ消費者の利益というものを擁護していかなければならないというふうなわけなんですけれども、労働者と事業者に
おいて、情報の質、量、交渉力の格差はあるというふうに認識を持ってよろしいですか。
○永谷政府参考人 労働者と事業者の間にも格差があるということだろうと思います。各種の労働規制等
が存在しておりますけれども、それも、そうであるがゆえにということだろうと思っております。
○泉健太委員 格差があるのであれば、やはり少し労働者の方を幅広に守っていく必要があるのでは
ないのかなというふうに思うんですね。
そう考えたときに、この「生ずるおそれがある」という部分においては、事実認識の
相違を生む可能性があるというふうに労働者の思い込みというものを想定し、一方では、法令を知っているか、知っていないかということでいえば、労働者は一
定の知識を有している。さまざまな労働者がいるにもかかわらずですよ、そこを考えていただきたいんですね。
やはり、社会を普通に、素直に見たときには、いろいろな労働者がいるはずですよ。
そういう労働者を、今のこの二つの考え方で使い分けをしているようでは守ることにはならないのではないのかなというふうに私は思いますが、いかがでしょう
か。
○竹中国務大臣 世の中、いろいろな方々がおられて、そうしたことに対するきめ細かな配慮が必要だ
という点では、私もそのとおりであろうかと思います。
ただ、現実に、法律をつくる法技術としまして、詳しい人にはこの条文を適用する、詳しくない人には別の条文を適用するということは、現実には、法技術と
しては不可能なのではないかと思います。
その意味では、労働者という一つのマスを想定して条文をつくった上で、我々としては、それが実効性を持ってうまく機能するように、しっかりとした、例え
ば先ほどから局長も答弁しておりますような法律相談のNPOのようなものがしっかりと立ち上がってくるようなものを現実としてつくっていきたい。
そこは、やはり法律だけですべてが解決するわけではありませんので、法律の仕組み
と、一方でそれをうまく円滑に活動ならしめる仕組みづくり、広報、周知徹底が入りますけれども、そのものをやはり両方しっかりやっていく。我々政策当局と
しては、その両方の責務を負っていると思っております。
○泉健太委員 先ほど、労働者と事業者については、やはり情報の質、量、交渉力の格差が存在する
というふうにお認めいただいたわけです。やはり、そういったことを踏まえてこの労働者の保護については考えていただきたいというふうに思います。
もう一点お伺いをしたいんですが、それでは、いわゆる下請の取引先と事業者につい
て、情報の質、量、交渉力の格差、特に継続的な下請業者についてどうお考えになられますでしょうか。
○永谷政府参考人 継続的な下請業者を保護すべきだという御趣旨、御主張だろうと思います。
これは、先ほど来申し上げていますように、事業者と事業者の間の契約を保護すると
いうのは、ある意味では契約自由の原則に反するということでありますので、そこについては今回の法律では対象に含めて考えていないということであります。
現実に、下請等、いろいろな苦しい状況等に追い込まれているというのがあるのであ
るとすれば、それはそれで、下請企業に関する法律の中でそれなりの対応が図られるべきなのではないかなというふうに私は思っております。
○泉健太委員 忘れてはならないのは、この法律をつくって公益通報が促されるということが大切だ
と思うんですね。もちろん、労働者を守るということがあって、それによって公益通報が促されるということなんですけれども、どうもそういう趣旨が政府側か
ら伝わってこないんですね。
実際に、雪印のケース、西宮冷蔵のケースは、雪印本体がつぶれたということで、確
かにそういう意味では契約がどうこうなったわけではないんですね。ただ、その前段階で西宮冷蔵の社長がどう思ったかといえば、これは御本人が明らかにして
いるように、当然、契約は打ち切られるだろう、それを覚悟してこの告発に臨んだということを言っておられるわけです。
そういうことを考えると、取引自由の原則というものがあるから慎重に検討すべきと
考えるというふうに答弁でもおっしゃられていましたけれども、私は、これはぜひ、慎重にでもいいので、やはり検討していただきたいというふうに思っており
ます。はなから検討しないということは間違いだというふうに思いますので、今後、可能性として下請業者を含んでいくということが必要だというふうに考えま
すけれども、検討はしていただけますでしょうか。
○永谷政府参考人 一応、今回の立法化の過程で、国生審の場でも、今先生がおっしゃいましたような議
論というのは当然のことながらやっております。やった上で、今回、こういう形でコンセンサスとして出させていただいているということであります。また、こ
れから先の法律の運営とか何かをにらみながら、どうしてもそこをやらなきゃいかぬという必要がもし仮に出てくるのであるとすれば、それはその時点で判断さ
せていただければというふうに思います。
○泉健太委員 これも先日の議論の中でということになるんですけれども、法令違反を通報対象に必
要だという要件にしているわけですけれども、例えば、葉梨議員の御指摘の中で、災害対策基本法とか道交法、こういったものが出てきておりました。
しかし、私は、そもそも、例えば一般人が、そこら辺で道路交通法違反をしている事
業者がいたからといって、それを通報することが公益通報だというふうに、今回のケースでどうのこうのなるものではないというふうに思うわけですね。当然、
公益通報者を保護する法律であって、その身分、立場を保障するものですから、何も一般の方が通報したことがどうこうだということではないというふうに思う
わけです。しかし、例えば道交法なんかでも、会社側が意図的に命令をして継続的に何か違反を強要していた場合、これはやはり公益通報になるのではないのか
なというふうに考えるわけです。
私の地元の京都でも、以前、会社側が意図的に社員にずっと違法駐車をさせていると
いうケースがありまして、歩道をずっと占拠していたわけですね。それは最終的には捕まったわけなんですけれども。そういった場合というのは、もし会社側か
らそういう指示があれば、これは公益通報ということになると考えてよろしいでしょうか。
○永谷政府参考人 今、泉先生がおっしゃいましたケースというのは、多分、道路交通法違反のケースな
んだろうと思います。ちょっと私、今よくわからないんですけれども、道路交通法で罰則がついて担保されているということで、かつ、その道交法自体を政令の
対象の中に入れるということになると、当然のことながら対象になり得るというふうに思っております。
〔大村委員長代理退席、委員長着席〕
○泉健太委員 そういう一つ一つ、ほかにもいろいろと事例を用意はしているんですけれども、要
は、政令で定めていくという部分で、今現在では、せっかくこうして国民の議論が盛り上がっているにもかかわらず、全く中身がはっきりしてこないわけなんで
すね。鳥インフルエンザしかり、車のリコールしかり、それが対象法令に含まれていくのかどうか、ここが今、国民には全く見えないという状況があるわけで
す。ぜひ国民に見える形で、しかも、より広く国民の通報が促されるような形での政令の定めということにお力を入れていただきたいというふうに思っておりま
す。
次に行きますけれども、ヘルプラインについてお伺いをしたいというふうに思いま
す。
このヘルプライン、今政府が考えられている理想的なヘルプラインの姿、これはどう
いうものかを教えていただきたいと思います。
○永谷政府参考人 まだ今の時点で理想的なヘルプラインというのがどういうものであるかということに
ついて深く考えてはいない状況にありますけれども、いずれにしましても、きちっとした、違法行為とかを通報する、通報した暁にはその通報した人の秘密とか
何かがきちっと保護されるというような形でつくらせていただければというふうに思っております。
今、内閣府に法令遵守対応室というものをつくらせていただいております。これは、
ここでどういうようなことをやっているかということでありますけれども、受け付ける情報の対象としましては、内閣府職員の行政上の行為の適法性に関するも
のというのを原則にしておりますけれども、そういう対象外の情報でありましても、通報がなされれば、それを真摯に受けとめて内閣府の適正な業務の推進に資
するということにしておりまして、対象外だからといって、形式的に、一律的に排除するというようなことはやっていないというようなことであります。
そういうような例等も見ながら、一番最適なヘルプラインというのはどうあるべきか
というのを考えさせていただければというふうに思っております。
○泉健太委員 ぜひ、深く考えている方に御答弁をいただきたいと思いますけれども、どなたかい
らっしゃいませんか。
○竹中国務大臣 政府が、ないしは経済財政政策担当大臣が、日本全体に対してヘルプラインかくある
べしというようなことを一つの規範として言うべき立場では必ずしもないと思っておりますが、こうした問題に関しましては、既に専門家によっていろいろな議
論がなされているというふうに思っております。
一例として、日本経団連で企業行動憲章がありますけれども、その中でヘルプライン
について述べられているということは、やはり専門家が今考えている一つのあるべき姿を示しているというふうに思います。
要件は幾つかあろうかと思いますが、私自身その中で特に重要だと思うことは二点ご
ざいまして、一つは、通常のルート、上司を経由したルートとか組織を経由したルートではなくて、そういうルートとは別に、直接、ダイレクトにしっかりと情
報を伝える、かつそれが改善措置に結びつくような形になっているということ。もう一つは、相談者の秘密保持。秘密保持と同時に、それが不利益につながらな
いように、やはりそれが大変重要だと思います。
実は、手前みそで恐縮ですが、金融庁は、役所の中で一番最初にコンプライアンス対
応室をつくらせていただきました。そこにヘルプラインを置きました。ヘルプラインを置くに当たっても、このような考え方に基づいて、弁護士の方にこのヘル
プラインの担当になっていただいて、通報先は役所の事務所、事務室ではなくて、この弁護士さんの事務所である、ダイレクトである。かつここは、秘密はしっ
かりと保持されて、直接その被害が通報者に及ばないようにする。
私たちも、この行動憲章を見習いながら、いろいろ政府の中の仕組みをつくっていこ
うと思っておりますし、民間におかれては、まさにそのような方向に向かいつつあるのではないかと思っております。
○泉健太委員 そういうものを金融庁の方でつくられているというふうに思っていますけれども、内
閣府の方の法令遵守対応室、先日も私聞いて思わず噴き出してしまったんですが、今もまだゼロ件なんでしょうかね。
○永谷政府参考人 実質的にはゼロ件であります。
○泉健太委員 この内閣府のを見てみま
すと、「内閣府本府職員の行政上の行為の法令遵守に関する情報」を、「情報提供者の氏名(実名)及び住所等の連絡先が記載され、封筒の表面、メールの標題
等に「法令遵守に関する情報である旨」が明記された書面に限ります。」と。
一方で、雪印さんが、やはり企業として反省を踏まえて、「業務上での法令違反や、
社会から非難を受けるおそれのある重大な行為が発生したときの連絡だけでなく、疑問・相談・提案なども制限しないで受け付けます。」と位置づけているヘル
プラインもあるわけですね。
とても内閣府が見本だと
いうふうには思えないわけですが、これを改善するおつもりはございませんか。
○永谷政府参考人 状況に応じて、適宜見直
していこうと思っております。
○泉健太委員 やはり、まさにこの内閣委員会でこの議論をし、内閣府も私たちが先につくったと自
慢をしているわけですから、もう少し役に立つ、何だかどうも、そもそも我々は外部通報を前提としているわけではないんですね、内部でどんどん働く者と雇う
者のコミュニケーションが深まって、どんどんどんどん業務が改善をされていけばいいというふうに思っているわけでして、その意味から、何も公益通報、ここまで厳しく、こういう表題まで決めなければならないという理由はないのではないのかなと
いうふうに思うわけですね。これはやはり、内閣府としてぜひすぐ変えていただきたいというふうに思っております。
最後の質問になりますけれども、事業者団体、消費者団体との連携というものをこれ
までの答弁で何回かお伺いをしました。しかし、私たちは、今の時点では、NPOやさまざまな団体
との連携、労働組合ですとか消費者団体との連携というのは外部通報に当たるというふうに言われてきたわけですね。ですから、答弁の中で、通報前相談、通告
前相談というんですか、そういったものでNPOやさまざまなところと連携をしていくというふうにおっしゃられていましたけれども、では、もうその件につい
ては外部通報とみなさないというふうなことでよろしいでしょうか。
○永谷政府参考人 御指摘のとおりでありま
す。
○泉健太委員 では、どうもありがとうございました。
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