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衆議院厚生労働委員会

平成16年11月5日(金)

児童福祉法の一 部を改正する法律案・国のアトピー対策

答弁者
厚生労働大臣 尾辻秀久君
厚生労働副大臣 衛藤晟一君
政府参考人(厚生労働省雇用 均等・児童家庭局長) 伍藤忠春君
政府参考人(厚生労働省大臣 官房審議官) 岡島敦子君
政府参考人(警察庁生活安全 局長) 伊藤哲 朗君
政府参考人(文部科学省大臣 官房審議官) 山中伸一君

鴨下一 郎厚生労働委員長 次 に、泉健太君。

泉健太委員 民 主党の泉健太です。

 ようやく臨時国会がこうして始まったわけですが、我々 としては、早期の臨時国会と いうのを参議院選挙以降ずっと求めてまいりました。それには、もちろん、幾つか主要な問題についても早急に取り組んでいただきたいという思いがありました し、国会議員としては国会は開かれて当然という思いの中での臨時国会の要求だったわけです。
 

 しかしながら、残念ながらなかなか臨時国会が開かれな かったという状況で、我々民 主党は、特にこの厚生労働分野に携わる者としては、全国のさまざまな地域、施設を積極的に見に行こうという機会を持たせていただきました。党としては、さ まざまな、先日も岡田代表とともに、品川区にあります、ぷりすくーる西五反田という幼保一元統合の施設先進地を見に行かせていただきました。そしてまた、 神奈川県で行われております、本当に皆さん、女性の皆さんの助け合いで運営をされている学童クラブ、こういったところにも現場視察に行ってまいりました。
 

 そこで感じましたのは、やはり、法律あるいは制度、施 設、こういったものを幾らつ くっても、しっかりとそこに魂を入れていかなければならない、大事ですね、魂を入れなければならないというところを本当に感じたところであります。
 

 要は、例えば幼稚園であれば、一つ幼稚園という基準を 満たそうと思うと、本当にた くさんの建築基準がある。そしてそれを満たそうと思えば、当然莫大な費用がかかってくるわけですね。
 

 ですから、最近、例えばこの品川区の、ぷりすくーる西 五反田でいいますと、公設民 営で行われているわけですが、NPOで運営をする。費用の節減のためにNPOの運営、あるいは柔軟な運用のためにNPOでの運営をしているわけです。そう しますと、なかなかこれを、幼稚園でやらないんですかという質問をしても、幼稚園でやろうと思うととんでもない費用がかかってしまうし、カリキュラムがほ とんどがちんこちんになっているからなかなか自由度がきかないということで、引き続きNPOでやりたいというお話も聞いてまいりました。
 

 そしてまた、学童クラブでは、本当に古い民家で、御近 所の皆さんの御理解を得なが ら、本当に御協力を得ながら、そういった施設を運営されている。時には、大家さんが急に立ち退いてくれと言ったり、あるいは、近所から近所迷惑だという話 で立ち退きを迫られるケースもあるというふうに聞いております。
 

 そういう中で、じゃ、認可保育園をつくろうかという話 になっても、ここでまたさま ざまな耐火基準、安全基準等々が出てきて、数億円の施設建設費用が必要になってくるという現状を聞くにつれ、本当に必要な、求めているものは何なのかと。
 

 確かに、国としては、間違いがあっちゃいけないという ことで安全基準というものは 必ず必要だけれども、例えば、我々、普通にこうして今家に住んでいるわけですね。家ももちろん、すぐ地震でつぶれてしまうような家では、これはやはり問題 もあるでしょうから、今後、耐震設計も含めてやっていかなければならないと思うんですが、しかし、余りにそのハードルが高ければ、やはり子育てをする環境 というのが容易につくることができないという状況があると思います。我々、そういう現場も岡田代表とともに見てまいりました。
 

 そして、それ以外にも、先日、栃木県小山市の虐待の、 まさに、虐待というか、我々 からしてみれば、これはもう虐待ももちろんだけれども明らかに殺人事件というような状況の、あの事件の現場にも行って、話を聞いてまいりました。警察署そ して児童相談所、そういったところからお話を聞いてきたわけですが、やはり冒頭申しましたように、法律をつくって魂をちゃんと入れて、現場の方々がそこで 魂を持って動かなければ物事はなかなか解決していかないということを、ぜひ大臣、副大臣、共通認識ということでお持ちをいただきたいというふうに思ってお ります。
 

 私は、冒頭の質問には、まずちょっと変わった質問とい うか、本音というか本心の部 分をお伺いしたいということもありまして、先日、大臣には、BSEのことについて、牛肉を食べられますかという話を聞いたわけですが、ベジタリアンの方だ ということで、そのときは少し肩透かしをいただいたわけです。
 

 きょうは、まず大臣に、やはりいろいろな虐待問題、こ うして国の中で話をしていく 分には、たくさん法律も見なければならない、そしていろいろな全国から上がってくる事例も見なければならないという中ではあると思うんですが、大臣にお伺 いをしたいのは、大臣のこれまでの御経験の中で、例えばお知り合い、あるいは友人から聞いた話でも結構です、こういった虐待のケースというのをどちらかで お伺いになられたことというのはございますでしょうか。
 

尾辻国務大臣 私 の周りといいますか身近なところといいますか、そうしたところで聞いたこと、見 たことはございません。

 

泉健太委員 ぜひ、もしよろしければ、被害者というか、それは被害 児童かもしれません、あるい は支援をするNPOの方かもしれません、あるいは、以前は虐待をしてしまったけれども今は何とか立ち直っているという親の方かもしれません、そういう当事 者の、まさに生の声を聞く機会をぜひ厚生労働省の皆さんにもおつくりいただいて、どこかでそういう機会、していただけないかなというふうに思うわけです。 やはり、本当にそういったお話を間近で聞きますと、なぜなのかという疑問から、次第に、ある意味親も被害者だったのかもしれないな、いろいろな新しい視点 が見えてきます。
 

 ぜひ、そういった意味で、現 場の声を聞く機会をつくっていただきたいというふうに思いますが、大臣いかがでしょうか。

 

尾辻国務大臣 冒頭に、あちこちの施設をごらんになったというお話を 伺いまして、大変いいことを なさったなと思います。
 

 私もできるだけ現場は見たいと思っておりますので、今の お話は早速に実行をさせていただきたいと存じます。

 

泉健太委員 いや、本当にありがたいお言葉で、これですべてじゃな いですが、虐待にかかわる職 員の方々や、まさに当事者の方々にも、一つ希望が見えてくるお話だというふうに思います。大変ありがたく思います。
 

 続いて、副大臣にもきょうはお越しいただいているとい うことで、質問というか、省 内の体制というと少しおかしいかもしれませんが、お伺いしたいのは、きょうこうして来ていただいているということで、厚生労働省も部局はさまざまあります し分野も広いと思うんですが、虐待に関するというか、子供政策に関する担当というような形できょうはお越しいただいているというような認識でよろしいんで しょうか、副大臣。
 

衛藤副大臣 副大臣の場合は具体的な担当はありませんけれども、し かし全体的にやりますけれど も、一応、内々に大臣の方から、とりわけ労働や少子化問題、児童の問題等を重点的にやるようにという指示をいただきながら、今やっているところでございま す。
 

泉健太委員 そこは、ようやくこうして副大臣制ができまして、やは り政治主導で、しっかりとこ れから議員立法ももちろんふやしていかなければならない、そして政府内においても政治がしっかりと各地域の声を上げて、そしてそういう国民の声を直接反映 させるような政治を行っていこうという中での副大臣制あるいは政務官制だというふうに私は認識しております。
 

 そういう中で、厚生労働省の方には、ぜひとも、それぞ れ担当分野というものを明確 にしていただく中で、やはりこういった虐待問題、今、厚生労働省の中でも非常に注目を受けている大変重要な問題でありますので、ぜひともそういった形での 担当の副大臣というものを制度としてつくって、制度というか中の体制としておつくりをいただけないかなというふうに思うわけですが、そこに向けて、よろし ければ御決意をいただければと思います。

 

尾辻国務大臣 今、私どものところは副大臣二人でございます。そこ で、今副大臣からお答え申し上 げましたように、大きく、旧厚生行政、旧労働行政ということで、二人の大臣の担当を決めておるところでございます。
 

 ただ、それ以上また副大臣の数をふやすというのは ちょっとと思いますし、今そうい う分担にしておるということだけをお答え申し上げて、またいろいろ御意見をお寄せいただきたいと存じます。

 

泉健太委員 ということは、衛藤副大臣は厚生関係の副大臣、もう一 方は労働関係ということで、 大臣、もう一度お願いします。
 

衛藤副大臣 一応、副大臣は、先ほど申し上げましたように、具体的 にどこということはありませ んけれども、大臣からは、旧労働とそれから児童とか少子化問題とか、そういうところに関するものを特に今大変なので重点的にやりなさいということで、御下 命をいただいているところでございます。

 

泉健太委員 そういった意味で、もし労働プラス少子化問題というこ とであれば、もう一方の副大 臣の担当もあるということだとは思いますけれども、まさに少子化にもかかわってくる話だと思うんですね。子供を育てにくい環境、それが結果的には虐待に結 びつくケースもある、そしてまた、こういった御時世だからということで子供を産むことを控える方もたくさんおられる。
 

 いろいろな副次的な影響というものが出てきているわけですから、省内で、どちらが 担当ということがないと言ってしまうと、それこそ、ではどちらもという話になってしまいますので、ぜひとも、主にはどちらの副大臣がされている、あるいは 主にはこの政務官が虐待問題についてはされているというような状況をつくっていただきたいと思います。それは可能でございますか。

 

尾辻国務大臣 先ほど、つい大きなくくりだけを申し上げて、少子化対 策、児童の問題も含めて衛藤 副大臣にお願いしているということを申し忘れまして、申しわけありませんでした。
 

 正確に申し上げますと、したがいまして、今私からお願いいたしておりますのは、衛 藤副大臣には旧労働行政プラス児童問題ということで担当をお願いいたしておるところでございますから、そこのところだけは明確にいたしているところでござ います。

 

泉健太委員 そういったことで、 衛藤 副大臣の方も、もしかしたらもう既にそういった機会を設けられていたのかもしれませんが、大臣同様、現場の方から声を聞く機会をぜひ設けていただきたいと いうふうに思っております。
 

 では、実際、具体的な、この児童福祉法の中身について 話をさせていただきたいとい うふうに思います。
 

 今回、改正点が幾つかあるわけですが、まず私、冒頭申し上げたいのは、児童虐待防 止法を、以前、私もさきの通常国会では青少年の特別委員会の方で審議をさせていただきました。あるいは、主務大臣というのが当時の小野大臣だったというこ ともありまして、私も内閣委員会に入っておりましたので、そこでも議論をさせていただいたわけですけれども、この児童虐待防止法と児童福祉法の役割分担を どういうふうに御認識をされているかについて、大臣からの御所見をお伺いしたいと思います。

 

尾辻国務大臣 まず、今般改正をお願いしております児童福祉法でござ いますけれども、こちらは、 児童福祉全般に関する一般法、こういうふうに認識をいたしております。そこで、今回の改正につきましては、児童虐待防止対策の充実強化を図るため、児童相 談所や児童福祉施設に関する体制などの児童福祉に関する基本的事項の見直しをお願いしておるということでございます。今申し上げたことで、児童福祉法に対 する、どういうふうに考えておるかということは御理解いただけるだろうと思います。
 

 一方、今度は児童虐待防止法でございますが、これは、 そうした大きな児童福祉の中 の児童虐待に着目をいたしました特別法である、こういうふうに認識をいたしておるところでございます。
 

 いずれにいたしましても、児童虐待防止という観点から見ますと、この二つの法律は 車の両輪でございます。一体のものとして児童虐待防止対策を私どもは総合的に推進してまいりたい、こう考えております。

 

泉健太委員 全 くそのとおりのお話かと思います。

 片一方が一般法であり、片一方が特別法であり、そして 車の両輪という表現をなされ たと思いますが、私はいい意味で、今児童虐待防止法も改正をなされ、そして各党派の議員の力でこうした形の改正がなされたということで、ある意味、新しい タイヤにかわった時期だというふうに思っております。
 

 そういう中で、この児童福祉法もタイヤを今かえようと いうふうにしているわけです けれども、そこでやはりバランスというものもしっかりととっていかなければならないし、バランスのとり方というのは、小さい方のタイヤに合わせるのではな く、やはり大きいタイヤに合わせなければならないと思うんですね。しっかりとカバーできる、せっかく児童虐待防止法がつくった部分というものを有効に生か せるような児童福祉法でなければならない、そういう認識を最初に持っていただきたいというふうに思っております。
 

 そういうところの観点で考えますと、実は今、児童相談 所が大変多忙な業務を抱えて いられるのではないのかな。私も幾つも児童相談所を回らせていただきましたが、我々は大体切り口としては、これまで、この数年間は、やはり児童虐待という 観点で児童相談所に訪問をするわけですね。しかし、そこには、当たり前のことですが、養護相談もある、保健相談もある、非行相談や育成相談もある。大変さ まざまな、たくさんの業務を担っていられる。それで、やはり、実情を聞いてみたら、虐待担当は二人だったり三人だったり、所長が兼任をしていたり、大変厳 しい状況で各児童相談所が行っているという状況がございます。
 

 児童虐待防止法が今こうして改正をされたという中で、 児童虐待のウエートが児童相 談所の中で随分と大きくなってきているわけです。電話一つとっても、二十四時間のサポートも含めて、今、この児童虐待の問題で児童相談所は本当にごった返 しているという状況です。
 

 そういう中で、これまで児童相談所そのものには、今 言ったような幾つもの相談の項 目があったわけですけれども、例えば、今もう一方で、この国会では、議員立法で発達障害者支援法というのが審議をされることになっていますね。そうします と、この発達障害に関してもさまざま相談に乗っていこう、そして発達障害支援センターというところでは、相談に乗り、また判定をし、そして自立を促してい くためのプログラムというものも行っていこうという話になっているわけです。
 

 しかし、現段階の児童相談所における相談の種類及び主 な内容というところを見ます と、例えば自閉症相談というのが入っています。あるいは性格行動相談というのが入っている。適性相談、言語発達障害等相談というものが入っております。
 

 ここら辺の仕切りについて、例えば、今回発達障害者支援法ができるということで あって、そしてまた支援センターが各地に配置をされているということから考えると、今後、この児 童相談所の業務をこういったところに移していく、そして児童相談所の業務を虐待の方に重点化をしていくというおつもりがあるのかどうか、これについてお伺 いをしたいと思います。

 

尾辻国務大臣 ま ず、大きくお答えをいたしたいと思います。

 今私どもが考えておりますのは、市町村の福祉事務所が 大体最前線に立っていただい ておるわけでありますが、福祉事務所がまず対応していただく。いわば一次医療みたいなものかなと思っております。そして、それから深刻な事態が生じておる ケースについて児童相談所が扱う。ですから、今の例えで言うと二次医療を引き受けてもらう。こういう大きな役割の中でこの仕組みを考えたいと思っておると ころでございます。
 

 そこまで、大きくはお答えできるんですが、その先の細かな、具体的な話になりまし たら、よろしければ局長にでも答えさせますけれども、答えさせた方がよろしいでしょうか。

 

衛藤副大臣 児童相談所では、先生御指 摘のとおり、児童にかかわる自閉症、それから知的障害、発達障害、また生活のいろいろな問題等について相談にあずかっているところでございますけれども、 虐待につきましてずっとふえておりますので、児童相談所を全部虐待専門にということではなくて、専門員を補強するということを明確に考えているところでご ざいます。それが今回の体制整備の主たる問題だというように認識をいたしております。

 

泉健太委員 いや、そこの部分は非常にありがたい、評価をできるお 話だと思うんですが、実は、 我々が回った児童相談所どこもそうなんですが、もう机自身もいっぱい、あるいは施設が大変狭いというところがたくさんあるんですね。そういう中で、では、 総定員を本当にふやしたいということで予算をつけても、ふやせるかという問題が一方であるわけです。ふやせないところというのもたくさんあるんですね。
 

 そういうところから考えると、もちろん私は、今こうし た虐待問題というのがクロー ズアップされていますので、あるいは以前であれば、非行の子供たちの相談というのが非常に多かった時代もあったと思うんです。そういう、要は、時代に対応 して児童相談所というところが柔軟に組織がえをできるような状況になっていけないのかなというふうに思うわけです。
 

 今回、例えばその一つの例として発達障害支援センター ができるという中で、こう いった自閉症関係の子供たちが親とともに相談に行けるような、これは箇所によりますけれども、そういったところもふえてくるということで、例えば、そうい う地域においては、そういった相談業務をこちら側に移すという考え方もあっていいと思うんですね。
 

 要は、その辺の柔軟性を持たせていただければ、あとは 地方で何とでもなる話でし て、そこはぜひ国の方が、柔軟にやってもいいというようなお話を地方に対してしていただきたいというふうに思うわけです。
 

 その辺は、例えばほかの問題でいっても、皆さん意外に 思われるかもしれませんが、 鑑別所、あれは何だか、例えば非行、問題行動を起こした子供たちが行くところだと思っているかもしれませんが、鑑別所によっては、地域に窓口を開いて、子 供たちの鑑別をしますよと。鑑別という言葉はもともと何も悪い言葉ではなくして、教育的に、例えばその能力を判断しますよということもできる機能を持って いられるんですね。
 

 例えばそういう機関もあるという中で、児童相談所がす べてここに盛り込んでいるのは、窓口としては非常に広くていいことではあるけれども、相談所業務としては今いっぱいいっぱいになっているという現状の中 で、そういったいろいろな相談業務の切り離しというものも今後御検討いただけるかということについて、いかがでしょうか。

 

尾辻国務大臣 今のお話を伺いながら思い まして、確かにそういう状況にあるだろうと思います。

 そこで、例えば、保育所の中にも地域子育て支援センター もお願いしております。こういう事態でありますから、もうそうしたものをすべて、今の先生のお言葉をかりると、柔軟に連携してもらって事に当たらないと大 変な事態だと思いますから、ぜひそういうことを考えて、また必要な指示はさせていただきたい、こういうふうに思います。

 

泉健太委員  本当に大臣の御答弁というのは、私以外の質問のときにも非常に明確で、必ず私の責 任で指示をします、私が行いますと。本当に、そういったお言葉をいただけるというのは非常に勇気が出ます。それをしていただけるというふうにももちろん信 じて、これからまた質問させていただくわけです。
 

 もちろん、私たちは、第一義的には、この児童相談所そ のものも、また大変古い施設 も多いわけですから、その改修にも手を伸ばしていただきたいですし、そういう中で、職員がたくさん入っていけるような環境もつくっていただきたいというふ うに思っているわけです。もしそれができないのであれば、とにかく児童相談所がパンクしないようにという心がけを持っていただきたいというふうに思いま す。
 

 次に、今回、市町村の役割が法律上明確化されるということと、児童相談所が後方支 援に回るということがあるわけです。

 本当は皆さんに大きなパネルでも持ってきてと思ったん ですが、私が懸念をするの は、その市町村と児童相談所の連携、情報の共有化、一元化というものが本当になされるような改革でなければならないというふうに思うわけです。
 

 もちろん、各市町村での窓口で子供たちの相談をしっかり受けとめられるということ は大変すばらしいことだというふうに思っておりますが、少しその姿、イメージをお伺いしたいのは、今回、相談業務が市町村になるというふうに考えておりま す。専門的なものは児童相談所というふうにお伺いをしておりますが、先ほど言ったような幾つも項目が分かれている相談の中で、すべての相談についてこれを 市町村というふうに扱うのか、それとも、虐待についてだけ、軽いものと重いものみたいな形で割り振りをするという話なのか、そこについてお答えをいただき たいと思います。

 

衛藤副大臣 現在、児童相談所で扱っておりますのは虐待も含めてで ございまして、市町村には、 そういう意味では、今まで各地におきましても、障害者に対する療育等においても非常に困っておった部分がございます。より身近な形に、市町村にお願いをし よう、行きやすい、訪問しやすい形をとろうと。
 

 ですから、できるだけ窓口を広げながら、その情報を早く得ていこう、そして相談に 応じながら、そこでどう振り分けるか。都道府県、児童相談所の方はそれを後方支援したり、あるいは重篤な部分はすぐこちらにという形でやらせていただこう というところを意図するものでございますので、先生がおっしゃいますように、とりわけこの連携というものは非常に重要になってくるというぐあいに認識をい たしております。

 

泉健太委員 先ほど大臣が、福祉事務所がまず各市町村の窓口だという お話をされましたが、今回、この児童相談に関して市町村にお渡しをしていくというのは、福祉事務所ということでよろしいですか。

 

衛藤副大臣 市町村はいろいろな形で努力をしてくれるものと思いま すが、福祉事務所であった り、あるいは児童家庭課みたいな形であったり、いろいろな町村の窓口がございますので、どういうぐ あいにやっていくかということについて、これは協議をさせていただくというぐあいに思っています。市町村の独自性もちゃんと認めていきたい と思っております。
 

 また、各町村では、そういう窓口もちゃんとしていないと ころがありますので、それをちゃんとつくってもらえるようにしようというぐあいに検討しております。

 

泉健太委員 もう一つ懸念というか思うのは、今回のこの市町村への相談業務、どれだけ移行され るのかというのがいまいちまだはっきりつかめない部分もあるわけですが、それに伴って、児童相談所の体制、配置、こういったものに変更があるという認識で よろしいんでしょうか。

 

伍藤政府参考人 今回、通告の対象に市町村を加えるということで、通告 する国民から見ればどこへ通 告してもいいわけでありますから、児童相談所に通告する場合もありますし、それから福祉事務所に通告する場合もある。
 

 ただ、市町村もその窓口に加わったということで、先ほ ど言いました虐待も含めて、 市町村にまずいろいろな相談が来るということは十分考えられるわけで、その中から、非常に専門性を有するようなもの、難しい、困難な事例については、市町 村から児童相談所に送付していただいて児童相談所で扱っていただく、こういうことになるわけで、これが事務的にいって具体的にどういうふうな配分になるか というのは、なかなか現実を踏まえてみないとわからない部分がございますが、できるだけ軽度なものの前さばきは市町村にやっていただく、こういうことであ りますから、児童相談所の体制がこれによって相当軽減されるかというと、そういうことはないんだろうと。
 

 引き続き、やはり困難な事例、虐待相談の多くは児童相談所に送られてくる可能性が 高いわけでありますし、それから、市町村でやるそういう前さばきといいますか、最初の段階の対応についても、具体的なやり方等について児童相談所が後方か ら支援をしたり相談に乗ったり、こういう新たな事務も生じてくるわけでありますから、事務量としては、今回の改正を機に児童相談所がかなり事務量が大幅に 軽減されるとか、これによって体制をかなりスリム化してもいい、こういう実態にはないと思います。むしろ、全体として社会的に急増しておる虐待問題に総力 を挙げて、市町村も加わっていただいて、何とか対応していくというのが実情ではないかなというふうに、感覚的な表現で申しわけないんですが、そういうふう に思っております。

 

泉健太委員 そこをやはり少しはっきりしていただかなければならな いのかなと思います。
 

 先ほど冒頭ありましたように、今回、児童福祉法の改正 の審議ですから、虐待防止法 ではないわけですね。一般法として児童相談所がいろいろな業務をしている中での、やはりこれをどうするかということについて、我々考えていかなければなら ないわけです。
 

 ですから、もちろん虐待においては、児童福祉法にもあ りますけれども児童相談所 に、これは虐待においては重篤も何もないわけです、とにかくもう児童相談所にどこからであろうとも情報を集約して、すぐネットワーク会議なりを開く、ケー ス会議を開いて虐待問題に対応していかなければならない。これは虐待のケースですね。
 

 では、その虐待というもののウエートが高くなっている 児童相談所には、ほかにもた くさん相談業務がありますよと。その相談業務においては、やはり児童虐待に一生懸命取り組んでいくということも児童相談所にはありますから、では、市町村 の方にも移して、児童相談所は虐待の方に重点化をしようというお話だと思うんですね。もちろん、障害の場合や非行の場合でも、重篤な場合においては児童相 談所ということになるんでしょうが、その市町村に渡すものはどれぐらいまでなのかがはっきりしていない状況だと思うんです。
 

 そうなると、市町村が何をつくっていいのか。あるい は、窓口をたくさんつくって、 人は配置をたくさんして、お金もかけたけれども、結局、一般市民にとってはどっちに連絡していいかわからないみたいな話になってしまっては困る。あるい は、市町村の方に、では、これまで児童相談所が行っていたように、例えば虐待、あるいはさまざまな相談になった方々の記録カードを残すとしますね。
 

 市町村の方に記録カードを残すとする。同じようなカー ドをまた児童相談所もつくる なんという話になったら、これは業務的には二倍の業務が必要になってきてしまうという話でして、要は、カードが、今まで児童相談所に一つ置いておけばよ かったものが、二つになってしまう可能性があるかもしれない。
 

 そういったことも含めて、こ この部分の相談業務をしっかりと、どのように分けるのかということを我々に明確に提示をしていただいて、そして、その法律がいいのかどうかという話にやは りなってくると思うんですね。
 

 もし追加で今のお話の中で答弁があればと思いますが、いかがでしょう。

 

伍藤政府参考人 個別のケースにどう対応するかというのは、なかなかこれは千差万別、難しいことだ と思いますが、いずれにせよ、今回、市町村に新たに事務を担っていただくということを法律上明確にするわけでありますから、当然のことながら、御指摘のよ うに、一般的にどの程度の事務を担っていただくのか、あるいはその事務処理の方法をどうすべきかと いったことについては、この法律が成立をいたしましたら、私ども、それなりのガイドライン等を作成して、市町村、あるいはそれを支援する児童相談所にも明 確に示すように努力していきたいというふうに思っております。

 

泉健太委員 我々民主党としては、いつも、例えば省令でとかあるい はガイドラインで、指針でと いう話になってくるわけですが、どうしてもこういった審議の場ではそれがまだ明確になっていない。実際に現場が動くのは、そういった指針やガイドラインで 動くわけですね。我々としては、やはりそこも今後しっかりと見ていかなければならないなというふうに思っておりますので、もし何らかガイドライン等々をつくるという話であれば、それはその過程において、必ずそういった情報を我々 にも公開をしていただきたいというふうに思います。
 

 今回、この件については、実は警察の方、あるいは学校 関係ということで文部科学省 さんにもお越しをいただいているわけです。
 

 といいますのも、先日厚生労働省からいただいた虐待の 死亡事例のいろいろな調査結 果、検証結果というものを見てみますと、もうどこにも、これまで何回も言われてきたような理由が書かれているんですね。連携がうまくいかなかった、こっち の方の認識が甘かったとか体制がどうだこうだ、もうそういうことの繰り返し。当たり前なんです。
 

 では、やはりこれを現場にも、この改正をすれば、すぐ その中身について到達させな ければならない。例えば、児童虐待防止法が十月一日からになった。そうしたら、もう即座に、あるいはその以前に現場の警察官や学校の先生にはその中身が伝 わって、では対応がこう変わるんだよというのを明確に語っていただけるようにならなければならないというふうに思うわけです。
 

 そういう中で、今回、この相談業務が市町村にも窓口ができるという中で、改めて確 認ですが、警察や学校が虐待を見つけた場合には、これは市町村ではなくて、すぐに児童相談所に通告をするということでよろしいでしょうか。それぞれ、警 察、文部省、お願いします。

 

伊藤政府参考人 今回の児童福祉法の改正案では、児童の福祉に関し市町 村が担う役割を法律上明確に するとともに、児童相談所の役割を専門性の高い困難な事例の対応等に重点化しようとするものと承知しているところでございます。
 

 警察といたしましては、児童虐待を受けたと思われる児 童を発見した場合には、この ような改正法の趣旨を踏まえ、一般的には、専門性の高い困難な事例の場合は児童相談所に、またそれ以外の場合は市町村に通告することになるものと承知して おります。
 

 なお、改正法案におきましては、市町村等には児童の一時保護の権限は与えられてお りませんので、直ちに一時保護をする必要のある児童の通告につきましては、これまでどおり児童相談所に通告することになるものと考えております。

 

山中政府参考人 文部科学省でございます。

 先生御指摘のとおり、児童虐待の防止に関する法律の一部改正法がさきの通常国会に おいて成立しておりまして、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者、これについては、市町村、都道府県の設置する福祉事務所もしくは児童相談所等の 関係機関に通報するということになっておりまして、通常の場合、非常に重大な場合というものにつきましては児童相談所の方に通報することになろうかという ふうに思っております。

 

泉健太委員 そこの、今回、専門性の 高いという言葉が入ったことによって、逆に恐らく現場の方では、ではどれが専門性が高いんだ、当然そういう話は出てくると思うんですね。そこでちゅうちょ をする、あるいは何だかこれはこっちの方じゃないだろうみたいな話で、宙ぶらりんになるケースというものが既に予想をされるわけです。
 

 ですから、そういったことが絶対にないように、改めて、厚生労働省、文部科学省、あるいは警察、そういったところのこの件に関する協議を、この法律の改正に合わせ て必ず持っていただきたいというふうに思いますが、大臣、どうですか。

 

尾辻国務大臣 よく協議をさせていただきます。

 

泉健太委員 よくあるような、資料の配付で終わる、あるいはトップ レベルだけの会合だけではな く、現場の方でもすり合わせをして、共通認識として、絶対この相談業務で混乱が現場に行かないようにしようというような思いで、三者がよく連携をしていた だきたいというふうに思います。
 

 続いてなんですが、今回はネットワーク会議が市町村で 設置が可能ということになっ てまいりました。このネットワーク会議、既にもうほかの委員からも御指摘があったかもしれませんが、全国で随分多くの自治体がネットワーク会議を持つよう になってきております。
 

 しかし、残念ながら、この前の小山市の事件でいいます と、ネットワーク会議は存在 していたんですね。ネットワーク会議は存在していたけれども、要は、あの父親は以前生活のことで児童相談所に相談をしに来たことがあったから、きっと今回 も基本的には虐待をしない親だろうという前提で動いていたんですね、児童相談所が。ですから、いわゆる生活相談というか養育相談というか、そういったとこ ろから虐待にスイッチを切りかえることができなかったというところが今回の問題なわけです。要は、ネットワーク会議というのは、だれかがスイッチを押さな ければ動かない仕組みなんですね。
 

 これは警察にも言えるかもしれません。では、なぜ、コ ンビニエンスストアの店員さ んがこの子虐待の跡があるぞとわざわざ通報したのに、ネットワーク会議が開かれなかったのか。そこでもし警察にもボタンを押す権限というか機能になってい れば、開かれていたはずなんですね。
 

 ですから、私は、児童相談所だけがその判断をするとい うことではなく、特に虐待痕 なんかを見つけた場合においては、どこからでもボタンを押すようにすべきだ、押せるようにすべきだというふうに思います。
 

 そういったネットワーク会議をぜひこれからつくっていただきたいと思うわけです が、この中には、調整機関を指定するということが書いてあります。この調整機関というのは具体的にどこを指すのか。例えば、自治体によってそれは自由に決 めていいという話なのか、主には児童相談所なのか、主には役所、自治体ということなのかについて、御答弁をお願いしたいと思います。

 

伍藤政府参考人 地域の協議機関、ネットワークで責任ある中核機関を定 めていただくというのが今回 の法律改正に盛り込まれているわけでありますが、どういう機関がそういう役割を担うかというのは、それぞれの自治体が判断をしてお決めいただくということ で、既に千近くの自治体でこういうネットワークが機能しておりますが、具体的に見ると、保健所が中心になって活動しているようなケースもございますし、あ るいは福祉事務所が中心的な役割を果たしておるようなところもありますし、あるいは市町村の普通の市長部局といいますか、通常の機関が中心になっているよ うな場合もございますし、いろいろさまざまでございます。
 

 それまでの関係とか状況を踏まえて、それぞれ地域で自主的に判断をしていただきた いというふうに考えておるところでございます。

 

泉健太委員 もちろん、各地域、児童相談所がないところもあります けれども、ぜひそこの辺も、 またガイドラインをつくられるのかもしれませんが、明確に、どこからでもボタンを押せるというのは必ずつくっていただきたいというふうに思いますし、どこ が調整機関になるということも含めて、その責任と権限をやはり明らかに書いていただきたいというふうに思います。
 

 さらには、二十五条の四で、運営の細かなことについて はそれぞれで定めるというふ うに書いてあるんですが、これも、先ほど言ったような責任と権限を明確にしていただきたいというふうに思います。
 

 二十五条の二のところで、「関係機関」というところがあると思います。児童虐待防 止法では「民間団体」という記述が書かれているわけですが、この「関係機関」の中には民間団体が入るということで考えてよろしいでしょうか。

 

伍藤政府参考人 御指摘のとおり、民間団体が含まれるというふうに解釈して結構だと思います。

 

泉健太委員 その民間団体というの は、NPO、あるいはこの問題に非常に熱心に取り組んでいる市民団体というものも含むという認識でよろしいでしょうか。

 

伍藤政府参考人 現に今、既に任意で活動し ておるネットワークの中に、そういったいろいろな市民団体といいますか、NPO法人でありますとかいろいろな団体が加入して活動して実績を上げておられる 実例もございますので、今後ともそういう形で参加をしていただければというふうに思っております。

 

泉健太委員 今回、守秘義務の規定もしっかりと整えられました。そ ういった意味では、これまで なかなか、特に、民間団体といってもNPOや市民団体、熱心に取り組んでこられた団体がなかなかこういった協議機関に入れないということも聞いておりま す。そういった意味では、今後、守秘義務規定もしっかりとしてきましたので、こういった団体も入っていけるものと私ども解釈しておりますので、その点もぜ ひまた注目をして、どういうところが構成団体になっているのかという調査を多分されると思うんで すね、そういった中での調査結果も、私たち、注目をしているところです。
 

 もう一つ、政令で定める市にも今回児童相談所を設置できるというふうに書いてある わけですが、この政令で定める市というのは、今回、簡単に言えば中核市ということで考えてよろしいでしょうか。

 

衛藤副大臣 中核市も話し合いをやればできるというぐあいに考えております。

 

泉健太委員 法 律の五十九条の方には、「中核市並びに児童相談所を設置する市として政令で定め る市」というのがあるわけですが、これは何か中核市と別なものも定めるものがあるというふうに考えてよろしいんでしょうか。

 

伍藤政府参考人 今 回のこの御提案をしております児童相談所の設置市でありますが、中核市程度の人 口規模を有する市を念頭に置きつつ、政令で個別に指定する市に児童相談所の設置を認めるということで、中核市に限らず、同程度の規模であれば児童相談所を 設置できる、正確にはそういうことでございます。

 

泉健太委員 現 在、具体的にそういった申し出は来ていますか。

 

伍藤政府参考人 全 国的に網羅的に調査をしているわけではありませんが、自主的に、そういう申し出 といいますか、希望を表明しておる市も一、二聞いております。

 

泉健太委員 私、少々不思議に思ったことがあるんですが、中核市と いいますと結構県庁所在地な んかも多くて、今、中核市が三十五あるわけですが、調べましたら、児童相談所がない中核市というのは三つしかないんですね。要は、都道府県で、既にその中 核市のどこかの地域には児童相談所がもう置いてあるという状況です。
 

 では、そこからさらに中核市が同じ町の中に児童相談所 を置くのかどうかという話に なってくるわけですね。これは、行政的に見れば何も問題はない、別なんだからという話になるわけですが、一般の市民、住民にとっては、例えば、幾ら児童虐 待に力を入れるといっても二カ所も施設は要らないんじゃないかなんという話になってしまっては、これはおかしな話でして、ここが何とかならないのかなと思 うわけです。三十五分の三十二、もう既に中核市の中に児童相談所があるという現状について、これを考えた上で、この中核市というものを今回枠を広げました という話なのか、そこがちょっと疑問に感じるところです。
 

 中核市の中で児童相談所がないというのは、横須賀市、新潟市、高槻市ということに なっているわけですが、これは例えば、現在中核市にある施設を、では中核市の方に譲り渡して、あるいは金銭で譲渡でも結構です、そして、県としてもう一回 ゼロから別な地域につくる、そんなことというのは可能なんでしょうか。
 

伍藤政府参考人 中核市に限りますと、大体県庁所在地とダブるケースが ほとんどでありますから、御 指摘のとおり、わかりにくくなるのではないかという御指摘もあろうかと思いますが、現在、都道府県と指定都市で児童相談所を設置して、増大するいろいろな 児童相談に対応しておる、こういうことをいかに切り開いていくかということで、一つの道として、今回、指定都市以外の市にも児童相談所を設置する道を開こ うということで、こういう規定を置いたわけであります。
 

 確かに、中核市と県庁所在地がダブってややこしくなるんじゃないかということであ りますが、場合によっては、今御指摘のあったような方法で、中核市にある児童相談所を中核市が譲り受けて、それを、中核市の中については中核市みずからが 対応する。それから、既存のそれ以外の、今は児童相談所というのは非常に広い地域を担当しておりますから、都道府県の児童相談所はどこかほかのところに移 転する、あるいは移転しないでそこで対応も可能かと思いますが、はっきりわかりやすくするためには移転して別のところに置いて、その中核市以外の広い地域 を従来どおり担当する。こういった役割分担も可能ではないかと思っておりますし、御指摘のようなことは、方法としては可能かと考えております。

 

泉健太委員 とはいえ、県と例えば市で施設をやりとりする、あるい は土地をやりとりするという のは、非常に長期間の調整が必要なんですね。組織改変が両方にも必要になってきます。私の地元でも、衛生関係の、京都府が持っている施設、そして京都市が 持っている施設が統合したいという話になったんですが、これもなかなかうまくいかないということで、大変苦労されているという現状があります。
 

 ここについては、これだけ、せっかく今法律で書いてあ るのに、もう現状としてこう いった状況になっているわけですから、ここについては、例えば、県あるいは中核市、そういったところに皆さんしっかりと足を踏み入れて、協議をして、どう いった形で児童相談所を適正に配置するのがいいのか、どういった管轄地域に区分するのがよいのかということを、積極的にここは調整にまた向かっていただき たいと思います。
 

 これは、多分、県と市だけではなかなか話がつかないと いうふうに思いますので、や はり、せっかくできる児童相談所が、あまねく各都道府県の住民の皆さんに利用していただけるような体制というのをつくっていただくために、ここについては 要望しておきたいというふうに思います。
 

 時間もなくなってまいりましたが、問題をちょっと移し たいと思います。小児慢性特 定疾患についてであります。
 

 実は、私自身も、小さいころからアトピー性皮膚炎の一 患者でもあります。これまで 国会の中には少なかったかもしれませんが、やはり、若い世代の国会議員もふえてきたということもありまして、徐々に、患者としての我々世代もこれから社会 の中でどんどんいろいろな分野に出ていくという状況ができてくると思います。ある意味、人口の一〇%近くが、アレルギーであったり、あるいはアトピーを 持っている、ぜんそくを持っている、そういうような状況もありますから、本当に数千万人の方々がこういった問題に対して注目を持っているというふうに思う わけです。
 

 今回、厚生労働省さんには事前に、この小児慢性特定疾 患の中にアトピー性皮膚炎と いうのは入るんですかという話をしましたら、いや、それは難しい、入らないというお話をいただきました。
 

 我々からすれば、アトピー性皮膚炎、重大なケースは何 百万も治療費をかけている ケース、あるいは、僕も一時期そういう時期がありましたが、学校に行きたくても、とてもじゃないけれども行けない、行きたくない、もうこんなに肌がひど かったら外に出歩けない、だれとも会いたくない、そういう状況になってしまう人たちもたくさんいます。要は、社会生活がすべてそこでストップをしてしまう 状況というのがあるんですね。例えばそういったところからも問題が長期化する、治療期間が長期化する。私だって、小学生のころから今の今まで、きのうも病 院に行ってきましたけれども、やはりなかなかこれを根治する、完治させるというのが非常に難しい話なわけです。
 

 そういった中で、この対象に含まれないのかなというお 話をしてみましたら、以下の 三点の理由から、それは難しいという話になりました。一つは、治療がある程度確立をされているということ、そしてもう一つは、治療費がいわゆるこの小児慢 性特定疾患に比べると軽費で済むということ、そしてもう一つが、済みません、もう一つちょっと失念をしてしまいましたが、三つの理由があるというふうにお 伺いをしました。
 

 そういったことで、ああそうなのかと思ったわけです が、しかし、やはりいろいろな 患者団体に改めて問い合わせをしてみますと、治療費についての調査では、例えばアトピー・ステロイド情報センターというところに私問い合わせてみました ら、患者の中で、対象者が千五百人ぐらいのアンケートをとったわけですが、百万円以上かかるという方が二百人を超えているというデータも出てきておりま す。一年間の治療費が百万円以上かかるという方が二百人を超えているというデータがあるわけです。
 

 例えばこういったことから見ても、何とかこういったところに支援を差し伸べていた だきたいというふうに思うわけですが、この小児慢性特定疾患にはやはりアトピー性皮膚炎、どんな重い症状であっても含めることは難しいということで、確認 の答弁をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

 

尾辻国務大臣 今、 お話を伺っておりました。

 しかし、今の時点で答えろと言われますと、既にお述べになりましたように、アト ピー性皮膚炎につきましては、治療研究の成果により治療法が進歩するとともに普及していること、また、その治療にかかる医療費の負担が必ずしも大きくない ことということから、今回見直します対象疾患に追加することは無理でございます、こうお答えせざるを得ません。

 

泉健太委員 その中で、これはレクのときの話なのでどこまで確信を 持った話か、あるいは正確な 話かという話になるんですが、厚生労働省さんとしては治療モデルというのはある程度確立をされているというふうにお話をいただいたわけですね。
 

 これについて、確立をされているというのは何を指して 言っておられるのかなという ふうにして、また私も調べたわけですが、これは、厚生労働省さんが調査研究の委託をされて、そしてその研究をされた研究班が策定をされましたガイドライ ン、このことについておっしゃられているのかどうか、それについて答弁をいただきたいと思います。
 

岡島政府参考人 厚生労働省におきましては、アトピー性皮膚炎対策に関 しまして、平成四年度から研 究班を設置しまして、いろいろ研究を推進しております。その研究成果に基づきまして、アトピー性皮膚炎治療ガイドラインというものを作成しております。
 

 これによりますと、個々の患者におきまして判断をする 必要がございますけれども、 「原因・悪化因子の検索・対策、スキンケア、薬物療法を適切に組み合わせて行う。」ということが規定されておりまして、これが基本的な治療法ということで 定められているということになります。
 

泉健太委員 これは、問い合わせをしたときには、厚生労働省として はやっていませんというお話 が返ってきたのを今でも覚えております。要は、研究班がやっていることだから、ガイドラインは出しているけれども、ホームページもあるけれども、これは厚 生労働省からのではなくて九州大学の方にリンクをしていただいたらつながるというようなお話をいただきました。
 

 厚生労働省として、この取り組みというのは省の取り組みなのか、それとも、やはり あくまで研究班というか、厚生労働省ではないところの取り組みなのかというところが問われているような気がします。ここについては、認識としてはどちらで 考えればよろしいんでしょうか。

 

岡島政府参考人 先生おっしゃられましたように、本ガイドラインは、厚 生労働省が行っております厚 生労働科学研究の研究費を用いて研究を行いまして、その成果ということでございます。また、その掲載されていますガイドラインにつきましても、ホームペー ジにつきましても、九州大学であるということはおっしゃるとおりでございます。
 

 ただ、このガイドラインにつきましては、個々の医師が判断するに当たっての基本的 な考え方ということで、医学的な判断についてのものでございます。先生が先ほど御質問にございましたように、小児難病指定の基準になるかどうかということ は、制度的な判断でまた別のものになるかと思います。

 

泉健太委員 いや、その対象になるかという話はもう先ほど終わって いる話でして、要は、こう いった取り組みをちゃんと厚生労働省としてやっているんですよと。そして、せっかくつくったガイドラインも、厚生労働省はお金を渡しただけだと言われちゃ うと、やはり我々患者としては非常に悲しい気分を、これは気分だけじゃないんですが、悲しく思うわけですね。では、国はアレルギー対策は何をやってくれて いるんだ、お金だけ渡して、その結果をホームページに載せればそれでいいのかという話になるわけですね。決してそうではない、やはり厚生労働省として、 ちゃんとお金を渡し、そして皆さんに呼びかけをしているんだと。
 

 私は、実はこのガイドラインは、二十数年間患者をやっ ていますが、一回も見たこと はもちろんないわけですね。これのたぐいのものも見たことない。聞いてみたら、この患者向けというものは何部つくったかといったら、千部つくったというわ けですよ。どういうことだと。まあ、研究結果で一応患者向けにつくってみましたという話ですから、では厚生労働省さんとしては、今後一般に何十万部とつく る上でのまずは第一作ですというのかもしれません。しかし、もう患者はずっと、長年苦労している患者はたくさんいるけれども、一回もこういった治療に関し ての国から何か出てきたものというのは見たことない。では、患者を、ある意味、言葉を選ばなければ、ばかにしないでくださいと言いたいんです。
 

 このお医者さん用はもうちょっと部数が多いわけですけ れども、我々だってやはりこ ういうものを見たいですよ。今、一つ一つ薬の名前まで我々がちゃんと理解をして、そして自分でつける、どれを選ぶかという時代になっているにもかかわら ず、医療機関用と患者用を分けて発行し続けるというのは、私は、これは患者の方の逆に治療をまたおくらせることにもなると思うんですね。やはりしっかり と、もう今の時代、こういった医療情報も公開するという意味で、患者の方にも行き渡らせていただきたいというふうに思うわけです。
 

 今後の、今まではもうしようがない、今後のこのアトピー対策について、今何か考えられていることがあるかどうか、これは大臣、もしお話しできる ようであればお願いいたします。

 

尾辻国務大臣 そ の件につきまして、今私はまだ何も聞いておりませんけれども、今の先生のお話でございますから、こ の後よく聞いてみたい、こういうふうに思います。

 

泉健太委員 で は、それは担当者の方からお願いいたします。

 

岡島政府参考人 先生がおっしゃられますように、国民に対して正しい情 報を適切に提供していくとい うのは大変大事なことだというふうに思います。
 

 私どもも、実は、確かにおっしゃられましたように、パ ンフレットにつきましては千 部しかございませんで、これも研究の一環としてでございますので、量としては大変少のうございますけれども、一方で、先ほどの九州大学のホームページでは ございますが、ホームページで一般の国民の方にも見られるように情報提供しているところでございます。
 

 また、研究班の主任研究者にお願いをしまして、アレル ギー疾患等に関する相談員、 保健所の保健師さんなどが中心になりますけれども、その方たちの養成研修会などにおきまして説明をしていただいていまして、地域の相談にも対応できるよう にはしているところでございます。また、研究成果そのものは、これも一般の方もごらんになれますけれども、国立保健医療科学院のデータベース、ホームペー ジにも掲載させていただいているところでございます。
 

 私ども、患者さん方が病気につきまして理解をされていく ということが非常に大事なことだというふうに思いますので、努力してまいりたいというふうに思います。

 

泉健太委員 最後にお伝えしておきますが、確かにホームページの方 は、今二十八万件ほどのアク セスがあって、ある意味、非常によく利用されていると思います。でも、ある意味、やはりそれだけ情報を求めている方々がおられて、ホームページを使える人 でもそれだけの数がいるというふうに思っていただきたいと思うんですね。
 

 使えない方々の中には、たくさん悩んでいる人がいる。 どうやったらいいんだという ことで、民間療法に手を出してしまって高額なお金を取られている、いわゆるアトピービジネスというもので苦しんでいる、二重の苦しみを負っている方々もた くさんいる。そういう状況で、研究をずっと続けてこられたのはよくわかった、しかし、そろそろその還元というものをちゃんとやっていただかなければ、いつ までも我々は路頭に迷わざるを得ないということを、最後にお伝えしておきたいと思います。
 

 この件についても、ぜひとも省の中で、これは花粉症も 含めてになりますが、本当に アレルギーというのは非常にたくさんの方々がおられますので、この問題について、研究成果をそろそろ国としてちゃんと出していただくということについても お願いをしたいと思います。
 

 それでは、質問を終わらせていただきます。あ りがとうございました。
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