衆議院内閣委員会
平成18年10月27日(金)
警察の虐待事件への対応について
答 弁者
国 務大臣(国家公安委員会委員長)
溝 手顕正君
国 務大臣(科学技術政策担当)
(イノベーション担当)
(少子化・男女共同参画担当)
(食品安全担当)
高 市早苗君
国 務大臣
山 本有二君
政 府参考人(警察庁長官)
漆間
巌 君
河本委員長
次に、泉健太君。
泉委員
民主党の泉健太です。
新たな内閣委員会ということで、また大臣各位、そして委員長、よろしくお願いいたします。
まずは、私の地元で起こりましたあの児童虐待死亡事件について少し触れさせていただきたいと思います。
その前に、長官におかれましては、きょうはありがとうございます。
特にこの三年間、刑法犯の認知件数が減少傾向にあるというのは大変すばらしい成果だというふうに思っておりまして、私からは評価の、また感謝の意を述べ させていただきたいと思います。
やはりこの内閣委員会、最近審議をしていて思いますのは、ぜひ各大臣にも聞いていただきたいんですが、内閣で扱う問題が大変多岐にわたってまいりまし た。主要なものだけでも二十近くありまして、官房長官を入れると六大臣、こういう状況でございますので、一人の質疑にかなりいろいろな問題を詰め込まな きゃならないという事情が今出てきているということも御理解をいただいて、委員各位におかれましては、ぜひ、委員の定数や質疑時間についても含めて、これ からともに話し合っていきたいということも少し冒頭に申し上げさせていただきたいと思っております。
もとに戻りますが、この虐待の事件でございます。これは十月の二十一日に死亡が確認をされました、佐々木拓夢君、三歳。
〔委員長退席、平井委員長代理着席〕
公安委員長はアメリカンフットボールをされておられたというふうにお伺いしております。恐らくたくさんの筋肉をつけられて精悍な時代も、今もそうかもし れませんが、あったというふうに思いますし、また、長官も本当に警察の一人間として体も鍛えてこられたかと思います。
この三歳の子供は、見つかった当時、七キロでした。平常の子供が十五キロ。しかし、見つかったとき、半分の体重の七キロ。きのう、私は現地、現場に行っ てまいりましてお花を供えてまいりましたけれども、隣のおばちゃんから話を聞いたら、運ばれるときには既にふくらはぎに肉がなかった、白くて細い骨と皮だ けで運ばれていったということを話をされていました。本当に痛ましい話でありました。
現地の町内会長さんとも話をさせていただきました。これは町内会長と民生児童委員さん、兼任をされているところでして、また、非常に地域のコミュニ ティーは活発なところでありました。残念だったのは、たまたまというか、そこの加害者の、両親というか、その二人とその被害児童のお宅は自治会にそのとき は加入をしていなかったという状況がありまして、自治会としても手が出しづらい環境にあったという話でもありました。
警察が、九月二十六日に厚生労働省とともに、改めてこの児童虐待を何とかしたいということで通達を出されております。私は、それでもなお起こってしまっ たということは、これは国会は国会として、政府は政府として、責任を存分に果たそうという気持ちはあるんだけれども、まだやはり現場には届いていないんだ ろうな、それが悲しいな、つらいなというふうに思っております。ですから、何とかして現場に私たちがつくった法律の隅々までを届けたい。その意味では、通 達は非常に私は大切な重みを持っているというふうに思っております。
その中で幾つか指摘をしたいことがございます。まず一つは、ことしの三月二十八日にまず長女が保護をされました。これは夜中に、真っ暗な時間に外に出さ れていた長女を近所の大学生が見つけて、そして警察に通報したという事例でありました。警察はすぐ現場に駆けつけ、その児童を確保し、確認をし、児童相談 所に通告をし、そして対処は大変早くて、二時間後には児童相談所にお届けして保護していただくという対応をとっておりました。これは、警察の従来の対応と しては、私はほぼ完璧な対応だというふうに思っております。
ただ一方で、いま一度私たちが再発防止という観点に立てばなんですが、私はこう思います。
この通達にはこう書いてあります。警察と児童相談所、まずこれが連携をとること、そして、都道府県警察本部と都道府県の児童福祉担当部局、また、警察署 と都道府県警察本部、この三者がしっかり連携をとることだと書いてあるんですね。
ただ、実は、きのう民生委員の方にお話をお伺いしましたら、三月二十八日、年度がわりの直前です。実は、この保護された子供は、数日後には入学式を迎え ていたわけです。そして、地元の方がおっしゃいました。もしあと数日待っていただければ、入学式に家族が来たかもしれない。そして、学校という枠の中で家 族の状況をよりつぶさに地域が見ることができたかもしれない。しかし、警察と児童相談所だけでそのやりとりを終えてしまって、地元の、いつも子供たちや家 庭を見ていた民生委員、児童委員、そういった方々にこの件についての連絡がなかったということをおっしゃられておりました。
これはあくまで再発防止という観点からですが、私はぜひ地元警察署におかれましては、児童相談所とだけの連携ではない、そういうふうに思っております。 もちろん、長岡京市にも児童虐待防止の協議会というものがございました。これはしかし会議体でありまして、実際には機能的、機動的に動くものではありませ んでした。
それを考えますと、一つ一つの事例において、警察が現場で児童を保護したら、地元で事情をよく知っている人がいないかどうか、いたら、その方との連携が 可能かどうか、これをぜひ署単位で、地域か何かと協調してやっていただきたい。私は、そういう意味での新たな通達を出していただきたいというふうに考えて おりますが、長官、いかがでしょうか。
〔平井委員長代理退席、委員長着席〕
漆間政府参考人
京都の大変残念な事案がございました。
これについて我々が報告を受けている限りでは、当初の長女の方の関係については、保護した時点で確かに傷を負っているというような状況はあったようです けれども、これが虐待というふうな状況になるかどうかについても疑いがあるような事案でありましたし、その後、児童相談所の方で、先ほど先生がおっしゃっ たように早く措置をしていただきましたから、その時点で、その弟さんの方の関係について、虐待であるという情報は全くなかったわけです。
それで、あとは、問題は、その時点とかそのほかも含めて、では、警察が果たして民生委員だとかそういうところに連絡するのかということになると、これは また警察も今いろいろなことをやらなきゃならない大変な状態になっておりまして、今、これ自体、通達の中で申し上げていますけれども、警察署と児童相談所 との関係だけじゃなくて、ちゃんと警察本部も入れ、全体でよく見ろ、こう言っているわけであります。
だから、その中でやはりこれについては民生委員にもやるんだということであれば、今度はそれをやればいいと思いますし、そういうことで、既に、ネット ワーク化するのであればネットワーク化をして、こういう場合にはこういう連絡をするんだということを決めておけばいいんだと思いますので、新たな通達を出 さなくても、少なくとも警察本部が関与するという方向で今回の通達は出してありますから、警察本部の方にいろいろな指示をいたしまして、それで具体的にど ういうふうなネットワークを構築するのか、その辺のところをいろいろ工夫してもらえばと私は思っています。
泉委員
長官、ぜひそれは認識を改めていただきたいと思います。
といいますのは、協議会、対策会議、ネットワーク会議、ケース会議、これは、日を改めて、そしてしかるべき方々が集まって行われるものでございます。と いうことは、まさにその目の前で起こっている事例について対応するものではないということです。検証する機関であるわけです。それはそれで大切なんです。
しかし、私が今話をしましたのは、まさにそういう会議体や、しかるべきところが入ればいいという話ではなくて、警察はふだん地域回りもされておられま す。ですから、そういった地域回りの情報も生かして、ぜひ、わざわざ書き込むことではないかもしれませんが、改めて、警察が児童相談所に子供を渡せば役割 が終わりなんだということでは決してないということ、そして、児童虐待は犯罪であり、これは前回の児童虐待防止法の改正で既に、虐待のおそれがあったとし ても、それが確定的でなくても通報しなさいということが法律の改正で入れられました。ということは、市民の皆さんは今回十二分に機能したわけなんです。し かし、今回は、主には児童相談所の対応に不備があったということになっておりますが、我々は、私も含めてですが、すべての人たちが自分を省みて、そして、 何かできることはなかっただろうかということで私は考えていただきたい。
その意味で、地元の警察の皆様そして全国の警察の皆様には、民生委員やあるいは地元のその地域担当の警察官やいろいろな方がおられると思いますけれど も、ぜひ、さまざまな形で、その家庭に問題がないのかどうか、あるいは、その児童の扱いについて児童相談所にどうだったのかと問い合わせるぐらいのやはり 関心を、犯罪ですから、しっかりそういった関心は持っていただきたいと改めて思うわけです。
そしてもう一つは、これまで、この通達にも書かれているんですが、児童の安全確認、これを最優先と書いてある。これは当たり前のことですね、当然のこと なんです。
しかし、実はどうでしょう、皆さん。岸和田のあの虐待死もそうですが、最初は兄弟を児童相談所でマークしていた、しかし、裏を返してみればというか、結 果が出てきてみたら、家の中に引き続き残っていたもう一人の兄弟の方が虐待でひどい目に遭っていたということがありました。保護された方、マークをされて いた方ではなく、そうじゃない兄弟が結果的には今回も死に至ったわけですね。
それから考えますと、我々は今まで、例えば現場で子供を確認した、先ほど長官がおっしゃったように、その子供のことは児童相談所に送ったけれども、その 時点では三歳の弟の認識がなかった、残念ながら、これが今までの我々の対応だったんですね。これを、やはり虐待が起こるということは、その親子関係だけで はないと私は思います。その家に何らかの異常性があって、そしてすべての子供にその影響がかかってくる可能性があるんだ、これはきっと皆さん同意していた だけると思います。その意味では、虐待が起こった世帯、家庭に対して、我々が、警察が、児童相談所がもう少し手を入れて調査をしていく必要があるんだとい うことの私は提言をさせていただきたいというふうに思います。
ですから、ここに児童の安全確認と書いてありますが、児童その他の兄弟とか、これもまた、できたら新たな通達を出していただきたいというふうに考えてお ります。
これは、長官が先ほど、新たな通達は、そんなに通達というのは軽いものではないこともわかっていますから、そんな簡単にはいかないかもしれませんが、次 に公安委員長の方に、こういう指摘を踏まえて、今後何らかの前向きな対応をしていただきたいということを私はお願いするわけですが、いかがでしょうか。
溝手国務大臣
大変痛ましい事故で、私も胸を痛くしております。
議員のおっしゃるように、地域全体が力をつけるために、警察がどういう働きができるであろう、福祉関係の組織がどういうことができるだろう。地方団体の 御協力も必要でございます。民生児童委員というのは市町村が任命しているわけですから、全体が相協力して地域の力がつくれるように、警察もやはり協力して いかなくてはいけない、このように思っております。
泉委員
その意味では、さらに提言をさせていただきたいのは、私は、ある友人の、警察の仲間 からもいろい ろと意見を聞いておりますけれども、やはり、児童相談所と警察の関係も、連携を強化するということではありますけれども、児童相談所の方にも踏み込むこと に不安やためらいがあり、警察の方も基本的には家庭環境については児童相談所だという本質的な割り方があると思っておりまして、その意味では、例えば、少 しとっぴかもしれませんが、児童相談所に警察から出向していくというケースがあってもいい時代に今来ているのかもしれません。あるいは、児童相談所の職員 が警察学校なりで研修を短期間受ける、そういう必要性も私はあっても、これはあるのではないのかなというふうにも感じておりますので、ぜひそういったこと も前向きに今後御検討いただきたいというふうに思っております。
この児童虐待という犯罪は、声なき犯罪です。子供は、親を信じ、親について、ひたすら親を信頼してやはり過ごしてくるわけです。そういう中で受ける被害 をぜひとも食いとめていただきたい。そのためには、我々もそうです、皆さんも全力を尽くしていただく、あらゆる選択肢を考えていただくということをぜひお 願いさせていただきたいというふうに思います。
それでは、次の問題に行かせていただきます。
長官にお伺いをしたいんですけれども、これから来年に向けて、先ほど言ったように、刑法犯の認知件数が下がっているとはいえ、まだまだ治安は回復をして いないという現状であると思います。
そういう中で、今回、警察が懸賞金制度ということをおっしゃられました。日本にはまだなじみがないということと、そして、では懸賞金が出るまでなかな か、今度は懸賞金目当ての一般の方々がふえてしまって、通報がおろそかになってしまうんじゃないか、そんなような懸念もされているところですが、この懸賞 金制度、きょうはもう確認だけということになりますけれども、これに踏み込まれた理由をぜひお聞かせいただきたいというふうに思います。
漆間政府参考人
懸賞金制度については、今まで公的な形でやるということはやっておりません が、警察OBが募って、お金を出して懸賞金をやるとか、あるいは被害に遭った御家族の方から懸賞金で何とか犯人を捕まえてほしいというようなことがござい ました。
そういうものをずっと見ていますと、やはり基本的に、その中で、それで捕まるというケースがあるわけです。特に一番有名なのは、時効間近に捕まったとい うケースもありますし、それから、ある大手の、マブチモーターの関係もこの懸賞金の関係でうまく情報が入手できた。したがって、懸賞金はそれなりに効果は あるんだと思います。ただ、それを公的なものでやるのがどうかというのはあると思います。
ただ、基本的には、やはり今までの私的な懸賞金制度でやってきた中でもいい効果も上がっていますし、それから、先ほどちょっと委員のお話の中で御懸念が あったのが、懸賞金をつけるまでの間もいろいろ時間がかかるんだろうから、そうなると、そこにかかるそういうようなものを当てにして捜査の方がちょっと怠 るというかおざなりになるとか、そういうこともあるんじゃないかということを言われましたけれども、これは実際の私的な懸賞金のケースを見てもそういう形 は出ておりません。
だから、あとはいかに、どういうような犯罪にどういう形で懸賞金をつけるのが一番いいのかというのをよく我々として検討して、それで、この懸賞金制度と いうのをまずやってみて、これがどういう効果を上げるかということで、ともかく我々としては、来年度予算で通れば初めてやる制度になりますから、これをま ずやってみて、その結果を踏まえて改善すべき点があれば改善しますし、また、どんどんやる方がいいというのであれば大いに活用するという方向で考えていき たいと思っています。
泉委員
警察の名誉のためというか、私は捜査が怠られるという話はしておりませんでして、あ くまで情報 が、ちゃんと額が決まって懸賞金というものが打ち出されるまで情報が上がってこないんじゃないか、通報が来ないんじゃないかという指摘をさせていただきま したので、警察が捜査に全力を尽くすということは間違いないことだというふうに思っております。
とはいえで、アメリカとかほかの国を見ても懸賞金目当ての人たちが出てくるというケースがあるというふうに聞いておりますので、そういう情報の問題です とかそういったことにもこれから留意をして、きょうはもう確認だけで終わりますが、ぜひこれから詰めていきたいというふうに思っております。
そして、済みません。先ほどの虐待の問題で厚生労働省からもお越しをいただいていると思うんですが、厚生労働省も同じような通達が出ております。これも ぜひ、警察庁とお互いに協議をして、ほかの兄弟ということの問題については検討をよろしくお願いしたいと思います。質問への答弁がないままで申しわけあり ません。
そして、次の問題です。
これは、この内閣委員会でさきの通常国会では非常に議論になった話題でございますけれども、公安委員会の問題についてです。
国家公安委員会、さきの国会におきましては、与党、野党、共通の認識を持って、現在の治安の悪化、そして警察の数々の不祥事にかんがみということで、ぜ ひ公安委員からも意見を伺いたいということの提案を理事会として公安委員会の方に要請させていただいたところでございます。そして、政治的中立性また公安 委員会の独立性という問題にさまざま配慮をして、答弁、これは委員に対しては求めません、答弁はその委員の代表である公安委員長にのみ行っていただきたい ということの提案をさせていただきました。
しかしながら、大変残念なことに、公安委員会の中での協議の結果、この提案は断られてしまったということで、さきの国会では、内閣委員長の名前において 遺憾の意が表明をされたところであります。
しかし、やはり、遺憾の意が表明をされてこの問題がすべて終わったわけではございません。引き続き、その遺憾の意に至った、また、欠席の回答ということ に至ったその理由を詳細にこれから議論していかなくてはなりません。その意味では、きょうだけでは時間は短いというふうに思っておりますが、ぜひ、公安委 員長、長官、それぞれの御見解もお伺いをしたいというふうに思っております。
まず、この経過の中で、公安委員会が持たれて、そして内閣委員会の理事からのこの要請について協議をされたということでございますけれども、その内容に ついてお聞かせをいただきたいと思います。公安委員長、お願いいたします。
溝手国務大臣
さきの国会において、沓掛国家公安委員長時代にそういう要請を受けて協議をさ れたというよ うに伺っております。詳細については私は存じておりませんが、公安委員長の方から所見を委員長の方にお述べになった、文書でお届けしたということは承知い たしておりますので、それが議論の中身だと承知しております。
泉委員
これは、この国会でも恐らく議論が続いていきまして、お互いに勉強していかなければ ならない論点だと思いますので、公安委員長におかれましては、ぜひこのことについてよくよくこれから勉強をしていただきたいというふうに思うわけです。
文書が確かに届きました、内閣委員長に対して。それには、政治的中立性の確保、これがまず第一点である、そして、そこに疑念があるということでした。そ してもう一つは、やはり公安委員の代表者は国家公安委員長であるからして、その国家公安委員長以外に意思を表明するような機会は基本的にはないというよう な理由があったかと思います。そしてもう一つは、前例がないということでございました。
実は、国家公安委員会の中で協議をされた時間は約四十分ほどでありました。確かに、内閣委員会の側から大変急な要請というような受けとめられ方を公安委 員会の中ではされたようでして、もう少し慎重に議論をしたいということで回答にも書いてございます。
そのもう少し慎重に議論をしたいという中では、この四十分の公安委員会の協議の中で欠席の結論を出されたということ自体も、私はこれは本当の結論ではな いというふうに判断をしておりまして、当面、とりあえず待ってほしい、このことについては今は出席という回答は出せないけれども、しかし、今後協議をして いくというふうに私は受け取っておりますが、公安委員長、そういう認識でよろしいでしょうか。
溝手国務大臣
議論を続けることにはやぶさかではございません。お互いに理解し合う必要があ ろうかと思っております。
泉委員
当時の佐藤内閣委員長に届いた沓掛国家公安委員長からの文書にはこんなことが書いて あります。
国家公安委員、これが「国務大臣たる当職が委員長に充てられている趣旨は、政府の治安責任を明らかにするとともに、当職が内閣や国会に対して警察行政の 現状や国家公安委員会の警察庁に対する管理の実態等を説明し、及び内閣や国会からの警察行政に係る意見、要望等を国家公安委員会に伝える責任があることに あるものであります。」というふうに書いております。
確かに、本来であれば、委員長がその役割を果たす、国会、内閣からの意見を公安委員に伝え、また逆もしかりということなんですが、だれが国家公安委員長 だからということではなしに、委員の中で共通していましたのは、やはり、同意人事である国家公安委員一人一人の存在が非常に国民からは見えにくくなってい るという実態がまずあるということです。
確かに、議事録の公開等は進んでまいりました。しかし、一人一人が治安に対してどういう認識をされているのか、また、現状、この数年間の警察不祥事に対 してどういう認識をされているのか、ぜひ内閣委員会として聞きましょうという与野党一致した段階に至るまで、実は、公安委員長がただ窓口になって、内閣と 国会、そして公安委員の間をつなぐというその役割を担い切れていなかった現状があったんじゃないのか。それは公安委員長だけのせいではないと思いますが、 公安委員会がやっていることの国会に対する説明、そして、国会の日々行われている警察問題に対してのこの議論の公安委員に対する説明、我々の気持ちが本当 に伝わっているのかなという現状がやはりあったわけですね。
その意味では、現在、公安委員会の中では国会の議論というのはどういうふうに伝えられているんでしょうか。委員長、もしおわかりでなければ別な方でも結 構ですが、お答えください。
漆間政府参考人
前回のときも、私その経緯を存じ上げておりますけれども、基本的には、理事 会からこうい うことでどうだという話でありまして、したがって、国家公安委員会というのは合議制で意思決定をするわけでありますから、そういう状況の中で個々の委員が どういうことを言ったというようなことは、これは国家公安委員会での意思決定では余り影響はない話なんですね。
そういうことから考えますと、委員が国会の場に出ていって、そこでしゃべらないにしても、やはりこれは、ちょっと全体として政治的中立性の問題だとかそ ういうものに疑念が残る部分があるから、したがって、これは直接いわゆる一般の参考人として出てくれという趣旨であったとすれば、別に、国家公安委員会と して任意でこれは受けられませんということになれば、それはそのとおりになるはずですから、そういう経緯から考えて、国家公安委員会としては、当面そうい うことについては適当ではないという国家公安委員会としてのともかく意思決定はされたんです、そのとき。その意思決定された内容が伝えられたということで ありまして、今後これをどうするかということについては、またこれはいろいろ議論をする場は今後出てくると思います。
ただ基本的には、国家公安委員会というのは、やはり合議制でともかく考え方をまとめるところでありまして、それを、個々の委員がどんなことを言ったんだ ということを国会でいろいろ聞かれるというような仕組みでやられるのであれば、そうすると、まさに委員が国家公安委員会の中で自由闊達に議論をしよう、そ ういう中に、こんなことを言うと今度は国会でいろいろなことを質問されちゃうのかということになれば、それは自由闊達な議論ができなくなるということもあ ります。そういうことを踏まえて、一応基本的には、やはり国家公安委員会の委員長が委員会で決定されたことについて、まず国会の場でもお話しするし、それ から国会自体でどんなことが起こったかについては、これは、今でもちゃんと、国家公安委員会の中で、こういう議論がございましたということはお伝えしてい ます。
これは、ホームページに載っかっている議事録でどの程度出ているかちょっと私も確認はしていませんが、少なくとも私がいる場で、今回は内閣委員会の理事 との間でこういう話がありました、こういうことについてどうお考えになりましょうかということについても含めて全部お話ししているんです。
実際のところ、ふたをあけてみたら、国対の方からいろいろありまして、こういう結果になりましたということも含めて全部一応国家公安委員会の委員には克 明に説明をしております。したがいまして、国会でどんな論議が行われている、国会で国家公安委員会が本当に機能しているのかどうかなんということも言われ ているということも含めて、ちゃんとこれをお伝えしております。
したがって、そういうことも踏まえながら、今後、国家公安委員会の委員を果たしてここにお呼びになることがいいのかどうか、それはよく御検討いただきた いと思っています。
泉委員
そんな不合理な、そんな理不尽なというふうに思われるかもしれませんが、その克明に 説明をされておりますというものが、やはり、これは委員共通の思いかもしれませんけれども、我々からすると、その姿が見えないというのが実際のところであ ります。
例えば、では、議事録を読んでくださっているんだろうか、インターネットのこの審議を見てくださっていたんだろうか、これまでの審議の経過、その熱を感 じてくださっていたんだろうかというと、説明は恐らく官僚の、警察の職員の方か、そういった方になるのかもしれません、次長なのかもしれませんが、そうい う形での理路整然としたというか無味な説明で、無意味じゃないですよ、無味なですよ、説明でなされたものが、では本当に今の市民や国会の状況を伝えたこと になっているんだろうかということを改めて考えたときに、私は、実は、前回の国会で提案をしているのは、それぞれの公安委員を名指しして、あなたこう言っ たでしょう、だからああしなさい、あなたの前歴はこうですね、これはどういう意味ですか、そういうものを聞く場ではないということも理事懇の中で確認をし た上で提案をさせていただいております。
ですから、治安そして警察改革、この二点において、公安委員会に、本音を言えばですよ、本音、これを言えば、公安委員の皆さんに国会の委員会の議論を見 ていただきたい、こういう我々の大きな思いがあったということなんです。それを踏まえて、今後どういう議論をしていくのかということであるということをぜ ひ、公安委員長そして警察庁長官、これは御認識をいただきたいというふうに思っております。
先ほどもちらっと国対というお話が出たようですけれども、ぜひ、恐らく多くの見識のある委員そして庁内の皆様が何らかの形で、それは理事との意見交換か もしれません、あるいは、先ほど言ったような、委員会に来ていただきます、それは参考人として、任意かもしれませんが、そこに座っていただくだけでもとい う形の形式はあるかもしれませんが、引き続き、これは我々重要な問題というふうに考えております。
月給百万円を超える、この国の治安全体を管理監督する立場である公安委員の方々でございますので、やはり、国民の代表である国会議員の議論を何らかの形 で直接聞いていただく機会を私は設けていただきたい。そして、それは決して政治的中立性に反するものではない形がつくれるはずだというふうに考えておりま すので、どうかよろしくお願いをいたします。
それでいいますと、政治的中立性という言葉ですね。よく使われるんですが、長官、この場合において政治的中立性に疑念を生じるからということの理由が書 かれていたわけですが、これをどう解釈していいのかなと思っておりまして、一つは、本来のこの国家公安委員会の法律では、公安委員のうち三名が同じ政党に 属してはならない、あるいは積極的政治活動をしてはならないということをもってして、それを守ることが政治的中立性だ、あるいは、内閣からの独立性を確保 する、そういう意味を持っての政治的中立性だというふうに解釈しているんですが、この委員会の中で、例えばその委員会の質疑を参考人として聞く側に回る、 そういったことも政治的中立性に反するということになるんでしょうか。
漆間政府参考人
基本的には、この政治的中立性の意味は、先ほどもちょっと申し上げましたけ れども、つま り、もともと、昔のいわゆる内務省制度からいけば、選挙のときに大変な大きな介入をするとかいうこともあったから、新たな警察制度のもとでは、この政治的 中立性と、それから警察の民主的管理ということで国家公安委員会はできているわけですね。
そこで言う政治的中立性というのとちょっと違いまして、つまり、国家公安委員会の委員が基本的にこういうようなことについてはどう考えるかということを 国家公安委員会の場で議論して決めるわけですよね。その議論して決める場にいる国家公安委員が、実はこのことをしゃべると今度は国会で何か言われるのでは ないかとか、あるいは国会で何か言われることによって、今度はそういうことで議論している内容が果たして本当にこれは本人の意思に沿ってきちっと言われて いる、自由意思に沿って言われているのかどうか、そういうことについての疑念を持たれるとか、疑念を持たれる可能性がある、そういうことを含めて政治的中 立性というのに疑いがある、こう言っているわけでありまして、その辺のところはいろいろ御了解いただいて、また今後御検討いただければと思います。
泉委員
これは、ぜひ議論を続けていきたいと思います。
長官への質問はこれで終わりますので、どうぞあれしてください。
公安委員長に対して、この問題について、私は、この政治的中立性ということを考えましたときに、それを持ち出されてすべてだめだと言ってしまうと、やは りこれは我々国会として役割を果たすことはできないというふうに感じております。
その意味では、ぜひ国家公安委員会として、これからこの件については、定例日にさまざまな報告の中で、さらに協議時間というのはあるかもしれませんが、 そういう中の一つとしてぐらいでは私はこの問題というのはとても結論が出せるものではない、あるいはもっと重要な問題だというふうに認識をしております。 高い月給が払われている公安委員会でございますので、毎日議論をしたっていいぐらいに私は感じておりますので、ぜひ別な日にこの件については議論をしてい ただきたいというふうに思っております。
そして、政治的中立性でいえば、改めて我々が主張していることでありますけれども、私は、どの組織体、どの機関だって、全く無色透明ということは、それ はあり得ないというふうに思っておりまして、その政治的中立性を余りにも追求すると話は進まなくなってしまうんですが、逆に言うと、国家公安委員会そのも のも、やはり警察からの独立性、中立性というものがもう少しあってしかるべきなのかなと。
私が言いますのは、それは事務局の件であります。この事務局を長官官房の皆さんが庶務として行っているということについては、これはやはり見直しをして いただく。公安委員会として情報を警察から滞りなく得るということは大変重要だとは思いますけれども、それでもやはり、公安委員会事務局というのを独立で 持っていただくということが大変重要な観点だというふうに思っております。その上で、警察としっかりとした意思疎通を図っていただくのが本来の独立かと思 いますが、いかがでしょうか。
溝手国務大臣
事務局の件でございますが、国家公安委員会に独立の事務局を設けることについ ては、我々と しましては、警察庁との間に二段構造ができてしまうということで、屋上屋を架すことになると思っているところでございます。事務局と警察庁が併存すれば、 事務の重複により余分な人員も必要になると思われますが、そういった非効率は余りよろしくないんじゃないかというのが現在の我々の見解でございます。
警察との間において、我々が警察を管理する立場にあるわけでございますから、十分自覚をしてこれからもやってまいりたい、このように思っているところで す。
泉委員
我々が管理をするということであれば、まさにその力をもう少し発揮していただきたい と思うんで す。それが屋上屋と言われたら、では、本当に一体なのかと逆に疑ってしまうわけですよ。事務局を独立させると屋上屋になってしまう、二重行政になってしま う、そうなると、今の状態というのは、まさに一体ということを委員長みずからおっしゃられているような話でありまして、それはお考えを改めていただかなく てはならないというふうに思います。
みずから力を発揮していただくのであれば、やはり事務局、自分たちの配下、部下、プロパーの人間たちがいなくて、全部警察から来ている方々が自分たちの 職務を日ごろ担当している、補佐しているということであれば、これは果たしてどこまで独立性があるんだろうかということを疑わざるを得ない状況にあるとい うふうに思いますので、ぜひこれからもその件についてもよくよく検討を続けていただきたいというふうに思います。
時間がございません。次、三つ目の問題に移らせていただきたいと思います。
高市大臣にはずっと最初から座っていただいて済みません。ありがとうございます。本当は後からお越しくださいということを話をしていたんですが、御配慮 いただきましてありがとうございます。
まず、順番でいいますと、大変申しわけないんですが、山本大臣の方に先にさせていただきます。お許しください。申しわけございません。
では、高市さん、先にいきましょうか。では、済みません、高市大臣、先にいかせていただきます。
三大臣がされていたことをいろいろと五つも担当されているということで、大変お忙しいことになるかと思うんですが、きょうはそれとは別なことをお伺いさ せていただきます。
というのは、歴史認識の話であります。やはりこの内閣において、早速、歴史認識についてさまざまな不一致があるのではないかということが言われているわ けです。そういう中で、まず伺わなければならないのが最近の情勢でありまして、自民党の中川政調会長あるいは麻生大臣の核議論は構わないという発言がござ いました。
この核議論が構わないということについて、高市大臣の御見解をお願いいたします。
高市国務大臣
私が閣僚としてお答えさせていただきますが、私は、核保有論につきましては否 定をいたしま す。これは、日本は非核三原則ということを堅持いたしておりますし、実際の法律でも、私に関係するところでは原子力基本法、これによって我が国の原子力活 動は平和目的に厳しく限定をされておりますので、NPTの非核兵器国としての義務もございますから、私自身は核保有論にはくみをしたくないと思います。
また、議論の是非についてでございますけれども、私は、政党の中ですとか広く国民の中で自由な議論が行われることは結構かと思います、もちろん国会の場 でも。ただ、もしも閣僚である立場の者がこの場で答弁をできるとしたら、それは、政府としての方針を国民の代表が集まっておられる国会に責任を持って申し 上げるということに尽きると思っております。
泉委員
そういう中で、麻生大臣が核議論は構わないというようなことをおっしゃられたという ふうに私は認 識をしているわけですが、おっしゃるように、これが他国の核に対する国内での対応をどうするのかということであれば、それはあり得る話だというふうに思い ます。しかし、その場合においても、日本が核武装をするというオプションをそこに含めるかといえば、それは含めるべきではないというのが政府の立場であっ てしかるべきなのかなというふうに私は思います、あくまで非核三原則を守るということでしょうから。
その中で、やはり影響力のある中川政調会長ですとか麻生大臣が核議論も構わないという言い方で国民に伝えてしまいますと、いや、議論はいいじゃないかと いうことで、何でもかんでもいいじゃないか、いいじゃないかというような流れをつくることになってしまうのではないかと大変懸念をしております。
その意味では、ぜひ、政府が言うぎりぎりのところというのは、核に対して国としてそれを防御するために、他国の核に対しての防御の中での議論というもの は、防衛の議論としてはあり得るけれども、それは核を我が国がオプションとする意味ではない、我が国自身が核を持つ議論ではないということは改めて明確に していただきたいというふうに思っております。
さらにお伺いをいたしますけれども、いわゆる村山談話、そして靖国神社についてです。
高市大臣は、村山談話についていかがお考えでしょうか。
高市国務大臣
村山談話は、戦後五十年の首相の談話として既に閣議決定されたものでございま す。先般の予算委員会での安倍総理の答弁でもございましたが、現在の政府はこれを引き継いでいるという考え方でございます。
泉委員
公安委員長、これで質問の方は終わりましたので、どうも済みません、御退席くださ い。
済みません、もう一度御答弁いただけますか。大変恐縮なんですが、もう一度高市大臣、御答弁を。
高市国務大臣
村山談話に関しましては、戦後五十年の時点で村山首相が発表された談話という ことで閣議決定をされ、内外に周知されております。先般、衆議院予算委員会での安倍総理の答弁にもございましたとおり、現在の政府はこの考え方を受け継い でいる、こう理解いたしております。
泉委員
大臣御自身のお考えとしてはいかがですか。
高市国務大臣
先ほども申し上げましたが、私は、国会の本会議であれ委員会であれ、ここで閣 僚として申し上げられるのは、やはり、国民の代表が集まる国会に対して、政府として責任を持てるお答えであると思います。
仮にこの委員会で私が個人的にこう思いますがというふうに申し上げた場合には、それは必ず、私が自分の所掌事項についてこう改善したいとか検討したい、 改善するぞと思っていることの予告ということになります。ですから、個人的な、高市早苗個人の見解をここで国民の代表の皆様にお伝えするのがふさわしいこ とだとは思いませんので、済みません。
泉委員
ああ、大分変わられましたね。
御存じかと思いますが、「正論」平成十七年三月号、「教科書から「従軍慰安婦」「強制連行」という用語が減ってなぜ悪いのか 近畿大学教授 高市早 苗」、ここにこんなことが書いてございます。
中山大臣が発言をしたことに対して、閣僚就任を理由に政治家としての信念を曲げることが正当化されるならば、政治のリーダーシップ強化を期して平成十一 年に成立した国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律の趣旨は生かされないし、小泉首相が言った適材適所の組閣人事方針もむな しいものとなる、何より、中山大臣のすばらしい教育論に敬服して一緒に行動してきた仲間はたまったものではないと、なぜ大臣になったからといって信念を曲 げるんだということが書かれております。
そうしたら、恐らく高市大臣は、私は信念を曲げていないから、ただ、大臣として答えていないだけなんだとおっしゃられるかもしれません。
なので、もう一つ発言をここで申し述べさせていただきますと、いつか自分や同志が大臣ポストを獲得したら、政府内で大なたを振るって抜本改革ができると の思いが若手議員たちの支えでもあったと。
大臣になられて、今どうお考えですか。
高市国務大臣
私は、政治家としての信念は曲げておりません。これは申し上げておきます。
私がもしも、それは教育に関する話でございますから、私が例えば文部科学大臣でありましたら、このような方向で改善できないだろうかと、当然総理にもお 話をしまして、改善のための努力をするかと思いますし、また、私が仮に内閣総理大臣でありましたら、もしかしたら、私の信念に従いました形で新たな歴史見 解を発表するかもしれません。
ただ、今私に与えられた仕事は、先般の所信表明でお話を申し上げました範囲に限られます。あくまでも、安倍内閣の一員として、政府として国会議員の先生 方に責任を持てる範囲でしかお話ができないということです。
信念は変わっておりません。
泉委員
ということは、大臣に公と私の区別があるかというところがまたあるわけですが、特 に、公と私というか、一議員としての発言と大臣としての発言、これは両方存在をし、その使い分けは本人にゆだねられるというふうにお考えですか。
高市国務大臣
一議員として、私が今の内閣府で担当させていただいている内容について、こう なればいい な、ああなればいいなと思っていたことに関しましては、今内閣府の中で新たなプロジェクトも幾つか立ち上げまして、一生懸命進めております。そういう意味 では、政治家が閣僚というポストを得たときに、当然内閣全体で一致して御理解をいただかなきゃいけませんが、できることはすべてやっていく、自分の範囲内 でできることはすべてやっていくということだと思います。
ただ、思想、信条にかかわること、心の問題にかかわることで、一〇〇%すべての閣僚が同じことを考えているということは内閣としてあり得ないんじゃない でしょうか。それは、それぞれ思想、信条の自由というものはあると思っております。
泉委員
そうしますと、お気持ちは、見解は変わられていないけれども、例えばこの「正論」の 中には、中 国、韓国は明らかに日本の主権侵害行為をしているということも書いておりまして、そういったことも含めて、個人としては変わっていないけれども、大臣であ る以上はその内閣の意向に従って、閣議の中でこういったことを主張されたりもしないということで考えてよろしいですか。
高市国務大臣
今のくだりが、例えば靖国神社問題に係る部分であったのか、歴史見解に係る部 分であったのか、ちょっとその論文が手元にありませんので、すべて覚えていないです。長い文章でございます。
ただ、例えば靖国問題でございましたら、これは私は、御英霊を、また公務死された方々の霊をどのようにお祭りし、追悼するかというのは内政問題だと主張 してまいりました。政治家のときに、こう主張してまいりました。ところが、現実問題、やはりこれは外交問題であるという国際社会の流れ、世論というのも現 実に国内にもございます。
そのときに、総合的に判断をした場合に、今は私は、とにかく北朝鮮に拉致されている方々が無事に帰ってこられること、そして日本の国民が安全な状態であ ること、国民の命を守るのは、私の個人の考え方、心の問題以上に、私にとっては大切なことでございますから、国益を考えて、国民益を考えて判断しておりま す。
あくまでも、内閣として一体になった方向性を国会の場では御説明したいと思います。
泉委員
きょうは時間がないので、最後の質問にさせていただきます。そしてまた、見解を聞く だけの質問になってしまったことをお許しいただきたいと思います。
北朝鮮が経済制裁を受けて、それを宣戦布告とみなすということを今発表しております。これについては、ちょうど我々が、戦争当時というか戦争の初期、開 戦当時の状況で、やはり経済制裁を受けて、自衛の戦争だということで開戦に踏み切ったという経緯もあるわけですが、大臣は、北朝鮮が今これを宣戦布告とみ なすということについては正当性があるというふうに感じておられますか。
高市国務大臣
何をもって戦争行為だとするかというのは、非常に、国際法上、難しいと思いま す。例えば、 経済制裁をもって、これを戦争行為、戦争をしかけた行為とするかどうかというのは、私の知識にある限りは、パリで締結された不戦条約の中に、ウオー・オ ブ・アグレッション、つまり侵攻戦争を禁じる内容がありますが、しかし、これが戦争行為か、自分でしかけていった侵攻戦争か自衛戦争かという解釈は自己決 定権にゆだねられておりますので、これは国際法的に考えるというと非常に難しいんじゃないかと思います。ここまでしか申し上げられません。
泉委員
高市先生、ありがとうございました。
本当に、山本大臣、済みません、もうあと少しになりました。先ほども言ったんですが、内閣委員会は非常に分野が広くて、質問時間が大変短い状況ですの で、どうぞよろしくお願いいたします。
山本大臣に質問させていただきます。
これもまたほとんど入り口の質問になってしまう話で大変恐縮なんですが、再チャレンジということでいよいよスタートをいたしました。しかし、何が、どれ が、この再チャレンジのまさに山本大臣のお仕事なのかということでいうと、各省庁からたくさんの再チャレンジと銘打った政策が集められてきているだけなん じゃないのかなというふうに、私はこの中間取りまとめを読ませていただいて、感じる次第です。
刑務所から出所した方の再チャレンジ、高齢者の再チャレンジ、一度事業を失敗した方の再チャレンジ。でも、これはすべてほかの省庁で既にやられているこ とですし、地元の商工会議所とかに再チャレンジの方の窓口を全国に設置するなんと書いてあるわけですが、いや、別に再チャレンジの方と新規チャレンジの方 の窓口を分ける必要もないだろうし、もう既存のもので十分あるだろうということで考えると、改めて、再チャレンジのこの大臣は、他の省庁ではない独自のも のとして何をやるのか、これをお聞かせいただきたいと思います。
山本国務大臣
従来、再チャレンジという、役所の中での位置づけというのは、内閣官房の内閣 官房副長官補室の業務の一環でございました。いわば、当時、中間報告の時代では、安倍官房長官が独自でお考えになり、取りまとめた施策の集大成という位置 づけであります。
今度、私が大臣に就任することによりまして、十月十一日から再チャレンジ担当室が設置されました。そこに十三人の有能な職員を集めまして、これから、独 自の考え方に基づきまして、さらにそれを敷衍していくということでございます。
ただ、こんなことを言っていますと余りにも抽象的な話ばかりでございますが、時代的に申し上げれば、近代市民革命以降、自由と平等という概念が二通りご ざいます。
改革というものを自由というように位置づけますと、次に来る概念というのは、対立ではなくて、さらにそれを慫慂しようとする概念として平等ということが あろうと思います。特に、規制緩和のサッチャリズムに吹き荒れたイギリスがブレアで新しい貧困政策を取り入れていったということは、まさにそういう時代的 認識のもとにこういう施策が繰り広げられた。それでいえば、ちょうど我々は、貧困政策や時代の閉塞感に対して何らか答えを出していくべき時期が来たという ことであろうというように思っております。
泉委員
具体的にはこれからだということがよくわかりました。
その中で、新聞の方には、長期休暇制度が再チャレンジの中の具体的構想として出てきているなんという話がありまして、いや、ちょっとこじつけのような気 もしないでもないなという気がしておりまして、本当に何をするんだろうということが不思議でならない状況です。
本当に時間がありませんので、大臣の再チャレンジの経験があればお聞かせいただきたいと思います。
山本国務大臣
私は、大学へ入るのに浪人しておりますし、司法試験を合格するまで四回受けま して、悲惨な 学生、受験生活を送った経験がございます。また、弁護士としても、一流でなくて三流ぐらいでありました。県会議員に通るのも国会議員に通るのもチャレン ジ、ひたすらチャレンジであったというように思っております。
以上です。
泉委員
ありがとうございます。
最後に、先ほどの警察不祥事の件ですけれども、警察改革の件ですけれども、この件については、我々としては、組織的に警察の中で行われるような不祥事が 今後発覚した場合というのは、やはり公安委員の方々に意見を聞く必要があろう、あるいは国家公安委員会の方々と何らかの形で国会が接する機会をつくる必要 があろうというふうに考えておりますので、それはぜひ今後理事会で協議していただきたいということを最後に述べさせていただきまして、私の質問を終わらせ ていただきます。
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