衆議院内閣委員会
平成18年12月21日(火)
やらせタウンミーティング問題について
児童の自殺・いじめ問題への対応、犯罪者の実名報道のあり方について
答弁者
国 務大臣(国家公安委員会委員長)
溝 手顕正君
内 閣府副大臣
林 芳正君
政 府参考人(内閣府大臣官房長)
山 本信一郎君
政 府参考人(警察庁刑事局長)
縄 田修君
河本委員長
次に、泉健太君。
泉委員
泉健太でございます。
もうきょうはこれで最後の質問になりますが、私は、二点、時間は短いんですが、質問させていただきたいと思います。
まず最初は、タウンミーティングの方から質問させていただきます。
本当はもっと細かく聞きたいところなんですが、調査報告書を読ませていただいて不思議に感じたところがありますので、きょうは林副大臣にお越しをいただ きました。
といいますのは、やはり謝礼金、出演者謝礼金についてなんですが、平成十三年については、もう資料は電通さんの方は溶解処分もしてしまったというような 話がありまして、全く残っていないというような状況でありますが、報告書の詳細の資料の部分で、十三年度の出演者資料というものがタウンミーティング別に 出ております。一回の出演者謝礼が八十万を超えたり九十万を超えたりするものもございます。
恐らく、この出演者謝礼というものの中には、それぞれの出演者そして司会の方々の謝礼、交通費ということの見方が正しいかと思うんですが、ではというこ とで、もう一つの方の、タウンミーティングにだれが出たのかというところを見ると、例えば、神奈川県、平成十三年の六月二十三日のタウンミーティング・イ ン神奈川では九十万八千百六十六円の出演者謝礼が払われています。
では、その平成十三年のタウンミーティング・イン神奈川、六月の二十三日、これを見させていただきますと、出演者が森山眞弓法務大臣、平沼赳夫経済産業 大臣、住田裕子弁護士・男女共同参画会議議員と、三名しかおられないんですね。まさか大臣や閣僚の皆さんにも謝礼が行っていたということはないと考えるわ けですが、それはいかがでしょうか。
山本政府参考人
お答えします。
今、泉委員がおっしゃいましたように、平成十三年の各回の出演者謝礼ということで、一番高いのが今御指摘の九十万余、回によっていろいろでございます。
これにつきましては、今御指摘のように、資料はもう残っておりませんし、それから業者とうちの担当者にも確認いたしましたけれども、記憶がないというこ とでございます。
これは、しかしながら、参加者あるいはコーディネーター、登壇者ですね、こういう方々への謝礼あるいは交通費、こういったものの積み上げだと推測されま す。しかしながら、その先はもうわからないのでございますけれども、ある程度の額のものがある方に支払われていることを想定させますが、わかりません。
泉委員
これ、今そういうふうにおっしゃられましたけれども、やはり大変問題ですよね。場合 によっては、 報道でもなされているとおり、ほかの予算とのさまざまなやりくりの中で、無理やりこの部分を膨らませたのかもしれないというところもあるかもしれません。 しかし、やはり政府として、ここまで調査委員会をつくられて、そしてまたかつての閣僚の皆さんがここに名前が入っている、これはあらぬ誤解を受けることに もなるんじゃないのかなというふうに私は思わざるを得ないわけですね。
であるならば、やはりどうでしょう、大臣の皆さんにも、元大臣というか前大臣というか、確認をしていただいて、もらっていないのであればもらっていない ということを調査で明らかにしていただいた方がよりよいのではないのかなというふうに思いますし、もう一つは、このタウンミーティング実績、登壇者のみが 載っておりますが、恐らく民間の司会者という方もそれなりの報酬をもらっていると考えれば、私は、司会者ぐらいはここに載せておいた方が、これを見ると、 本当に三人の登壇者で三十万ずつ分けたんじゃないかと言われかねない表だと思うんですね。
その点について、ぜひコーディネーターというのを載せていただきたいという提案がまず一つです。そして、それぞれの元大臣に確認すべきでないかというこ の二点について、お答えいただきたいと思います。
山本政府参考人
御指摘のように、今のここのお名前が三方載っておられますが、このほかに司 会者、それから、ここの三名は東京から来た登壇者でございますが、地元の著名な方で登壇される方もこの当時はおられたこともあるわけです。しかし、そうい う方は載っていない。
だから、この三名だけではないんですが、しかし、そう多くの人が何十人も載っているわけではないですからあれでございますけれども、ただ、今となっては なかなか、もちろん、大臣とか要するに政府の人間にそういうものを払っているわけはございません。しかしながら、民間の方に現時点で捜し当てながら当時の ことをお尋ねするのも、調査のためとはいえなかなか難しい点があるのかなというところで、そこまでは調べておりません。
泉委員
ただ、出演者は、タウンミーティングはたしかずっとビデオにも撮られておられたと思 うので、これは確認できる話だと思うんですね。
もう一つお伺いしたいのは、さまざまな審議会ですとか政府関連の会議の議員という方々、これは公職扱いで来られているのか、それとも民間の立場で来られ ているのか、それをお伺いしたいと思います。
山本政府参考人
調べて御報告します。
泉委員
いや、ここまでやはりタウンミーティング調査委員会としてやっていただいて、林委員 長の方から、 以前にお伺いしたときには、一応今のこの調査委員会としては調べるものはすべて調べ終わった、そして、今追いかけている途中の案件はないというふうに言葉 をいただいております。
その意味ですれば、これはまだまだ追いかけることが可能であり、それを追いかけなければならない部分もある。あくまで公金なんだということを重く見るべ きではないかというふうに思いますので、その出席者のリスト、登壇者ですね、登壇者についてはこれはわかるわけですから、ぜひそれは改めて資料として出し ていただくこと。
そして、それぞれ、このタウンミーティングの実績という表を見ると、時には民間の役職が先に来て、横線が引っ張ってあって、横に併記で公的な役職を書い てあるものがある。時には逆転している場合もあるんですね。公的な機関の役職を先に書いて、後に民間の役職を書いているケースもある。そこにどういう区別 があるのか、たまたまそうなったのかはわかりませんが、そういう、公的にこの方々が来られたかどうかという確認、これもぜひ行っていただいて、資料をいた だきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
こういうように、タウンミーティング、一事が万事、まだまだ質疑が足りないというふうに私たちは思っておりますので、ぜひ委員長におかれましては御配慮 のほどをよろしくお願いいたしたいと思います。
やはり、せっかくお越しいただいているので、委員長、この件、どうか調査の約束をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
林副大臣
御指名ありがとうございました。
今御指摘がありましたように、短い一カ月弱の期間で、国会に間に合うようにということで少し急ぎましたこともありまして、まだまだ、委員が御指摘のあっ たようなことで残ることも可能性としてはあろうか、人間のやることですから。
そこで、委員会といたしましては、これで委員会をやめるということではなくて、このまま今のメンバーで体制を残して、そして、何か新しい情報、情報提供 も国民の皆様に直接お呼びかけをしておりまして、これは期限を切っておりませんので、こういうこと等で必要が出てきた場合には随時開催をする、こういうこ とになっておりますので、いろいろな御意見等を踏まえてちゃんと対応してまいりたい、こういうふうに思っております。
泉委員
あともう一点、大切なことがございまして、実は文書でございます。
各省庁にタウンミーティング、あるいは内閣府にタウンミーティング関連の資料、今いろいろと収集もされたと思うんですが、行政機関では文書の保存期間と いうものがございます。三年なり五年なり一年なり、最大十年、いろいろあると思うんですが、やはり、こういう今現在調査中、大変注目を集めているものの資 料について、行政機関というのは、例えば平成十三年度、五年たったら機械的に破棄、廃棄をしてしまうということが予想されます。
その意味では、三月末から四月にかけて、そういうことが行われてしまっては今後の解明にも私は支障が出ると思いますので、ぜひ、タウンミーティング関連 資料については一定期間、調査委員会が特別な指示をするまでは保存、保持をしていただくということを提案しておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
林副大臣
お答えします。
大変大事な御指摘だというふうに思います。私もそのような感触を持っておりまして、年度末でそういうことが起こらないように、そういうものの対象になっ ているような、保存の対象になっているようなものにつきましては、私といたしましても、そういう普通の一般のルールに従うのではなくて、ある程度、我々が もういいと判断をするまでは保存をしてもらいたい、その方向で考えておるところでございます。
泉委員
これは役所の特性と言うと言い過ぎかもしれませんが、とはいえ、こちらが何も言わな ければ、多分 お捨てになるケースもあります。ですから、決して、調査委員会委員長として、この資料はと言ったときに、いや、実は三月末に廃棄をしましたと言われること がないように、幅広に保存を考えておいていただきたいというふうに思います。
次の問題に移らせていただきたいと思います。
それは、最近、犯罪被害者対策ということで、やはり犯罪被害者の実名が余り表に出てしまう、報道に出てしまうというのはよくないだろうということで、さ まざまな犯罪被害者保護対策がとられております。
私は、それはそれで全く問題がない、了とするものなんですが、実は、その問題に関連して、最近、犯罪加害者というか犯罪を起こした人間も、さまざまな事 情によって匿名になった形で警察から発表をされる、マスコミにも報道がなされないというケースがあるのは、委員長、御存じでしょうか。
溝手国務大臣
承知いたしております。
泉委員
例えば、こんなケースがございます。交通違反、被害者はございません、交通違反で書 類送検になった警察官がおられましたが、警察は氏名を明かしませんでした。
これは、犯罪被害者等施策推進会議、まだ安倍総理が官房長官のときにも、マスコミからの要望、新聞協会ですとかからの要望を受けて、これまでの警察の方 針とは変わらないけれども、実名発表に対する取り決め、六つの約束というのをされております。
取材、報道の自由に規制を加えるものではないということ。あるいは、警察が事件、事故の発表をする際に、犯罪被害者の氏名を匿名とするか実名とするかと いう局面においてこの議論はあるけれども、ほかに波及するものではないこと。あるいは、匿名発表を望む犯罪被害者等のための施策であって、実名発表を求め る犯罪被害者等についてまで匿名にするものではないこと。幾つかそういう取り決めがなされているんです。
私は、この取り決めから見ても、特に被害者がいないケースの事件、事故、こういうことについて、例えば逮捕がなされたということであれば、基本的には、 あるいは共犯の関係ですとかまだまだ捜査中だということであればそれはいたし方ないものもあるんですが、特に交通違反なんというものについては、それも私 は当たらないんではないのかなというふうに思っておりまして、そこはしっかりと警察の中で共通の指針というものをもう一度明らかにすべきではないかという ふうに思っております。
といいますのは、各都道府県で現在はそれぞれ個別具体的な事案に即して適切に判断しているというのが恐らくそちらの答弁書にも書いてあるかもしれませ ん。しかし、その適切にが、本当に適切になされていて全く恣意的になっていないだろうかということについては、やはり私は、警察庁としてこれは厳に気をつ けていかなければならない、それがひいては国民の信頼、マスコミからの信頼にもつながってくるというふうに思っておりますので、ぜひ、これはもう一度基準 を明確にしていただく必要があるのかなというふうに思っております。
そういったことで、犯罪被害者の匿名ということについては構わないのですが、犯罪加害者の、あるいは犯罪者の匿名、こういうことについて警察の中で今ど ういうふうに検討されているのか、それをお答えいただけますでしょうか。
縄田政府参考人
委員御指摘の点につきましては、委員も十分御存じだろうと思います。
逮捕をした被疑者につきましては、これは事件によって、先ほどもおっしゃっておられましたように、共犯者あるいはその関係者の保護という面で発表を差し 控えなければならない事案も多々ございます。それから、事件によりましては、任意で送致するもの、あるいは逮捕するもの等がございます。
これは、事件によって、同じ罪名でありましてもその軽重がかなりございます。軽微な恐喝もあれば、それこそ組織犯罪による企業恐喝もあります。こういっ た場面で、それぞれの捜査の支障、あるいは被疑者、あるいは被害者の諸般の人権といいますか、あるいは保護、そういった点も、さまざまな要素も加味しなが ら判断していくことになります。
それから、これは地域によりまして、一つの事案につきましても、これはどういう評価をされるのかというようなことがいろいろあろうかと思います。恐ら く、東京での事案と地方の一都市の事案であれば、同じ事案であってもそれぞれ評価が異なってくる場合もございます。
そういう意味合いで、なかなか一律にこれをどうするということで警察庁で決めるのは難しい問題であろう、都道府県警察において、委員も御指摘になられま した諸要素を加味しながら、適切に判断できるように引き続き指導してまいりたい、こういうふうに思っております。
泉委員
その大前提として、これは各都道府県警本部が個別具体的な事案に即して適切に判断し ているということですが、実際には署単位で判断をしていないでしょうか。その点について確認をしたいと思います。
縄田政府参考人
発表するに際しましては、犯罪捜査規範におきまして、警察本部長あるいは警 察署長または その指定する者ということになってございます。そういう意味合いでは、警察署レベルで対処する場合には警察署長の判断で行われることがあるかもしれません が、ただ、いずれにしましても、対マスコミ的に広報する場合に、本部がそれに関与をする、あるいは報告を受けるということもございますし、それを調整し て、バランスよく、遺漏のないように指導しておるというのが各都道府県の実情か、こういうふうに思っております。
泉委員
それに関連して、犯罪被害者等施策ということで政府が出された文書の中に、各都道府 県の本部長等 が警察の考え方を説明する懇談会を実施している、平成十八年六月末現在、二十六の県で実施というふうになっております。これを早急に全都道府県で、やはり 記者、報道機関とのこういった趣旨の説明というか懇談を実施すべきだというふうに私は考えますが、いかがでしょうか。
縄田政府参考人
御指摘のとおりでございまして、今現在三十二になってございます。それぞ れ、報道機関、記者クラブとの都合等もございますが、意思疎通をしっかりさせるように今後も指導してまいりたい、こういうふうに思っております。
泉委員
国家公安委員長、これはぜひ、例えば年度内での、あと三カ月ぐらいはあるわけですか ら、せめて警 察のしかるべき各都道府県警の本部とこういった、最近、匿名報道というか匿名発表の問題が非常にふえています。ですから、こういうことにかんがみて、通達 を平成十七年の十二月二十八日に出されているということもありますので、ぜひ、各都道府県との懇談ということについては今年度中に全都道府県行うというこ とをお約束いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
溝手国務大臣
今の件では、警察の当局から各都道府県に対して適切に対応するようにというこ とで、しっかり説明をしているところでございまして、これは今も有効に働いていると思っておりますので、どんどん進むんじゃないかと思っております。
泉委員
済みません、最後は具体的な提案ですので、それはぜひやっていただけないでしょうか ということの答えだけはいただきたいんです。
今三十二まで来ていますから、あと十五の県で、本部長なり担当者の方と報道機関の懇談会というか、それがあればいいということなんですが、それをお約束 いただけませんか。
溝手国務大臣
お答え申し上げます。
先ほどの質問の中で、年内にという限定的な話があったので、それはもちろん早くやりたいという気持ちは持っております。お約束ができるということにしっ かり督励してまいりたいと考えております。
泉委員
それでは終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
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