衆議院議員泉ケンタ メールマガジン 政策 国政活動報告 京都3区 トップページ 経歴
衆議院内閣委員会

平成19年2月21日(水)

少子化、治安、格差問題について

答弁者
国 務大臣(地方分権改革担当) 菅 義偉君
国 務大臣内閣官房長官) 塩 崎恭久君
国 務大臣(国家公安委員会委員長) 溝 手顕正君
国 務大臣 山 本有二君
国 務大臣(経済財政政策担当) 大 田弘子君
国 務大臣(規制改革担当) 渡 辺喜美君
内 閣府副大臣 平 沢勝栄君
政 府参考人(厚生労働省大臣官房総括審議官) 宮 島俊彦君
政 府参考人(防衛省大臣官房長) 西 川徹矢君

河本委員長 次に、泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太でございます。引き続き質問をさせていただきたいと思います。

 この内閣委員会、いよいよ大臣所信に続いての一般質疑がスタートしたわけですけれども、非常に、日に日にというか年々、この内閣委員会が所管をする事務 というか分野が多くなっているというふうに思います。きょうも、あえてと言うとなんですが、多くの大臣の皆様にお集まりをいただきました。高市大臣にもお 越しをいただくということであったんですけれども、体調不良ということで、きょうは平沢副大臣の方にお越しをいただきましたが、こうして内閣委員会に勢ぞ ろいをしていただいて審議をするというのが私は本来の姿であるということで、きょう、まずお越しをいただきました。

 一方で、後ほど触れますけれども、内閣機能の強化に伴って大臣あるいは所管をする分野が大変ふえているんですが、院の方の内閣委員会というのは一回も増 員というのはなされておりません。そういうことから考えますと、今審議が大変きつい状況になっておりまして、例えば一大臣当たりにおいての質疑時間という ことでいうと、その辺というのはなかなかとりにくくなっている現状がございます。そういったことも、これはあくまで院の問題ではありますが、各大臣にも御 認識をいただければというふうに思っております。

 それでは、質問に入らせていただきたいというふうに思います。

 まず、やはり内閣を構成されている皆様ということで、改めてですけれども御認識、御見解を。私は、内閣委員ということでありますけれども、ずっと国会で は少子化担当もさせていただいてきております。そういったことからも、皆さんには改めてですがお伺いをしたいというふうに思っております。それは、あの柳 澤大臣の発言の問題であります。

 女性は産む機械、装置というところの発言だけが殊さら取り上げられてひとり歩きをしているという感も、これは私も感じているところであります。しかし、 その発言に端を発して、非常に大臣としての認識、見解がどうなんだということが多くの方から問われている状況にあったんだと思います。

 そして、私は、その発言について、各大臣がまずどのような御認識を持っておられるのか。具体的に言えば、あれは柳澤大臣が本来言おうと思っていたことと 違うことをついつい表現で言ってしまったものだというような御認識なのか、いや、やはり年齢的にも、もしかしたら過去の自分の成長の中でそういう経験を持 たれてそういう認識でおられたけれども、やはり問題だということがわかって、今それを改めるというところに至っているのか。その辺のことについて、改めて それぞれの大臣にお伺いをしたいと思います。

 では、溝手公安委員長の方からお願いいたします。

溝手国務大臣 私は、柳澤大臣とは同じグループに属しておりますし、長い間つき合っておりま すが、大変心の優しい、いい人だと思っております。

菅国務大臣 柳澤大臣がなぜあのようなことを言ったかというのは、私はわかりません。しか し、その後に表現として、御自身も、講演の途中と私は聞いていますけれども、すぐ、ごめんなさいねという形で表現された。しかし、不適切な表現であった、 こう思っています。

山本国務大臣 配慮を欠いた、女性を初め多くの方々の心を傷つける極めて不適切な発言であっ たと思っています。

大田国務大臣 同じ内閣のメンバーとして一緒に仕事をさせていただいていて、柳澤大臣のお人 柄も存じ上げているつもりです。なぜ柳澤大臣がああいう発言をされたのか、私もわかりかねます。極めて不適切な表現であったと感じております。

渡辺国務大臣 私のおやじも、実は失言語録というのがあるくらいに失言の多かった政治家でご ざいます。

 考えてみると、二通りあったような気がするんですね。一つは、確信を持って、失言の体裁をとってアピール効果をねらったものがございました。ここで何と は言いません。もう一つは、明らかに自分の本意でない言葉を発してしまったというケースであります。

 例えば、前の日にNHK特集か何かを見ていて、アメリカの破産制度、これが、チャプターサーティーンというもので、日本もそうなっているわけでございま すが、簡単に破産ができる。実は、レーガノミクスの三つ子の赤字の解説をしている中で、その場面を思い出しちゃったんですね。そこで、まあアメリカではい ろいろな人がいてね、あっけらかんのかあだと言って怒られたわけでございますけれども。

 これは、黒人差別を言うつもりは全然なかったんですが、たった一言、いろいろな人がいてね、黒人とかねと言っちゃったんですね。これは、差別とは本人は 思っていなかったけれども、ああ、しまったなというので大変反省をして撤回をし、その後、ナッシュビルにあります黒人専門の医学校、メハリーカレッジとい うところにたしか五年間連続して寄附をした。私のおやじが死んだときに、そのミッチー奨学金を使って卒業した学生さんから大変なお手紙をいただいた記憶が ございます。

 いずれにしても、政治家の口から出た言葉が政治家の本意でない場合はあるわけでございまして、柳澤大臣のケースはそういうケースではなかったかと存じま す。

平沢副大臣 私もよく講演しますけれども、講演の途中で、一時間とか三十分とか話しますと、 たまたまついつい本意でないことを言ってしまうということもありまして、その場で取り消すこともあります。

 今回の柳澤大臣の場合も、その場で例えが不適切だということを言われているということで聞いておりまして、今渡辺大臣が言われたように、これは本意では なかったのではないかなと思っております。

泉委員 官房長官も今そろわれましたけれども、今柳澤大臣の発言のことについてお伺いをして おります。

 引き続き質問を続けますが、今いろいろと不適切であったというようなお話がございました。これはどうしてこういう発言をしたのかわからないということで はありましたが、大臣である以上は、それは人それぞれ性格、考え方はあるでしょうけれども、やはり改めていただかなければならないところは改めていただか なければなりませんし、わからないでは済まされないところもあるというふうに思います。同じ内閣を構成する皆様でありますから、そこはぜひ改めていただく ことも、大臣同士で御進言という表現も変かもしれませんが、やはり今の時代、大臣、ここはこうなんですよということは、今こうして御認識を持たれている皆 様はぜひそういうことを言っていただきたいというふうに思うんです。

 といいますのも、その産む機械、装置の話だけではなくて、例えば、一人頭頑張ってもらいたいというような言葉であったり、あるいは二人持ちたいという健 全なというフレーズであったり、その後も、こういった認識の中に、どこかにやはり気負いというふうに私は百歩譲って表現をさせていただきますけれども、厚 生労働の少子化、子育て支援に携わる大臣として、何とか結果を残さなければならないという思いも多少あるのかもしれないなというふうにも思っているわけで すが、少子化対策ということの考え方そのものを、柳澤大臣は、もしかしたら勘違いをなされているのではないのかなというふうに私は心配をしております。

 その意味で、少子化対策というのは、まず一つ、少子化に対応した社会システムをどうつくるのかということが少子化対策であって、産めよということではな いということですね。産む目標、出生率の目標を設定することではまずないということを、各大臣、どういうふうに御認識を持たれているかということをお伺い したい。少子化対策は、子供をふやすということではなく、少子化に対応した社会をつくる、これがまず一つ。

 そしてもう一つは、今いる子供たち、虐待やいじめ、いろいろな問題に直面をしている子供たちをいかに大切に育てていくかという観点であったり、今子供を まさに産もう、そしてこれから産もうとしている、その産もうと思っている人たちが産みやすい社会をつくるにはどうしたらいいかということを考えるのが少子 化対策だというふうに私は思うわけですが、それについて、また各大臣になりますが、御意見をいただきたいというふうに思います。

塩崎国務大臣 出生率を目標にするのはおかしいじゃないか、こういう話ですね。

 今、私どもも新しい少子化の会議を立ち上げました。戦略検討会議をつくったわけでありますが、やはり基本的には、結婚をしよう、あるいは子供を持ちた い、こういう人たちがその思いを遂げられるようなそういう社会にしていくべきではないのか。これは恐らく、かなり社会の根っこからいろいろ考えなきゃいけ ないことだと思います。企業もそうですし、そういうようなことを幅広く検討していく中で、それぞれの生き方というものが全うできるようにしていかなきゃい けない、こういうことだと思います。

溝手国務大臣 先生のおっしゃるとおり、子供の数とか、余りそんなことにこだわる必要はない と思います。とにかく、豊かな生活が送れるようにいろいろな知恵を出していこうということではないかと思います。

菅国務大臣 一番大事なのは、安心して子供を生み育てることのできる環境整備というものを私 どもがやることが大事だと思っています。

山本国務大臣 この少子化時代にあるというもとでの話であれば、私は、将来計画に目安として の出生に対す るある程度の目標というのはあり得べし、またあらまほしい考え方であろうということでございますが、ただ、少子化時代であろうがなかろうが、出産、育児、 子育て、そういったものに対しての家族的な意味からすると、母子に対して、身体や精神、あるいは経済社会、就労等について大変な困難が過去あったわけであ りまして、その一つ一つを片づけていくということが政策的な直近の課題であろうというように考えております。

大田国務大臣 先生の御指摘に全く賛成です。

 子供を産みたい人が安心して子供を産むことができる、社会全体で子供を大事にすることによって、子供を持つことが喜びになって、仕事をしながらでも安心 して子育てできるという社会にすることが何より大事だと考えております。

渡辺国務大臣 実は私、子供が三人おります、かみさんは一人しかおりませんけれども。うちの かみさんを見 ておりまして、いや、子育てというのは本当に大変だなとつくづく思いますね。したがって、我が家では、ああ、済まないなと私が思った瞬間に権力構造がそこ で確定をするわけでございますけれども、そういった個人的な経験からいきますと、やはり産む方の母親が、先ほどから皆さん指摘されていますように、安心し て産んで子育てができる環境づくりが必要かと存じます。

平沢副大臣 今いろいろとお話がありましたように、若い人たちがぜひ結婚したい、ぜひ子供を 産みたい、そして子供をぜひ育てたい、そう思っていただけるような社会環境を整備すれば、結果として出生率が上がっていくんではないかなと思っています。

泉委員 先ほどの質問の中に戻りますが、溝手公安委員長、確かに、柳澤さん御本人の御性格と いうことにつ いては私は何も否定をするものではありませんが、こういったときの質問においては、優しくていい人ということでは余り答弁にならないのではないのかなとい うふうに私は思っておりますので、やはりしっかりと認識を持って、政策は政策、そして考え方、価値観というものは、直さなければならないところは直さなけ ればならないということはぜひ御主張をしていただきたいというふうに、まずお願いをしたいと思います。

 そして、山本大臣には、やはりもう一回お伺いをしたいんですが、目安、目標はあり得るというようなお話がございました。これは、もう少しその理由を詳し く聞かせていただけませんか。

山本国務大臣 少子化における重大性というのは、各方面、いろいろな指摘がございます。例え ばヨーロッパ 諸国の中、特にフランス等でもそうした目標がある程度は設定されているということを聞きます。また、その実効性におきましても、かなり成果を上げていると いう高い評価も、こちらもしておるわけでございます。

 そういった観点が一つと、もう一つは、何らかの政策、少子化という問題意識の中で、子供出産数が去年で百六万人、死亡者が百八万人、結果として人口が 減っていく、その幾何級数的な段階がさらに将来来るというようなことの中で、やはり問題提起の中から、我々は税金を使っている、予算を使っている。予算を 使うときに、政策目標を設定して、またその予算の執行における決算も考えなければなりません。政策判断の目標があり得た方が、しかも数値的なものがあり得 た方が、より評価が厳正になって規律が正しくなるというような考え方をとれば、やはりそこに数値目標というのは、完全な目標でなくてもいいけれども、ある 程度の目安としての問題が把握されていた方がお互い共通認識がしやすい。しかも、国際的な目で見て明らかであるということにおいてのすぐれた点があるだろ うというように思っております。

泉委員 そこは、国際的にはそういう数値を設定する国もあるかもしれません。しかし、我が国 でお考えをい ただいたときに、出生率ないしは出生数というものを数値で目標にする、しかし、それは多くの国民にとって通じるものだろうか。その出生率、目標を達成する ためにまさか国民が子を産むわけではないわけですね。そうすると、それはあくまで政府部内の、非常に内部の目標になることは場合によってはあるかもしれな いけれども、国民に対して呼びかけるような目標にはやはりなり得ないというふうに私は思うわけです。

 そして、その目標が、いわゆる政府からのメッセージとしては、とにかくそこまで産まなければ世の中、年金も社会制度ももたないんだ、あるいは経済が縮小 するんだというような政府の方の思いがあるわけですけれども、しかし、その経済の縮小ですとか、あるいは年金制度が続かない、これは、だからといって出生 率、出生数に目標を持たそうということにはやはりならないんじゃないのかなというふうに私は思えるんですね。

 年金制度が仮に続かないのであれば、やはりそれは年金制度を調整していく話であるし、日本の経済全体のパイが下がるということであれば、それは一人当た りの生産性ですとかを上げていくという話になるんでしょうし、それはある程度人口規模が減れば、経済の全体のパイだって当然減ることが前提だということも 受け入れなければならないというふうに思うんですが、そういうものを受け入れずに、やはり目標を設定すべきだというふうにお考えでしょうか。

    〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕

山本国務大臣 先々週、私の地元大月町で町制施行五十周年がございました。昭和三十二年に小 学校には二千 人の生徒がいた、しかし現在は二百人足らずという評価を冒頭助役がなさいました。そうした数字で物をとらえていくことにおける正確性というのは、私はその ときも認識したわけでございます。また、中土佐町という合併する地域があったわけでございますが、その旧大野見村、小さな寒村、三千人ぐらいの人口でござ いますが、そこではおととし、五十人のお葬式、たった一人の出生者というような、そういう数字で村長さんから町の事情を私は聞かされるわけでございます。

 そうした感銘力におきます私の姿勢というのは、こうした過疎や過密の状況に対して臨む意識がより変わってきたというように思っておりますので、数字的な 評価というのは大変大事なことだろうというように思っています。

泉委員 もちろん、過疎地における人口減少、そして日本の国土の均衡な発展ということにおい ては、そうい う考え方というのはあり得るのかもしれない。しかし、恐らく最盛期のころの人数を先ほどおっしゃられましたけれども、そこは、私なんかも第二次ベビーブー ムの時代の人間ですけれども、我々のころというのは、学校もプレハブ建てをしないと追いつかないぐらいに生徒がふえていた。しかし、必ずしもそこで行われ ていた教育が、世界から比べれば恵まれていますけれども、しかし、今振り返ってみて、果たして本当によかったのかどうか、少人数教育の方がよかったんじゃ ないかという声も多数あるわけですね。

 ですから、人が多ければそれで物事がうまく進んで、すばらしい世の中だということの前提そのものも、私は、やはり再検討していただく必要があるんじゃな いか。そこを考え直していただくということが、今我々若い世代の方からは実は持ち上がっているんじゃないかということをきょうは指摘させていただきたいと 思っておりますので、ぜひ山本大臣におきましては、その辺のこともよく、今の若い世代が、もう子供をたくさんふやして高度成長にこれからまた乗っていこう というようなことばかりを追っている時代ではないんだということの御認識を持っていただきたいというふうに思います。

 それでは、続いて治安問題についてお話をさせていただきたいと思います。

 今、刑法犯の認知件数が四年連続で減少をしております。もちろん、この間、警察官の増員あるいは警察の御努力、これは大変なものもありますし、民間ボラ ンティアの活性化というものも挙げられておりますが、警察として、増員計画はことしまでで一応、政府が言っていた一万人増員計画というものが達成をされる わけですけれども、この認知件数が四年連続で減少している要因というものを公安委員長、どう考えられていますでしょうか。

溝手国務大臣 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、刑法犯の認知件数は平成十五年から十八年まで四年連続して減少しており、警察庁としては、治安再生の曙光が見え始めているというように 感じているところでございます。

 今まで、犯罪対策閣僚会議等を踏まえて、政府挙げての各種の対策や、全国の警察が取り組んできた街頭犯罪等の抑止総合対策、あるいは各地の自治体や関係 諸団体によるさまざまな取り組みなどが功を奏したものであるとともに、特に私としては、防犯ボランティアを初めとする地域の住民の方々の安全、安心のまち づくりに向けた熱意と尽力のたまものである、このように考えております。

 しかしながら、刑法犯の認知件数は、まだ昭和四十年代、これはゴールデンエージと言ってもいいんだろうと思いますが、このころに比べるとやはり一・五倍 を超える水準にある。依然として子供が被害に遭う等、厳しい治安情勢が変わったというようには認識しておりません。したがいまして、国民の強い期待にこた えるべく、昨年取りまとめました治安再生に向けた七つの重点等に基づく取り組みをさらに強力に推進していく必要がある、このように考えております。

泉委員 これは確認なんですが、いろいろな治安問題を研究する方々の中には、やはり警察の統 計上のさまざ まな見え方というか、それも要因になっているんじゃないかということもおっしゃられる方がおられます。例えば、治安が非常に悪くなったと言われていました けれども、それは認知件数、警察の認知方針が大きく変わったからだ、それによって認知件数が膨大にふえ、そして、その反動として検挙率が相対的に下がると いうような現象が起きて、それで治安が悪いという評価が、国民的にも体感治安も悪いという評価が植えつけられたというような言われ方がされました。

 その後、その認知件数もようやく今落ちつきを見せているというところだとは思うんですが、この減少ということについては、統計上のものの何か変更ですと か解釈の変更というものはないと考えてよろしいでしょうか。

溝手国務大臣 いろいろな御意見があるということは承知していますが、警察としては、そうい う変更をしたということは承知しておりません。

 問題はむしろ、さらに保守的に、そういうそしりを受けるようなことがあってはならないということで、非常にコンサーバティブにやっているものと心得てお ります。

    〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕

泉委員 今ほど、昭和四十年代に比べてもまだ一・五倍の刑法犯の認知件数があるというふうに おっしゃられました。先進的な、たしか警視庁だったでしょうか、特定の犯罪についての検挙率の目標を掲げていくということが最近なされているやに聞いてお ります。

 そういった意味も含めて、警察としては、今、とりあえず減少はしてきているけれどもまだ四十年代の一・五倍あるという状況を踏まえて、今後どのあたりに までこの刑法犯の認知件数というものを下げていきたいというふうに考えているのか、具体的なものがあればお聞かせください。

溝手国務大臣 特別に具体的な目標を刑法犯全体で取り上げてやっているわけではございませ ん。具体的な、例えば交通事故の死亡者を減らしていこうとか、そういうところはございますが、特に具体的に考えているわけではございません。

泉委員 そこはぜひ、私は具体的に定めていただく状況に今なってきているんじゃないのかなと いうふうに思います。

 先ほどの山本大臣との話ではないですが、そこの部分は数値目標は私はあってもいいのではないかなというふうに思っておりまして、といいますのも、警察官 一万人増員をいたしました。警察における二〇〇七年問題ということでも、それにも対応するという趣旨もあったというふうに思いますけれども、今後警察の中 で人員の配置計画についてどうお考えになるのかということにおいては、やはり治安の動向というのが非常に左右をしてくるというふうに思います。

 その意味では、もちろん治安回復には日々取り組んでおられるとは思いますけれども、今後も、刑法犯の認知件数を例えばこれぐらいにする、凶悪犯をこれぐ らいにする、暴力団をこれぐらいに減らす、そういう明確な目標があればあるほど、皆さんは警察官の増員ということについては理解をしていただくということ になると思うんですね。とにかく頑張るから人をふやしてくれというのは、この三年間の一万人増員計画の中で、ほぼ第一弾としては達成できたというふうに私 は認識をしておりますので、そういった意味で、この増員計画を今どのようにお考えになられているか、お聞かせください。

溝手国務大臣 世の中、合理化ということが随分、行革行革という声が大きい中で、警察の事情 を御理解いた だいて、一万人増員計画を今日まで進めてこられたということは大変感謝をしております。内部的には絶えず防犯力の強化という声が上がっているのは事実です が、人間だけで防犯が可能なわけではございません。技術も機械化もシステム化もいろいろあると思いますので、なるべく人間をふやすという方向に安易に流れ ないように心してやっていく必要があろうかと思っております。

 犯罪のない町をつくっていくために、いたずらに警察だけが大きくなっても困るなという思いも私個人としては持っているところでございます。

泉委員 さらに公安委員長に二点お伺いしたいんですが、まず増員の問題で、二〇〇七年度の予 算の復活折衝 において、警察官三千人増員の三億四千五百万というものが認められたということになっております。この一万人増員計画の中で、年間三千人なり三千五百人ず つふやしていくということは以前から言われていたわけですが、なぜ復活折衝で認められるという厳しい歩みを、経過を踏まなければならなかったのかというこ とは、私は個人的には大変疑問を感じております。

 政府部内で、もう治安は四年連続下がってきているから、こんな増員要らないじゃないか、何とか警察の中で努力しろという話があったということなんでしょ うか。

溝手国務大臣 治安の問題についてはいろいろな受けとめ方がございますが、先生が冒頭に御指 摘があったよ うに、体感治安の問題に行くと、むしろ国民世論的には物騒な世の中になったということがまだ払拭されているわけではないし、それは、その辺の世論の受けと め方というのはいろいろあろうかと思います。

 やはり今回の復活に持ち込まざるを得なかったということは、政府を挙げての行革の合理化、それから財政問題の立て直しの渦中において、すべての定員がマ イナス方向で動いているときに警察の問題を取り上げたということで、その辺に、何とも言えない取り扱いになったんだなと私は思っております。

泉委員 ここは、あえて国民にPRをされるためにこういうやり方をしたのかもしれないという ふうに私は 思っているわけですけれども、やはりそれはそうであってはいけないというふうに思っておりますので、そんなことがないのであれば、それこそちゃんと、復活 折衝ではなく、もともとこういったものは予算に盛り込むべきだということを私は主張したいというふうに思います。

 先ほど、犯罪の減少の中で、刑法犯が減少しているということについては統計上何も変更はないということでしたが、もう一つ公安委員長の御認識をいただき たいのは、そもそも治安が悪化をしていく過程の中で、やはり認知件数の取り扱いの仕方、これに変化があって、そして微罪、例えば自転車盗なんかも含めて、 すべて認知をしていく方向になったから認知件数が膨大にふえて、結果的に検挙率が下がったんだ、こういう統計から物を見るいわゆる神話派というんですか、 そういうような論陣を張っていられる方もおられます。

 そもそも、治安の悪化という状況において、そういった側面もあったというふうに御認識はおありでしょうか。

溝手国務大臣 世論の動向がさまざまに変動しますから、それに対して全く影響がなかったとい うことは言えないんだろうと思います。これは何においてもそうだろうと思いますが、やはり時々の世論に影響されたことはあり得ると思うんです。

泉委員 大臣、もう少しはっきりとお答えいただきたいんですけれども、今のお答えだとちょっ とわからない ですね。要は、認知件数がふえる過程で、それは警察の認知方針に変化があったかなかったか、そして、その変化によって認知件数がふえたという要因があるか ということです。それについてお願いします。

溝手国務大臣 基本的には全く変更はない、先ほど申し上げたとおりですが、ただ、去年の話も 御記憶に新し いと思いますが、いたいけない子供三人を酔っぱらいの追突で水の中に落としてしまったというような事件が起きますと、それは世論の動きも相当激しいものが ありますし、それに対する取り締まりというのはやはり厳しくなった、そういう意味で私は申し上げているわけでございます。

泉委員 ですから、もう少しはっきり言っていただきたいんですが、そういう意味でというの は、では、今福岡の事件のことをおっしゃられましたが、そうではなくて、この認知件数のとり方を変えるときにそういうことがあったということをおっしゃら れたいということですか。

 例えば、私は、たしか桶川のストーカー事件があってからは、積極的に認知件数、認知をしていこうという方向に警察が変わったというようなことも聞いたこ とがございますけれども、そういうことを指していられるんでしょうか。

溝手国務大臣 取り締まりの方針というか、認知の方針の基本的なものが変わったわけではござ いません。し かし、国民の要望というか世論というのは、その時々の発生した事件によって変化をするということは否定できない事実であろう。そういう意味で、力点の置き 方が変化をしてくるということはあり得ると思っております。

泉委員 わかりました。理解します。

 それで、さらになんですが、暴力団の構成員、準構成員が、最近、とうとう構成員よりも準構成員が上回ったという状況になってまいりました。これは、平沢 副大臣も確かに専門家ではあると思うんですが、公安委員長にお伺いしたいと思います。

 これは、私は前回も、以前この内閣委員会の方で質問したことがあるんですが、準構成員という扱いで、その準構成員がどんどんふえているという状況は、既 に暴力団が今の暴対法に対応して組織をどんどん地下に潜らせている、そのかわりすそ野をどんどん広げているという状況がある、明白なその事実がこの統計に はあらわれているんじゃないのかなというふうに思います。

 そういう中で、この暴力団の構成員、準構成員という仕切り方をこれまでどおり続けていくのか、そして、その準構成員対策というものを警察はどのように考 えているのか、これをお伺いしたいと思います。

溝手国務大臣 あなたの御指摘は全く同感するところが多いんですが、準構成員ということは定 義がないんで すね、たしか。暴対法の中で暴力団の団員というんですか、これについては、取り締まりをするために必要な範囲というのは割と厳しく限定的に解釈をしてやろ うということで今までやってきましたが、準構成員というのは、実はかなり便宜的に範囲を定めてきたということは事実であろうと思います。

 問題は、正社員か準社員かよくわかりませんけれども、とにかく悪いことをするのは根を絶とうということが本意でございまして、どっちであろうと根を絶っ ていくということは頑張っていかなくちゃいけないんだろうと思います。

 御指摘の点については、今後やはり考えるべき課題であろう。犯罪の態様も随分変わってきておりますし、これはほっておくわけにはいかないな、我々内部で はそういう議論もしているところでございます。

泉委員 大臣は、全国二十数万人の警察の職員が頑張っているということで、もう少し熱を持っ て頑張っていただきたいというふうに私は思います。大臣、スポーツマンでありますから、ぜひそこはしっかりと。

 といいますのは、禁酒法のときには、密造酒がそのかわり膨大にふえたわけですよね。それと同じように、今、例えばおれおれ詐欺、いわゆる振り込み詐欺、 こういったものを含めて、どんどん犯罪の質が変わっております。そこには暴力団がやはり裏に表に絡んでいるんじゃないかということも指摘をされているわけ ですね。

 要は、昔のように、発砲事件だ、けんかだ、そしてお互いの組事務所に押し入るんだ、討ち入るんだなんという時代ではないわけですね。あるいは、木札を部 屋に並べて我々の組員だなんという時代ではもうなくなっているわけです。その表に目に見える小さい暴力団組織を支える大きな大きな、今、準構成員という、 定義はないんだけれどもとおっしゃった、でも人数は出ている不思議な人たちが非常にふえているという現状は、やはり強く、これは改める、何とかしなければ ならない、そういうことを明快に言っていただきたいというふうに私は思います。

 もう一度お願いします。

溝手国務大臣 とにかく、悪いことをするやつは徹底的に逮捕しなくてはいけないということ で、今おっ しゃった構成員と非構成員の問題が、そのことに非常に大きく影響するということは全くあなたのおっしゃるとおりですが、それだけではない。ですから、根 源、根を絶つためにはいろいろな方法があろうかと思います。気合いだけではなくて、やはり頭も使っていろいろ頑張ってまいらないといけない。張り切って やっておりますので、どうぞ御安心いただきたいと思います。

泉委員 その大臣の御答弁から、頭を使った答えがもっと出てほしいんですよ。そこはやはり具 体的に、反論 というか答弁をしてくださいよ、大臣。我々はこうこうこうしますということをぜひ……(発言する者あり)いや、張り切ってと、まさに勢いだけじゃないです か、大臣も張り切ってとおっしゃったわけですから。

 そうではなくて、私は以前も提言しましたけれども、では、この暴力団対策、交通安全と一緒で、私は交通安全対策については小泉政権のころから非常にすば らしいというふうに言っているんです。これは私は、数少ないと言うと怒られるかもしれませんが、小泉政権の中で評価をしていることなんです。同じように、 暴力団対策についても、計画をつくっていただきたいということを我々は以前から申し上げておりました。これも数値目標の話ですが、ぜひそういった計画はつ くっていただきたいというふうに思います。

 さらに、警察のことでもう一点なんです。

 先日、大変残念な、今、宮本警部ですけれども、死亡事故、殉職がございました。私もその御葬儀には参加をさせていただきましたけれども、きょうはそのこ とに哀悼の意を表しながら、しかし、その問題ではなくして、その警部がおられた駅のちょうど反対側の南口に民間交番がございます。これは昨年の十二月から 各種報道で報道がされていたんですが、千葉県の野田市ですとか、たしか南常盤台駅でしたでしょうか、そこの南口にはこういった民間交番が最近次々と設置を されている。

 防犯ボランティアの活性化によって、今後もさらにそういう傾向は出てくるだろうなというふうに思っておりますが、今、二通りあると思うんですね。もとも と警察におられたOBの方が、警察がまだ所有をしている空き交番に入って業務を行う、いわゆる交番相談員という方々。そして、今こうして新しく民間交番が 出てきたときに、例えば市がその警察OBなんかを雇用あるいは集めて、そういった民間交番に入っていただくやり方。こういった形で、純粋には交番相談員と は呼べないというところもあるとは思うんですが、そういういろいろな形式が今出てきております。

 ただ、せっかくそういうものがありながら、例えば遺失物の取り扱い、落とし物を拾ったときにそれを受理する、あるいは被害届を受理する、あるいは代書を させてもらう、そういった行為がでは今果たしてどこまでできるだろうかというと、恐らく民間交番では難しい部分がまだあるんじゃないのかなというふうに思 います。

 せっかく民間交番を設置して、地域の防犯、お目付役だけではなくて、ある程度軽い業務、これは警察の業務が今大変多忙になっているということも踏まえ て、分権というか、こういった交番相談員、あるいはそれに準ずる、市などがしっかりと役所としてその立場を認めた職員というか方々については、こういった ものもぜひ検討していただけないかというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。

溝手国務大臣 建前としては非常にはっきりしているわけですが、いわゆる空き交番であれ、警 察の施設で警察の業務としてやるときには、遺失物にしても拾得物の問題、それはしっかりやらせていただきたいし、空き交番に届け出があれば、いろいろな態 勢をとってそれは対応したいと思います。

 民間交番に関しましては、いろいろな態様もございますし、必ずしも警察の基準に合致しているかどうかもわかりませんし、特に交番というのは、そういう便 宜を図るとともに重大な権力行使をする場所でもあるので、民間交番に対しては限定的に考えていくのが私は普通の考え方で、特にプライバシーにかかわる問 題、これは拾得物とか金品について余計なトラブルがあるのもどうかと思いますし、現在ではそういう区別はしっかりすべきだろうと思います。

 さらに、将来の問題としてどうかということになりますと、どっちの方向でいくか。交番業務をもっと民間との連携をしっかりさせて、交番をもっと機動的に 動かせれば、先生御指摘の話についてもかなり対応ができるのではないかということも考えられますし、通信のやり方も考えると、いろいろな工夫は可能だろう と思いますし、検討の必要はあろうか、このように思っております。

泉委員 例えば被害届なんかでいいますと、行政書士も代書ができますし、そういった意味で、 代書ということそのものは可能だというふうに思うんですね。

 ですから、この被害届なり遺失物取り扱いということについては、今後、だれでもというわけにはいきませんけれども、一定の役割を公的な部分から委任され た方々については、そのあたりまではぜひ認めていただきたいということを私から最後にお願い申し上げます。

 これで午前の部の質問は終わらせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

河本委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時九分休憩

     ————◇—————

    午後一時開議

河本委員長 質疑を続行いたしま す。泉健太君。

泉委員 午前に引き続き質疑をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、ちょっと予定外だったんですけれども大田大臣の方に、今ちょうど日銀の金融政策会合が行われていますけれども、追加利上げの是非の判断につ いて、もう既に報告は届いておりますでしょうか。

大田国務大臣 日銀の金融政策決定会合、まさに今開かれておりまして、まだ私の方には何の連 絡も来ておりません。まだ会合が続いているものと考えております。

泉委員 総裁が利上げを提案したという報道もなされているようでして、もし報告が届いていな いなら報告が入り次第、この委員会の中で、おられればですけれども、ぜひ御報告をしていただきたいということがまず一点ございます。

 報告が届いて、利上げということになれば、中川幹事長なんかは利上げに反対する発言を繰り返していたわけですので、これは与党と日銀が一体で金融政策に 当たっていると言えるのかということにもなりますし、利上げをしないということであれば、これは与党幹部の方針に従ったということなのかもしれないです が、それはやはり日銀の独立性ということからはおかしな話になりますので、とにかく早く、もし報告が届けば、それはぜひ教えていただきたいということを冒 頭に申し上げておきたいと思います。

 予定をしていた質問に戻らせていただきますけれども、冒頭、まず格差の問題についてであります。

 この格差についても、安倍総理が、もし格差があれば、そこには光を当てていくというような言い方で表現をなされました。我々としては、この格差というこ とは、所得格差、世代間格差あるいは地域間格差、明確に存在をしているというふうには思っておりますけれども、やはりもう一度、それぞれ、何かこの質問を つくって政府に投げるときに、格差という言葉がついたら全部大田大臣が答えることになっているんだというような話も一部、私の方には届きました。しかし、 やはりそれぞれ担当がございますので、私はその観点からお答えをいただきたいというふうに思います。

 まず、やはり再チャレンジの担当として、世代間格差というものが今のこの日本、どれぐらい存在をしているのかということで、山本大臣、お願いします。

山本国務大臣 まず、一世帯当たりの人数ということを申し上げたいと思います。一九八五年に は三・一人ご ざいました。二〇〇五年には二・六人まで減っております。つまり、家族の人数が減っていること、そして、高齢者にとっては独居が多くなっているという傾向 がございます。それをして何が言えるかということでございますが、いわゆる若者の世代と高齢者の世代では、一つの孤独感における意識の格差みたいなものが 随分あるのではないかと想像しております。

 また引き続き、それと同じことでございますが、世帯主年齢階級別の世帯収入のジニ係数というのがあります。これは二十歳から二十四歳までは〇・二一七、 極めてフラットでございまして、この年齢層における格差は極めて少のうございます。しかし、六十歳を超えますと〇・三を超えてしまいます。つまり、高齢化 世帯における世帯主収入というものについては、かなり格差があるというように見ております。

 また、さらに申し上げれば、フリーターの面でございます。フリーターにおいては、年長フリーターと、年少フリーター、十五歳から二十四歳までの格差がご ざいまして、直近のデータで、二〇〇四年から二〇〇五年のことを特に申し上げますと、年長フリーターは二万人ふえております。ところが、年少フリーター、 十五歳から二十四歳までは逆に減っております。十一万人減っております。ですから、その意味においては、フリーターといえども、若年層のフリーターは減っ て、高齢的な三十前後のフリーターはふえているという格差がございます。

 ニートにおきましても同様のことが言えまして、二十五歳で完全に分水嶺がございます。つまり、二十五歳以下ではニートは減っております。去年からこと し、二十歳から二十四歳までで二万人減りました。そしてまた、十五歳から十九歳では一万人減りました。ところが、二十五から二十九では一万人ふえ、また、 三十から三十四までは一万人ふえております。

 ですから、そうした意味におきます、ある程度の年齢階層でそれぞれやはり格差が出てきており、特に、もっとストレートに言えることは、ハローワークにお いて六十歳以上の雇用というのはほとんどございません。やはりそこは三十歳前後が一番、逆に求職してくる人に対する就業機会というのが多い。しかし、六十 歳以上の方々にとってはほとんど就業機会というのはないに等しいという格差がございます。

 以上でございます。

泉委員 時間がございませんので、次に渡辺大臣の方に、地域間格差、この実感をどうとらえて いるか、お伺いしたいと思います。

渡辺国務大臣 これは大田大臣の方のお話かもしれませんが、領空侵犯的に許されている立場で ございますので、私の方からお答えをさせていただきます。

 この数年間、景気回復のアンバランスというものは確かにあったと思うんですね。輸出型製造業がある地域とない地域とでは、全然景気のぐあいが違います。 例えば、毎月出てきます有効求人倍率なんというのを見ておりますと、私の地元栃木県でも、宇都宮周辺と、那須烏山市という私の選挙区なんですけれども、全 然新規の倍率も有効も違います。そういうことが恐らく全国的に分布しているんだろうと思うんですね。

 昔ですと、そういうときには公共事業を追加する、あるいは交付税で何とかするということだったんだと思いますが、これを減らしてきているわけでございま すから、その点、景気回復の跛行性がさらにきいているということは言えようかと思います。では、昔のような金太郎あめ発展モデルでもう一回やれるのかと いったら、それはもう難しいと考えております。

 したがって、これは地方分権を進めていく中で、それぞれの地域がそれぞれの地域の独自性を発揮していただく、個性ある発展モデルを模索していくというこ とが大事なことではないんでしょうか。

 したがって、それぞれの地域の中で埋もれた宝物、これをぜひ掘り起こしをやることを政府としても全面的に応援していこうということで、地域活性化応援隊 というものをつくりました。カリスマ的な応援隊のメンバーには伝道師の称号を出しまして、さまざまなデータベース、成功事例、失敗事例を引き合いに出しな がら、それぞれの地域の御相談に応じていくという体制をつくったところでございます。

泉委員 今渡辺大臣にお伺いをしたのは、今本当に内閣府の業務が入り組んでおりまして、地方 再生とか地方活性化ということについては渡辺大臣ということで、地方にお詳しいという観点からお伺いをさせていただきました。

 今、山本大臣や渡辺大臣から格差の問題についてのお話がありましたけれども、今こうして、例えば、山本大臣の再チャレンジということについても、高市大 臣の所信の中に、女性の再チャレンジというものが出てきたり、若者の自立支援という項目が出てきていたりしております。そういうところからも、かなり重複 があるなという感じが否めません。

 例えば、女性の再チャレンジ、そして若者の自立支援、今この政策における大臣というのは、トップはだれだということで考えたらよろしいんでしょうか。山 本大臣、お願いします。

山本国務大臣 トップとか、指揮命令系統の中にお互いがあるわけではなくて、内閣ですから、 あくまで総理を中心として閣僚が協議をしながらやっていくというスタイルでございますので、御了解ください。

泉委員 そこで、内閣府の機能強化が今ずっとされているわけですが、数点お伺いをしたいと思 います。

 まず官房長官にお伺いをしたいんですけれども、かつて小泉内閣の際に、例えば構造改革特区なんかでは、鴻池大臣が、特命事項を担当する大臣ということ で、特命担当事項大臣ですか、ややこしいですけれども、特命担当事項大臣として就任をされた。それが、二〇〇三年の四月一日からは、これは特命担当大臣と いう位置づけになされました。これは違うんですよね。特命担当事項の大臣と特命大臣というのは、これは別になるわけですね。内閣府に位置づけられる大臣 と、そうでない大臣ということになるわけです。そしてまた、二〇〇三年の九月には、もう一回特命担当事項の大臣ということになっているわけです。

 構造改革特区の大臣の位置づけがこういうふうに変わっていった理由というのは何なんでしょうか。

塩崎国務大臣 今の担当事項というのがついている、つかないという話については、私も余り認 識をしていなかったものですから、今ちょっと、まさに担当と話をしたんですが、我々の理解では、特命担当大臣ということでやってきているというふうに理解 をしております。

 もともと橋本行革で、総合調整をやらなければいけない。つまり、一つの役所では済まない問題がふえてきているものですから、それで横の連絡調整をしなが ら調整をする担当大臣というものを新設したということであるわけでございまして、経済財政とか科学技術とか沖縄、防災等々いろいろございますけれども、先 ほど山本大臣も言っていましたが、総理のリーダーシップのもとで、特命事項についてまさに担当して、縦割り大臣に言ってみれば調整をかけていくという形で 問題に取り組んでいくということだと思います。

泉委員 大前提の認識として、今の特命担当大臣というものと、内閣府以外の特命事項担当の大 臣との違いというのは御承知ですか。それをわかっていなければ、ちょっと質問ができないんですけれども。

塩崎国務大臣 特命担当大臣というのは、内閣府の中に置かれる特命担当大臣であって、今の、 事項というのがつくということについては、承知をしておりません。

泉委員 例えば、高市大臣なんかは、科学技術、イノベーション、少子化・男女共同参画、食品 安全、これは特命担当大臣ですね。山本大臣なんかは、これは特命担当事項の大臣ですね。それとも、特命担当大臣ですか。山本大臣、いかがですか。

山本国務大臣 意識したことがありませんでした。

泉委員 これはちょっと皆さん、やはり一回勉強会をされた方がいいんじゃないかなというふう に思います。これは明確に違うようになっているんですね。

 内閣府の中に組織が置かれるということを前提にした内閣府特命担当大臣というものがありますし、そういう組織、外局がなくて、政府として重点政策に取り 組むという意味での特命事項の大臣というのがありまして、ちょっと意外でした、十分認識をされているものかと思ったんですが、ほとんどの大臣の方が、もし かしたら、そこの区別がないという状況かもしれません。御自身がどの立場の特命大臣なのかということが、もしかしたらわかっておられないのかもしれない。 そうすると、要は責任があいまいになる。

 例えば、内閣官房における地方分権推進室がございますが、これは、渡辺大臣、菅大臣、どちらが見ておられるんでしょうか。

菅国務大臣 私は、地方分権改革担当大臣ということで辞令を受けまして、これから四月に向け て組織を拡大していこう、今は準備室というところであります。

塩崎国務大臣 先生のお聞きをされようとしていることがいま一つよくわからないんですが、特 命事項とおっしゃっているんですか。それは法的にどこに書いてあるか、ちょっと見せていただけますか。そうしたら答えます。

泉委員 逆に、法律に書いていないけれども任命をされている、辞令に載っていない、官報に 載っていないものがそうなっているんじゃないんですか。逆にお伺いしたいと思いますけれども。

塩崎国務大臣 ひょっとしたら、先生、このことを指しているのかもわからないんですけれど も、例えば地球環境問題担当とか、これは事項という言葉はどこにも出てこないものですから、先生が何をおっしゃりたいのかよくわからなかったので、大変失 礼をしたわけでありますが。

 そういうことであるならば、いろいろございます。公務員制度改革担当というのもそうでありますし、拉致問題担当、私自身がそうですが、それを特命事項と 言うのであるならばそうですが、内閣の担当大臣ということで、特定の分野における重要案件の推進のために置かれているというものはございます。特に事項と いう言葉は出てきません。

泉委員 出てこないとして、では、官房長官にお伺いをしますが、今も言いました地方分権推進 室、これは、 菅大臣、初めてこの内閣委員会に来られておりますけれども、渡辺大臣は地方活性化ですとか道州制ですとかをされていますね。そうすると、例えばこの地方分 権推進室というのはどなたが見られているんでしょうか。

塩崎国務大臣 この推進室は内閣官房でありますが、担当は菅大臣でございます。それは菅大臣 にそういう発令をしております。

泉委員 例えば、渡辺大臣は道州制を担当されていますが、これはどこの部署で行われているん でしょうか。何か下部組織はございますか。

渡辺国務大臣 これは副長官補のところで担当をいたしております。

 ちなみに、私の名刺は、内閣府特命担当大臣(規制改革)と書いてありまして、これが法律上の担当になります。そのほか、国・地方行政改革担当、地域活性 化担当、公務員制度改革担当、道州制担当と書いてございますが、これらが今委員がおっしゃった事項の方でございます。

泉委員 溝手大臣にお伺いをしたいんですが、交通安全は高市大臣がなされているやに聞いてい ますが、これはどうなっているんでしょうか。

溝手国務大臣 そのようでございます。

泉委員 では、交通安全は溝手大臣は担当されていないということですか。

溝手国務大臣 いや、私は国家公安委員長でございますから、国家公安委員長は警察庁を監督し ているわけでございますから、警察庁全般を担当しておるわけでございます。

泉委員 警察全般の中に、まさに交通安全対策、死亡者を五千人まで減らしていくということが あるわけですが、それを主導されているのはどなたですか。

溝手国務大臣 国家公安委員会の任命した警察庁長官がやっておるというのが現在の姿でござい ます。

泉委員 ですから、そうなりますと高市大臣の交通安全というのは何を指すわけですか。

塩崎国務大臣 先ほど来、省庁横断的に対応しなければいけない問題というのがふえているとい うことを申し上げました。少子化もそのとおりでありますし、高齢化もそうでしょう。

 交通安全も実はそうでありまして、もちろん警察でやっておることは先生御指摘のとおりでございますが、それだけではなく、学校の問題もありますし高齢者 の問題もあって、そういうことで、内閣府に交通安全というのを事務として設けてございまして、各省横断的に総合調整をしていくという形で、高市大臣が担当 しているという意味でございます。現場は、それぞれの役所で、一番は警察が多いということは先生御指摘のとおりだと思います。

泉委員 ならば、高市大臣が交通安全を担当される理由、任命の理由というか、その分野を高市 大臣に割り振られた理由というのは何かございますでしょうか。

塩崎国務大臣 これは総理の方針で決めているということでございますので、総理に聞いてくだ さい。

泉委員 わかりました。では、これは総理にまた聞かせていただきたいと思います。

 今、本当に時間がありませんから、きょうはちょっとこういった問題意識を皆さんにお届けさせていただきましたが、これはやはり全大臣が、特に内閣委員会 では、御自身の特命担当の部分以外にいろいろな所掌を持たれているということだと思うんです。

 山本大臣も、金融だけれども再チャレンジ。しかし、今、例えば内閣委員会においても、金融の所信を聞く状況にはもちろんありません、それは財務金融委員 会がありますから。そうなると、再チャレンジという担当になるわけですが、やはりそういうふうに分野がかなりふえておりまして、これまでも、例えば与謝野 さんのころなんかでも、経済財政のことをこの委員会でお伺いするということがほとんどないままに任期が終わってしまったというケースも随分とあらわれてお ります。

 確かに、官邸機能、内閣機能の強化は私は反対はいたしません。しかし、そういった意味で、院の方のチェックが今どうしても後ろを追っかけるような形に なってしまっているということをぜひ知っていただきたいのと、余りにも数多くの担当大臣ができると、これまた国民に非常にわかりづらいということをぜひ 知っていただきたいという思いで、きょうはこの質問をさせていただきました。

 あと、補佐官についても、補佐官は総理直属だけれども、常勤、非常勤の区別ですとか、あるいは補佐官が、例えば教育再生、そして拉致問題の事務局長とい う形になっていますが、首相の直属で補佐官がいながら、しかし拉致問題については事務局長、そしてトップは塩崎官房長官ということになっておりますので、 その辺の意見調整というのはどうされているのか、まだまだ我々わからないことがたくさんございますので、ぜひ今後またその件については質問をさせていただ きたいというふうに思っております。

 最後の質問ですが、公益通報者保護法について、これは平沢副大臣になりますが、朝日新聞に記事が出ました。各省庁、委員会において、外部窓口をつくって いるのが三府省庁しかなかったということですね。

 これはどういうことかといいますと、雪印の問題やさまざまな企業不祥事を教訓に、公益通報の窓口をしっかり組織の中につくっていこうということで、政府 では、平成十七年に省庁申し合わせで、内閣府の方からちゃんと各省庁に申し合わせをして、窓口をつくりなさいと。内側に窓口があって、そして、内部の同じ 立場の職員がただその窓口をやっているだけだと、ばれる可能性があるから通報なんか到底来ないよ、だから、なるべく外部につくるように求めるということに 申し合わせではなっています。

 しかしながら、何と何と、全くほかの省庁が動いておりません。動いているのは内閣府と総務省と金融庁のみ、外部の窓口をつくったのはこの三つのみであり ました。このことは大変問題だというふうに思っております。

 もう最後の質問にいたしますけれども、まず平沢副大臣にこういう状況があるということをお伝えして、きょうは厚労省と農水省、環境省、防衛省に来ていた だいていたんですが、ちょっと代表してではありませんが、厚労省と防衛省から一言いただいた後に、副大臣の方に御答弁いただきたいんです。

 厚労省の方は、通報自体がゼロ件だから外部窓口は必要がないという言い方をしているんですね。でも、これは今は内部だから窓口が機能していないというふ うに私たちは見ておりまして、やはり通報自体がないから要らないんだというのは理由に当たらないんじゃないか。

 そして、防衛省の方は、予算の関係で窓口を置かないと言っておられる。これも正しいかどうかは防衛省に判断していただいて、その上で、予算の関係といっ て年間一千万も五百万もかかる話ではないはずでありますから、なぜ外部窓口ができないのかということを、最後に平沢副大臣にお願いしたい。

宮島政府参考人 厚生労働省におきましては、十八年四月の法律の施行に伴って、厚生労働省の 職員からの通報については、大臣官房の人事課と地方課に窓口をつくっています。これは外部ではないということです。

 どういういきさつであの朝日新聞の記事の書き方になったかはわかりませんが、事実として今のところ、この内部の関係では、職員からの通報の受理件数はゼ ロ件ということでございます。

 申し合わせにあるように、外部窓口の設置については今後の検討課題というふうに受けとめております。

西川政府参考人 お答えいたします。

 新聞には確かに予算云々と書いておりますが、どういう経緯でそうなったかは、ちょっと新聞の記事になった経緯、必ずしも明らかじゃないんですが、当方と しては、先生御指摘のガイドラインには、窓口を設けるように努めること、こういうふうになっておりまして、現在検討中でございまして、当然、検討中でござ いますし結論は出ていませんので、予算もとっていないということでございます。

 当方も、実は今のところ、公益通報にかかわるものというのが今は一件もございませんので、そのニーズ、必要性、要否を含めて検討しておるというところで ございまして、そういうことでございます。

平沢副大臣 今御指摘のとおり、平成十七年のガイドラインで、「行政機関内部の通報窓口に加 えて、外部に 弁護士等を配置した窓口を設けるよう努める。」こういうふうにしているわけでございますけれども、もちろん、御指摘のとおりまだ十八省庁のうち三省庁しか できていないということでございまして、内閣府としましては、関係省庁連絡会議等を通じまして、できるだけ設置するように要請しているところでございま す。本年の四月はちょうど法施行後一年になるわけでございまして、全国の実態調査をやる予定でございます。

 そうした実態調査の結果も踏まえまして、これから、関係省庁連絡会議等の場を通じまして、各省庁において実効性のある制度の整備をするように要請してい きたい、このように考えております。

塩崎国務大臣 話を乱して申しわけない、さっきの訂正を一カ所。

 さっき、内閣官房に地方分権の準備室があると言いましたが、今、実は内閣官房にあるのは地方分権推進室という前からあるもので、今度の準備室は内閣府に できます。済みません。

泉委員 きょうは、あえて全大臣にお越しをいただきまして、大臣所信という質疑の時間ですの でそういう形をとらせていただきました。

 公益通報の方は、ぜひ各省庁に徹底をお願いいたします。我々、また今後もチェックをしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 どうもありがとうございました。

(C)民主党京都府第3区総支部 Allrightsreserved.
総支部長衆議院議員泉ケンタ
〒612- 8434 京都市伏見区深草加賀屋敷町3-6
ネクスト21-ll-302号室
電話(075)646-5566FAX(075)646-5567
〒100- 8982 東京都千代田区永田町2-1-2
衆議院第二議員会館205号室
電話(03)3508-7005FAX(03)3508-3805