衆議院内閣委員会
平成19年3月9日(金)
地域再生法
につ いて
答弁者
国 務大臣
渡 辺喜美君
河本委員長
次 に、泉健太君。
泉委員
民主党の泉健太でございます。
私からも、本日午前中も質疑はありました。この午前中の質疑については、まだ正常だった当時の積み残しの高市大臣への質疑ということで、我々もそこには 質疑をさせていただきましたけれども、しかし、この今私たちがいる状況も、強行での質疑ということになっております。大変残念です。こういう質疑が正常に 行えないということを我々も強く抗議をしたいというふうに思います。
その上で、きょうは大臣に質問をさせていただきたいと思います。
まず一つ、地域再生法でありますけれども、今回は、地域再生協議会というものを設置するということが法律に書かれております。今回、私が省庁から以前レ クのときにお話を聞きましたら、地域再生協議会で成功している例が数多くあるのでこれを設置するんだというお話でしたが、それは今どれぐらいあるんでしょ うか。
渡辺国務大臣
数は把握いたしておりませんが、こういった枠組みを設けて、大変成功的に地域 再生を行っている事例があるようだということから、今回の地域再生協議会の法案化を考えたわけでございます。
泉委員
今、数は把握していませんがというのがありましたが、私はこれも大変問題だというふ うに思います。把握をしていただきたいと思います。
さらに、大変成功した、それは何をもって大変成功だというふうにおっしゃられていますか。
渡辺国務大臣
例えば、「三丁目の夕日」という映画がございます。昭和三十年代の……(泉委 員「この法案 の実例の話ですか」と呼ぶ)いや、ここから法案の実例につながっていく導入部分でございますけれども、昭和三十年代の、日本経済が大変活気があった時代、 我々よりもうちょっと上の人たちには、あの時代へのノスタルジーを持った方がたくさんいらっしゃるんですね。そこで、昭和三十年代を町並みの中で実現し ちゃったらどうか、こういう事例が生まれてまいりました。それは、大分県の豊後高田市でございます。
ここでは、地元の商工会議所や豊後高田市などをメンバーとして、豊後高田市観光まちづくり会社というものを立ち上げたわけでございます。観光サービスを 企画、提供する人材の育成などに取り組んで、中心市街地の町並みを、古さを逆手にとって、逆に昭和三十年代にしちゃおうじゃないか、こういうおもしろい発 想を考えたわけですね。これがまさしく、先ほど私が申し上げた成功事例、地域再生協議会という発想につながっていった一つでございます。
もっと申し上げましょうか。
泉委員
会社をつくられたというふうにお伺いしておりますが、その例をもって地域再生協議会 をつくられるという発想に至ったということでよろしいですか。
渡辺国務大臣
これは一つの事例として申し上げたわけでございまして、もっとたくさん実例が あるわけでご ざいます。例えば岐阜県……(泉委員「数だけ言ってください」と呼ぶ)数は、手元にその数を把握した資料がないというだけで、きちんと役所サイドでは数は わかっておりますが、手元にないというだけでございます。
泉委員
では、例えばその豊後高田でいえば、観光客二百万人、消費額六十四億円というのが平 成二十六年の 目標だそうです。ですから、今まさに取り組まれているところであって、成功ということでまだ結論が出ていないというふうに私は逆にお話を伺っているわけで すが、もう成功し終わってしまったんでしょうか、これは。今、まだこれは続いているものじゃないのかなというふうに思うわけです。
その意味でいいますと、地域再生の計画の認定事例ということで政府が幾つも挙げられている、この中で数多く成功された事例があるというふうにおっしゃら れましたので、それを具体的に、幾つ、どういう成功をしたのか。それは数字で、それぞれ目標があるわけですから、お答えをいただきたいというふうに思いま す。
渡辺国務大臣
先ほど成功したと過去形で言ってしまったのは別のところでございます。
豊後高田市は、目標として観光客数二百万人……(泉委員「もう言いました」と呼ぶ)御指摘のように、こういう目標を掲げておって、こういうコンセプトで やっているわけでございます。
成功した事例として挙げられるうちに入れてもいいのではないかと思うのは、滋賀県の長浜市、これは黒壁というものですね、黒壁銀行というのがございまし て……(泉委員「中身は結構です」と呼ぶ)はい。ここも、最初は失敗ばかりしていたのでありますけれども、まさに地域のネットワークを結集することによっ て、今では観光客数が二百万人に達しているという事例でございまして、これなどは私は成功事例に入れていいのではないかなと思うのでございます。
泉委員
例えば、パンフレットに載っております「国際リゾート都市「くっちゃん」の確立」、 これは成功はなされていますでしょうか。
渡辺国務大臣
ニセコスキーリゾートというのは、これは……(泉委員「成功しているかどうか です」と呼 ぶ)成功事例と言ってよろしいのではないでしょうか。(泉委員「何を根拠に」と呼ぶ)これはオーストラリア人を中心に外国人観光客がふえたんですね。北海 道はいまだに資産デフレという状況の中で、何とこの倶知安では地価が上がっちゃっているという事例でございますから、これも、外国資本は嫌だといっても、 オーストラリア人は、向こうは季節が逆ですからね、やはりリッチなオーストラリア人は、オーストラリアが夏のときに、冬、雪を見たいといってこちらに来る んですね。そうすると、こういうオーストラリア人相手のオーストラリアレストランとかがはやって、まさにこれは成功事例と言っていいのではないかと思いま す。
泉委員
それでは、お伺いをいたしますが、現在の外国人宿泊客は何名ですか。これは、目標に ちゃんと八万人、十九年度と書いてあります。成功と言った以上は、そういう実績があってのことだと思います。いかがですか。
渡辺国務大臣
宿泊客まで手元に資料はございませんけれども、地価が上がったというエピソー ド一つをもってしてでも、これは成功事例ということが言えるのではないかと思います。
泉委員
いいですか、これは地域再生のために推進室がちゃんとつくっている資料ですよ。それ で十九年度八 万人と書いているじゃないですか。これは明確に目標八万人と書いている。それをもって成功か不成功と言うんだったらわかりますよ。全く違う観点じゃないで すか。しかも、これで成否がわかるんじゃないですか。だから、私はこれが成功しているんですかと聞いた。そうしたら、成功していると言った。でも、これは わからないというんだったら、何にも成功の根拠がないじゃないですか。それを教えてくださいよ。わからないんだったら、できませんよ。
渡辺国務大臣
宿泊客は、確かにそこに数値が書いてございます。現在、宿泊客が一体統計上ど れぐらいある かというのは、手元に資料がないだけのことでございまして、こうした倶知安町の事例、これはとても有名な事例でありまして、オーストラリア人が大挙してこ この倶知安にスキーに来る、そして地価まで上がっちゃっている、この北海道においてこうしたスポットがあるということは、成功以外の何物でもないと思いま す。
泉委員
先ほど、この地域再生協議会をつくるというのは、成功事例があるから、こういうス キームをつくれ ば、よりそういうところがふえるからとおっしゃった。では、成功事例はどこですかと言った。そうしたら、豊後高田ですか、こちらの方を挙げられた。しか し、これは、にぎわっているという全く抽象的な、印象の話であります。しかも、目標は平成二十六年の目標ですから、これからですよね。では、倶知安はとい うことでお話を聞いてみたら、もう平成十九年度でという目標が書かれているにもかかわらず、その宿泊客数がわからない。なのに、成功したとおっしゃるわけ です、大臣は。
では、もう一つ、このパンフレットが言っています熊本県荒尾市、こっちの方で聞いてみましょう。「地場産業と住民の共生対流による起業創造と雇用機会の 増大」、これは目標が新規起業法人七社、新規雇用百四十六名、平成十九年度というふうになっておりますが、こちらの方の実績はいかがですか。
渡辺国務大臣
熊本県荒尾市、これはどなたの選挙区かわかりませんが、地域提案型雇用創造促 進事業、パッ ケージ事業というものですね。これは、商店街の空き店舗を活用し、地域の特産品である、ナシ、牛乳、ノリを使った発酵食品の製造販売業を中心とした食に関 連した産業を創出するための人材育成を行う。地域住民が生産、消費を行う地域循環型スモールビジネスを創出し、その集積により地域の再生を図るということ でございまして、目標は、新規起業法人が七社、そして平成十九年度の新規雇用は百四十六名となっております。
泉委員
私は実績と言いましたよね。そのことは御存じですよね。
今の倶知安、そしてこの荒尾市、例として挙げられていますけれども、すべて成功しているかどうかわからない状況ですよ、これは。(渡辺国務大臣「委員 長」と呼ぶ)いや、私はまだ質問は終わっていません。数字を出していただかないと、我々にも伝わる、成功かどうかがわからないんです。数字を出してくださ い。お願いします。
河本委員長
渡辺国務大臣、簡潔に答弁してください。
渡辺国務大臣
これは、十九年度が終わったところで数字は把握することにしております。
泉委員
そうしますと、現状を全く把握せずに今までやっているということですか。これはそれ ぞれの目標年 度がありますけれども、追いかけていない、その年にならないと評価をしない。にもかかわらず、成功している事例があるから地域再生協議会をつくる。この協 議会をつくる根拠は、事例が成功しているからでしょう。事例が成功しているという実績が、数字が全く見えてきていないのに、何でこういうことができるんで すか。これはやはり数字を出していただかないと、議論の大前提です。できません。
渡辺国務大臣
これは荒尾町のことをもって成功したから地域再生協議会をつくるという発想に はなっており ませんで、一般的に、地域で、先ほど来申し上げていますように、いろいろなネットワークが参加をし、地域でまとまって、やる気と情熱を持ってやっていこう とするところはうまくいくケースが多い。そういうことから、地域再生協議会というものを法定していこうという発想になっているわけでございます。
泉委員
大変残念なんですが、やはり、この地域再生協議会、私もこれはどうしようかというと ころで大変 迷っています。そういう中で、どれだけの事例のどれだけの目標達成ができたのか、現状はどうなのか、この資料をまず出していただきたいと思います。これを まず私たちは見て、それからしっかりと審議をしていきたいと思います。
ということで、それまで待ちたいと思います。
渡辺国務大臣
各地域でいろいろな取り組みが行われておりまして、地域再生協議会という名前 で集まってい るわけではないわけですね。例えば、先ほどのどこかの事例でありますと、いろいろな人たちが会社をつくるとか、それぞれの地域でさまざまな形態がございま す。そういった事例の中で、こういった地域再生協議会というものを法定して、こういうところを核にやっていけばより地域再生が進んでいくではないか、そう いう発想で申し上げているわけでございます。
泉委員
だめですよ。数字を出していただかないとだめです。十九年度ですよ。
渡辺国務大臣
先ほどの倶知安町の外国人宿泊数の事例でございますが、平成十五年、二万七千 人。平成十六 年、このころからオーストラリア人がふえ始めるわけでございますが、五万五千三百二十名、うちオーストラリアからいらっしゃった方が四万四千八百十三人。 外国人五万五千人のうち、何とオーストラリアから来られた方が四万四千八百十三人もいる。平成十七年、何と七万六千六十七人、うちオーストラリア人六万七 千二百四十人という形で、もうこれはオーストラリア様々ではないかということでございまして、平成十九年の目標は八万人ということでございます。
泉委員
では、荒尾市の方もお願いいたします。(発言する者あり)
河本委員長
速記をとめて。
〔速記中止〕
河本委員長
速記を起こして。
渡辺国務大臣。
渡辺国務大臣
熊本県荒尾市の件でございますが、目標新規起業法人七社のところ、平成十七年 で三件、平成十八年で一件、平成十九年は現在進行中でございます。
新規雇用、平成十九年度目標で百四十六名となっておりますが、実績、二百一名でございます。
泉委員
ありがとうございます。やはりそういう数字があるとわかりやすいですね。
地域再生協議会、今、これをつくるかどうかというところの話をしているわけですけれども、この地域再生協議会、実は、できる規定になっている、任意でつ くれるということなんですが、先ほど大臣がおっしゃったように、実はもうほとんどのところでやっているケースもたくさんあるわけですね。
では、何でわざわざ法律に書かなければならないのかなというのが私は大変疑問です。逆に、法律に書いたおかげで、これは、その自治体の長が内閣の方に申 請をするときに、その協議の結果を報告までしなければならない。逆に足かせをつくっていただいてしまっているんですね。地方分権の観点からいえば、今のま まこれを明記せずに、各地域で自由にやっていただく方がよっぽどいい。なのにもかかわらず、わざわざこういう地域再生協議会を法律に書き込む、そのメリッ トが私は実はよくわからないというところが大変残念なところではあります。
そういった意味で、私は、なぜこの地域再生協議会をわざわざ書き込む必要があるのか、これをぜひ知りたいということで、合理的な説明をお願いいたしま す。
渡辺国務大臣
各地の取り組みを研究してこうした制度を法定化するものでございますが、こう いうものは必 要ないというところは、つくる必要はございません。(泉委員「それは今もそう」と呼ぶ)これからもそうでございます。この法案においては、こういうことを つくった方が効果的だというところはぜひつくってくださいということで、この地域再生協議会を法律に位置づけております。
もともと、地域再生計画というのは地方公共団体のつくるものでございます。しかし、実際の担い手というのは地方公共団体そのものではないわけですね。先 ほどから申し上げているように、それぞれの地域のいろいろな担い手がいらっしゃって、その人たちがやる気と情熱を持って地域再生に取り組んでいく、自治体 と連携をしていくということが大事なことでございます。
したがって、現行制度においても、これは平成十七年の四月二十二日の閣議決定でございますが、地域再生基本方針を定めております。ここでは、地方公共団 体が地域再生計画を作成する際には、特定非営利活動法人等を初めとするNPO、それから地域住民、関係団体、民間事業者等を通じて地域のニーズを十分把握 し、反映するよう努めることが望ましいと平成十七年に閣議決定をいたしたところでございます。
今回法定をいたします地域再生協議会は、地域再生の取り組みについて、それをいろいろ検討したり実行するに当たって広く関係者の意見を集約する場として 新たに設けてはどうかということなんですね。要するに、法定して、こういうものができますよというお墨つきを法律でやっているわけなんですね。したがっ て、これによって地域のさまざまな担い手の連携がさらに深まっていく、そういう効果を期待しているわけでございます。
これまでのさまざまな担い手の連携の促進策としては……(泉委員「もういいですよ、さっき答弁短くするように言われたでしょう」と呼ぶ)短くやります。 市民参加による地域再生の推進のための特定非営利法人等の市民活動団体の活動支援とか、あるいは大学と地域が連携した地域再生の取り組みを支援するための 地域の知の拠点再生プログラムとか、こうした取りまとめがこれまでの連携促進策としては挙げられております。
泉委員
この地域再生協議会なんですが、先ほどの繰り返しになりますけれども、地方公共団体 は、この協議 会で地域再生計画に記載する事項について協議しなければならないんです。そしてまた、その協議の内容を申請書の中に添付しなきゃならない、そういう新たな 義務が課せられたわけなんです。つくることはできるけれども、つくった以上はそういう義務が発生するんです。
それが、地方分権と今おっしゃったように、地域で今だったら自由にできるんですよ。幾らでも自由にできるものを、なぜこんな義務を課すわけですか。そこ がわからないんです。そこだけ、本当にちゃんとしたやりとりをやりたいですから、ちゃんと答えてください。
河本委員長
渡辺国務大臣、簡潔に答弁してください。
渡辺国務大臣
これは、つくってもいいし、つくらなくてもいいということでございます。です から、こんな煩わしいものをつくる必要はないと思うんだったらつくらなくて済む話なんです。いいですか。
ですから、つくればこれはお墨つき効果がありますから、そういう手続は複雑でも、とにかくお墨つきを持った法定の協議会だぞ、こういうことになって、さ らに連携が深まっていくではないかと先ほどから申し上げているわけでございます。
泉委員
では、今まではお墨つきはいいかげんだったということですか。それは違うでしょう。
今までもお墨つきは出していたわけですよ、認定をして。今までのはいいかげんだったわけじゃないわけですから、つくれる、つくれない、両方可能だった ら、わざわざ書いて、その中に義務を入れることないじゃないですか。今だってできるんだから。今だって、地域再生協議会という名前で地域に幾らでもつくれ るわけですよ。こんなものは、多分、皆さんがパンフレットで事例紹介さえしてしまえばそれでおしまいじゃないですか。なぜ法律に書き込むんですか。
もう一つ、きょうはお伺いをしたいと思います。
十八条の部分ですけれども、今回、報告及び検査ということで、認定地方公共団体の長は「当該特定地域雇用会社に対して報告をさせ、」云々ということで、 立入検査ですとかもできるようになっております。これは私は、業法でもないのに立入検査までできるというのはすごいなというふうに感じたわけですが、ここ までできるというのは、ほかの法律で何かありますでしょうか。
渡辺国務大臣
立入検査までできる法律が何かあるかとのお尋ねでございます。
今回の法案では、例えば、これは民間会社から民間会社への寄附について定めている部分がございますが、寄附を一件ごとに地方公共団体による確認を受ける ことを要件とするとか、あるいは対象とする取り組みの範囲を地方公共団体が確認できるものに限定するとか、寄附を受ける民間会社に対する地方公共団体の検 査監督権限を法定化するとか、違反行為等にある場合には罰則を適用するとか、定めております。
検査できる法律がほかに何かあるのかということでございますが、例えば補助金適正化法などにおいては検査という規定があると……(泉委員「立入検査」と 呼ぶ)ええ、立入検査ができると記憶いたしております。
泉委員
それは今回も同じ仕組みだというふうに考えてよろしいですか。
渡辺国務大臣
基本的には同じでございます。
泉委員
しかしながら、なぜ今回それを採用したんでしょうか。
渡辺国務大臣
先ほど申し上げましたように、今回の法案の中に寄附金税制を設計してございま す。この寄附 金税制が、先ほどの議論のように、租税回避に使われたりとかいうことはとっても困る話であります。何といっても再チャレンジ支援を広げていこうというため の税制でございますから、こうした寄附に対するいろいろな制度設計は、既存の特定公益増進法人あるいは認定特定非営利活動法人に対する寄附税制に比べ、厳 しいものになっております。
なぜかといいますと、我が国の税制に例を見ない民間から民間会社への寄附に対する税制上の措置である、これは先ほど来申し上げていることですね。それか ら、不適切な所得移転による租税回避を防止するためである。こうしたことから立入検査等の権限を規定しているものでございまして、こうした趣旨を地域の民 間会社や地方公共団体によく説明をして、この制度の利用の促進を図ってまいりたいと考えております。
泉委員
時間が来たので、終わります。
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