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衆議院国土交通委員会

平成19年3月27日(火)

能登半島地震、従軍慰安婦、地球温暖化問題について

答弁者

国 土交通大臣 冬 柴 鐵三君
環 境副大臣 土 屋 品子君
国 土交通大臣政務官 吉 田 六左エ門君
政 府参考人(国土交通省総合政策局長) 宿 利 正史君
政 府参考人(国土交通省住宅局長) 榊   正剛君
政 府参考人(環境省大臣官房審議官) 谷 津  龍太郎君


西銘委員長代理  泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太でございます。

 本日、大臣、そしてまた環境副大臣にもお越しをいただいておりますけれども、質問をさせていただきたいと思います。

 まず私も、能登半島の地震におきまして数多くの被災者が出ておりますことにお見舞いを申し上げたいと思います。そして、亡くなられた方には心から御冥福 を申し上げたいというふうに思います。

 私も、これは通告はしていないのですが、まず能登半島地震について数点、質問をさせていただきたいと思います。

 私の手元に今ありますのは、午前八時作成の国土交通省の第七報の概要版というものを持たせていただいております。もしかしたら、その後、第八報がもう出 たのかもしれませんが、それをもとに少し質問をさせていただきたいと思います。

 吉田政務官は現地に行かれたということでございまして、我々、私たち一人一人の議員がなかなか現地に行けるわけではないという状況もございまして、その 意味でぜひ、今回の現地の特徴、そしてまた、現地を見てこられて国土交通省の方にどのようなことを要請されたのかということについて、簡単にお願いをした いと思います。

吉田大臣政務官 能登の地震のことにつきまして早速の御質問をいただきました。ちょうど私、 新潟におりましたものですから、大臣からすぐに能登へ向かうようにという命令を受けまして、地元北陸整備局経由で能登へ飛ばせていただきました。

 事情は、やはり半島でありますから、道路がやられているということが一番大きな影響をもたらしているということだと思います。二四九という国道と同時 に、能登有料道路、これの柳田そして穴水という、半分以上、北の部分が今通行できないということで、これらが一番の大きなダメージだと私は思っています。 水道の関係その他も、徐々に復旧しつつあります。大臣の御訓令で、飛行場はでき得る限り早くにということで、きのうの、翌日の十一時の一便は着陸すること ができたということで、知事からは、これらの本格的な復旧についても強い要望を受けてまいりました。

 帰って、大臣に復命して、総力を上げてこれが復旧復興のために努力したい、こんなふうに申し上げております。

 以上です。

泉委員 ありがとうございます。

 私の友人も能登島に住んでおりまして、きのう、安否の確認というか、電話をかけていた途中にもまた余震が起こったというような状況もありまして、現地で は、その能登島の地域では、断水あるいは水の濁りが大変まだ残っているというようなお話もありましたけれども、ぜひ今後も復旧に努力をしていただきたい、 そんなふうに思います。

 この中で、もう一つ確認というか気になったのは、避難の状況のところで、わかればで結構なんですが、現在、石川県千二百七十九名、うち輪島市が千六十五 名ということになっております。富山県三名となっていますが、ほとんどが石川県中心であります。そういうことでいいますと、世帯ということでは数字は出て おりますでしょうか、ちょっと確認なんですが。

冬柴国務大臣 残念ながら世帯では把握しておりません。避難の人数で、自主避難と避難勧告と いうものがあるわけでございますが、そういう形でしか把握できておりません。

泉委員 世帯につながるところで、石川県、この第七報の概要版の二ページ目で見ますと、その 他のところに、提供可能な公営住宅等の空き室が六百二十四戸ある、そのうち、石川県は五百戸あると。

 私は、この数字を見て、ある意味非常に多いなと、ちょっと別な観点なんですが、思いまして、これは、例えば災害用のストック的な最低限のものプラスアル ファ空き室だったのか、それとも、基本的に災害用としてストック的に残しておいたということではなく、普通の空き室の状態がこれぐらいあったのかという、 ちょっと細かい話なんですが、わかれば答弁いただきたいと思います。

榊政府参考人 災害用に予備的に五百戸置いていたわけではなくて、年度末ということもこれあ り、空き室が出ている状況がこうなったということでございます。

 なお、ちなみに、五百戸なんですけれども、県の南部の方に結構、金沢から南の方にもありますので、県の北部ということになりますと、相当数が落ちてしま う、こんな状況でございます。

泉委員 実際には、やはり御自身、それぞれ被災に遭われた方々が住んでいる地域の近くでどう してもプレハ ブなりで生活をしたいという要望の方が恐らく強いのではないのか。大きな被害で、あらゆるライフラインの復旧に数カ月間かかる、阪神大震災のような事態で あれば、遠方に引っ越しをする、当面の間被災の避難をするというか、疎開的な形でということもあり得るのかもしれないんですが、今回みたいなケースであれ ば、恐らく現地にとどまる方々が多いのではないか。

 そういう意味では、こうして数字で見ると、公営住宅五百戸といえば、何とかなるんじゃないかというふうに思いがちの私たちではありますけれども、そこ は、こうしてプレハブ建築協会に依頼をされているとおりでして、やはり、なかなか公営住宅というのは、利用されるためにはまだまだ壁があるのではないのか なというふうに思います。

 その意味では、プレハブの建設というのは、ぜひこれも住民の要望をよく聞いて促進をしていただきたいということと、こうして、今、公営住宅の空き室とい うことは、全国各地でも災害に利用できないかということも非常に言われてはおりますけれども、例えば家財道具の面ですとか、あるいは先ほどおっしゃったよ うな距離的な移動の面ですとか、そういうもののサポートがなければやはりこれはどうしても活用が難しいということになると思いますので、ぜひその点に配慮 をしていただいて、住民の皆さんが避難生活に苦労のないように。

 きのうも、インターネットの新聞の写真なんかを見ていたら、部活動でけがをした高校生が車の中で寝ているという風景が載っていまして、足をけがしている から避難所に入れなかったという理由で一応車の中で睡眠をしていたんですが、さっきおっしゃっていたように、エコノミー症候群の問題ですとか、やはり今、 車の中でというのが大変問題にもなっておりますので、ぜひその点も気をつけて、快適なというか、一刻も早くそういう日常生活に近い形の避難生活が送れるよ うに御配慮をいただきたいというふうに思います。

 この地震については、もう一つ、現地の能登島に住んでいる仲間に聞きましたら、もともとこの地域というのは地震の可能性が低い地域とされてきたんだと。 だから原子力発電所も近くにありという中でこういった大きな地震が起こったということを考えれば、やはり日本列島は、改めて、どこだけが地震の非常に起こ りやすい地域ではない、本当に全国どこでも起こり得るんだということで備えを今後していかなきゃならないのではないのかな、そんなふうに思いますので、地 震対策というものをぜひ全国もう一度、総点検、再点検をしていただきたいということをまずお願いしたいと思います。

 次に、大臣に、ちょっと時事ネタというか、多少お答えづらい話かもしれませんが、お伺いをしたいと思います。

 まず一つ目は、下村官房副長官が発言をされた件であります。従軍慰安婦問題で、旧日本軍の関与なしということをおっしゃられました。その言葉の趣旨は、 軍による強制連行がなかったということでの発言だというふうにお話を、その後、改めて会見ではされているようなんですが、私自身は、やはりこういう発言と いうのは、非常に物議を醸すというか、他国にはなかなかそのまま正確に伝わる性質のものではないというふうに思っておりまして、その辺の大臣の御認識、こ の発言についての御感想をまずいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 私もそのような新聞報道は見ましたけれども、政治家がそれぞれ、その責任と、 そして信念と申しますか、そういうもので発言されるものであろう。そして、その結果は、やはり自分が、あるいは国民からの評価を受けることになるだろうと 思います。

 私どもは、政治家がそれぞれの信念に基づいて発言していられることについて、私からそれをコメントするということは差し控えさせていただきたいというふ うに思います。よろしくお願いします。

泉委員 大臣の、いわゆる従軍慰安婦問題、それについて軍の関与があったかなかったかという ことの御自身の御見解はございますでしょうか。

冬柴国務大臣 これにつきましては、私は、内閣の一員としましても、今は議長になっていられ ますが、河野官房長官の談話というものに尽きているというふうに思うわけであります。

 歴史的に、私は研究したことはありませんけれども、いろいろな文献等がありますので。私も戦前生まれでございまして、ある程度戦争も知っていますけれど も、そういう従軍慰安婦がおったかどうかというところまで知る年齢ではございませんでしたので、体験はありません。したがって、文献その他ですけれども、 私の公式的な見解は、河野官房長官の談話に尽きている、そのように思っています。

泉委員 大臣はお若く見えますので、戦前生まれというふうにはなかなか私も見えないところも あるんですけれども。大変お元気な大臣ですので。

 もう一つ、御党の太田代表が、集団的自衛権の行使は認めないと、これは改めての発言でありますが、おっしゃられました。一方で、安倍内閣においては、集 団的自衛権の研究を進めていくという中で、個別的自衛権、集団的自衛権ということ、それぞれ何が該当するのかという研究を進めていこうというお話ですけれ ども、大臣は、この件についてはいかがお考えでしょうか。

冬柴国務大臣 憲法第九条を読む限りにおいては、あらゆる解釈を駆使いたしましても、もちろ ん個別的自衛 権は当然に認められます、しかしながら、集団的自衛権を認めることは非常に困難、困難というよりも不能であろう、私はそのように思っております。したがい まして、それを認めるということになれば、これは憲法九条を改正するかどうかという議論に発展すると思います。

 私は、その意味で、太田代表が言っている、集団的自衛権は行使できないと言っていることに私は左袒するものでございます。

 しかしながら、安倍総理も、どの行為が集団的自衛権に当たるのかどうかということを個別具体的に検討すべきではないか、このようにおっしゃっているわけ でありまして、その文脈からいけば、安倍総理のおっしゃっていることも、集団的自衛権に当たることは無理なんだけれども、しかし個別具体の事例を拾って、 これは集団なのかあるいは個別的自衛権として認め得る範疇なのかどうかをきわめたいということをおっしゃっていると私は理解しております。

 したがいまして、太田代表の言っていることとは矛盾をしないというふうにも思っております。

泉委員 大臣、かつてであるわけですけれども、日本の周辺で米国が日本の安全のためにやって いる行動に攻撃が加えられたときにどう対応するかは、集団的自衛権と考えなくていいということをおっしゃっておられますけれども、これは、今もお考えは変 わりませんか。

冬柴国務大臣 日本の周辺において、そのまま放置すれば日本の平和と安全に重大な影響を及ぼ すべき事態と いうくだりがあります。日本の周辺で、日本の安全を守るために、寄与するために、例えばアメリカのキティーホークという航空母艦が周辺を遊よくしておりま す。そういうものについて、過去においては、攻撃が加えられた場合どうするのかというようなことが設例として議論されたことがありますが、現在の法制度で は、いわゆる後方地域における支援はできるということで、この周安法に基づきまして、リアエリアにおける我々の支援はできる、そういうことであります。

 しかしながら、それが、今安倍総理が言われていることの個別的自衛権の行使と集団的自衛権の行使との境目にあるような事案なのかもわかりません。どうす るのか、みんなの議論が活発に行われてしかるべき事案だろうと思います。

泉委員 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 きょうは、特に住宅政策における地球温暖化防止ということについて大臣に質問させていただきたいと思いますが、まず大臣、安倍総理は「不都合な真実」と いう映画を見られたというふうに私はお伺いをしておりますけれども、大臣はこの映画を見られたことはございますか。

冬柴国務大臣 なるべく早く見たいということで、その日を入れてほしいということですが、残 念ながらまだ見ておりません。

泉委員 ぜひ事務方は、早くこの映画を大臣に見ていただくように日程を確保していただきたい というふうにお願いをしたいと思います。

 この映画の中でも、急激な温暖化をいろいろな切り口でアル・ゴアが説明をされています。

 例えばそれは、シロクマがずっと海の中を泳ぎ続けて、ついに上に上がれる氷山を見つけられずに水死をしてしまう、溺死をしてしまう、そんなとんでもな い、あり得ないような事例が報告をされた。

 ブラジルで初めてハリケーンが発生をした。これまで南米の地域では基本的にはハリケーンというものは存在しなかったにもかかわらず、ブラジルで初めてハ リケーンが出てきた。

 あるいは、氷河があらゆるところで後退をしている、そしてグリーンランドやアラスカの氷河、大氷床と言われる氷の床、そういうところに大きな水たまりみ たいなものができてきている。それは、日光によって氷河そのものが温められて大きな水たまりができて、そしてその氷河に穴があいて、どんどんどんどん中に 水が流れ込んでいって、今まででしたら海から波に洗われて氷河が崩れるものと思っていたのが、がばっと、中の方から、水が中に浸透していって崩れ落ちる、 その面積が多大な面積、物すごく大きな面積になっているということも報告をされておりまして、そういうあらゆる地球温暖化の影響というものが今出てきてい るという状況であります。

 これも、世界の研究者が集まった中では、九〇%以上、二酸化炭素の排出が原因じゃないかということを結論づけてもいいというふうに言われているところで ありまして、ぜひ我々も日本の中で取り組んでいかなければならないわけですけれども。

 きょうは、特に国土交通部門におけるCO2の排出ということについて考えていきたいと思うんですが、まず、国土交通部門における、特に運輸、あるいは住 宅・建築物、こういうところが主に当たるかと思いますが、二酸化炭素の排出、これは、国内全体の中で国土交通部門の排出量というのはどれぐらいになるで しょうか。

    〔西銘委員長代理退席、委員長着席〕

宿利政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通部門という形できちっと仕分けができているわけではありませんが、今、泉委員から御指摘のありました運輸部門が約二割でございます。それから民 生部門、住宅・建築物のところが、ちょっと今手元に正確な数字を持っておりませんけれども、これもかなりのウエートを占めておりますが、このうち、いろい ろな事情で、住宅・建築物の対策で対応できるものはその一部分だと考えております。

泉委員 今おっしゃられた、運輸でいいますと二割というお話がありましたが、特に公共交通や 貨物で約一 割、自動車で約一割というような状況でありまして、そしてまた、民生部門の中の住宅ですとか家庭が一割弱ということで、約三割ぐらいはいわゆる我々国土交 通委員会の中でもかかわってくる問題なのかなというふうに思っております。

 その意味でいいますと、平成十四年、地球温暖化対策推進法の改正で位置づけられた地球温暖化対策推進本部というのがございます。きょうは土屋副大臣にお 越しをいただいておりますけれども、副大臣はこの本部の中には入られているでしょうか。

土屋副大臣 私の記憶では、私は特に入っておりません。

泉委員 国土交通大臣はどうなっておりますでしょうか。

冬柴国務大臣 本部員でございます。

泉委員 それはぜひ認識を持っていただかなきゃならないのじゃないでしょうか。本部員でござ います。

 あえて聞いたわけですが、せっかく平成十四年に位置づけられた地球温暖化対策推進本部があるわけですが、今皆さん聞いていただいたとおり、環境副大臣も 本部員ではない。確かに、閣僚が集まっておられるという前提でしょう。しかし、私は、環境副大臣ぐらいは入っていていいんじゃないのかなというふうにも、 事務局次長でもいいと思います、事務局でもいいと思います、入っていていいんじゃないのかなと思います。

 実は、この本部の中では環境大臣と経済産業大臣はたしか副本部長なんですね。何でその二人だけが副本部長なんでしょうかという気が私はしてならないわけ です。地球温暖化、二酸化炭素の排出における、日本の国内では三割を我々が担当しているとすれば、そこはやはり国土交通大臣にも副本部長にぜひなっていた だきたい。まず本部員の認識も持っていただきたいわけですが、副本部長にぜひなっていただきたいというふうに私は思っております。

 環境副大臣、いかがでしょうか。

土屋副大臣 環境問題が今大変脚光を浴びておりまして、そういう中で総理も二十一世紀環境立 国戦略宣言をいたしまして、今見直しをしておりますので、今後その中で強化をしていければいいと思っております。

泉委員 副大臣、ぜひ持ち帰っていただいて、国土交通大臣、冬柴大臣を副本部長にしろという ことをぜひお願いしていただきたいと思いますし、ぜひ土屋副大臣も、私も入れてくださいというふうに言っていただきたいと思います。

 少し細かいお話に入ります。

 同じく十四年の推進法の改正で、地球温暖化防止活動推進員というものができました。この推進員の業務というか活動の一つとして、地球温暖化対策診断とい うものが盛り込まれまして、相談員というか推進員が、全国の地域の方々に対して、地球温暖化対策診断、住宅の診断をしますよという業務が、活動が組み込ま れました。

 その中に、住宅の断熱措置というのがあるんですね。事務方で結構ですが、これはどれぐらい利用されていますでしょうか。

谷津政府参考人 お答え申し上げます。

 それぞれの地域におきまして、身近な温暖化対策を住民の方々と一緒になって進めるという役割を推進員の方々は担っていただいているわけでございます。

 御指摘の断熱でございますが、今手元にどの程度それぞれの地域で断熱について取り組んでいるのかという詳細なデータはございませんけれども、関係の方々 とよく相談をし、御協力もいただきながら、推進員においても断熱の取り組みを進めてまいりたい、このように考えております。

泉委員 この活動推進員による温暖化対策診断、そして住宅の断熱措置というその活動の状況を ぜひ知りたいと私は思っておりますので、後ほどで結構です、資料をいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 そして、さらにお伺いしたいんですが、同じくこの法律の中では、地域の、都道府県における地球温暖化防止活動推進センターの設置や、あるいはこの活動推 進員というものがあるわけですが、これはちょっと気になったんですが、両方とも東京都は、その推進員の任命も一人もしていなければ活動推進センターもない という状況なんです。副大臣、これは何か理由は御存じですか。

谷津政府参考人 お答え申し上げます。

 地球温暖化対策推進法におきましては、国は全国のセンターを決める、こういう規定がございまして、都道府県は都道府県のセンターを決める、こういう役割 分担になっております。

 国におきましては、全国センターといたしまして、東京にその主な事務所がございます日本環境協会、これを全国センターとして指定しております。

 したがいまして、全国センターのおひざ元ということで、東京都とも十分連携を図りながら所要の措置を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

泉委員 さらに詳しく、特に住宅のことについて質問をしたいと思います。

 大臣、日本の住宅における温暖化対策についてなんですが、実は、いろいろなところからおくれているんじゃないかというような御意見があります。まず、そ のことについて御認識というのはございますでしょうか。

冬柴国務大臣 まず、住生活基本法というものを通していただきました。これによりまして、今 まで日本の住 宅というのは、建てては壊しと言っては悪いけれども、三十年ぐらいで建てかえをしていたわけですね。しかしながら、これは有限の資源を無駄遣いする上、い わゆる建設廃材というものを燃やせばCO2が出るわけですね。したがいまして、こういうものを長く命数を延ばそうじゃないか、少なくとも、今ある住宅を三 十年で壊すのではなく、適切に手入れをして四十年はもってもらう、それから、これから新築する住宅については、数十年以上、百年を目途に建てていくように して、そしてそれを中古住宅市場として、これが市場で取引ができるようにきっちりと手入れをして、大切に長くもつ、そういうことは非常に大きく環境に対す る負荷を和らげるというふうなことが一つあると思います。

 それから、個別住宅といたしましては、例えば、天井材とか壁材、床材に断熱材を張る、あるいは開口部、窓には二重のガラスあるいは二重のサッシをつけ る、あるいはひさしを出す、ブラインドをおろすというようなことで、外気温と室内温とをそういうもので、自然のものによって快適で豊かな生活が保障できる ようにする。

 今までのように、住宅といえば冷暖房の温度を調節することによって環境に優しいかどうかということをやっていたわけですけれども、そういうものだけでは なしに、今言ったようなことが非常に大きくCO2の排出には役立つということで進めているところでございます。

 このような環境対策を講じた家を新築した場合には、我々は、それに対して公的融資の利息を〇・三%、五年間まけよう、まけようと言ったらおかしいですけ れども、減額しようということのインセンティブを与えているわけでございまして、これについては、きのう成立いたしましたけれども、十九年度予算案では、 実に五百億円というものを予算計上しているぐらいこれに力を入れておるところでございます。

 そういうことで、民生部門、特に住宅については、それが下がらないんじゃないかという御批判もありますけれども、一生懸命そういうところで取り組んでい るところでありまして、また、湯沸かし器とかそういうものについても、CO2の負荷を少なくするような器材の開発とか、そういうことは経済産業省において 今一生懸命進められているところでもございます。

 我々は、そういう環境基準、我々の言うそういう適正な住宅については、それを評価する表示を行うことによって、中古の住宅がそういう環境基準もクリアし ているんだということが一つの売りになるような、そういう表示制度も考えているところでございます。

 以上、いろいろと民生部門についても、そういうことで、一生懸命京都議定書の目的を達成するために頑張っていかなければならないというところでございま す。

泉委員 今まさに、私は理想の形を言っていただいたのではないのかなと思います。

 中古の住宅を適切に手入れしてさらにその性能を高めていこう、そしてまた新築部分についてはやはりいい性能のものをつくっていこう、そういう考え方で今 やっていただいているとは思うんですが、環境副大臣に点数をつけていただくと何点になるのかなということを言わなければなりません。

 二〇〇五年の家庭部門における二酸化炭素の排出量でいいますと、京都議定書の基準年が一億二千七百万トン、それが現在は一億七千五百万トンということ で、家庭部門が、いわゆる商業、サービス、事業所等の業務その他部門に続いて高い率で排出量がふえているという現状が私たちの目の前に突きつけられている という状況であります。

 ですから、大臣が今おっしゃっていただいたような、例えば融資、助成ということも一つの策でしょう。そしてまた、そういった技術を開発していただいた方 がメリットを受けられるように性能表示というものを進めていこう、そういう前向きな姿勢というのは非常に大切だというふうには思っております。

 しかし一方で、下支えの部分となる規制、そこが今果たしてどれだけのものなのかというところにやはり私は穴があるのではないのかなというふうに思えてな りません。

 「建築技術」という雑誌、皆さんも御存じだと思いますが、この二〇〇六年八月号で、前財団法人建築環境・省エネルギー機構企画・環境部長の唐津さんとい う方が「世界の省エネルギー基準の概況」という論文を書かれております。その中で、端的に申せば、日本で最もおくれていることは、省エネルギー基準が建築 規制に盛り込まれていないことであるということが述べられております。

 具体的に言いますと、我が国、確かに大規模建築物、そして大規模住宅、ここにおいては徐々に、今御努力もあって、規制というか報告の義務づけという形で 省エネルギー性能ということについては取り組みが進んでいるわけですが、一般住宅に関してはいまだに、新築住宅において現行基準、いわゆる断熱基準を五割 の住宅が達成すればよい、それを一つの目標にしているという状況です。

 ですから、せっかく目標というか基準を設けているのに、半分の家がそれだったらいいよという、その感覚、認識というのはやはり私は変えていくべきじゃな いのかなというふうに思うわけですが、その件についていかがお考えでしょうか。

榊政府参考人 京都議定書の方で確かに、私ども二〇〇四年度で見ておりますが、家庭部門につ いて三一%増 というふうになっておるんですが、京都議定書の二〇一〇年度の目標自体が、家庭部門でいえば六%増だということでございますので、他の産業部門みたいにマ イナスが目標になっているというわけではないという点をひとつ御理解いただきたいということ。

 家庭部門で申し上げますと、実は実態は、暖房、冷房関係で三割なんです。給湯関係で三割。動力、要するに照明関係とかテレビとかそういうものが実は三七 %もあるんです。

 この間なぜ伸びたかといいますと、例えば、カラーテレビが、九〇年に二台だったのが二〇〇四年度では二・五台になっているとか、エアコンが、一・三が 二・三になっているとか、パソコンが、〇・一台が一・〇台になっているとか、温水洗浄便座、これは九〇年代になかったものが約一台になっているとか、こう いったような形で実は動力関係も相当ふえている。

 給湯関係も相当ふえているということになっているわけです。暖房関係でいいますと、断熱性の向上。暖房関係、実はこれが三分の一しか占めていないわけで す。この間で起きていることというのは、実はいわゆる世帯数がふえることに伴って自動的にふえるという側面もあるので、そういったような形でライフスタイ ルといいますか生活の仕様が変わったことによって相当ふえているという部分があるんだと思います。

 そういった意味でいえば、できることからやるという意味でいえば、この家庭部門における動力とか給湯関係とか、これの方も頑張ってもらわなければいか ぬ、もちろん私どもの方も頑張らなければいかぬ、こういうことではないかというふうに思っています。

 例えば、オーストラリアでは白熱灯を禁止して蛍光灯にしちゃおうというような話が今出ているわけですね。例えば、蛍光灯に全部なるよ、電球はもうなくな るよということであれば、実は相当数、私どもの目標はそれだけで達成できることに近い、こういうような状況でございますので、いろいろなところでできるこ とからやっていくというのがいいのではないかというふうに思っております。

泉委員 大臣、これは環境副大臣も、あるいは国土交通政務官、副大臣もそうなんですが、こう いう考え方を、実は、ごもっとものように聞こえるのですが、ちょっと変えていただかなければならないんじゃないのかなと私は思うんですね。

 私たちのところは頑張っているし、ほかに要因があるんだ、だからそういうところもよく読んでいただいて、我々は頑張っている、だけれども、ほかにも要因 があるからそっちの方も一生懸命やらなきゃならないというようなことをそれぞれの担当者がおっしゃるわけですね。でも、やはりそれでは本当に二酸化炭素と いうのはなかなか減っていかない。

 御努力はよくわかるんですが、国土交通省の資料、いろいろなものを読んでいましても、必ず私たち以外の要因が多いんですというメッセージが受け取れる資 料がたくさんついてくるわけなんですね。これはやはりそういう認識からまず改めていただいて、とにかく自分たちのところでできる限りのことはするんだ、こ れがやはり持つべき発想ではないでしょうか。

 ですから、照明のことは照明のことです、それはいいんです。断熱のことであれば断熱のこと、運輸のことであれば運輸のこと、それぞれが一生懸命頑張っ て、家庭部門はプラス六%だから多少いいんですという話は絶対ないですよね。恐らく皆さんも一生懸命ここまで取り組んできたから今ここまでで抑えられてい るはずだと私は解釈したいので、ぜひこれからも、そこは責任を逃げずに、やはり自分たちのできる限りのことはやるんだ、ほかの要因は関係ない、ほかで減ら せなくてもうちが減らした分で何とか日本のマイナス六%を達成していくんだ、それぐらいの気概を私は持っていただきたい。

 大臣、一言あったらお願いします。

冬柴国務大臣 もう全くそのとおりでございまして、我々は逃げはいたしません。運輸部門につ きましても、 世界に先駆けた低公害車の開発等で、運輸部門につきましてはおかげさまで徐々に環境に対する負荷は下がりつつあります。しかし、事住宅についての対策は、 今までの冷暖房のみならず給湯、照明なども含めた総合的な取り組みが重要と認識をいたしておりますので、社会資本整備審議会環境部会での御論議も踏まえま して、住宅の一層の省エネ性の向上に向けて積極的に国土交通省は取り組んでまいることを言明させていただきたいと思います。

泉委員 力強いお言葉をありがとうございます。

 それで、具体的になんですが、大臣、改めてこの住宅の断熱基準、これが八〇年基準とか九九年基準とかいう言い方をします。この九九年基準、平成十一年基 準が、その設定された当初は、世界的にも欧米のレベルに追いついたと言われたんですが、またその後、ヨーロッパ各地、規制を強化しております。規制という か基準を強化しております。

 一方で、先ほども言いましたけれども、ここをやはりよく覚えておいていただきたいんですが、日本では、新築住宅を建てる場合、この九九年基準という断熱 基準、日本の国内では一番いい基準ですけれども、これを守る住宅が新築の中で五割達成されればよいという考え方なんですね。では諸外国はどうかというと、 アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、すべて規制をかけているんです。一〇〇%達成しなさいよというふうに規制をかけているんです。私は、ここが大きな 違いだと思うんですね。日本の場合は、建てるときに半分の家で努力してくれたらいいですよと。新築ですらそうなんです。

 大臣がさっきおっしゃったように、新しい家がどんどんどんどん、いい家が建ってくれればいいんですが、実は半分しか目標でまず設定していない。事実を言 えば、実際には、最新の数値、二〇〇五年でいうと三〇%しかこの基準を達成できていないんです。新しく建った家の十軒のうち七軒は、この新しい断熱基準の ない家なんです、今ですら。これはもう一回、三十年、四十年で壊さなきゃならないんです。もう一回改修しなきゃならない。何たることだということをやはり 思うわけですね。

 何でOECD加盟国で日本だけが規制をしていないという状態なのか。これは大臣、今おっしゃっていただいたような御決意で、ぜひ再検討をしていただけな いでしょうか。私は、この断熱基準、どういう障害があって今まで明確に規制という形をとらなかったのか、その説明が、言いわけがあればちょっと聞いてもい いかなと思っていますが、今の私の提言についての大臣の御見解をお願いしたいと思います。

冬柴国務大臣 最大の難点は、断熱材は断熱効果はあるわけですけれどもコストが高くなるとい うことです。 したがいまして、我々としては、そういうものについてもインセンティブを与えるために、先ほど申し上げましたように、ローンの利息を補助する、いわゆる引 き下げるような融資を考えるとか、そういうものが高く社会に評価されるような、評価を外部にあらわすような表示をするとか、そういうような手法でこれを取 り入れているわけでございますけれども、省エネの基準というのは順次引き上げてきておりまして、それを講じていない住宅ストックというのは建てかえによっ て順次少なくなりつつあるのが現実でございます。

 また、十八年四月の省エネ法の改正におきまして、新築、増改築だけではなしに、大規模修繕等についても省エネ措置の届け出対象に追加されたように、今 後、既存住宅の評価手法の検討を進めるとともに、高効率設備への取りかえを含めた費用対効果の高い改修方法についてのガイドラインの策定等によって誘導を 図ってまいりたいということが、現在の時点の判断でございます。

 非常にいいことはわかっていても、コストがすごく高いということが難点なのでございます。

泉委員 これは、板硝子協会ですとか日本建材・住宅設備産業協会、日本サッシ協会、プラス チックサッシ工 業会、全国複層硝子工業会、また多くの団体からもそういう要望が来ております。これは、業界の利益ということだけじゃなくして、やはり地球温暖化に資した い、そういう決意のあらわれだと思っております。

 国交省は、この民生部門における国土交通省の対策ということで、三千四百万トンのCO2削減ということを目標にしているわけですね。そのうち、いわゆる 建築物が二千五百五十万トン、そして住宅が八百五十万トンなんですね。

 恐らく役人の皆さんは、この二千五百五十万トン、建築物の方は、我々は十分今取り組みを進めていて八割達成だから、これはまずオーケーだ、そして次、住 宅八百五十万トンについても、まず大規模な住宅から取りかかっているから、これもほぼオーケーだ、ひいては大多数の目標は達成できるから一般住宅までは、 一般住宅は、どっちかというと数は多いけれども効率は、なかなか徹底が難しいものだから、まあしようがないだろうというような感覚がどこかにあるんじゃな いのかなという、これは人間ですから、だれしもが持つ感情だというふうに私は思います。

 その意味では、大きいところから取りかかるというのは確かに効率的ではありますし、国土交通省の温暖化対策、二酸化炭素排出の削減の目標値を達成させる ためにはこれは近道だとは思います。

 しかし、その目標達成、数字の近道だけを追いかけるんではなくて、数、戸数の多い一般住宅、そこがこの温暖化についてしっかりと認識を持ってもらう、環 境意識を持ってもらうということでいえば、やはりこういう住宅に対しても規制をしっかりとつくっていくことが必要なのではないのかなというふうに私は思い ます。

 ある自治体で、ごみは全部、どの種類も燃やした方が熱効率がいいからという理由で分別をしていない自治体がございます。果たしてそれで環境意識が上がる でしょうかということと同じでして、個々それぞれの国民が環境意識を持てるような施策ということでいいますと、この平成十一年の断熱基準、大臣、私は、改 正に向けてぜひ動き出していただきたいということを要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。


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