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衆議院内閣委員会

平成19年5月9日(水)

市場化テスト法改正案について


答弁者

国 務大臣 大 田 弘子君
法 務副大臣 水 野 賢一君
政 府参考人(内閣府公共サービス改革推進室長) 中 藤  泉君
政 府参考人(法務省大臣官房審議官) 大 谷 泰夫君

河本委員長  次に、泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太でございます。

 引き続き、市場化テスト法について質問させていただきます。

 我々は、この市場化テストの趣旨そのものには賛同するというか、期待をしてこの市場化テスト法を見守ってきたわけですが、残念ながら我々が望むような、 恐らくそれは与党議員の中でも、望むような市場化テスト法になっているんだろうか、市場化テストが進んでいるんだろうかというところは、各種報道で見られ るとおり、残念でならないという結果があるかというふうに思います。

 例えば、地方公共団体あるいは民間からの要望に対する各省庁の抵抗、その結果の市場化テストの対象事業の数、この状況について、大臣、今どういう御認識 を持っておられるか、まずお伺いをしたいと思います。

大田国務大臣 先生御指摘のように、数の面からいって、まだ決して十分とは思っておりませ ん。

 ただ、昨年七月に法案が成立いたしましてから、秋に、官民競争入札等監理委員会の精力的な御審議で、対象事業を拡大してまいりました。限られた期間で あったという条件を考えますと、一定の成果は得られたと考えております。これをさらに、対象事業の拡大に向けて努力してまいりたいと存じます。

泉委員 それは、もちろん零点ではないと思います。一定の成果はあったと思います。

 もう一度、大臣に具体的な数字をお伺いしたいんですが、幾つの市場化テストの要望が上がり、そのうち何件が今回というかこれまで対象事業となったのか、 その実数を教えてください。——では、またそれはちょっと後ほどということにしまして、今回、なぜ法務局の乙号事務のみの市場化テスト法の改正ということ になったのか、それを教えていただきたいと思います。

水野副大臣 法務省の乙号事務だけというんじゃなくて、ほかの部分が対象にならなかったこと というのは ちょっと所管じゃないと思うんですが、乙号事務が対象になったということでいえば、乙号事務というのは、法務局の登記関係の仕事の中では権力的作用という のが比較的薄いといいましょうか、登記事項証明書などを交付したり、もしくは、そうしたものを閲覧したりというようなことが中心でございますので、そうい う意味においては、民間事業者も参入し得る。また、その中で、参入をしていろいろと競争原理を働かせた方が、より簡素で効率的な政府をつくるということに 資するんではないのかな。強いて言えば、法務局関係の人員削減とかコスト削減とか、そういうようなものに資することがあるというふうに考えるから、その部 分はふさわしいと我々は考えているところでございます。

泉委員 済みません、やはりこの質問は大田大臣のお答えいただくべきことなのかなと思いま す。

 なぜ、今回この乙号事務のみの法案審議ということになったのか、それをお答えいただきたいと思います。

大田国務大臣 特例として法律改正が必要なものについて法改正を行って基本方針につけ加えて いくということになっております。

 そのときに、今回の登記所に関する乙号事務につきましては、不動産登記法第九条、それから商業登記法第四条で、登記官が取り扱うこととされております。 ここに、乙号事務に市場化テストを導入するに当たりましては法改正が必要であるということで、この業務が法改正を要する業務である。他の業務は法改正を必 要としないものがございますけれども、この業務につきましては法改正が必要であるということで、法案の御審議をお願いしております。

泉委員 いや、それは当然のことでありまして、そういうことじゃなくて、何でここに来たんだ と言われて車で来たという答え方じゃなくて、理由を聞いているわけでして、先ほどの件数というのはわかりますか、それもあわせて。

 では、ちょっとまず件数を。

中藤政府参考人 お答えいたします。

 昨年、法律が公布され施行されました後、民間等から要望を聞いております。その際、寄せられた意見につきましては、全体で百九十三件。ただ、重複分があ りますので、これを整理いたしますと百二十五件。その後、何分、年末までにやらないといけないということなので、ある程度要望が多かった分野等を抽出いた しまして、最終的に基本方針の別表というものが昨年末閣議決定されていますが、二十七事項掲載し、今後推進していくこととしております。

泉委員 もう一回、大臣にお伺いしますが、百九十三件の要望があり、整理をすると百二十五 件、そして二十七事項が現在ということであります。点数でいうと何点でしょうか。

大田国務大臣 法案成立後、限られた時間の中で、官民競争入札等監理委員会が精力的に審議し て、これだけ の事業が成立したわけで、点数について何点ということは言いがたいんですけれども、スタートとしては、私は一定の成果があったと考えております。これを拡 大すべく、努力してまいりたいと存じます。

泉委員 本来のこの市場化テストの趣旨というものをよく徹底していただくことが必要かと思い ます。

 ちょっと私、もう少し中身を勉強したいわけですけれども、いろいろな民間委託は、この市場化テスト法を通さずとも各省庁でされていることが多いと思うわ けですね。例えば警察庁なんかでいうと、昨年の六月の一日からですか、駐車違反の指定機関が民間で取り締まりというか、標章を張るという行為ができるよう になったわけですけれども、そういうものが市場化テストを経ずに民間で行われるということの理由。そして、今回対象事業になったものは市場化テストとして 行われる、その峻別の仕方というのはどういう理由に基づくものなんでしょうか。

    〔委員長退席、西村(康)委員長代理着席〕

大田国務大臣 通常の民間委託と市場化テストの違いといたしまして、市場化テストの場合は、 その事業を指 揮を受けずに包括的に、業者が自律的に行うということがございます。今回の乙号事務につきましても、包括的に、受託した事業者が自律的に事業を行うことが できるようになります。包括的に事業者が創意工夫を生かすために、通常の民間委託よりも選定手続は厳しく、透明性を高め、なおかつ事業に対して厳しい事後 的な監視が行われるということになっております。

泉委員 包括的に委託をされることによる効果というものはどんなものが考えられるんでしょう か。

大田国務大臣 事業者が、みずからの創意工夫で、なるべく効率的に質の高いサービスを行うよ うにするとい うことがございます。例えば営業時間を考えるですとか、あるいは求人事業ですと、なるべく求人を掘り起こすような努力をするといったことを、指揮を受ける のではなく自発的に、自律的に行うという効果がございます。

泉委員 そこで、いよいよ今回の乙号事務の中に入るわけですが、民間へとか、官から民へとい う抽象論ではなくて、先ほど高山委員からもお話がありましたけれども、しっかりと具体論、現場の状況を見て大臣にもぜひお答えをいただきたいというふうに 思うわけです。

 先ほどから、乙号事務が民間委託というふうに言われていますけれども、実際に果たしてどんな入札になるんだろうかということは、入札だから、それはその ときにならないとわかりませんという建前はそれでいいでしょう。建前はそれで結構です。しかし、実態上、先ほど水野副大臣からは、国は今回は入札には参加 をしない、想定しがたいというような答弁をいただきました。

 きょう、私、資料を一枚皆さんにお配りさせていただいています。今回の法律で最も基礎的に政府が我々に配ってくださいました資料、法案のポンチ絵と言わ れるものですが、そこに、一番衝撃的にぎざぎざの吹き出しの中に、官民競争入札オア民間競争入札というふうに衝撃的に書いてあるわけですね。その官民競争 入札は、もう既に想定されていないということですけれども、この図からすると、何か随分と派手派手しく書いている割には、あっさりと官の方は入札に応じな いんだなというような状況だと思うんです。

 大田大臣、官民競争入札はほぼないという先ほどの法務副大臣の答弁を聞かれて、どう思われますか。

大田国務大臣 今回は、法務省の検討の上、民間競争入札ということになりますけれども、今 後、さらに官民競争入札の可能性を探っていきたいと考えております。

泉委員 職員を減らしますよね。乙号事務から手を引きますよね。今後、本当に考えるんです か、官民競争入札を。どうやって法務局が、法務省というか国がこの入札に参加するわけですか、今後。考えていけるんですか、そんなこと。

水野副大臣 これは、先ほど想定しがたいと言ったのは、委員も十分御理解していらっしゃると 思いますけれども、未来永劫想定しないという意味ではなくて、まず行われるところにおいてということです。

 委員御指摘のように、法務局のこの関係の人数というのは確かに減らす、千百人余り減らしていくという方向性があるわけですから、そういうものに従事する 人間というのは確かに減っていくというのはそのとおりなんですが、ただ、これは、全国に広げていくに当たって、登記所の規模とかもいろいろな規模のものが ありますので、そういう中で、では絶対ないか、官が応札することが全くないかというと、そうも言えない。そこはいろいろなケース・バイ・ケースのことがあ り得るということでございます。

泉委員 いや、それが先ほど私が言った、抽象論、建前論の話と実態、まさか副大臣も本当にそ れがあるなんて思っておられないと思いますよ、私も。そのお顔を見ればそれはよくわかりますけれども。

 そもそも、皆さんもう御存じのとおり、その図でいくところの登記業務の乙号事務というのは、これは民事法務協会が既に行っていることですよね、いわゆる 登記所の中で。民事法務協会というのは、登記所のほとんどどこにも入っているわけですよね。既に入札でその事業を行っているところもあるわけです。そうな ると、既に民事法務協会さんが乙号事務にも携わっている、オペレーター業務とか受付とかされているということであります。

 それを切り離して、民間に委託しようというか入札にかけようというときに、もう一回官が入っていこうとするというのが全く現実的に見えてこないんです ね。本当に官が入札に参加するなんということが想定されるんだろうか。されるのであれば、どんなモデルケースがあるのか、ちょっとこれをぜひ教えていただ きたいと思います。

後藤政府参考人 経緯を御説明させていただきます。

 法務局は全国に五百五十庁ほどございますが、市場化テストの対象としては、二十年度から順次これを対象としていくことと考えております。したがいまし て、最初の年は官民あるいは民間を選ぶ、その次の年にどうするということは、これは官民競争入札等監理委員会とよく御相談した上で決定していくべきものに なると思います。そういった意味で、今後、官民競争入札が行われる可能性があるということを申し上げているのでございます。

泉委員 だから、モデルケースはどんなものが想定されますかということを聞きたいんですよ。 その建前はよ くわかりました。それは何だってそうです。僕だって、あした死ぬかもしれませんよ、それは。何だって不可能はないかもしれませんよ。そういう話じゃなく て、今からこうやって入札にかけようとしているものを、官がもう一回その入札に参加するということは、どうやって想定されるわけですか。どんなケースが想 定されるんですか。

後藤政府参考人 私どもで、仮に官民入札があるとすれば、それは、来年度、一部の登記所につ いて行いますが、その次の年にはさらに規模を広げて多くの庁で市場化テストを実施する、その翌年はさらに広げて市場化テストを実施するということになりま す。

 規模を広げていきますと、最初の年は都市部の、かなり規模の大きなところを対象として入札を行いますので、民間の事業者の方がかなり容易に入ってこられ るだろう、こういうふうに思っておりますが、法務局は全国津々浦々ございますので、地方に行きますと、そういう民間の事業者が本当に入ってこられるかどう かはわからないというところもございます。そういうところについては、事情によっては官民競争入札という形で、それは、一たん民間に行ったものを官がとる ということではなくて、そこについて実施をする最初の段階で官民競争入札を実施することがあり得る、そういうことを申し上げているのでございます。

泉委員 大田大臣、御存じだと思いますけれども、平成十九年度から実施される対象事業概要の 中で求人開拓事業がありますね。これは、青森と福岡はたしか入札がうまくいきましたけれども、北海道、高知、長崎は入札不調でしたよね。これは、国は入札 に参加されていますか。

大田国務大臣 参加されていません。

泉委員 そうですよね。結局、入札不調で国みずからが実施ということになるわけですが、先ほ ど審議官が おっしゃられたことは、地方で民が入らないようなところだったら、官民競争入札という形で官が入札に応じるかもしれませんと。これは競争ですか。民が入ら ないようなケースを、官が入札に応じたから官民競争入札ができましたというふうに言えますか。

大田国務大臣 入札不調だった結果として官が入ってくるというのは競争入札ではございませ ん。

 この入札不調につきましては、どういう理由で入札不調になったのか、今、業者にヒアリングしながら一生懸命調べております。例えば、このとき、三つの事 業の市場化テストを行いました。人材銀行、キャリア交流プラザ、それから求人開拓事業、三つやりましたために、相手の事業者がばらけたということがござい ますし、これが単年度の事業であったために、民間企業からしますと、なかなか入札に応じにくいというような点も考えられると思っております。

 このように、どういう理由で入札不調になったかという実態をしっかりと把握いたしまして、今後こういうことがないように、そのときは、最初からしっかり と官民競争入札ということも選択肢に加えてやっていきたいというふうに考えております。

泉委員 それはわかりました。

 そうすると、もう一度もとに戻りますけれども、さっき審議官がおっしゃった、地方で民間が参入しないようなところに官として入札に参加することがありま すと。これはいわゆる官民競争入札なんでしょうか。

大田国務大臣 今の、入札不調が起こりました北海道旭川、高知中央、長崎県……(泉委員「そ のことじゃな い、今私が言った話を言ってください」と呼ぶ)こういうところも、モデル事業のときはしっかりと民間の入札があり、成功しております。したがって、この地 域は民間がなさそうだということはないんだろうと思います。どの地域でも、官と民がそれぞれ、業者の応札がある限り、官と民の競争が行われれば、それは官 民競争入札になり得ます。

泉委員 ちょっとよくわからない。

 審議官、いいですか、地方で規模が小さいところだと民間が入札されない可能性が高いところはある、結果的に官のみが入らざるを得ないというケースがある と。これは、確かに形は官民競争入札だと思うんです。ただ、実態上、それが目に見えているところは幾つもありますよという、現場というか、やはり役所の実 務を担当されている方の答弁ですよ。

 その辺を踏まえて、実際的には官しか入札しないところというのは幾つも出てくるんじゃないですか、それをいわゆる官民競争入札と呼んでいいんですかとい うことを聞いているんです。

大田国務大臣 官しか入札しないところでは官民競争入札は行われません。官民競争入札には、 それはなりません。

 しかし、先ほど申し上げたかったのは、今回入札不調になったところでも民間事業者の希望はあったわけで、モデル事業のときはうまくいっております。した がって、いろいろな地域で本当の意味の官民競争入札を行う可能性というのはあるんだと考えております。

泉委員 官のみが入札する場合は官民競争入札にはならない。では、入札は成立をしないという ことになるわけですか、官のみが入札をした場合というのは。

大田国務大臣 そこは、しっかりと入札が行われるような設計を行わないと、入札にはなりませ ん。

泉委員 今の答弁はそのまま受け取っておきますけれども。

 さらに、同じくこの絵の中で、民間競争入札ということが書いてあります。これももちろん、どの事業者も参入することはできると言ってしまえばそれまでで すが、今回、実際上、想定をされる団体、事業者、これはどのようなものがあるんでしょうか。

水野副大臣 実際にこの乙号事務の入札に対して参加する可能性のある民間事業者ということ で、要件などに ついては先ほど来いろいろありましたが、具体的な名前でいえば、財団法人民事法務協会は、今までの委託の経験などがありますから、可能性としては応札して くるところとしてあり得るでしょうし、昨年、公共サービス改革の基本方針策定に当たって民間事業者から意見聴取の手続を実施いたしましたけれども、そのと きに関心を寄せていたものとしては、登記事項証明書の取得代行業者とか人材派遣会社などがこの問題に、乙号事務の市場化テストに関心を寄せていた様子でご ざいました。

泉委員 その証明書取得代行業者ですか、それも、実は役所の方からもそのお話を聞いたんです けれども、そ れを踏まえて私もインターネットなんかでその文字を入力して調べてみたんですが、出てこないんですね。行政書士さんとかがいろいろな書類の申請を代行した り、取得を代行したりということのケースはあるんですが、そういう業者というのは、例えばある程度大きい会社で何社あってとか、業界的には副大臣はつかま れていますか。

後藤政府参考人 私どもで数等の正確な把握はしておりませんけれども、登記所のそばにそうい う事業者の方が会社を構えられて、一般の方からそちらに申し込みをされて登記事項証明書の取得を代行する、そういう事業は行われているものと承知しており ます。

泉委員 結論を言ってしまえば、実態上は、やはり民事法務協会さんがこの登記の業界ではかな り大きなシェアをこれまでも持ってきたというのは、大臣、この際よくよく御理解をいただきたいと思います。

 具体的に言いますと、先ほども高山委員から話がありましたけれども、この民事法務協会というのは毎年約二百億円を超える業務委託を登記特会から受けてい ますね。さらに言えば、事業収入の九割以上がこの特会からの収入だということですね。一つの財団法人の収入の九割が特会からの収入である。

 先ほどは、公益法人だ、そして入札要件にかなえばすべてそれは民間団体とみなすと。それは、入札における民間団体かどうかという観点からいえばそうで しょうが、しかし事業収入の九割を国の特会の予算の中から得ているという状況を考えたとき、そしてまた職員の数、これも、平成十七年度でいくと法務局の退 職者の数が二百九十九名ですね。よかったら数字を覚えておいてください、二百九十九名。そのうち百四十二名がこの民事法務協会に入られている。

 先ほど審議官からお話がありましたが、確かに、天下りという表現がよいかといえば、私はそうじゃないものもあるような気はします。現場で一生懸命働いて きた方が、引き続き似たような現場で、同じ専門性を有して働かれるという趣旨、それは、これまでの社会でいえばよくわかるでしょう。

 しかし、もしかすれば、この今回の法案というのは、いわゆる法務省の定員削減に伴う、もっと言えば各省庁、行政改革に伴って、また国のお財布からつくら れた財団法人に職員が横流しされているんじゃないか。これは、職員の方にすればいい迷惑かもしれませんが、実態上は、政府定員を減らすために、横にある箱 にただ定員を移しかえをしているんじゃないかと言われても不思議はないんじゃないでしょうか。大臣、どうでしょう。

大田国務大臣 入札に当たりましては、低いコストでよりよいサービスが提供されるというのが 市場化テストの趣旨ですので、透明、公正な入札というのは必ず守っていかなくてはいけないことだと思います。

 民事法務協会も入札には参加できますけれども、そこを含めてなるべく多くの民間事業者が出てくるように実施要項をつくり、周知徹底をさせていきたいと考 えております。

泉委員 もう一回、大臣に聞きます。

 事業収入の九割以上を特会の受託業務が占めているという状態、これについてはどういうふうに御認識を持たれますか。

大田国務大臣 それについては、これまでの事業の形態などいろいろな事情があったんだろうと いうふうに思いますが、少なくとも市場化テストに関しましては、民事法務協会を含めて多数の事業者の中で入札が行われるように努力していきたいと思いま す。

泉委員 水野副大臣か審議官の方にお伺いをしたいんですが、今回、この登記特会そのものは、 オンライン化 を進めていくという過程での必要経費をずっと挙げてきたわけですけれども、その中で、インターネット登記情報提供サービスというものを充実させるために、 ためにというか、電気通信回線による登記情報の提供に関する法律というものをつくりまして、民事法務協会が指定法人になっているわけですね。

 全国で一つ、全国に一を限って、このインターネット登記情報提供サービス、登記情報提供業務を行う者として法務大臣が指定することができるというふうに なっているわけですが、こういうことも、では今後、今は一つの法人に限って独占でこの民事法務協会が行っているわけですが、これもやはり何かしら見直しと いうのを行っていくべきなんでしょうか。

 副大臣、いかがお考えでしょうか。

水野副大臣 そういう形で指定法人になっている、法制度のもとでそうなっているわけなんで しょうけれど も、そこら辺については、そういう法的根拠もあるわけでしょうから、法的見直しなどについては、いろいろと、国会等の議論ということも踏まえつつ、多種多 様に検討するべき課題だというふうに考えております。

泉委員 私は、この法案を審議する前は、もっと優しくというか、もちろん我々基本的に賛成の 立場ですか ら、審議に挑もうと思って勉強したんですが、ちょっと、今見ていただいた数字のとおり、九割の話ですとか、ほぼ半分の職員さんが法務局から民事法務協会に 再就職されているという状況にかんがみると、確かに先ほどは、これからはそういう知識を広げていって、知識ですから、いろいろな方々にも開放されていくん ですという話がありましたが、道路公団ファミリー企業、これを見ていただいてもわかるとおり、では、民事法務協会が独占がなくなりましたといって、職員さ んが三つ四つぐらいの組織に分かれて就職をして、同じような組織がまた四つぐらいできて、トップにはみんなまた法務省の出身者が入る、これまた、まだまだ 全く改革とは言えないんじゃないのかなという気がいたします。

 その意味では、もちろん、この民事法務協会というところがこれまで登記業務に関して取り組んできた社会的な使命、役割というのは大きいとは思いますけれ ども、やはり今回の官民競争入札、民間競争入札というふうにこのポンチ絵でうたっている状況はありながら、実際には、ことしから実は、これもおもしろいん ですが、市場化テスト法というのは市場化をテストする法律ですね、にもかかわらず、その市場化テスト法の試し、試行として、これは法務省の方でされている のかもしれませんが、十庁でたしか既に包括委託の試行をされているはずですね。

 市場化テストの前テストをやっている、これまた不思議な気がしてならないわけですが、そういうことも含めて、しかも、その十の試行されているものは、全 部入札でされました、この包括業務の入札をしました。すべて受けたのは民事法務協会です、すべて民事法務協会です。この状態をどう考えるか。そういうこと で考えると、競争入札というのが形だけにならないのかなということの不安を申し上げたいと思います。

 終わります。

西村(康)委員長代理 午後一時十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたしま す。

    午後零時三分休憩

     ————◇—————

    午後一時十七分開議

河本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。泉健太君。

泉委員 済みません、午前中に引き続き、再度質問をさせていただきます。

 改めて、午前中にお配りしたペーパーをお持ちでしょうか。これが今回の法改正の一番基礎的な資料になるわけですけれども、午前中は、官民競争入札と民間 競争入札が、民事法務協会という存在が余りにも大きくて、実際には競争入札にならないんじゃないかということを指摘させていただきました。

 そして、もう一つ市場化テストの本来の目的である、サービスの質の維持向上ということ、そして経費の削減、これがやはりどの市場化テストの中でもうたわ れているわけですが、果たして今回の乙号事務の件がそれに当たるのかということを、ぜひ大臣、御認識をいただきたいと思いまして、残余の質問をさせていた だきます。

 まず、サービスの質の維持向上、今回の乙号事務の場合だと、どういうものが想定されるでしょうか。

大田国務大臣 乙号事務は、登記事項証明書等の交付あるいは閲覧ですので、ここがより迅速 に、スムーズになされるということが重要な質だと考えております。

泉委員 審議官にお伺いをしたいんですが、現在五百五十ですか、登記所、法務局の数、これの 中で、民事法務協会が全く入っていないところというのはどれぐらいあるんでしょうか。

後藤政府参考人 すべての乙号業務を登記所職員が処理している庁は、二百六十三庁でございま す。

泉委員 そうすると、半分のところでは既に民事法務協会が入られているということになるわけ ですね。

 私たちの地元の京都でも、既に、例えば京都局本局ということでいうと、先ほど言った、ことしから包括的民間委託の試行がされていまして、不動産登記部門 及び法人登記部門が包括的委託の試行庁となり、現在二十三名の職員が業務に当たっています。ただ、それ以前から、既に民事法務協会は京都の中で仕事をされ てきたわけですね。

 官僚の皆さんから事前にレクをいただくと、例えば、この紙に書いてある「サービスの質の維持・向上」というのは、何で民間に委託するのかといえば、それ は、官が思いつかないような発想をすることも含めて、大胆な業務の見直しができるから民に任せるんだというお話でした。

 ただ、ここでもう一回振り返っていただきたいんですが、先ほど言いました、法務局の職員を退職した人の半分が民事法務協会に入っている。そして、民事法 務協会には八百人を超える元法務局の職員さんがおられます。そして職場の実態。各登記所は、民事法務協会と法務局の職員が一緒に仕事をしているケースがほ とんどですね、これまでの全国各地の登記所を見ると。

 そう考えると、今、民間委託をして民事法務協会がそれに落札をして、仕切りを、いろいろと事務所のレイアウトを変えるそうです。そういう変化はあるで しょうけれども、そこで新しい発想が出てくるということであれば、これまでも、民事法務協会の方で独自の取り組みとして幾らでも新しい発想が出てきたで しょうし、大胆な見直しもできたと思うんですね。

 人は同じなんです。恐らく実態上、落札する人も同じなんです、これから行われる今回の市場化テストということに関して言えば。新しい民間が入るかもしれ ないと言ってしまえばそれまでだけれども、実態上は民事法務協会の存在がかなり大きいという中で、果たして本当に、サービスの質の維持向上ということで書 いてありますけれども、それができるんだったら今までもやってこれたんじゃないかというふうに思うわけですが、今まで以上の何か大胆な発想が出てくるんで しょうか。

大田国務大臣 午前中に御紹介いただきました、試行的にやったときに、すべて民事法務協会が 落札、手を挙 げたというお話がございましたけれども、その原因がどこにあったのか、これからもしっかり調べて、なるべく多くの事業者が入札に参加するような実施要項に していきたいというふうに思っております。一定のコストのもとで、それはなるべく低いコストのもとでよりよいサービスを提供するというのが市場化テストの 目的ですので、あくまでそれが達成できるように、先生の御疑念が実際のものとならないように今後も実施をしていきたいというふうに考えます。

泉委員 これはもう、疑念というか、恐らくこれから予想される事実というふうに私は認識をし ております。

 その意味で、もう少し民事法務協会について、審議官、ちょっと教えていただきたいんですが、よく指摘をされるように、剰余金がこの協会にはあるというこ とが言われております。その民事法務協会の剰余金、もし額がわかればお願いいたします。わからなければわからないと答えてください。

後藤政府参考人 申しわけありません、突然のお尋ねでございますので、今手元にはございませ ん。(発言する者あり)

泉委員 今、平井委員からも、六十億ぐらいじゃないかと、これは退職金の積み立て等でそうい う話もありますし、かなりの額の剰余金がございます。

 これも我が党の参議院議員の尾立議員が、以前、質問主意書で内閣に対して、こういった団体が多額の剰余金を抱えている中で、しかも特会からの事業収入が 九割、しかもそこに多くの職員が再就職をしている、この実態はどう考えてもおかしいんじゃないかということで質問主意書で出したところ、内閣からの答え が、国の法律で、一つの特定の団体から、今回でいうとこの民事法務協会から、特会の方が寄附を受けるということはできないことになっている、昭和二十三年 ぐらいの政府の取り決めか何かでそうなっているという見解が返ってまいりました。

 しかし、それを考えるのであれば、その二十三年につくった法律の是非も問わなければならないんですけれども、やはり私たちは、これだけ国との関与がかな り密接な民事法務協会については、幾ら民間、財団法人とはいえ、その規模なり財務諸表さまざまは、しっかりとチェックをしていく必要があるんじゃないのか な、あるいは国がある程度、枠をはめていく必要があるんじゃないのかなという気がしてなりません。

 その意味で、これからこの民事法務協会、例えば私が民事法務協会とこれもインターネットで検索をしてみたら、何とホームページがないんですね、びっくり したんですけれども。ありますか。たしか、登記情報サービスの提供のホームページの中に民事法務協会の概要というのが書いてありましたが、それ以外、単独 で、ごめんなさい、ありますか。普通、インターネットで検索すると絶対出てくるんですけれども、トップページにも出てこなかったのか、そうすると私の間違 いかもしれません。ちょっとそういう意味で、情報がすぐに出てこなかったということで、なかなか不透明な感じをしております。

 そういうことからも、このサービスの質の向上、維持というところや、経費の節減というところも、今のままいくと、入札になったからといって、これまでも やってきた民事法務協会が急に中身ががらっと変わるともこれはなかなか思えないというような状況でございます。

 そして、この十の今試行をされているところも、事務所のレイアウトを大胆に変えましてとかと一つ一つ説明が書いてあるんですね。そんなことにお金をかけ ていていいんだろうか。この窓口は民事法務協会が行っておりますとかとパネルをつくって置いたりしているわけですが、皆さんも運転免許試験場なんかにも行 かれたことがあると思いますけれども、それが交通安全協会がやっていようが警察がやっていようが、民事法務協会がやっていようが職員がやっていようが関係 ないです。カウンターの向こう側にいる人がだれであろうが、一般市民、利用者は全く関係ないんです。

 そのことをよく考えていただいて、どこに本当に必要なお金を使おうとしているのかというのをぜひ認識していただきたいなというふうに思います。

 大臣、最後の質問です。

 国が昨年の十二月に出しました基本方針、公共サービス改革基本方針、お持ちですか、それの九ページに、「国の行政機関等が自ら実施することとなった場合 における公共サービスの実施等」ということで、官民競争入札で国が落札した場合というところがあるんですね。上から十行目ぐらいのところですけれども、そ こに、「なお、国の行政機関等が、自らの提案に従って対象公共サービスを実施できないことが明らかになった場合等は、民間事業者による対象公共サービスの 実施の場合に準じて、新たな民間競争入札の実施等必要な措置を講ずる。」とわざわざ書いてあるんですね。これは、民間競争入札の場合は、民間がもし事業を 行えなかった場合にはなんということは書かれていないわけです。

 官が落札しておいて事業を行えないことが明らかになった場合には、もう一回再入札をする措置を講ずると。何じゃこりゃというふうに思うんですね。落札し た以上は責任を持ってやるのが当たり前じゃないかと思うんですが、なぜこんな規定が入っているのか。そもそもやる気があるのかというふうに疑わざるを得な いわけですが、この理由を最後に教えていただいて、私の質問を終わりたいと思います。

中藤政府参考人 今御指摘の点、国の行政機関がみずからの提案に従って公共サービスの実施が できないこと が明らかな場合には、民間事業者による対象公共サービスの実施の場合に準じて、新たな民間競争入札の実施等必要な措置を講ずる、これはまさに、官が独自 に、みずからの提案というものを出されて、それができないということであれば、新たな民間競争入札を行うと……(泉委員「できないことがおかしい。提案し たことができないというのはどういうことですか」と呼ぶ)お答えいたします。提案したものが仮にできないのであれば、このような措置をとるということであ り、本来的には、それはきちっと官が提案した線に沿って行われるのが原則であります。

河本委員長 速記をとめて。

    〔速記中止〕

河本委員長 速記を起こして。

 泉君。

泉委員 もう一回聞きます。

 これは政府がつくった中身ですから、その理由だけお答えいただきたいんですね。今九ページの話をしましたが、七ページに戻ると、「対象公共サービスの実 施等」ということで、最初は民間業者の落札の場合における公共サービスの実施というものが来ています。ここには、もし民間業者ができなかったら再入札を行 うなんということは書いていないですよね。一方で、国が落札した場合、国がみずからの提案に従って対象公共サービスを実施できないことが明らかになった場 合等は新たな民間競争入札の実施等必要な措置を講ずると。

 やはりこれはやる気が問われませんか。国が提案をしておいて、国がですよ、先ほどから法務局の正しさとか確実さとか、権利があるから、だからそれを正し く行使するのは国なんだとかいう話の中で、国が提案しているサービスを、できないことをあらかじめ想定してこの文章があるというのは、到底僕は理解できな いんです。これはどういうことですか。

中藤政府参考人 お答えいたします。

 まず、民間の事業者が民間の提案でできない場合には、契約の解除、そういった必要な措置がとられるわけです。

 したがいまして、官民イコールフッティングの観点から、仮に国の行政機関がみずからの提案に従ってそれができないということであれば、それは新たな民間 競争入札の実施、そういった措置を講ずるということです。

 ただ、これは、なおという念のための規定でございます。

 以上でございます。

泉委員 国は、少なくともやはり信頼される存在として、国がみずから提案したことを、悪い事 業であればそ れは撤回すればいいわけですけれども、入札において国が提案したことができないというケースは、一応想定ということで書かれたということは今ので理解をし ましたが、これはあってはならないことだというふうに思っております。その点はよくよく心して、一番恐れるのは、やはり入札の形骸化ですよね。官はとりあ えず提案をして入札の体をなしたけれども、実際にはそれは全く実現性のない提案で落札が行われていたということがあってはならないというふうに思いますの で、その点を指摘して、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

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