衆議院内閣委員会
平成19年5月11日(金)
午前九時三分開議
出席委員
委員長 河本 三郎君
理事 木村 勉君 理事 後藤田正純君
理事 戸井田とおる君 理事 西村 康稔君
理事 平井たくや君 理事 泉 健太君
理事 松原 仁君 理事 田端 正広君
安次富 修君 赤澤 亮正君
新井 悦二君 宇野 治君
遠藤 武彦君 遠藤 宣彦君
岡下 信子君 嘉数 知賢君
木原 誠二君 新藤 義孝君
谷本 龍哉君 寺田 稔君
土井 亨君 中森ふくよ君
丹羽 秀樹君 萩生田光一君
林田 彪君 松浪 健太君
松本 洋平君 村上誠一郎君
茂木 敏充君 市村浩一郎君
岩國 哲人君 小川 淳也君
岡本 充功君 小宮山洋子君
近藤 洋介君 佐々木隆博君
細野 豪志君 三日月大造君
横光 克彦君 渡辺 周君
石井 啓一君 吉井 英勝君
…………………………………
国務大臣
(少子化・男女共同参画担当)
(食品安全担当) 高市 早苗君
国務大臣 渡辺 喜美君
内閣官房副長官 下村 博文君
内閣府副大臣 平沢 勝栄君
内閣府副大臣 林 芳正君
内閣府大臣政務官 岡下 信子君
内閣府大臣政務官 谷本 龍哉君
厚生労働大臣政務官 菅原 一秀君
経済産業大臣政務官 高木美智代君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 山浦 耕志君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 河 幹夫君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 原 雅彦君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 小滝 晃君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 坪井 裕君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 刀禰 俊哉君
政府参考人
(内閣府大臣官房政府広報室長) 高井 康行君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 丸山 剛司君
政府参考人
(内閣府男女共同参画局長) 板東久美子君
政府参考人
(内閣府食品安全委員会事務局長) 齊藤 登君
政府参考人
(総務省大臣官房総括審議官) 久保 信保君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 門山 泰明君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 伊原 純一君
政府参考人
(外務省大臣官房広報文化交流部長) 山本 忠通君
政府参考人
(外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長) 中根 猛君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 板谷 憲次君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 宮坂 亘君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 村木 厚子君
政府参考人
(厚生労働省医薬食品局食品安全部長) 藤崎 清道君
政府参考人
(農林水産省大臣官房審議官) 貝谷 伸君
政府参考人
(農林水産技術会議事務局研究総務官) 伊地知俊一君
政府参考人
(経済産業省製造産業局次長) 内山 俊一君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 辻原 俊博君
政府参考人
(国土交通省自動車交通局次長) 桝野 龍二君
政府参考人
(国土交通省国土地理院長) 藤本 貴也君
参考人
(食品安全委員会委員長) 見上 彪君
内閣委員会専門員 堤 貞雄君
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委員の異動
五月十一日
辞任 補欠選任
嘉数 知賢君 宇野 治君
木原 誠二君 新井 悦二君
谷本 龍哉君 萩生田光一君
土井 亨君 松本 洋平君
林田 彪君 茂木 敏充君
松浪 健太君 新藤 義孝君
村上誠一郎君 丹羽 秀樹君
市村浩一郎君 三日月大造君
小川 淳也君 細野 豪志君
小宮山洋子君 近藤 洋介君
佐々木隆博君 岡本 充功君
横光 克彦君 岩國 哲人君
同日
辞任 補欠選任
新井 悦二君 木原 誠二君
宇野 治君 安次富 修君
新藤 義孝君 松浪 健太君
丹羽 秀樹君 村上誠一郎君
萩生田光一君 谷本 龍哉君
松本 洋平君 土井 亨君
茂木 敏充君 林田 彪君
岩國 哲人君 横光 克彦君
岡本 充功君 佐々木隆博君
近藤 洋介君 小宮山洋子君
細野 豪志君 小川 淳也君
三日月大造君 市村浩一郎君
同日
辞任 補欠選任
安次富 修君 嘉数 知賢君
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五月十一日
地理空間情報活用推進基本法案(額賀福志郎君外九名提出、第百六十四回国会衆法第三九号)
は委員会の許可を得て撤回された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
地理空間情報活用推進基本法案(額賀福志郎君外九名提出、第百六十四回国会衆法第三九号)の撤回許可に関する件
内閣の重要政策に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
地理空間情報活用推進基本法案起草の件
地理空間情報の活用の推進に関する件
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河本委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する
件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、参考人として食品安全委員会委員長見上彪君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官河
幹夫君、原雅彦君、内閣府大臣官房政府広報室長高井康行君、男女共同参画局長板東久美子君、食品安全委員会事務局長齊藤登君、総務省大臣官房審議官門山泰
明君、外務省大臣官房参事官伊原純一君、大臣官房広報文化交流部長山本忠通君、厚生労働省大臣官房審議官宮坂亘君、村木厚子君、医薬食品局食品安全部長藤
崎清道君、農林水産省大臣官房審議官貝谷伸君及び国土交通省自動車交通局次長桝野龍二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませ
んか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
河本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浪健太君。
松浪(健太)委員 おはようございます。自由民主党の松浪健太でございます。
本日は道州制一本でやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
さて、この道州制なんですけれども、大臣は特区法が成立した後に道州制担当大臣になられましたので、まだ突っ込んだ議論というか、本格的な議論がなされ
ていないと思いますので、きょうはよろしくお願いをいたします。
私は、この道州制という政策、特区法だけではなくて今後の日本の行く末を考えるにつけ、一政策ではなくて、まさに日本の国柄を決める、そしてシステムを
根本的に変える、国民生活へのインパクトという点で考えますと、これは憲法改正にも匹敵するような問題であると思っております。
この道州制、ただ一政策でないというのは、やはり我が国のパラダイムを考えましても、二百六十年続いた幕藩体制に続きまして、百二十年、二還暦を超える
中央集権体制、我が国が敗戦を経てもなお中央集権でやってきたけれども、これが人口減少社会、少子高齢化社会にもうそぐわない、地方分権社会にパラダイム
転換するんだという上で、まさに我々は今、歴史のうねりの中で転換点にいるものであると私は考えております。
こうした中で、国民の皆さんが道州制という言葉を大分お知りになるようにはなってきておりますけれども、これが導入されて一体どうなるのかなというメ
リットというか、この説明というのがまだまだ浸透していないなと思っております。
私は、いつも申し上げているんですが、道州制は、究極の構造改革でありますけれども、我々国会議員の身分、国会の仕組み、地方議会、これを含めて究極の
政治改革、そして地方支分部局等も含め中央省庁の再編を含めた究極の行政改革、そして、やはり道州という新しい我々の地域に対するアイデンティティーをつ
くる、そしてまた政治のダイナミズムを感じるという上で、やはり究極の日本人のマインド改革であると私は思っております。
その上で、やはりどういったことが国民の皆さんにメリットになるのかというのをわかっていただかなきゃいけないと思っております。私は、道州という新し
い経済圏を確立して、行政コストを削減して、そして何よりも、将来世代のために、国民負担率もこれによってやはり相乗効果で下がっていくんだ。私は地元で
よくこの話をするんですけれども、まさに道州制は将来世代への、子供たちへの最高の贈り物なんだという言い方をいたしております。
こうした考え方が道州制に対する私の考え方でありますけれども、大臣も、今回、私見でよろしいので、この歴史的意義、また文明的意義、そういった広い御
視点から、この道州制ということについての御所見を伺いたいと思います。
渡辺国務大臣 松浪委員が道州制伝道師をやっていただいておりますことは、私にとっても大変
に心強い話でございま
す。道州制、私も大臣になる前は深く勉強したことは正直ございませんでした。大臣になりまして、この問題の重要性をおくればせながら認識をしたところでご
ざいます。
委員御指摘のように、まさしくこれは国家のあり方を大転換する、フルモデルチェンジの試みだと私も考えております。中央集権体制がまさに今の日本の閉塞
状況の大きなハードルの一つであるとするならば、やはりこれを突破していかなければなりません。私は地方分権改革の総仕上げであると常々申しております。
委員が御指摘のように、構造改革の総仕上げという側面も大いに考えていかなければならないと思っております。
やはり日本が今、かつては成功体験をもたらした旧来型の制度や慣行が大変時代おくれになってしまっている。安倍総理の言葉で言えば戦後レジーム、これを
やはり大転換をしていくことこそが我々政治家の使命であろうかと思います。まさしく中央集権体制や各省割拠主義、こういったものが今我々の目の前に岩盤の
ように立ちはだかっている大問題であるわけでありますから、これをいかに突破をしていくかということを考えるべきだと思います。
道州制というのは、まさに地域の住民にとって、国民にとってより大きな豊かさをもたらすものである、そして、将来世代へのツケ回しが行かないようにす
る、さまざまな観点からこの問題を大いに掘り下げていくべきであると考えております。
松浪(健太)委員 ありがとうございました。
特に、やはりこの道州制を導入しますと都道府県の規模というのが変わってまいります。
考えてみれば、明治二十一年の市町村制の導入から都道府県の数は四十七で変わっていない。明治、昭和、平成の大合併を経て、七万一千あった市町村が今千
八百にまで減ってきた。当時と比べますと、役所というのは身近な存在だった。まずは徒歩で行ける距離、そして、交通手段がいろいろ変わって、車で行ける距
離とか、そういったような感じで基礎自治体は変わってきていると思うんですが、都道府県だけはおよそ百二十年たっても姿を変えていない。
まさにこれは、我々の生活圏がどんどんと拡大する、通勤圏が拡大する中で、また地域経済という面から見ても、今の都道府県の大きさというものが果たして
妥当なものか。とてもそうは思えない中で、まさに、私の選挙区があります関西ではGDPがカナダと同じ程度あって、特によく言われますのは、九州なんかは
オランダと同じ大きさで、同じGDP規模を誇る。
特に、こうした地域を経済ユニットとして見た場合に、やはり、九州だからこそアジアと関係をもっと深く持っていこうとか、一地域でも国に匹敵する、先進
諸国に匹敵するGDPを誇るわけでありますから、こうした独自の政策というのもやっていけると思います。
そしてまた、道州ぐらいの大きさになるからこそ、税制などでも、法人税の上がりにくいところは法人税率を下げるとか、いろいろな工夫も今後できていくの
ではないかなと思います。
そういった視点から、経済に非常に強い大臣であられますので、こうした地域の経済ユニットを道州という観点から見た場合に、今後どのような展望があるの
か、伺いたいと思います。
渡辺国務大臣 今、世界経済は大変な勢いで成長を続けております。特に、BRICsと言われ
る新興諸国の成長ぶりは
目覚ましいものがございます。
安倍内閣においては、アジア・ゲートウェイ構想を進めております。つまり、アジアの成長と日本の成長をドッキングさせてしまおう。オープンとイノベー
ションという観点から、さらにこのゲートウェイ構想を深く掘り下げていく方策を今具体的に検討中でございます。恐らく、近々、根本補佐官のところでこの取
りまとめが行われるものと思います。
まさしく、アジアに向かってオープンという体制をつくることができれば、例えば、福岡と香港の距離なんというのは非常に近いわけですね。香港あたりで牛
乳を飲みますと、余りおいしくないんですね。これはどこから持ってきたんですかと聞くと、モンゴルから持ってきたと。私は馬乳かと思ったんでありますが、
これは牛乳だということでございました。
そんなにおいしくない牛乳を飲んでいるんだったら、ぜひうちの、福岡が近いにしても、栃木の牛乳もおいしいですよというので、ある香港の食材業者にお勧
めしたら、見に来てくれたんですね。栃木から牛乳を香港に持っていくと二週間ぐらいかかっちゃう、一般の消費者の口に入るのに。ついては、ロングライフ加
工をしてくれないかということでございました。残念ながら、そういった加工施設が私どもの地元にないものですから、そういうことはうまくいっていないんで
すね。
一方、台湾あたりでは、おすし屋さんというジャパニーズソフトパワーのおかげで、お米が何とキロ千円で取引をされている。一俵六万円ですから驚きます
よ。大体、一俵一万二千円ぐらいですよ、いろいろな諸経費を差っ引くと、一俵当たり八千円とか七千円ぐらいになっちゃうのが普通なんですね。それが、何と
一俵六万円で取引をされる。こういう時代になっているわけですね。
したがって、これはまさしく、こういったアジアの経済と日本の成長をドッキングさせるということは、日本の経済にとっても極めて大事なことであると思い
ます。
一方、北海道あたりは、アジアというよりはむしろロシアがすぐ隣にあるわけですね。ある自動車メーカーの重役に聞きましたら、今一番もうかっているのは
ロシアだというんですね。ロシアでは高級車が飛ぶように売れている。確かにロシアは、御案内のように鉱物資源や原油で相当稼いでいる国でございますから、
こういったエネルギー、素材価格が高騰すれば、それだけ実入りも大きくなるということなんですね。ですから、そういうお金持ちが相当ふえてきているという
ことなんでしょう。北海道あたりは、まさしくロシアン・ゲートウエーみたいな構想を進めたらいいと思うんですね。
したがって、そういうそれぞれのブロックといいますか地域ごとにそれぞれの経済活性化の戦略と方策があり得るわけでございまして、ぜひそういう体制をつ
くっていくべきだと思いますし、道州制の議論というのは、まさしくこういう方向性に向かって、国民の認識を喚起しながら、それぞれの地域や国の政策にも大
きな影響を与えていくものになるかと存じます。
松浪(健太)委員 ありがとうございます。
多様な地域ごとの経済戦略なくして、本当に、二十一世紀の日本経済、また安定成長、そしてまたこれによって支えられる社会保障ということで、すべてが連
関している話であると思います。よろしくお願いをいたします。
続きまして、道州制特区法案も通りまして、その後、政府の中でも多くの議論等も、ビジョン懇等も立ち上がりましていろいろ活動されていると聞いておりま
すけれども、現段階での政府のお取り組みを伺いたいと思います。
河政府参考人 今御質疑にもございましたとおり、道州制の導入の議論というのは、非常に幅広
い、また重要な議論でご
ざいますので、国民生活に大きな影響を及ぼすということも含めまして、国民的な論議をきちんとしていかなきゃいけないというのが私どもの理解でございま
す。
あわせまして、今御指摘ございましたように、昨年成立させていただきました道州制特区推進法の制度というものも、まさにこの検討に資する取り組みでもご
ざいますので、これらについてきちんと国民の方々にわかっていただくための御説明を続けていくということも重要な課題でございます。
そのようなことから、この一月、二月におきましても、担当の林副大臣に北海道、岡山に、あるいは岡下政務官に京都に行っていただいて、各界の方々と幅広
く御議論、意見交換をしていただいたところでございます。
また、今御指摘ありましたように、道州制ビジョン懇談会が二月に発足しておりまして、かなり頻繁な審議をお願いしているところでございます。そこに道州
制協議会というものもつくらせていただきまして、道州制協議会のメンバーが十一名いらっしゃいますけれども、その方々に、それぞれの地域の経済界の代表の
方々が多く参加していただいておりますので、それぞれの地域でシンポジウム等を開催していただこうということをお願いさせていただいております。月内にで
も第一回のシンポジウムをできれば北海道で開かせていただこう、あるいはそのようなことで開いていただこうということを、今準備を進めさせていただいてい
るところでございます。また、できれば渡辺大臣にもその場に御出席いただければというふうに事務方としては思っております。
いずれにいたしましても、先生御指摘のように、幅広い議論を国民の方々に喚起し、あるいは、私どもの今考えていることを少しずつでも御説明していただく
という努力を地道に、また活発に続けていきたいと思っておりますので、御指摘のように、幅広い形での御議論が国民の中に巻き起こるように、それから、私ど
ももそれに向けていろいろな御意見を伺うことができるように、準備を進めていきたいというふうに思っております。
松浪(健太)委員 どうもありがとうございました。
多様な識者の御意見等、非常に参考になるものが多いと思いますので、ビジョン懇は三年で道州制ビジョンをつくるということになっておりますけれども、そ
の前に中間まとめをしっかりと、そして迅速にお取りまとめをいただくようお願いを申し上げます。
そしてまた、道州制というのは、国会の仕組みとか、そして大きな国と地方の関係を変えるものですから、高度に政治的なものであります。我々も自民党の中
で、ことしになりましてから調査会の中に五つの小委員会を設けまして、さまざまに議論をしているところでありまして、この二月、三月にも月に十数回の小委
員会を開いているところであります。特に、国と地方の関係という面から見ましても、地方七団体はもちろん、経済団体等三十六団体からのヒアリング、アン
ケート等もしっかりと今行って、政治が先にリードをしようということで、我々も鋭意努力をしているところであります。
そして、小委員会、種類がいろいろあるわけです。区割りの問題とか、また二つには国と地方の関係、三つには国の組織、権限、四つには道州と市町村の関
係、また五つ目に税財政というような分野から、さまざまに議論をしているところでありますけれども、こうした議論の中で、論点があるところ、そしてまた論
点の分かれるところ等々出てきております。
そして、今論点として浮かび上がっているのが、やはり地方の力をこれから伸ばしていくためには、我々の道州制は、第二十八次地方制度調査会の答申と同じ
ところは、いわゆる連邦制はとらない、つまり司法は国が持って、この狭い国土で一体的な国民の精神性があるというところで、私は、これは地方制度調査会の
答申は妥当なものであると思っております。
しかしながら、やはりこれから地域の力をいかに持ってもらうのかということで、条例の制定権の問題というのがあると思うんですが、今後、立法権は国にあ
るにしろ、条例制定権を拡大していくにはどのような方策があるか、伺いたいと思います。
門山政府参考人 条例制定権の拡大につきましてのお尋ねでございます。
道州制を考えてまいります上で、自治立法をどういうふうに考えていくか、道州の自主立法というものをどういうふうに考えていくかということは、非常に重
要な論点だという認識でございます。
現在、憲法九十四条に基づきまして、地方公共団体は、法律の範囲内で条例を制定することができるとなっているわけでございますが、平成十二年の地方分権
一括法によりまして機関委任事務を廃止したことに伴いまして、ほとんどの事務が地方公共団体の事務となりまして、それによりまして条例制定権の範囲が相当
広がったということはあるわけでございます。
今後の問題としまして、第二十八次の地方制度調査会におきましても、「事務事業の執行方法・執行体制に関する国の法令は、地方公共団体の自律性を高める
内容とすべきである。特に自治事務については、国は制度の大枠を定めることに留め、地方公共団体が企画立案から管理執行に至るまでできる限り条例等により
行うことができるようにすべきである。」ということで、言ってみますと、国の法令の規律の密度を下げて、条例で制定できる範囲を拡大していくということの
必要性の御指摘をいただいたわけでございます。
具体的な進め方につきましては、今後、検討が必要なわけでございますが、いずれにいたしましても、自主性、自律性を高めるという観点では、国の法令によ
ります規律というものを緩めて、条例の制定範囲を一層拡大する方策というものを検討していかなければならないというふうに認識いたしております。
松浪(健太)委員 ありがとうございました。
北海道では上書き権等の意見も出ておりますし、またビジョン懇の方では、先日は、省令はもう全部やめて政令のみにするべきだなんという議論も出ていると
聞いております。これにはいろいろなハードルがあるかと思いますけれども、やはり規律密度というものを、網の目を広げていくという工夫は、我々政治家も含
めて抜本的なアイデアをつくっていかなければいけないのではないかと考えている次第であります。
次に、やはり道州制を導入した場合に基礎となるのは、これはあくまで基礎自治体であります。千八百まで減ってきたとはいえ、これからの分権にたえ得る規
模があるのかどうかというのはまだまだ大きな論点であろうかと思います。特に、平成の大合併は一万人という基準を目途に行われてまいりましたけれども、し
かしながら、今後、小さな基礎自治体にも、せめて中核市レベルの事務移譲というものもやっていきたいなというような思いも我々は持っております。
しかしながら、そうしたときに、小さな自治体では本当に専門性のある職員の数等もかなり限られているわけであります。こうした抜本的な、本当の意味での
地方分権を行うために、適当な基礎自治体の規模というのは職員の配置等も考えてどのように考えられるか、伺いたいと思います。
門山政府参考人 市町村の規模につきましてのお尋ねでございます。
現在、市町村合併につきましては、お話しいただきましたように、相当進展してきたところでございますけれども、進捗状況は地域ごとに相当異なりますし、
また小規模な市町村もたくさん存在しているという実態がございます。このため、合併新法に基づきまして、引き続き市町村合併を積極的に推進していきたいと
考えているところでございます。
いずれにいたしましても、道州制を考えます場合にも、今後の市町村というのは行財政基盤を一層充実強化する必要があるということでございますが、例え
ば、御指摘ございました中核市ですと、人口が三十万以上ということが要件となっておりまして、これは保健所の設置といったようなことが権限として加わって
くるわけでございます。
こういった人口規模と専門的な事務能力ということで考えますと、例えば、保健所とかかわりの深い保健師さんにつきましては、人口十万人以上の都市を見ま
すと、ほとんどのところで十人以上配置されておりますけれども、一方、例えば町づくりに不可欠な土木技師さんですとか建築技師さんという方々に注目いたし
ますと、十人以上配置されているのはおおむね人口二十万以上の市であるというふうに、かなりばらつきがございます。
したがいまして、基礎自治体として求められております事務能力という点から考えますと、相当の人口規模がないと専門的な職員の方の配置が必ずしも十分で
きない、こういう面があるわけでございまして、こういった点も踏まえまして、どの程度の規模が適正かというのは非常に難しい問題でございますけれども、い
ずれにしましても、基礎自治体のあり方ということにつきましては、今後とも十分検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
松浪(健太)委員 ありがとうございました。
合併につきましては、やはり地域ごとに知事さんの意向が大きく働いたりとかで、進んでいるところと進んでいないところが極端に分かれているというような
こともありますので、今後、地方分権を行う際に、道州制も見据えながら、やはりある程度行えるような施策をとっていただきたいと思うわけであります。
続きまして、先ほど申し上げたように、道州制の導入については論点があるなし、いろいろあるんですけれども、やはりこれは肝だなと思うのは地方支分部局
の問題であります。
自衛官を除きました国家公務員三十三万人のうちの二十二万人がまさに地方支分部局におられて、国税庁なんというのは五万人を超えられるので、これを全部
移すというのもなかなか、国が本当にやらなければいけない仕事というのも多数ございます。しかしながら、地方の今までの公共事業に携わった部分とか、それ
から福祉、そうした面では、多くの権限、財源の移譲というのが考えられると思います。
そして、私は、三位一体の改革を見ていても、権限、財源の移譲というだけではやはりなかなか物が動かない。やはり組織というものを一緒に移譲をしなけれ
ば、これは機能しないのではないかと思っております。
特に、私たち自民党で行っております調査会におきましても、また一般の有識者の皆さんにおきましても、地方支分部局を基本的に道州に移管するというとこ
ろは論点がないものと思います。しかしながら、これは大きな痛みも伴いますし、そして私は、何よりも懸念をしなければいけないのがやはり人の問題であると
も思いますけれども、特に、この地方支分部局を地域に移管する、道州に移管するということに関しての大臣のお考えを伺いたいと思います。
渡辺国務大臣 先ほどのお話のように、今都道府県がやっている仕事は、分権改革を進めれば市
町村に移って
いくことになります。国の役割と地方の役割を根本的に見直すというのであれば、当然のことながら国から道州に移す仕事はたくさん出てくるかと思います。当
たり前のことでございますが、地方支分部局というのはまさに道州に移管をする最も肝の部分であるという委員の御指摘はそのとおりであると考えます。
松浪(健太)委員 力強い御答弁、ありがとうございました。きょうの御答弁の中で一番見出し
になる部分かなと思いま
す。
移管をするに当たって、やはり公務員の身分の問題というのがございます。公務員の身分を道州に移管する、国家公務員がいわゆる地方公務員になるわけであ
りますけれども、私がここで懸念をいたしますのが、公務員の皆さんが、こっちで企画立案ができるから道州に行きたい、ここでおれたちの力が発揮できるん
だ、そしてまたそれにふさわしい報酬もあるんだという、やはり公務員の皆さんが本当にやる気になっていただくような、そういう身分の転換システムというよ
うなものが私は必要であろうかと思います。
もっと拡大して考えれば、アメリカなんかは、行政のトップは皆さん、リボルビングドアで、政権のたびにかわるわけですから、まあちょっと政権かわられて
も困るんですけれども、政権がかわらない中でも、そうした民間の方を入れていくという仕組みも私は非常に重要かと思います。特に大臣の、今後公務員の身分
を変えていくというのは、これは大きな法改正が必要だと思いますけれども、こうしたことに関するお考えをお伺いしたいと思います。
渡辺国務大臣 私は、国、地方の行政改革と同時に公務員制度改革も担当しておる人間でござい
ます。道州制
を導入するということになれば当然、国、地方のスリム化は避けて通れない課題でございますし、国家公務員が道州公務員になっていくということも大いにあり
得る話でございまして、そういったことを聖域なくして考えていきたいと考えております。
松浪(健太)委員 ありがとうございました。
これまた本当に力強い御答弁をいただいたと思いますけれども、この道州の移管の問題と、あと一点、地方制度調査会では、道州制が導入されたときに知事と
いうものは直接公選をするということになっているわけでありますけれども、我々の議論の中では、今これに対してはいかがなものかなと。憲法改正なくしてで
きるという点ではいいわけでありますけれども、本当に何百万、何千万になるような大きな、国にも匹敵するような自治体道州の中で、そのトップが今のような
強い権限を持っていていいのか。また、これが一人何百万票もとるような知事が生まれた場合に、独裁に陥ったりポピュリズムに陥ったりとかいうような懸念が
あろうかと思います。私見で結構ですので、大臣のお考えを伺いたいと思います。
渡辺国務大臣 今現在、地方自治体の首長さんは直接選挙で選ばれているわけでございますか
ら、その延長線
で道州のトップを考えるとするならば、やはり今自治体において起こっている弊害というのは大いに失敗の教訓として考えるべきだろうと思います。すなわち、
多選による弊害というのがあるのだとすれば、それは多選禁止というのを盛り込んでいくのは当然のことであろうと考えます。
松浪(健太)委員 ありがとうございました。多選の禁止はこれぐらいになれば当然であると思
いますけれども、数百万
票もとる知事が出た場合に、議院内閣制の総理大臣の正統性との面で比べた場合、今後いろいろな論点が出るかと思います。
今後とも道州制に大臣の力強い邁進をお願い申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
河本委員長 次に、吉井英勝君。
吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
私は、この前の二月二十一日の当委員会で、政府広報の契約、タウンミーティングの問題で林副大臣などに質問いたしましたが、その際、最初の二〇〇一年度
の前半は電通との随意契約であり、随意契約はタウンミーティングの経費を非常に高価格にした要因だということなどを指摘しました。
政府は、随意契約の後は企画競争を取り入れたという答弁でしたが、企画競争とは、競争の文字は入っているが競争契約ではなく、随意契約の相手を決める方
法の一つで、結局これは随意契約であるということですが、この点は間違いないですね。まず最初に政府参考人に確認します。
高井政府参考人 お答え申し上げます。
企画競争、御指摘のようにこれは随意契約の一方式でございますけれども、内容といたしましては、相手方を決定するに当たって競争性、透明性を確保するた
め、事前の公募により複数の者から企画案の提出を求め、その内容等について審査を行い、最もすぐれた提案をした者を契約の相手方とする方式でございます。
御指摘の二〇〇一年度の後期のタウンミーティングの運営の請負契約については、当時、運営業務に関する知見が十分蓄積されておらず、よりよい手法を検討
していく中で、直ちに運営業務を定型化して一般競争を行わず、企画競争による業者選定に基づいて契約を行ったところでございます。
吉井委員 要するに、企画競争といっても随意契約だということですね。これは予備的調査の調
査報告の中で
も、衆議院調査室がまとめておりますが、企画競争によるものとして、そして契約は随意契約ときっちり書いてありますから、それは間違いないですねという確
認です。もう一度確認しておきます。
高井政府参考人 随意契約においては間違いございません。ただし、企画競争性のある随意契約
という認識でございま
す。
吉井委員 何か企画競争と聞けば、みんな競争していると思うんですよ。競争契約かと思ったら
全然そうじゃなくて、随
意契約だと。そのことを聞いたわけです。
タウンミーティングの企画競争について、企画競争に参加した企業とそれから見積書の金額を明らかにされたいということをずっと求めてきたわけですが、見
積書は、企画競争のコンペが終わった後に電通からだけはとってあっても、毎回必ず他社から見積書をとったということにはなっていないと思うんですね。だか
ら、見積もりの金額も予定価格も落札率も要するによくわからない、こういうふうになっていると思うんですが、企画競争の後、電通だけじゃなくて必ず他社か
ら見積書をとっていますか。
高井政府参考人 御指摘の十三年度後期でございますけれども、企画競争に参加した企業、十社
でございま
す。その中でこの企画競争を行って、当時電通が最も優秀であるというふうに審査をしたものでございまして、その後、見積書を電通からとったということで、
電通だけとっておるということでございます。
吉井委員 普通は、これは国土交通の場合であれどこであれ、競争入札をやったら全部明らかに
するわけです
よ。予定価格はどうであったか、落札率は幾らであったかも全部明らかになるのです。企画競争だと言いながら、要するに、電通と随意契約して電通の分だけが
出てきて、あとのものは見積もりもとっていない。この契約のあり方というものは余りにも異常だということをまず言わなきゃいけないと思うんです。そして、
これは今からであっても、きちっと各社の見積もりをとって、改めて提出をしていただきたいと思います。
二月のこの委員会でタウンミーティングを取り上げたときに、政府広報の契約のことについて、公益法人契約の政府広報というのをこのときやったわけです
が、きょうは、新聞による政府広報、広告代理店、広告掲載企業との契約について伺いたいと思います。
政府広報のうち、新聞というメディアを使ったものは予算的にかなり大きいものと思いますが、どのくらいの割合を占めていますか。
高井政府参考人 政府広報予算のうち、新聞に係る、予算に占める割合でございます。
当初予算を見ますと、平成十七年度で三一・一%、十八年度三四・一%、十九年度三四・八%となっております。
吉井委員 それで、新聞による政府広報というのは一般競争入札で行っているわけですが、入札
案件は各年とも、記事下
というのと突き出しという二種類がありますが、この二つの掲載方法と契約方法の違いについて伺っておきます。
高井政府参考人 お答え申し上げます。
まず、記事下広告でございますけれども、新聞の紙面の記事の下に掲載される広告でございます。一方、突き出し広告と申しますのは、新聞の紙面の左とか右
下の隅の方に小さく掲載される広告、小スペースの広告ということでございまして、契約内容、方法につきましては、記事の下の方の広告につきましては、広報
する内容と実施時期を決定した上で随時掲載するということであるのに対して、突き出し広告は、一週間を単位として、各新聞、特定した曜日に定期的に掲載す
るという内容でございます。
契約の方式でございますけれども、記事下広告は、契約をする時点で年間の実施計画を確定させることが困難でありますので、広告、新聞一段当たりの単価で
年間契約をする。一方、突き出し広告は、年間の実施回数が確定しておりますので、年間の総価で契約をしているわけでございます。なお、契約につきまして
は、記事下広告及び突き出し広告それぞれについて、また新聞ごとに、ただし地方紙は地域ブロックになりますけれども、そういう一般競争入札を行っていると
ころでございます。
吉井委員 要するに、記事下は単価契約で、突き出しは総額契約ということです。
資料一をごらんいただきたいと思うんですが、これは内閣府政府広報室からの提出資料を整理したものです。二〇〇一年度から二〇〇五年度までの五年分の新
聞による政府広報の契約をまとめたものですが、五年間合計は、記事下については、これは一段当たりの総額は八十九億九千万円、記事突き出しは約四十二億四
千万円で、総計百三十二億三千万円というのが年間の新聞広告の政府広報の契約額ですが、この中で電通は四十九億七千四百万、全体の三八%、約四割と断トツ
なんですね。二位の博報堂は二十四億七千万円、全体の一九%、大体二割。あとの企業は、どれも契約額全体の一けた台。新聞による政府広報は電通と博報堂の
二社独占という状態ですが、実質、言ってみれば電通の独占体制。
そこで、林副大臣に伺っておきたいと思うんですが、こういう資料を見たときに、競争といっても実際は随意契約、いろいろなところで行われてきて、そし
て、実質的に新聞広告なども四割は電通とか、これは、適正に競争入札が行われた結果こういうふうになっているというふうにお考えかどうか、伺います。
林副大臣 お答え申し上げます。
今、吉井先生から資料を出していただきましたけれども、平成十三年度から十八年度の、今御指摘のありました政府広報の新聞広告の掲載の契約は、電通が四
七・四、博報堂が一五・〇ということで、二社独占ではないわけでございますが、電通との契約に大きな割合が占められているというのは御指摘のとおりだと
思っております。
各年度ごとに見ますと、例えば十三年度は、電通が五〇・三に対して博報堂はゼロだった年もございますし、一方、その次の十四年度は、電通が一一・一で博
報堂が三七、こういう年もありましたので、各年度ごとに見ると、いろいろばらつきもあるわけでございます。
一般競争入札で新聞広告掲載の契約はきちっと行っておるものでございますので、電通、博報堂を含めた各広告代理店による適正な競争の結果であるというふ
うに認識しておるところでございます。
吉井委員 企画競争といっても、名前に競争がついているだけで、実際に随意契約であったりと
か、この実績を見ても、
これは余りにも異常な事態ということをはっきり読み取ることができます。
そもそも、広告掲載業者の業務というものはどういうものなのか、広告制作業者とどう違うのかを、これはごく簡潔に、政府参考人から説明してもらいたいと
思います。
河本委員長 高井室長、わかりやすく説明してください。
高井政府参考人 はい。まず、広告掲載業務でございますけれども、先ほどの新聞記事下、突き
出しに広告を
掲載するということで、そのスペースを、新聞の広告枠をとるということが一つの業務です。それから、この広告の原稿データ、実際に載せるものを受け取っ
て、それを新聞社の方に送って載せてもらう。それで、その載せたことを確認するという、掲載について行うのが広告掲載業者でございます。
吉井委員 要するに、制作業者の方が新聞社の仕様に合わせて政府広報室と協議して原稿をつく
るわけです
よ。広告掲載業者というのは、要するに枠取りをしておいて、制作業者がつくった製版を政府広報室にとりに行って、それを各新聞社に送るということであるわ
けですから、政府広報を掲載する新聞社は現在、自社の広告掲載料を公開しておりますから、電通や博報堂などの広告掲載業者というのは、広告制作業者がつ
くった広告を運ぶだけという仕事で、中間マージンを取っているだけということになってくると思うんですね。
そうすると、政府広報室というのは、直接、広告を制作業者に発注すれば、相当額をきちっと、もっと安いものにできるということになってくるんじゃありま
せんか。
高井政府参考人 ここは一般競争入札をいたしておりますので、そういう業者はとれると思った
ら入ってくるということ
で、これは競争をしているわけでございますので、その中での結果であるというふうに認識しております。
吉井委員 ところが、いろいろなところでよく一般競争入札というお話はあっても、予備的調査
の報告書を見
ておりましても、随意契約の場合には、予定価格と落札率一〇〇%というのは出てくるんですが、一般競争入札の場合には予定価格も落札率も何も出てこない。
私たち、求めてもなかなか提示をされないわけです。これは結局、予定価格と落札価格が同額か、ほとんど同じ、一〇〇%に近いということがあって、そもそも
一般競争入札といいながら、その札入れの価格を示すこと自体、非常に不都合なことがおありなんだろうということを思わざるを得ません。
資料一で引き続いて見ていただきたいのは、新聞による政府広報で不可解なのは、入札には来ておきながら入札を辞退する、こういう広告掲載業者が余りに多
過ぎるという問題です。
入札辞退件数という、一番右端を見ればわかるわけですが、新聞社ごとに入札の札を入れるわけですが、辞退件数は、日本経済社が百十一回、オリコムは九十
回、読売エージェンシー八十回、名鉄エージェンシー七十九回も入札辞退ということになっています。そこはまた落札件数が非常に少ないわけですが、落札件数
が少ない会社が入札辞退の件数が多いということを明瞭にこれで読み取ることができます。
新聞広告による政府広報入札は、すべて一回の札入れで落札者が決まっていて、再入札の例は一例もありません。再入札の場合には勝負にならずと見て辞退す
る例も結構あるんですが、それにしても、辞退件数がこんなに多いという状況、これで一般競争入札と言えるのかどうかということなんですが、これは不自然と
思いませんか。
高井政府参考人 この辞退理由については個々の入札参加業者の判断であると考えておりますけ
れども、補足
いたしますと、入札方式について見ますと、新聞記事下、突き出し両方につきまして、業者の負担軽減、事務簡素化の観点から、一回の入札で、この新聞の記事
下、突き出し、しかも中央紙、ブロック紙、地方紙、欄にしまして三十一カ所、欄が現在あるわけでございますけれども、それを一回で入札することになってお
ります。
ということになりますと、やはり、業者によっては地方紙は落とそうとか、あるいはこの部分を重点的にやろうというような業者がおられるということで、こ
れは辞退と書いてございますけれども、そういうことで重点的に入札をしているという業者の結果もあるんではないかなというふうに推察しております。
吉井委員 資料二をごらんいただきたいと思うんですが、黒いのがずっとあったりするものです
ね。これは、二〇〇一年
度から二〇〇七年度まで、新聞による政府広報の入札状況調書を年度別に整理したものなんです。
上の段は、記事下一段当たりの単価契約をやったものです。下の方は、記事突き出しの契約の方なんですが、二重丸は落札した広告掲載業者、黒塗り部分は入
札辞退社なんですね。空白は、入札したが落札できなかった会社ということになりますが、これを見れば明白なように、電通と博報堂の独占受注というのは一目
瞭然ということになるんですが、これは出してきている例が二〇〇六年度とか二〇〇七年度とか部分的なものでありますが、この資料全体を見れば、これは電
通、博報堂の独占受注ということになっています。
特に地方紙は完全に電通一極支配というふうになっているんですが、このように電通が新聞各紙の独占的落札、記事下の方ですから、例えばこういうふうなも
のですよね。「所得税は一月から、住民税は六月から納税額が変わります。」とか、「これまで、全国の特区は八百四十七件! 広がっています。あなたから始
まる構造改革。」とか、大体新聞の半分を使っての広告ですが、「特区 あなたのアイデアが、地域を変える。」というものを電通が枠取りをする。別なところ
で制作業者がやるわけですが、独占的に落札できるのは一体どうしてなのか。政府参考人に簡潔に、わかるように説明してほしいと思うのです。
高井政府参考人 先ほども申しましたように、ここは応札業者の考え方によるものと思っており
ます。といい
ますのは、確かに先生御指摘の二〇〇六、二〇〇七はこのようになっておりますけれども、かつて二〇〇一年から二〇〇四年を見ますと、地方紙も含めていろい
ろな会社が入札、応札、落札をしているという状況でございまして、そういう一般競争の中で競争が行われて、結果的にこのようになっているというふうに認識
しております。
吉井委員 結果的にというお話なんですけれども、結果的に電通の独占落札というのは、この姿
自身、何か異常だ、おか
しいというふうには考えませんか。
高井政府参考人 もちろん、競争入札でございますので、極端に言うと談合とかがありましたら
我々は当然それを調査す
るということになりますけれども、我々としては、緊張感を持ってこの入札についてウオッチをしているということで、適正に行われているというふうに認識を
いたしております。
吉井委員 緊張感を持ってウオッチできていないというのが、こういう事態がずっと続いている
ということにあらわれて
いるんじゃないかと思うんです。
資料二の入札辞退社の部分を見ると、例えば、二〇〇六年度で見ますと、フジサンケイアドワーク、日本経済広告社、日本経済社、オリコムなどはほとんどす
べて真っ黒。ずっと入札辞退なんですね。二〇〇七年度を見ても、フジサンケイアドワーク、日本経済広告社、日本経済社、日経広告などはほとんどすべて真っ
黒で、入札辞退。対照的に、ほとんどすべてを電通が落札している。主要大手新聞社の広告部門でもあるような会社も、入札に来ておきながら札を入れない。し
かも、札を入れない競争入札の参加業者の組み合わせまで同じ。これは余りにも不自然だと思うんですね。
電通の一極支配構造を維持するための広告掲載業界ぐるみの談合、そういう疑いといいますか、疑惑といいますか、懸念といいますか、そういうものもまた出
てくると思うんです。そこで改めて伺いますが、電通の落札率一〇〇%、もしくはそれに近い数字ではないかと思うんですが、これは違うと断言できますか。
高井政府参考人 予定価格は今後の入札に影響いたしますので申し上げられませんけれども、一
〇〇%には
なっておらないということでございますし、それから先ほどの、いろいろ、一部だけ入札している業者がおられるという御指摘でございますけれども、よく見ま
すとその新聞社の関係会社であったりするわけでございますので、やはりそれぞれの会社の方針があるというふうに思っております。
吉井委員 入札予定価格は明らかにできないと言っているんだけれども、予備的調査を見ると、
予定価格、例
えば、テレビ特別番組「日本列島おいしい夢紀行 食育最前線」の制作というのは、事業委託で電通と随意契約となっていますが、これは予定価格三千二百万円
とか落札率一〇〇%とか、ちゃんと書いていますよね。
これは、落札率一〇〇%というのは先に相手に、これは三千二百万円で予定していますからと教えてあげないことには一〇〇%にならないし、だから私はタウ
ンミーティングの問題で冒頭に申し上げたんですけれども、相手の方から企画書なり仕様書なりが出てきて、それでこれをやろうと思ったらこれだけかかります
ということを相手が言ってきて、それをそのまま予定価格だということにしない限り一〇〇%にならないし、皆さんの方が予定価格を決めておったら、幾ら随意
契約といえども、相手の方からうちはこれだけでできますということを言ってきて、しかも企画競争入札もやっているんでしょう。これを見ていると、企画競争
入札の結果によるものと書いていますね。
企画競争入札というのは、企画競争で、企画の中身と金額を皆入れての話なんです。だから、全部が予定価格一〇〇%なんというのはあり得ない話なんです
ね。それなのに何で予定価格が明らかにされないのか。しかも、必ずしも一〇〇%というものじゃないというわけですけれども、実際に発表されているものは一
〇〇%。一体これはどういうことなのかということになってくると思うんですね。
だから、やはり入札予定価格というものをきちんとそれぞれについて明らかに示していく。それから、札入れした額がそれぞれどうであったのか、やはりこれ
を明らかにしないことには、こういう異常な事態はいつまでも続くんじゃないですか。
高井政府参考人 御指摘の企画競争について申し上げますと、やはり予算の枠もございますし、
経費の概算の上限額を示
して企画を募るということを行っているところが多くございます。そういうことでそういう数字が上がっているのかなと一つ思います。
それから、一般競争の方でございますけれども、やはり今後も毎年続いていくわけでございますので、予定価格を公示するということは今後の入札に影響する
ということでございますけれども、先生御案内のとおり、入札調書につきましてはすべてオープンにしておりまして、各社がどのように入札しているかという数
字はオープンにしているという状況でございます。
吉井委員 入札の調書について、予定価格、落札率、これは一般競争の分については報告の方で
は真っ白で、明らかにさ
れておりません。
それで、予備的調査報告書を見ると、これは林副大臣に伺っていきますけれども、電通と博報堂は落札率一〇〇%となっているのが掲載されておりますが、入
札予定価格が漏れているんじゃないかという問題とか、あるいは談合入札の疑念がぬぐい切れないという問題があります。
この間の経験が示しているのは、談合入札の裏には官僚の天下りがあるというのはかねてから取り上げられてきました。そこで内閣府の方に伺って説明を伺う
と、電通には内閣府の経済社会総合研究所次長を最後に退職した牛嶋俊一郎氏とか、博報堂には経済社会総合研究所総括政策研究官を最後に退職した丸岡淳助氏
の二人の天下りがあるということになっておりますが、しかし、実際はもっと多いんですね。
衆院調査局の中央省庁の補助金等交付状況、事業発注状況及び国家公務員の再就職状況予備的調査によれば、国家公務員退職者は二〇〇六年四月時点で、電通
に十二人、うち常勤が七人、博報堂には五人、うち常勤三人、東急エージェンシーには一人で常勤のみというふうに、天下りという問題があります。
そこで、副大臣、公務員制度改革を今政府として口にしているときですが、公務員制度改革を口にするなら、こうした天下りの内訳とか談合入札の疑惑ないし
は疑念について、きちんとした詳細な説明や報告というものをやるべきだと私は思うんですが、あなたにそれを伺っておきたいと思います。
林副大臣 大事な御指摘だと思います。
今まさに委員から御指摘がありましたように、三月の二十九日だったと思いますが、衆議院の調査局が、これは電通と博報堂の両社から回答があったという
ベースでございましょうけれども、予備的調査をやって、今先生御指摘の人数が上がったわけでございます。そのうち、内閣府の元職員は今の二名だったという
ことでございます。
まず、現在、この二社とかそこにおられる方は、退職してすぐ行かれた方と、そうでない場合があり得る、こういうふうに思っております。今、総務省では、
退職して再就職した、それを各省で取りまとめをして、総務省で数を取りまとめておりますけれども、それを含む、例えばやめて何年もたった方まで全部、元公
務員ということで再就職を全部把握するということは大変に膨大な作業になりますので、これは適当ではないと考えておりますが、まさに今委員が御指摘になり
ました国家公務員法等の一部を改正する法律案、国会に提出させていただいておりますが、これには、管理職の職員が離職後二年間に営利企業等の地位についた
場合には届け出を行うとはっきり定めまして、この内容を取りまとめて公表する、こういうふうにしております。新しい法案の中にはそういう枠組みをつくっ
て、きちっと、そういう疑念みたいなものを抱かれないようにしていく、こういう姿勢を示しておるところでございます。
吉井委員 これからこうするとかああするとか、いつもこういう話になると出てくるんですけれ
ども、一番大
事なことは、まず解明だと思うんですね。実際に、政府広報を契約する内閣府の人が天下りをしていっている。そして、この入札の一連のいろいろな問題の中
で、いろいろな疑念とか疑惑、そういったものが持たれるものについて、やはりまずこれを徹底的に解明する。そのことなしに公務員制度改革を口にするという
ことは、私は、かなり筋が違うんじゃないか。改革を口にするんだったら、まず実態の究明、解明だということを言わなきゃならぬと思うんです。
一般に広告代理店として知られている広告掲載業者というのは、政党の宣伝とか広告業務を請け負ってきております。それで、政府の方がまとめて出してい
らっしゃる政党交付金に係る報告書というのを見ておりますと、自民党の方は二〇〇一年から二〇〇五年までの五年間に、業界最大手の電通に宣伝事業費として
約二十六億八千万円支払っているわけですね。民主党の方は同じ期間に、業界第二位の博報堂に宣伝事業費約七十三億三千六百万円を支払っていらっしゃるわけ
です。要するに、政党助成金というのは税金なんですが、この税金が、電通、博報堂の利益の源泉になっているという問題もあります。
政府企画のタウンミーティングから政府広報、それから政府の新聞広告の仕事をとることで、新聞支配といいますか、要するに、広告料というものによって、
テレビを含むマスコミへの広告料収入を通じた影響力の行使、さらには電通の政治ビジネス、政治関与、政治支配という政治的影響力の行使というものは、私
は、これは日本の民主主義にとっても非常に懸念される問題だと思うんです。
時間が来たという札が来ましたから、時間がありませんからきょうはこれでおいておきますが、電通の広告をめぐるこの異常契約の問題というのは、ただ単に
広告の問題とか契約の問題にとどまらない、日本のマスメディアから政治への関与とか影響力行使とか、民主主義にかかわってくる非常に重要な問題を今抱えて
きている。このことを引き続きまた取り上げていきたいということを申し上げて、本日の質問を終わります。
〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕
戸井田委員長代理 次に、岩國哲人君。
岩國委員 民主党の岩國哲人でございます。
本日は、渡辺行革担当大臣に今後の公務員制度のあり方について、特に今、世間一般で問題になり、先ほど吉井委員からもいろいろ関連質問がありました天下
りを中心として、この天下りというものをどういうふうに改革しようとされているのか、その改革の実効性について本当に確信の持てる機構というのは考えてお
られるのかどうか、そういったことについて、大臣御自身のお考えあるいは理念というものをただしたい、そのように思います。
まず最初に、こうした日本の経済あるいは官僚の仕組みというのは、外国から取り入れ、そしてそれを育ててきたものですけれども、この天下りという弊害的
に使われる言葉、これはどこの国が最もひどい、天下りといえばあの国が一番ひどいんだというのはどことどこですか、まずそれをお話しください。
渡辺国務大臣 天下りの比較社会学というのがあれば、そういうことも明らかなのかもしれませ
ん。しかし、
天下りというのは、これは私の方が逆にお聞きしたいんですが、英語で何と言ったらいいんでしょうか、恐らくこれは、日本の公務員、とりわけ国家公務員の世
界に特有のプラグマティックルールではないのかというのが私の感想でございます。
私流に天下りを定義いたしますと、各府省庁が予算と権限を背景に人事の一環として行う再就職のあっせん、あっせんによる再就職を天下りというべきものか
と思います。
したがって、これは人事の一環でありますから、本人ももういや応なしに行かざるを得ないわけですね。また、受け取る方の受け皿も、これは人事の一環で来
るわけですから、だれが来てもこれはまあしようがないか、こういうことになるのではないでしょうか。したがって、受け取る方にしてみれば、これは言ってみ
れば、だれが来てもしようがないわけでございますし、何かメリットがないとやってられないよなということになるわけでございますから、当然、そこの出す方
と受け取る方との間で、言ってみれば子会社、関連会社的な関係ができてしまうということになるような気がいたします。
そういたしますと、これはもうまさしく癒着の構造でありますから、そこにおいて最悪のケース、官製談合などということが行われたりするのではないでしょ
うか。
したがって、今回の改正では、そうしたプラグマティックルールを根本的に変えちゃおう、人事の一環をやめてもらおうということで、各府省庁の再就職あっ
せんを全面的に禁止するものでございます。
岩國委員 こういう問題が、なぜ先進国あるいは資本主義の枠組みの日本でだけ行われておっ
て、同じような環境にある
アメリカで、イギリスで、フランスで、ドイツで行われていないのか、そういうことの解明なくして、この問題は私はとても解決できないと思うんです。
日本では、年金の問題だろうと農業の問題だろうと近代化の問題だろうと消費税の問題だろうと、何か新しい問題あるいは外国で既に行われている問題がある
ならば、すぐに視察団が飛んでいくでしょう。行かなくてもいいような視察団まで飛んでいく。今度の場合に、この天下り視察団というのは、どこの国を目指し
て飛んでいったのか。そういう調査、分析、解明はできているのか。それもやらないで、とにかくおざなりの答案さえつくろうということであって、どこの国が
一番悪いのか、どこの国をお手本にしたらいいのか、そういう調査報告書というのはどこにできているんですか。だれが、いつ、どこへ調べに行ったのか、もっ
と具体的に答えてください。
渡辺国務大臣 日本では、明治時代に、民法はフランス人に書いてもらいました、刑法はドイツ
人が書いたも
のをモデルにしたわけですね。憲法は、アメリカ人が書いたものを戦後、モデルにしてつくったわけでございます。したがって、委員御指摘のように、公務員制
度もどこかがモデルになっているんだろう、だったら、これを改革するのも、どこかの国へ調査に行って、それをモデルにしたものをつくったらいいじゃない
か、こういう御発想かと思います。
冒頭私が申し上げましたように、天下りという問題は、恐らく日本に特有の慣行、プラグマティックルールとしてあるのではないかと私は申し上げたわけでご
ざいまして、とするならば、これはどこかの国がモデルということよりは、日本の制度のどこが問題なのかを追求した方が解決策が早く出てくるわけですね。
天下りを出す一つのメカニズムというのは、年功序列制度にあるわけでございます。つまり、二十二、三で大学を出て国家公務員になる、そうすると同期は、
1種、2種の採用区分に従って、これは法律に書いてあるわけじゃございませんけれども、一斉に同じようなポストについていく。今でも、例えば本省課長にな
るのにそう何年も差がつかないわけですね。しかし、指定職になりますとポストが足りなくなっちゃうというところで、肩たたきが起きてくるわけでございまし
て、当然、肩たたきというのは、これは人事の一環でやるわけでありますから、次の再就職先はここだよという受け皿を決めた上で肩たたきをやるわけですね。
これが各府省庁ごとに行われ、なおかつ、その府省庁の中のこれまたいろいろなセクションごとに行われてきている、こういうところに問題の根本原因がある
わけでございますから、だったらここを変えればいいじゃないか。別に、どこかの国に調査に行ってまねしてこなくたって、根本問題は、日本のこの制度のどこ
に問題があるかを突きとめることは簡単にできるわけでございます。
したがって、我々は、まさしくこの年功序列制度、各省縄張り主義、この二つから打破をしていこうというので、今回の国家公務員法改正案を考えたわけでご
ざいます。年功序列主義を打破するには、何といってもこれは能力・実績主義を導入する。もう今はその評価はやっていますけれども、評価が給料とポストに結
びついていないということなんですね。しかし、今回の改正案では、能力・実績主義、評価が昇進と給料にストレートに結びつく、そういうことを提案している
わけでございますから、これが導入されて、しんを食って運用されるようになりますと、当然、年功序列が崩れていくようになるわけでございます。
ですから、今事務次官になるのに何年かかってなるんだ、大体三十五年ぐらいかかるんじゃないんですか。(岩國委員「もっと簡潔に答えていただけません
か」と呼ぶ)ですから、そういう年功序列をやめさせる、各省縄張り主義を打破するというところに、もうまさしく今回の改正案の肝があるわけでございます。
戸井田委員長代理 簡潔にお願いします。
岩國委員 失礼ですけれども、大臣の漫談のようなお話ばかり聞きに来るために私はここに立っ
ておるんじゃないんで
す。いいですか、もっと端的に。
今までに年功序列の問題があれだけ言われながら、依然として改まらないのはどこにあるのか、省庁の縦割りという問題はどこにあるのか、そういうことは同
じような公務員制度をとっている国に発生しなかったのはなぜなのか、あるいはどの国において発生しているのか。そういうことを、私は何でも外国のまねをし
ろと言っているんじゃないんです。まねをしていい問題と、まねをしては悪い問題とあります。しかし、少なくとも、同じような環境のあの国においてなぜ発生
しなかったのか、どこにそれは原因があるのか、そういうことを謙虚に学んで、その中から公務員制度改革に慎重に手をつけるべきだと私は思うんです。
私は、公務員制度改革に賛成の方向ではありますけれども、よその国がどういう間違いをしたかということもよく調べないで、自分の思い込み、思い込みとい
うよりも思い違いだけでどんどこどんどここの公務員制度改革をやられたのでは、日本の大切な官の仕組みというものを殺してしまうことになると思うんです。
私は予算委員会でも加藤寛教授とも議論いたしましたけれども、何でもかんでも民間に任せればいいという考えに私は反対です。
渡辺大臣は、民の世界で人事をおやりになったことは何年ぐらいおありですか、官の世界で人事を直接おやりになったことは何年ぐらいおありですか。私は両
方の世界でそれをやってきました。人の使い方の難しさ、そしてその大切さ、官には官の、民には民の、それぞれの違いというのがあります。アメリカで、イギ
リスで、フランスで、日本で、私はそういう世界を見てきました。官の世界の人事の経験もなし、民の世界の人事の経験もなしに、ただそういう一つの思い込み
だけでこの公務員制度改革に大声を上げられては、とてもたまったものではない。私はそれを見ておるんです。
どれだけの経験を持ってやっておられるのか。経験もなく、外国の勉強もせず、経験なしに、勉強なしに、この我が国の大切な問題をどうやって手がける。大
臣としての資格を私はまず問いたいと思っているんです。
OECDの中で一番この天下り問題に苦しんだ国はどこだったのか、それぐらいのことは答えられるでしょう。あるいは、外国においてもそういう例があるな
らば、英語としての表現もあるはずです。その表現もないのはなぜなのか。そういったことについて、もっと説得力のあるお答えをいただきたいと私は思いま
す。
もう一度お答えください。どの国について御自身が勉強されたのか、あるいは中心になっている官僚の方が、どの国について、この国のことだけはまねしちゃ
いかぬ、いい反面教師になると思っているのはどの国なのか。世界じゅうに反面教師は一人もいなかったのか。どうぞ。
渡辺国務大臣 冒頭申し上げましたように、天下りという英語を私は存じません。恐らく、天下
りというの
は、津波とか改善とかいう日本語と同じように、そのまま表記されるようなものになっているのではないんでしょうか。したがって、諸外国の調査をした上でこ
の改革に取り組めという御指摘は、私はちょっと当たらないような気がするのでございます。
日本固有のプラグマティックルールが、かつてはうまくいった制度がたくさんございます。いわゆる戦後レジームというものでございます。しかし、その戦後
レジームが、残念ながら今、時代おくれになり、我々の改革の行く手に巨大な岩盤として立ちふさがっているという現実を目の当たりにして、何としてもこの岩
盤を突破していかなければいけないというのが我々の思いでございます。
私個人が、おまえは人事やったことないじゃないかと言われましても、これは私個人のプランではないんです。安倍内閣として、政府が政府案として考えてき
たものでございまして、その点を、あたかも私が一人で突っ走って勝手につくったような誤解を与えるような表現はやめていただきたいと思います。
岩國委員 今度の公務員制度改革、いわゆる新人材バンクの中心になっておられるのはだれとだ
れか。渡辺大
臣と安倍総理大臣でしょう。これは、新聞も何回も何回も繰り返して言っておるじゃないですか。それ以外の人のことを言っているのではなくて、中心になる人
は、少なくとも、直接的な体験なり経験なりをある程度持っていなければ、説得力のある、そして、国民を納得させるような案というのはできるはずがないと私
は思いますよ。勉強もせず、そして経験もなし、その中心に二人がなっているからこそ、我々国民の大多数も、そして、一番対象とされる公務員が心配している
のはそこにあるんです。
経験や体験がなければ、勉強してくださいよ。なぜ勉強することを避けるんですか。どこの国はなかったということさえも言えないでしょう。調べてもいない
からですよ。何も、外国のまねをするんじゃなくて、外国にはそういうものがないんだということをまず確認して、我が国独特のものであれば、独特の体系で
もってやっていきましょう。我が国独特のものでなくて、こういう中央集権の国家においては、先進国の中でもあの国とあの国はそういうことがよくあった、ど
のような方法でもってそれを防ぐことができた、民間業界はそのときにどういう協力をしたのか、どういう新しい法律をそのときにつくったのか、もっとそうい
うことを、我々も含めて国民にも、そして公務員にもわかるような説明というのができなければ、とにかく旗を掲げてこうやればいいんだ、ああやればいいんだ
というだけでは、私はこの大きな仕事を成功させることにならないと思うんです。
公務員制度改革はぜひ実現し、そして、それを定着させていただきたい。そのために、もう少し具体性のある発言というものなり、調査なり事例というものを
参考にしていただきたい。それを私はさっきから繰り返し繰り返し言っているわけです。そういうことはもう既に進められておるのか。その調査報告書、ブレー
ンになる方はどういう研究をされているのか、どの国を参考にしておられるのか、どの国が反面教師なのか。何回質問してもそれは出てこないじゃないですか。
年功序列制度というのを持っているのは我が国だけですか。それだけでも答えていただけませんか。
渡辺国務大臣 諸外国の比較研究は、事務方でやっております。
では、どこの国の制度をモデルに改革をやっていくのか。それは、先ほど来申し上げておりますように、我が国特有の慣行が大変な弊害をもたらしてしまって
いる、そういうことをわかっているがゆえに、まず、その肝になるところから改革をしていこうというのは決して間違いではないのではないのでしょうか。
岩國委員 事務方が調べたという報告書を出してください。私はきのうも聞きました。ないじゃ
ないですか。あるあるあ
ると言う。どこかのテレビ番組じゃありませんけれども、あるあると言いながら実際にはない。なぜ、そういうものを出してもらえないんですか。
それから、我が国特有と大臣は何度も断定されますけれども、我が国特有という根拠はどこにあるんですか。お調べになった上でおっしゃっているのか、思い
込みと思い違いでそうおっしゃっているのか。これは、この問題の出発点だと私は思うんです。年功序列は我が国だけのものだ、あるいは、よその国にもあるな
らば、よその国はなぜそれは出てこなかったのか。ぜひ、それをお答えいただけませんか。新人材バンクというものについて、私は、いろいろな疑念も、また提
案もあります。その議論に行く前に、大臣自身の認識が、あるいは、事務方とおっしゃいましたけれども、その事務方とおっしゃる方たちがどういう調査をされ
たのか。要求しても出てこないというのは、これはどういうことですか。
渡辺国務大臣 平成十八年の十一月十七日、行政改革推進本部第四回専門調査会に提出された資
料がございま
す。これは人事院が作成をしたものでございまして、この専門調査会は主に基本権を中心に議論をしておりますので、そのたぐいの記述が多うございますが、諸
外国の国家公務員の任用、それから、評価、身分保障、退職関連、給与等々について、この資料では記述がございます。(岩國委員「再就職についても書いてあ
りますか」と呼ぶ)再就職、「退職関連」という項目がございます。
また、これは天下り問題を扱ったものではございませんけれども、季刊行政管理研究、二〇〇三年三月のナンバー百十七、公務員制度改革、上級管理職制度の
意義と課題、ごめんなさい、これは下だな、二〇〇六年九月、ナンバー百十五、それから百十七ですね。上下にわたって、信州大学の田中秀明非常勤講師がかな
り膨大な論文を書いております。
これ以外にも、事務方が調査研究しているのはたくさんあるはずでございまして、全く何にもやっていないなどということはあり得ません。
〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕
岩國委員 全く何もやっていないということはないということは、大臣、どうやって確認された
んですか。一
遍でもごらんになったことがあるんですか。私がきのうも要求して、そういう具体的な外国の事例は調べたことはございませんと私は言われているんです。それ
を大臣があるあるとおっしゃるのは、関西テレビか何かと同じように、あるあると言いながら実際にはなかったというのでは、この大きな問題の出発点として私
はいかがなものかと思うんです。
まず足元、それから事例を固めた上で、どういう議論にもたえられるような出発をしていただいて、それから、この新人材バンクというものが本当に機能とし
て機能するのかどうか。私は、民の経験、官の経験、両方から見て、この新人材バンクというのは非常に内部的におかしな機構になってしまう、いわゆる天下り
というものを正当化し、あるいは、マネーロンダリングと言えば失礼ですけれども、人材ロンダリングをするためのブラックボックスになりかねないという懸念
が、今現在得ている情報ではあります。
これはまた別の機会に質問させていただきたいと思いますので、きょうは、その出発点において、私は何よりも、失礼ですけれども、渡辺大臣、いろいろな発
想をたくさん持っていらっしゃると思いますけれども、しかし、新しい、いい発想の出発点は、常に事実をきちっと調べていただいて、思い込みと思い違いを取
り外してから国民に、そして、特に日本の国を支えてきた公務員の全員が、そこまで調べ、外国の悪い例もきちっと参考にして、それでできているのがこの法案
なんだというふうに説得する必要が私はあると思うんです。
公務員の皆さん、一人一人心配していますよ。自分たちは、これから、やる気を出してもっと国に仕えたいと思っているような、その気持ちを育てるような公
務員制度改革であってほしい。あるいは再就職についても、公明正大な仕組みができるならば、それは歓迎するでしょう。そのためにも、外国ではどうなってい
るかということはさっぱりわからないし、安倍総理大臣も渡辺行革担当大臣も、民間企業でも官の役所でも人事というものを直接責任を持ってやったこともな
い、そのお二人が中心ということでは大変心もとないということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
河本委員長 次に、小宮山洋子君。
小宮山(洋)委員 私の持ち時間は三十分でございますが、少し欲張っていろいろなことを伺い
たいと思っておりますの
で、ぜひ簡潔明瞭な御答弁をいただければ幸いでございます。
まず最初に、男女共同参画についてちょっと伺いたいと思っています。
この男女共同参画社会、男女ともに生き生きと個性を発揮して生きる社会の推進ということは、超党派でつくりました基本法の前文にもありますように、党派
を超えて取り組むべき最重要課題だというふうに思っております。そしてまた、これは最近非常に問題になっております少子化への対応とも両輪をなすものだと
思っています。
先日、この内閣委員会で、少子化と男女共同参画専門調査会の国際比較調査が取り上げられましたが、この調査で本当は何が明らかになったのかを大臣に伺い
たいと思います。
高市国務大臣 この国際比較報告書でございますけれども、これによりますと、国民一人当たり
GDP一万ド
ル以上のOECD二十四カ国で見ると、まず、出生率と女性の労働力率の関係は、時系列的に変化しておりますけれども、二〇〇〇年の時点では、女性の労働力
率が高い国の方が出生率が高いという傾向が見られました。それから、女性労働力率を上昇させながら出生率も回復している国では、男性を含めた働き方の見直
しや保育所整備等の両立支援などが進んでいるとの特徴が見られました。
また、翌年の国内分析報告書でも同様の傾向で、女性の有業率が高い都道府県の方が出生率が高い傾向、そしてまた、働き方の見直しや地域における子育て支
援体制の構築などが、子育てと女性の就労の双方にプラスの影響を及ぼす可能性が示されました。
結論を申し上げますと、仕事と家庭の両立支援や働き方の見直しなど、男女共同参画に関する施策の推進は少子化対策にも資するということであると思いま
す。
小宮山(洋)委員 こちらの参画局が出されましたリーフレットにも載っておりますけれども、
働き方が柔軟でライフス
タイルの選択が多様な国の方が、仕事をしている人も多いし子供の数も多いということなのかなと思います。
最近、ワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調和ということがキーワードになっております。子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議の働き方の改
革分科会の論点整理でも、このことが中心になっていると思います。ところが、実態はといいますと、日本ではまだまだそうはなっていません。子育て支援等に
関する調査研究というところを見ましても、仕事と育児を同時に重視したいという母親が五八%、父親は五一%いるのに対して、現実には母親の八割近くが家
事、育児に専念、あるいはそちらを優先している。そして父親は、仕事に専念か優先しているということが七五%となっているんですね。
ですから、本当に生き生きと、女性も男性も、生きやすい生き方をして、持ちたい数の子供も持って生きていくためには、このワーク・ライフ・バランスをい
かに実効性を上げて進めるかということだと思うんですけれども、一つは、企業の側も、女性がやめてしまうよりも働き続けてくれた方が企業にとっても得です
よということがないと、なかなか本気で取り組まないのではないか。そうしたデータが、日本にはまだないか少ないかというふうに思っております。
私が手元に持っておりますのは、いつも御紹介するアメリカのAT&T社で、女性で働いていた人がやめてしまうと企業の損失が一五〇%、ところが一年で育
児休業をとって帰ってくると損失は三〇%と、五分の一で済むというようなデータもアメリカなどにはあるんですね。ぜひ、政府のシンクタンクとか民間のシン
クタンクとかいろいろな研究所とかございますけれども、そういうところで、ワーク・ライフ・バランスを実現することが企業にとってもいいということをもう
少しそろえる必要があるのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょう。
高市国務大臣 その点は同じように考えております。
今、男女共同参画会議の少子化と男女共同参画に関する専門調査会の報告で明らかにしているんですけれども、仕事と子育ての両立支援ですとか仕事と生活の
調和が図られるような取り組みというのは、未婚であるか既婚であるか、もしくは男性、女性を問わず、仕事の意欲や満足を高める、それから仕事の進め方の見
直しにつながる、効率的に仕事を進めていくというようなことで、職場にとってもメリットがあるということが示されたばかりでございます。
それから、過去の研究、調査におきましても、女性管理職比率の高い企業ですとか比率が上昇した企業に関しましては、成長性や総合経営判断を示す指標がお
おむね高い傾向が見られておりますので、両立支援と人材育成を組み合わせた取り組みというのが企業業績にプラスの影響が見られるという結果は、日本でも得
られつつございます。
ただ、このアピールがまだまだ足りないと思います。今、経団連等大きな経済団体の方でも、こういった取り組み、特に経営者の意識改革に関しては前向きに
取り組んでいただいておりますし、やはり女性を活用する、そして、しっかり企業で培ったノウハウを、子育ての期間一時中断したとしても、また新しく視野を
広げて帰ってきてもらう方が企業にとっても大いにメリットがあるんだ、こういった意識が私は強くなってきていると思いますので、こういったメリット、そし
て調査結果の広報というのが非常に大切だと考えております。
小宮山(洋)委員 最初のデータの読み方のところでも申し上げたように、専業主婦で自宅で子
育てをしたい
と御本人、女性が思って、夫もそれでいいと言えば、もちろんそれはそれでいいわけなんですね。ところが、日本の女性は、潜在就業率という、本当は働きたい
と思っている人が欧米と同じように八割ぐらいいるのに、依然として、底が上がったとはいうものの、子育て期の女性の就業率というのはM字形カーブで下がっ
ているという現状がありますので、ぜひ、少子化への対応ということと、やはりこの男女共同参画、女性も男性も生き生きと生きて、ワーク・ライフ・バランス
が、これは男性ももちろん図られるようにしていくということは、本当に日本にとって大切な問題だというふうに思っています。
高市大臣は、御就任以来、非常にそれを力強く進めていただいていると思って本当に心強く思っているんですけれども、この男女共同参画とワーク・ライフ・
バランス、そのための施策をこれからも推進していかれるという御決意を伺いたいというふうに思います。
高市国務大臣 私も就任時にも申し上げましたとおり、あくまでも、女性であれ男性であれ、そ
の能力に応じ
て適切に、平等に評価をされるということがまず大事だということ。それからもう一つは、昔と違いまして、今、サラリーマン家庭の五三%が共働きというのが
現状でございます。そしてまた一方で、子供も育てたい、自分の自己実現、社会的自己実現ということで仕事も続けたい、そういう夢を女性も男性も持っておら
れる。この両方を、やはり、たった一回の人生だから実現したいな、その阻害要因になっていることを取り除きたいなというのが私の思いでございます。
非常に都市化も進んでいますし、核家族化も進んでいますから、私が育った子供のころの時代とは随分環境が変わってきておりますので、両方の夢を実現する
ための環境整備を進めたいということ、これは男女共同参画にも少子化対策にも資することであると考えております。
そして、日本のこれからの経済の成長ということを考えますと、労働力人口の確保というのもやはり必要でございますので、努力をする、能力のある女性の活
用、そして働き続けていただくための環境整備というのは非常に重要だと考えております。ちょうど、子どもと家族を応援する日本重点戦略会議、こちらでも
ワーク・ライフ・バランスの議論を続けていただいておりますし、男女共同参画会議の方でも続けていただいております。二つの結論が出てまいりますので、両
方しっかり生かしながら体制の整備に努めてまいりたいと思っております。
小宮山(洋)委員 ぜひ、この基本法をつくったときと同じように、これは最初に申し上げたよ
うに党派を超えて取り組
むべき日本の重要課題だと思っていますので、ともに進めていければというふうに思っております。
次に、久しぶりにたばこの話、禁煙の話をさせていただきたいので、お忙しい中、下村官房副長官にも十時五十分までというお約束で、ちょっと順番が途中で
変わるかもしれませんが、それまでには御退室いただけるように伺いたいと思います。
たばこ規制枠組み条約が二〇〇三年に採択されまして、日本は二〇〇四年三月に署名、六月に批准をいたしましたが、その実効性を上げるための国の取り組み
が、どうも余り熱が入っていないというか、腰が入っていないのではないかというふうに思っております。
国内計画の策定とか実施のスケジュールというのはどうなっているのかを伺いたいと思います。
宮坂政府参考人 たばこの規制枠組み条約につきましては、御指摘のとおり、平成十五年五月に
WHOの総会で採択をさ
れまして、我が国は平成十六年三月に閣議決定をし、同六月に批准をし、翌年二月に条約全体として発効したという状況でございます。
まず、条約の批准に当たりまして、条約上の締約国の義務とされました受動喫煙防止等の事項につきましては、厚生労働省を含めた関係省庁におきまして既に
必要な対応を講じているところでございます。また、平成十六年六月、条約の内容を踏まえまして、関係省庁の密接な連携のもとにたばこ対策を推進するため、
関係省庁連絡会議を設置したところでございます。
一方、厚生労働省といたしましては、たばこ対策に関してさらに効果的、計画的な実施のため、健康日本21の中で、喫煙が及ぼす健康影響についての十分な
知識の普及、未成年者の喫煙の防止等々を柱といたしまして、総合的なたばこ対策等につきまして目標なり目標達成の手段を明確にして対策に当たっているとこ
ろでございます。
小宮山(洋)委員 やはり、この条約に基づいてきちんと国内計画をつくって実施をしていくべ
きなのではないかという
ふうに思っております。
その推進のための体制ですが、たばこ対策関係閣僚会議というのがありますけれども、これは年に何回ぐらい開いて、どう機能しているのか。また、対策室と
いうのが設けられましたが、ここにはたばこ専門官一人しかいない、これでは余りに取り組む体制が少ないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
宮坂政府参考人 まず、関係省庁連絡会議でございますが、たばこの規制枠組み条約の内容が厚
生労働省のみならず関係
省庁にかかわるということで、これらの緊密な連携のもと、たばこ対策を実施する必要があるということで、平成十六年六月に設置をいたしております。
今まで二回開催を行っております。一回目の連絡会議でございますが、条約発効直前の平成十七年の一月十八日に開催をされまして、未成年者喫煙防止対策
ワーキンググループの設置などが検討されました。二回目につきましては、第一回の締約国会議が昨年の八月に開かれまして、それ以後に一回開催をいたしてお
りまして、そこでは、たばこに関する健康増進策といたしまして、ニコチン依存症管理料の新設等について報告がなされたという状況でございます。
次に、たばこ対策専門官についての御質問がございました。
厚生労働省といたしましては、条約の批准が平成十六年六月でございますが、それ以前から、健康日本21等の生活習慣病対策の中でたばこ対策を実施してい
たところでございます。さらに、たばこの規制枠組み条約の批准を前に、たばこ対策をより一層推進するため、平成十五年、厚生労働省の生活習慣病対策室に、
たばこ対策の取りまとめを行いますたばこ対策専門官を新設いたしまして、たばこ対策をさらに推進するよう講じたところでございます。
一名では少ないのではないかという御指摘がございましたが、たばこ対策を推進する上ではこのたばこ対策専門官のみで対応するということではもちろんあり
ませんで、生活習慣病対策室におきまして関係課室との連携のもと、たばこ対策に取り組んでいるという状況であります。
小宮山(洋)委員 私が不思議だと思うのは、喫煙率の数値目標ということが再三話題になりな
がら、これが
決められないわけですね。先ほどおっしゃった健康日本21をつくった二〇〇〇年に、男女とも半減という案が撤回をされました。そして、中間見直しの昨年暮
れにも、二〇〇四年の喫煙率である男性四三・三%、女性一二・〇%を踏まえて三つの案を出して、禁煙希望者がすべて禁煙した場合の男性三〇%、女性一〇%
が支持されたのに、再び撤回をされた。これはなぜでしょうか。
官房副長官のお時間がちょっと迫っておりますので、簡潔にお答えいただいて、また副長官からも伺いたいと思っております。
宮坂政府参考人 簡潔にということでございますので、昨年の中間見直しの際には厚生科学審議
会で御議論賜
りました。その中では、そもそも今の健康日本21には成人の規制に関する目標というのがないという状況である、それから、国民運動としてより多くの方が賛
同し得る目標が望ましい、それから、たばこはやはり嗜好品ではないかという側面があるということから、やめたい人を増加させ、その方々の禁煙を積極的に支
援するということが重要ではないかというような御意見を踏まえまして、昨年末に、喫煙をやめたい人がやめるという目標を設定するという結論が出されたとこ
ろであります。
小宮山(洋)委員 ちょっと急がせて済みませんね。
それで、下村官房副長官に伺いたいんですけれども、この後、実はがん対策推進協議会の、そこにも喫煙率削減の目標はどうも明記されないだろうということ
ですとか、公共の乗り物のタクシーの禁煙についても諸外国に比べて取り組みがおくれているとか、全体にやはりおくれていると思うんですね。これは、たばこ
税の税収二兆円ということで、たばこ事業法が財務省の所管だというようなことが非常に大きな理由なのではないか。
先ほどのいろいろな戦略会議というか対策の会議にしても、財務省の協力を得て厚労省がやりなさいと言われていて、この条約批准のときも、超党派の議連で
随分いろいろな働きかけをしましたが、省庁の力の差と言っては申しわけないんですが、やはりお金を握っているところが強いわけですよ。ところが、医療費と
か労働の面でのいろいろな削減されるものを入れますと、二兆円の三倍ぐらいのロスというかマイナスがあるという事実もわかっておりまして、各国はやはり政
府がリーダーとしてやっている。
ですから、官邸にそういう会議を設ければ進むという話ではありませんが、ほかの多くのテーマと同じように、やはり多くの省庁を束ねるかなめである内閣官
房のところで、もう少したばこの問題、医療費の問題や未成年者の喫煙の問題とか、本当に大きな問題だと思いますので、しっかり取り組むということができな
いのかをぜひ伺いたいと思います。
下村内閣官房副長官 お答えいたします。
委員の御指摘は、今後の重要な課題であるというふうに思います。
ただ、今お話がございましたけれども、たばこというのは、麻薬や覚せい剤などと同類の社会的禁制品ではなくて、アルコールなどと同様の合法的な個人の嗜
好品ということでございますので、目標を定めても今の答弁のようなことにもなってくるかと思います。ただ、財務省それから厚生労働省だけが取り組むという
ことではなく、御指摘のように政府全体で、やはり国民の健康の視点から、できるだけ禁煙率を高めていくということは大変重要なことであるというふうに思い
ます。
こういう観点から、日本政府も、先ほど御指摘がありましたように、平成十六年にたばこの規制に関する世界保健機構枠組み条約を批准したところでございま
して、当然、批准された条約について誠実に履行していく必要があるわけでございます。そのために、関係省庁においてたばこ対策関係省庁連絡会議をつくっ
て、密接な連携をとりながら、これから今まで以上に適切に対応していくということが当然望ましいわけでございます。
とりあえずは、措置すべき内容について明確に定めて、この条約に基づいてそれぞれの省庁が責任を持って対応することが必要であるというふうに思いますけ
れども、しかし、今後、この条約の履行を初め、たばこ対策の推進については、御指摘のように政府が一丸となって取り組むことが必要でございますので、まず
は、各省庁において緊密に連携をしていただいて対策をしていただく。その中で、政府全体として適切なさらなる施策を推進していくように検討して考えていき
たいと思っております。
小宮山(洋)委員 ありがとうございます。
ぜひ官房副長官下村さんに伺いたいということで、無理をして時間をつくっていただきました。十八歳に投票年齢を変えることとか、超党派でいろいろなこと
も御一緒していて、意欲的に取り組んでくださると思いまして、塩崎官房長官は今お忙し過ぎるようでございますので、また六月に締約国会議もありますから、
引き続き、このことは下村副長官とお話をさせていただきたいと思います。ぜひ積極的なお取り組みをお願いいたしまして、お約束の五十分でございますから、
どうぞ御退席ください。
引き続き、政府委員の方に聞きたいと思いますが、先ほどちょっと頭の振りで言いましたけれども、直近では、ことしの五月七日に、厚生労働省がん対策推進
協議会が、がんの死亡率を十年間で二〇%程度減らす目標を基本計画に入れることで大筋合意をいたしました。大枠を決めましたが、がん対策基本計画にも喫煙
率削減の目標値はどうも明記されない可能性が高いと報じられています。これはなぜですか。
宮坂政府参考人 がん対策の推進基本計画につきましては、昨年、全会一致で議員立法をいただ
きましたがん
対策基本法に基づきまして、がん対策推進協議会においてまずは議論するということで、現在御議論いただいているところでございます。この協議会におきまし
ては、御指摘のように、がんの死亡率の減少なり、すべてのがん患者の苦痛の軽減等を全体目標として掲げるべきであるとの御意見が出されているところでござ
います。
全体目標に関連をいたします個別の目標のうち、たばこ対策につきましても、協議会においても種々御意見が出されているところではございますが、引き続き
協議会において御議論いただきまして、こうした御議論を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
小宮山(洋)委員 やはり、先ほど申し上げたように、少なくとも禁煙を希望している人たちの
パーセンテージぐらいは
目標値に入れるということが、わかりやすい取り組みになるのではないかと思うんですね。ぜひそういう方向でお願いをしたいと思います。
もう一点、たばこについて、タクシーの禁煙のことを伺いたいと思います。
タクシー以外の公共交通機関というのはほぼ禁煙化をされておりますし、アメリカ、イギリスなど多くの欧米諸国、アジアでも中国、台湾、韓国、タイなどで
タクシーは禁煙になっています。
県単位で全面禁煙を進める動きがありますけれども、平成十七年、東京地裁でも、禁煙化訴訟の判決で、事業者の自主性に任せず、国による適切な対応が期待
されると判決が指摘をしているんですね。これは国として取り組むべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
桝野政府参考人 タクシーの禁煙化につきましては、今小宮山先生御指摘の裁判におきまして
も、行政側には
それをする権限はないとも書いていただいていまして、私どもとしては、基本的には、タクシー事業者の経営判断によって自主的に取り組まれるべき課題である
とは思っております。おりますが、私ども、例えば喫煙者の方をタクシーに乗せないとなると乗車拒否ではないかという議論もある中で、そういう議論も昔は
あったのでございますが、タクシー事業者において禁煙化を選択するためには、こういうことをできるような標準約款というのをつくりまして、そういう法的枠
組みを整備するとともに、導入するための手続の簡素化等に努めてまいっております。
最近では、各地域におきましてタクシーの禁煙化の動きが非常に推進されておりまして、御指摘のような県における全面的な禁煙の導入ということも行われて
おります。数字を少し申し上げますと、十六年度、二年前には、全体のタクシーの中で一・九八%であったものが、今現在、名古屋を入れまして、大体七%強。
あと、これはまだ報道段階ですが、これからのことでございますが、神奈川県でもやるという話がございまして、これを入れますと大体一三%を超える。台数に
して、この二年間ちょっとで大体七倍増という形での禁煙タクシーが走ることになります。
私どもは、このような状況、社会的な評価等を見きわめながら、今後とも見守ってまいりたいと思っております。
小宮山(洋)委員 七倍増と | |