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衆議院内閣委員会
平成19年5月16日(水)

政府の中国における遺棄化学兵器処理事業について

答弁者

国務大臣(内閣官房長官) 塩崎恭久 君
国務大臣(少子化・男女共同参画担当) 高市早苗 君
政府参考人(内閣府大臣官房審議官) 松田敏明 君
政府参考人(外務省大臣官房審議官) 佐渡島志郎 君

河本委員長 次に、泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太でございます。

 きょうは、中国における遺棄化学兵器の処理事業について質問をさせていただきたいと思います。

 三年ほど前からずっとこの問題を私も時折取り上げさせていただいておりますが、いよいよ温家宝首相が日本を訪問されて、そのときにも、日中共同のプレス発表というものの中に、中国における日本の遺棄化学兵器の処理に関する日中連合機構の設立ということ、あるいは廃棄プロセスを加速するため移動式処理設備を導入していくということなどが明らかになりました。そういった意味で進展が今出てきているというふうに私は認識をしておりますが、そもそもこの事業、当初は全く幾らかかるのかが見えてこないということで、多くの憶測を呼んでいる事業だというふうに思っております。

 中国北東部にあるハルバ嶺、ここに数多くの化学弾が埋設をされているという状況でありますけれども、当初その数も七十万発というふうに言われていたものが、下方修正をされて、現在三、四十万発ということで日本は国際機関の方には申告をしているという状況であります。そういった状況から、事業規模、そのハルバ嶺のプラントだけで二千億円、あるいは全体、小規模事業も含めると一兆円事業になるんじゃないかということも言われている状況でありまして、そろそろこの透明化、情報公開を私たちは図っていかなければならない、そういう思いできょうは質問をさせていただきたいというふうに思います。

 実は、きょう官房長官と高市大臣にお越しいただいております。大臣所信をお伺いしたときには、てっきり高市大臣だけが担当かなというふうに私は思ったわけですが、いろいろと調べてみますと、内閣府には処理担当室がある、内閣官房には対策室というのがあるということで、政府の対策を一元化していくのは官房長官のお仕事でもあるということを政府からお伺いしましたので、きょうは御両名にお越しをいただきました。

 両方の、対策室、担当室ともに室長はたしか今までもずっと同じだったというふうに認識をしておるわけですけれども、現在もそういう認識でよろしいでしょうか。まず確認で。

松田政府参考人 お答えします。

 内閣官房とそれから内閣府の担当室の室長は、同じ西という者が担当しております。

泉委員 きょうは出張か何かでお越しいただけないということですが、そういう意味で、官房長官と高市大臣には、ぜひ御自身に責任があるんだという思いをまず持っていただきたいというふうに思います。

 そこで、具体的な質問に入らせていただきます。

 化学兵器の廃棄に関しては、化学兵器禁止条約、これに基づいて日中が合意をしているという状況であります。ただ、本来は二〇〇七年に化学兵器の処理を終えていなければならなかった、これがまず大前提であるということです。しかしながら、日中の合意に至らず、これは化学兵器禁止条約上、五年間の延長ができるということになっておりまして、二〇一二年までということで、昨年ですか、延長が日中合意のもとで決定をされました。

 この延長という事態について、官房長官、高市大臣、今どのような責任というか御認識をお持ちなのか、まずお伺いをしたいと思います。

塩崎国務大臣 まず第一に、やはり戦争というのはやってはいけないんだなということをつくづく思うわけで、戦後六十年たった今日に至ってもこういった過去の負の遺産を背負っているということで、本当に重たい問題だと思っております。

 今回、温家宝総理の訪日の際に、今御指摘いただいたような共同プレス発表ができたことは前進だと思っておりますけれども、二〇〇七年の期限が五年間延長されたということについては、実はこれは、まずどこにどれだけあるのかということを探すこと、それから、それが日本のものであるかどうか等々、非常に作業が手間がかかることもこれあり、五年間延ばさなきゃいけないということになったのは大変残念であって、一日も早くこの事業が完了するように、政府としても精いっぱいの努力をしなきゃいかぬ、こう思っております。

高市国務大臣 この事業なんですけれども、非常に長期間にわたって地中に埋設された本当に大量の古い化学兵器を処理する事業で、世界でも本当に例のない難易度の高い作業でありますし、また、中国国内で中国の法令に従って手続をしなきゃいけないこともたくさんございます。中国との協議、これにも大変な時間もかかりますし、安全や環境にも配慮しなきゃなりません。

 そんな中で、非常に時間もかかるし、推定の数も大変多いということでございますが、ただ、化学兵器禁止条約で、日本は中国における日本の遺棄化学兵器の廃棄のためのすべての必要な資金、技術、専門家、施設その他の資源を提供する、このようになっておりますので、誠実に、そして一日も早くということで責任を果たしていくべきことであろうと考えております。

泉委員 これはどちらかにお答えいただければと思いますけれども、今後五年間延長されたというふうには言いますが、先ほど官房長官がおっしゃられたように、とはいえ非常に事業としては困難をきわめる事業であります。ただしかし、国際的に我が国が結んでいる化学兵器禁止条約というものも我が国は守るべき義務が当然あるわけですね。それは国際的な信頼にもつながるわけです。

 そう考えますと、この五年間で何とかして事業を終わらせなければならないというふうに思っております。それはもう御認識は一緒だというふうに思いますが、その計画が実はほとんど見えてきておりません。例えば施設の建設の完了の時期、そしてその施設の稼働開始時期、あるいはハルバ嶺において年間にどれぐらいの砲弾を処理する予定であるのか、そしてその人員がどうなっているのか、このことについて私はまだ存じていないわけですが、わかる範囲でお答えください。

松田政府参考人 今先生御指摘ありましたハルバ嶺の事業の実施のために、安全や環境に十分配慮しつつ、日中間でこれまで、廃棄技術なり、あるいは廃棄施設の立地場所、それから施設の基本設計等につきまして鋭意協議を進めてきたところでございます。

 今、いろいろな時期、どうなっているんだというお話なんですけれども、発掘回収施設につきましては、中国国内におきます事業承認をこれから取得しました後、施設用地の伐採、造成作業を開始して、それから施設建設に着手する。あるいはまた、施設建設と並行いたしまして、発掘回収のための調達等準備作業をまた並行的にやっていく。それから、実際の実処理施設におきましては、これはまた、現在、設計につきまして協議中でございまして、今後、今申し上げましたような発掘回収プロセスと並行して、これまた段ずれになりますけれども、調達、施設建設等を行っていく。こういう幾層にも分かれたステージを想定しながら、今さまざまな協議を中国側とやっておるわけでございます。

 しかもまた、廃棄自身にかかる時間と申しますのは、実際の遺棄化学兵器が推定量からどう違っているのか、あるいは施設がどのようにうまく稼働するのか、円滑にいくのかといったような、今後の実際の運営のオペレーションの巧拙いかんといったことにもかかわっておりまして、さまざまな相手側との協議等に伴うものであるということを御理解いただきまして、具体的なそれぞれ時期がどういうふうに今決まっているのかと申し上げれば、はっきり言いまして決まっておりません。まさに、決まっていないからこそ鋭意協議をしておるということでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

泉委員 残り五年間という年限があり、しかし、今聞かれたように、決まっていないというわけですね。

 では、もう一回審議官にお伺いをしますが、二〇一二年までにそもそもこの事業は計画を終了できそうなんですか。できるという前提で今計画を組まれているんですか。

松田政府参考人 先生今おっしゃいましたような期限というものを、これは当然承知はしておるわけでございます。

 いずれにいたしましても、我が国といたしまして、この化学兵器禁止条約上の義務を誠実に履行していくという方針のもとで、中国とも協力いたしまして、この遺棄化学兵器処理事業の一日も早い完了に向けて最大限の努力を行うという所存でございます。

 精神論じゃないかとおっしゃられれば、そういう中で最大限努力、とにかくやっていくということに尽きるということで、これ以上申し上げようがないことを御理解いただきたいと思います。

泉委員 官房長官、高市大臣、今お聞きいただいたように、いわゆる官僚答弁の中における一日も早く、最大限、そのお気持ちはよくわかりました。しかし、計画が決まっていないようです。このことをまずよく認識をしていただきたいと思います。

 きょうは外務省にもお越しをいただいておりますけれども、化学兵器禁止条約において、五年間の期限の延長が今回なされました。その後、もし日本が二〇一二年までに義務を履行できなかった場合、これは条約上どういった措置がとられるんでしょうか。

佐渡島政府参考人 お答え申し上げます。

 条約上、端的に申し上げますと、延長五年ということだけがまずそこに書いてございます。それでは、さらに五年を延長して、その結果どうなるんだということにつきましては、条約自体はそのことについては何も言っておりません。

 私どもとしては、今ここで、それでは五年たったときにどうなるんだというふうなことを申し上げるのは、正直申し上げまして、余り適当ではなかろうかなと思っております。というのは、私ども、今同僚の内閣府の者からも御答弁申し上げましたように、最大限まずやっていくんだということで、仕事を促進していくというのが最優先というふうに心得ておりますので、この時点で、さらにその五年後のことについて申し上げるということについては、先ほど申し上げましたけれども、適当ではないのではないかと考えておる次第でございます。

泉委員 今外務省の審議官が、五年先のことを申し上げるのは適当ではないんじゃないかというふうにおっしゃられたんですが、実は担当室の方では、それを暗にもう申し上げているというか、表現しているんですね。

 平成十八年の四月に担当室がつくった、いわゆる化学兵器処理事業の報告書がございます。もちろん、ことしの四月にもつくった同様の文書というのがあるんですね。そこで追加された項目がございます。今までは、「我が国が本事業を行う背景等」というところで(3)までいろいろ記されていました。今回、(4)というのが記されまして、「条約上の期限を念頭におきつつ、一日も早い廃棄の完了を目指して事業を推進。」という表現が新たにこの報告書の中に加わったわけなんですね。

 これはもう既に、私はこの表現を見る限りにおいて、もう二〇一二年の期限を守れない状況が生まれてきているということではないかというふうに考えざるを得ません。でなければ、こんな表現を書く必要はないでしょうし、事実、実際に今から建設をする、これから協議をする、それで本当に間に合うことがあり得るのか、二〇一二年までに計画が完了するということがあり得るのか。これはやはりお答えいただかなきゃならないと思うんですね。

 一日も早く、努力する、最大限努力する、それはわかりました。それは結構です。ですから、その上で、二〇一二年までにすべての事業が終わる可能性があるのかないのか、これをもう一度お答えください。

松田政府参考人 今先生おっしゃいました、二〇一二年を念頭に置きというフレーズが加わったというところをちょっと今確認できておりませんが、少なくとも、二〇〇七年の期限切れの直前におきまして間に合うのかということよりも、その後の、これから五年弱、これはいろいろあるわけでございますので、その期間をにらんで、念頭に置いて最大限頑張るんだ、そういう趣旨で加わっているものと御理解いただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、この事業は、本当に相手のある話、中国側と協力しつつ、ありとあらゆる協議、調整を行った上で、さらにハルバ嶺以外の地点でも新たに遺棄化学兵器がまた発見される可能性もあるので、不確定要素もあるわけでございます。そういった意味で、現時点では事業の進捗に明確な時間づけをするのはなかなか難しいわけでございますが、ただ、いずれにしましても、私どもといたしまして、我が国といたしまして、一日も早い廃棄の完了を目指して最大限の努力を引き続き行っていく、こういうことになるわけでございます。

 今後とも、条約の廃棄期限を念頭に置きまして、中国側とも協力いたしまして、安全と環境に配慮しつつ、廃棄に係る作業をさらに推進してまいる所存でございます。

泉委員 余り水かけ論になっても仕方がありませんので、こういった状況だということを大臣、よく御認識をいただきたいと思います。

 さらにちょっと詳しく審議官にお伺いしたいんですが、今事業、予算がどんどん執行されております。そういう中で、対中要請の事業の経費というものが、大体この数年ですと年間三十億円ずつぐらい消化をされております。これは中身は何なんでしょうか。

松田政府参考人 いわゆる中国側に支払った対中要請事業経費というものでございます。

 これは、日本側が中国側に依頼したことによって生じる経費ということで、中国側に支払われるものでございまして、平成十七年度におきます……(泉委員「わかっています。それは当たり前じゃないですか。中身です」と呼ぶ)事業経費、精算額は、先生おっしゃいました三十五億強でございます。

 主な内訳は、各種の小規模発掘回収事業、敦化市蓮花泡あるいは広州市黄埔区、番禺区、それから黒竜江省……(泉委員「ゆっくり」と呼ぶ)はい。敦化市蓮花泡、それから広州市黄埔区……(泉委員「地名ですね」と呼ぶ)地名です。それから番禺区という地名、それから黒竜江省の伊春市、このために要しました経費、それからハルバ嶺の周辺の道路整備に要した経費等でございます。

 かかる経費の内訳等の開示につきまして、これ以上詳しくということでございますけれども、これを公にすることは、中国側との信頼関係が損なわれるおそれもあるということから、差し控えてきたところでございます。

 中国側に支払う経費の妥当性につきましては、今後とも、その内容につきまして十分精査を行って、御指摘のお考えも踏まえつつ、適切な執行に努めてまいる考えでございます。

泉委員 いや、何か不透明なところがあるんでしょうか、よくわかりませんが。そんな、信頼関係が損なわれるような費用の使い方をされているわけじゃないと信じているわけですが。

 大臣、これは平成十七年でいうと三十五億四千万円、対中要請事業経費ということで、小規模事業ですとか道路整備に使われたということですが、その内訳を出せないというんですね。高市大臣、これは出せませんか。

高市国務大臣 今答弁があったとおり、公にすることにより中国との信頼関係が損なわれるおそれがあるという状況でございます。

泉委員 どうしてですか。

松田政府参考人 今申し上げたことに尽きるわけでございます。

 金額等の内訳をこれ以上開示することにつきまして、公にすることにより信頼関係が損なわれるおそれがあり得るということで、差し控えてきたところでございます。

 日中間のこれまでの協議におきまして、中国側に対しまして、実際、政府といたしまして、経費の妥当性確保の重要性につきましていろいろ強調して、いろいろ資料請求をいたしまして、よく精査をして、私どもとして中国側に確認しつつ対応しておるところでございます。(発言する者あり)はい。そういうことで、私ども、内容の精査を行いつつ、適切に執行しておるところでございます。

 ただ、開示ということになりますと、中国側との信頼関係を損なうということで、これ以上、内容開示は行っていないところということを御理解いただきたいと存じます。

泉委員 その秘密主義は何なんですか。そうしたら、国民との信頼関係はどうなるんですか。これは国民の税金でしょう。三十五億四千万円の内訳がわからない、教えてもらえない、これはどういうことですか。中国との信頼関係は、それは大事にしてください。国民との信頼関係はどうなるんですか。これはおかしいですよ。

 私は、資料の要求をさせていただきたいと思います。この三十五億四千万円、十七年度を初めとして、これまでに対中要請事業経費として使われたこの予算の中身、内訳について、資料の請求をお願いしたいと思います。理事会で協議をお願いしたいと思います。

河本委員長 理事会で協議いたします。

泉委員 さらに質問を続けていきたいと思いますけれども、ハルバ嶺の事業でございます。

 このハルバ嶺の事業については、当初、我が国では七百八十億円の予算の基本設計をしていたわけですが、それが、中国側で資格を持つ方が設計をしないと中国では建設できないとか、向こうの法律に合わせなきゃならないとか、いろいろな理由で、結局、九百七十三億円になりました。ですから、我が国で設計をしたものよりも約二百億円増額をしたということでございます。

 これは、改めて言いますと、ハルバ嶺における発掘回収施設の建設費用であります。これがなぜ二百億円もふえたのか。そこの何がふえたかという部分を教えていただきたいと思います。

松田政府参考人 今御質問ございましたハルバ嶺におきまして、三、四十万と想定されます、埋設されていると推定をされております化学兵器を、安全と環境に十分配慮しつつ、中国の法律に従いまして迅速に発掘回収をし廃棄するために、いわゆる発掘回収施設、それから無害化処理施設を建設する予定でございまして、このうち、いわゆる発掘回収の施設に要する費用、これをいろいろ見積もりまして、九百四十億と見積もっておるところでございまして、さらに、これ以外に無害化処理施設につきまして別途あるわけでございまして、これは技術や設計につきまして作業を進めてきているところでございますが、具体的にどこまでどのような施設整備とするか、なお不確定な要素が多いことから、そこまではちょっと確たるところは申し上げられない状況でございまして、そうした状況に今、総経費の状況になってございます。

泉委員 会話になっていませんよね。審議官、できたら会話をさせていただきたいんですけれども、議論を。

 要求したことにお答えいただきたいんですが、まず、我が国で行った、PCIという日本側のコンサルタント業務の会社で行ったものは七百八十億だったと思います。そして、それが中国側の、中国の建設基準に基づいて初歩設計をすると、たしか九百七十三億になったというふうに認識をしております。そのふえた分の二百億というのは、どんなものの二百億なんですか。簡単な質問じゃないですか。お願いします。

松田政府参考人 御説明申し上げます。

 十八年度予算におきましては、発掘回収施設のうち、契約が見込まれる発掘施設それから発掘装置、回収装置、建設装置等の建設等に要する費用として、十八年度から二十二年度までの五年間で四百四十六億円の予算措置がなされ、その間、ハルバ嶺事業を実施するための日中間の協議に相当時間を要して、スケジュールを見直すこととなったことから、十九年度概算要求におきまして、十八年度予算で措置されたもののうち、十八年度内に契約が見込まれる発掘装置につきましては、年割額を変更、それ以外の発掘施設、回収装置、建設装置等につきまして、十九年度内に契約が見込まれることから、新たに要求することとしたものでございます。そういった今回の要求により、発掘回収施設全体に要する費用が九百六十億余ということになったものでございます。

泉委員 九百四十億という数字が出てきたり、九百六十億という数字が出てきたり、もう何かさっぱり理解ができません。

 改めて、これも資料の要求をお願いしたいと思いますが、日本側の基本設計、そして中国側の初歩設計、その差額がございます。ここで具体的な数字が間違っているといけませんので、その差額について、どのような違いがあってこの差額が生まれたのか、それがわかる資料の提出をお願いしたいと思います。

河本委員長 理事会で協議いたします。

泉委員 続きまして、今回、ニュースで報道されました移動処理設備というものについてであります。

 移動処理設備、これはどのようなものを指すかというのは、新聞情報でしか私も存じ上げないんですが、何となく、トレーラーにプラントみたいなものを載っけて現地に行って、小規模化学兵器を現地で無害化する、それをどこか最終処分場みたいなところに搬送していくのかなというイメージを持っておりますが、これは今、どこまで具体的な中身がわかっているんでしょうか。例えば、予算、台数、あるいはいつから使うという、その辺をお答えいただければと思います。

松田政府参考人 お答え申し上げます。

 長期間、地中等に埋設されました化学兵器は、変形、腐食等見られて、非常に不安定な状況にあるわけでございまして、これを輸送するということになりますと、やはり化学剤の漏えいリスク等々を伴う、あるいは交通規制、住民対策等が要るというようなことがわかってまいりました。そうであれば、ハルバ嶺に近いところはともかく、その他のところにつきまして、遺棄化学兵器の処理を加速するために移動式処理設備を導入することが望ましい、こういう判断で、導入するということで日中が合意したわけでございます。

 具体的に、この移動式処理設備は、遺棄化学兵器の処理に必要な各設備をコンテナに収納できる大きさにユニット化しまして、これをトレーラー等に搭載いたしまして、各地を巡回しながら化学砲弾等を処理するものでございます。移動式処理設備のこの具体的な運用方法等々につきましては、今後、中国側とも事業計画等につきまして調整しつつ、検討を進めていく所存でございまして、経費の点、御質問ございましたけれども、今まさに、二十年度概算要求の形にどのように盛り込めるのかといったことにつきまして、現在検討をしているところでございます。

泉委員 これは大きな点の確認なんですが、日中の覚書のところでは、これまで見つかった日本の化学兵器、そして今後見つかる日本の化学兵器を処理するということですけれども、これは禁止条約にかかわらず例えば二〇一二年以降も、その移動処理設備、今後、中国のいろいろなところで開発が行われていくと思います。その都度、小規模にこういった日本の化学兵器が見つかるというケースは、都市を限らず、これからもずっと続いていくことも予想されると思うんですね。

 その意味では、今のところ、政府が予定している、今後予定されている発掘回収事業の小規模なものでいえば三カ所しかないわけでして、今後も見つかるということを見越して言っていくと、これは、今後もずっと、中国国内で見つかっていく化学兵器については、日本のものであれば、化学兵器禁止条約にかかわらず処理をし続けていく。ある意味、そのためのこの移動処理設備とも言えるんでしょうか。

松田政府参考人 移動処理設備でございますが、申し上げましたとおり、これまで三万八千発の、いわゆる既に発見されまして回収された兵器が各地で臨時保管されておるわけでございまして、これをハルバ嶺に持ってきて処理する、こういうことでなくて、移動処理装置でもって処理をする、これが基本でございまして、さらに……(泉委員「今後もずっと」と呼ぶ)その先、期限切れの先まで見込んでおるのかということにつきましては、今まさに、基本的には期限内でやるということで今考えておりますが、その後どうするかということにつきましては、まだお答え申し上げられる状態にないということで、それも含めまして、来年度要求におきましてまたしかるべく、明らかにできるものは明らかになっていくというふうに考えております。

泉委員 もうとてもとても、今まだ満足できる状態ではありません。ほとんど明らかになっておりません。両大臣、どうか御認識をいただきたいと思います。

 そして、なぜこの問題を扱うかといいますと、やはりまず第一に、我が国の国民の多額の公金が、税金が使われている事業である、それが、対中国ということで、大変国民の目が行き届きにくい状態であります。そういった意味で、予算が膨らんでいくということは私は看過できません。

 もう最後になりますけれども、例えば一つ例を申し上げますと、この遺棄化学兵器の処理を行うコンサル業務を行うPCIという会社がございますけれども、今、機構に対して一〇〇%の出資をしております。その機構から、さらにコンサルティング事業として、またPCIという会社が再委託を受ける形になっております。ややこしいので、一度パネルか何かで御説明をしたいと思いますけれども、これは随意契約でして、二、三十億円規模でこのコンサルティングの業務が随意契約で発注されているということであります。

 その意味では、実は、事業が長く続けば続くほど、そういった随意契約のコンサルティング料というのも長く発生するような仕組みにも今なっているという状況でありまして、これはやはり、いろいろと不透明なことが指摘をされてはいけない。日中友好のかけ橋になるべきこの処理事業だということも、以前、担当室の方からは聞いておりますので、ぜひやはりその趣旨で頑張っていただかなくてはならないと思っております。

 きょうは、両大臣に対して直接御質問する時間は少なかったですけれども、また改めて時間をとらせていただきますので、どうか、それまでに資料をよく精査して、よく研究をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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