衆議院内閣委員会
平成18年10月26日(金)
化学兵器処理事業について
答弁者
国 務大臣
(
内閣官房長官
)
町 村 信孝君
国 務大臣
(
規制改革担当
)
(
国民 生活担当
)
(
科学 技術政策担当
)
岸 田 文雄君
政 府参考人
(
内閣府大臣官房審議官
兼大臣官房遺棄化学兵器処理担当室長
)
西 正典君
中野委員長
次に、泉健太君。
泉委員
民主党の泉健太でございます。
本日は大臣所信に対する質疑ということでありますけれども、私は、特に、内閣府及び内閣官房の巨大な事業、プロジェクトでございます、中国における遺棄 化学兵器の処理事業、このことについて質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、最近の動きといたしましては、安倍総理、そしてまた、その安倍総理のときに温家宝首相が日本に来られた、そして移動処理施設の実施が決まったとい うことで、その点については前向きな進展があったというように認識をしていたんですが、大変残念なことに、この巨大な事業において、遺棄化学兵器処理機構 から委託を受けたPCI・日揮、このPMCという共同企業体、そこからさらにさまざまな業者に対して再委託が行われていく過程の中で、東京の地検特捜部が 家宅捜索をするという事態に発展をしてまいりました。このPMC関連の社長も務めたことのある荒木氏を初め、複数の会社、そして元幹部宅を家宅捜索すると いうことに発展をいたしております。現在のところ、特別背任の容疑でということになっております。
まず、資料の一をごらんいただきたいと思います。新聞の記事で恐縮なんですが、構図が主に載っております。
これは平成十六年です。〇四年度、国から発注が七十六億円。十六年度ですね。その七十六億円の発注が処理機構にあり、そこからPCIなど共同企業体に約 三億円、そして、そこから再委託でPPM、これはパシフィックプログラムマネージメントという会社、現在はちょっと社名が変わっておりますが、そこに二億 七千万、そして、そこからさらに都内の建設設計会社など四社に一億六千万で発注されている。その中で九千万円が不正流用されているのではないかというよう なことで捜索を受けているということでございます。
まず、担当室にお伺いをしたいわけですけれども、この現在捜索を受けている事案について、今私が説明をしたようなことで間違いはございませんでしょう か。
西政府参考人
お答え申し上げます。
今、この新聞に出ておりますように、国が遺棄化学兵器処理機構に発注をいたします。それで遺棄化学兵器処理機構は、その下にありますPCIなどの共同企 業体、これがPMCという名前でございますが、そこに対しては、一括再発注するということは制度において認められておるところでございます。
それで、その後のところ、再委託がさらにPPMに対して行われているというふうになっておるのでございますが、これは新聞でかように報じられてはおるの でございますけれども、私ども、事実関係としてこのような再委託があったのかどうか、それを確認するには至っておりません。
ただいま申し上げましたのは、もし万が一PMCが事業の再委託を行う場合には、これは、PMCと機構との関係の契約により、機構に対しその旨報告をせね ばいかぬというふうになっておりますが、現時点で私どもそのような報告があったとは承知しておらない。かような次第から、報道が事実かどうか、私どもいさ さか判じ得ないところが残っているということでございます。
泉委員
まず、この担当というのがちょっと確かにややこしいんですね。今、答弁に立たれた室 長というのは内閣官房の担当室の室長でもあり、また、内閣府の担当室の室長でもあり、中のメンバーはほとんど一緒だと。ほぼというか、全部一緒なんでしょ うかね。
その意味で、ちょっとそれこそ官房長官と大臣に確認をしたいんですが、この事業についてはだれが政府の責任者であるのかということをもう一度確認をした いんですが、これは官房長官、どうなるんでしょうか。大臣。
岸田国務大臣
まず、この処理担当室は内閣府の中にあります。ですから、内閣府の中でその監 督をする責任は、内閣府担当大臣であります私にあると認識しております。
泉委員
内閣官房の中にある担当室に対して責任を持つのは官房長官ということになるんでしょ うか、官房長官。
中野委員長
西官房審議官、できれば簡単にやってください。
西政府参考人
申しわけございません、一点だけ事実関係を補足させていただきます。
これは組織として内閣府の中に置かれている室でございますが、あわせて、その事業の立ち上がり経緯がございまして、私ども、内閣官房と内閣府、両方の身 分を分属しております。それゆえに、機構図などを見ますと、内閣官房の方にも遺棄化学兵器のセクションというのがあらわれてくるのでございますが、今、岸 田大臣よりお答えさせていただきましたとおり、私どもの組織としては、基本的には内閣府の中で作業をする、ただ、身分的には内閣官房もあわせて持ってお る、このような形になっております。御承知おきいただければと思います。
泉委員
官房長官、これ、たしか内閣官房からこの事業に対しては基本的には予算が出ていない というふうに私説明を受けているんですが、どうして内閣官房の中に、中にというか、現在も担当室というあり方で残っているんでしょうか。
西政府参考人
たびたびのお答えで恐縮でございます。事実関係ですので御容赦くださいませ。
本件は、まず一番最初の時点には、中国における遺棄化学兵器の調査研究というところが立ち上がりでございまして、これはまず外務省においてその作業を開 始いたしました。外務省の方で、その調査研究を行う中でいよいよ発掘、回収、処理というものが必要になってくるということが議論されまして、当時、内閣官 房に外政審議室というものがございまして、その場で議論がされたような次第でございます。その際、どこにそのような機構を設けるかということに関してはい ろいろ議論があったようでございますが、その結果といたしまして、省庁改編以前の段階で、現機構では内閣府、こちらに所属させるのがしかるべしということ で最終的に議論の帰結を見ております。
ですので、内閣府の長たる大臣はこれは内閣官房長官でいらっしゃいますので、そのこともありまして身分を分属しておりますが、組織としては内閣府の中、 そして、その職務の直接の担当大臣としてはただいま岸田国務大臣がお務めになっている、このような形でございます。
泉委員
もう中に入っていきますが、それを踏まえて岸田大臣、今回のこの荒木事件、通称です が、これについての会見のお話も出ておりましたけれども、現在の御見解をお聞かせください。
岸田国務大臣
御指摘の事案につきましては、最初にマスコミ、新聞等で大きく報じられました のは十月十六日からだったと記憶しておりますが、こうした新聞、報道等で報じられているような不正が行われていたとしたならば、これは大変遺憾なことだと 認識をしております。
まずは、この事実関係の把握に努めなければいけないということで事務方に指示を出しているところですが、現在、事務方の方でも担当室が中心になりまし て、株式会社遺棄化学兵器処理機構の担当者に対しましてヒアリングを行うですとか、あるいは処理担当室に存在いたします支出状況の報告、業務月報ですとか 出張計画書ですとか、あるいは請求書ですとか領収書ですとか、こうした証拠書類につきまして再確認を行っているところであります。
捜査の推移もしっかり見守りながら、まずはこの事実の把握に努めなければならないと考えているところですが、こうした事実の実態いかんによりましては、 やはり断固たる対応をとらなければいけない、こうした執行体制の見直しも含む対応を考える必要も出てくるのではないか、こんなことを今認識しております。
泉委員
この事業、これまでも再三、さまざまな議員から質問があり、また新聞紙上をにぎわし てきた事業でもございます。
総額幾らかかるのかがわからない、これが国民もまた多くの報道関係者も大変心配をしているところでございまして、そしてまたさらに言えば、事業が相当程 度進捗がおくれている。そういう中で、現在はまだ本格的な予算の投入というものが行われていないわけですけれども、現在まだ準備段階、ここからさらにさま ざまな施設をつくり運用していく中で、膨大な資金、税金が投入されるということが指摘をされているわけです。
そういう意味で大変重要な事業でありますけれども、その中で、そもそもは政府から発注した事業、それが、そのグループの中で、もしかすると不正流用され ていたかもしれないということで、これは大変な問題であるというふうに思っております。
担当室にもう一度確認しますが、これまでこの遺棄化学兵器処理事業に費やした費用の執行額、総額を、十八年度までで幾らになるか教えてください。
西政府参考人
お答え申し上げます。
本事業が始まりましたのが平成十一年度からでございます。平成十一年度より平成十八年度まで、これまでの執行総額約四百七十一億円、こういうふうになっ てまいっております。
泉委員
その四百七十一億円というのは、すべて担当室から出たというか、内閣府から出された 費用ということで考えてよろしいですか。
西政府参考人
お答え申し上げます。
予算は、内閣府の方に必要な予算が計上されます。その予算の執行に関しましては、内閣府本府の会計課はもちろんかかわってまいりますが、私ども遺棄化学 兵器処理担当室の方でその執行を行っておる、このような形になっております。
泉委員
担当室にさらにお伺いをするわけですが、この事件が発覚をして以降、関係機関にどの ような連絡また情報収集を行ったのかを御説明ください。
西政府参考人
お答え申し上げます。
先ほど岸田大臣より既に御披露あったとおりでございますが、今般の事案に関しましては、私ども、契約上、直接の関係がございます株式会社遺棄化学兵器処 理機構の役員に対しまして、今回の事案について事実関係の聴取を行っております。また、当室には、これまで同機構に対します支出状況に関する各種報告がご ざいます。業務月報ですとか出張報告書、また、業務において執行しました請求書、領収書、そういった証拠書類も我が方で控えておるところでございますの で、そういったような各種物証の確認を行っておるところでございます。
以上でございます。
泉委員
現在、この資料一に書いてあるような構図でいきますと、もしこれが事実であれば、契 約書、これは国と遺棄化学兵器処理機構の中の契約書においてですけれども、どの部分に違反する行為ということになるんでしょうか。
西政府参考人
お答え申し上げます。
私ども国側は、遺棄化学兵器処理機構と契約を結んでおります。遺棄化学兵器処理機構がPMCに対して業務を委託する、これに関しては基本的に契約で認め ておるのでございますが、仮にPMC以外の会社に対して再委託を行った場合には、国に対して報告をする、これが機構側の義務でございます。
また、株式会社処理機構がPMCと同種契約を行っております。ですので、仮に、PMCがみずから処理することのできない業務があり、これを第三者に委託 した場合には、機構に対し報告する義務がPMCにございます。
さらに、予算執行の観点から申し上げれば、PMCが部外の第三者に対し業務の発注を行った場合には、この書類が機構を通じて私どもの方に上がってまいり まして、その内容を精査し、その業務の発注内容が妥当なものであるかを精査した後に、所要の額を算定しこれを支出する、かような構造になっております。
よって、今、いささか詳しく申し上げましたが、国と機構の間で再委託に関する契約があること、さらに、機構とPMCとの間で再委託に関する契約があるこ と、その両方の点から、もし万が一、新聞に報じられるように、PMCに、機構に対する報告なく再委託の処理がなされておるとすれば、その点、契約違反が存 在し得るもの、このように思っております。
泉委員
先ほど、PCIなどの共同企業体からPPMという会社に再委託、約二億七千万がなさ れたと。これについて担当室は、PPMへの再委託については報告を受けていないというふうなことをおっしゃられました。
であれば、その部分においてだけをとっても、これはもう既に契約に違反をする行為であるというふうに言えるのではないでしょうか。大臣、いかがですか。
岸田国務大臣
その点は、そのとおりだと思っております。
泉委員
そうしますと、これは処分の問題であります。
今回かかわっておりますPCI、これは外務省、町村官房長官も御存じだと思いますが、コスタリカの事案を初めさまざまな不正経理の問題がありまして、十 八カ月の指名停止の処分も受けているという会社でございます。このことは、担当室は当然認識をされていたわけですね。
そういう中で、もうこの処分が下っている、そして今、たしか処分が明けたばかりの会社でありますけれども、今後、そういう部分では明確に契約書に違反す る行為があるということが確認をとれているわけですから、次は処分、これがどういう処分になるのか、あるいはその処分の時期はいつごろを考えられているの か、これを大臣、お答えください。
岸田国務大臣
まず、今委員から御指摘があったのが事実であったならば、要は再々委託が行わ れていたのであるならば、我々は契約上、この再々委託の報告を受けてもいませんし承認もしていないわけですから、契約違反になるというふうに思っていま す。
我々は、この捜査が報じられたのを受けて、まず我々の対策室の中にあるさまざまな書類を再点検しまして、そして書類上、再々委託の事実はないという書類 を今、確認しています。ですから、書類上の契約とそして実態が一致しているのかどうか、これをまず今確認をしなければならない、そのように思っています。 書類上においてはそれは確認ができていない、これから捜査が進んでいき、全体が把握される中で、これが一致するものか一致していないものかが確認される、 そのように認識しております。
そして、そうした契約違反がもし出てきたならば、それが確認されたならば、その内容に応じて対応しなければいけないということでありますので、現時点で は、その契約の中身と、報じられている実態の食い違いがある、こういった事実は認識しておりますが、その確認の最中でありますので、具体的にどう対応する かは、確認された後、慎重に対応しなければいけない、そのように認識しております。
泉委員
この確認の方法は簡単でございまして、PCIからPPMに行った委託契約、あるいは PPMから都 内の建築設計会社など四社に行った委託契約、この契約書は、もしこの記事が事実であれば、それぞれの会社には存在をしているはずですね。これを提出しなさ いと明確に命令をして、命令というかそれぞれの会社に言っていただければ、資料は出てきますよね。そこで、ないと言えばまたさらにそれは問題ですが、それ を要求していただいて、そして入手次第、この委員会に提出をしていただくことを要求したいと思います。
中野委員長
今の委員の要望については、理事会で協議して処理したいと思います。
泉委員
それで、今、PPMという存在を知らない、知らない中で新聞報道では委託がされてい て、そこで資金の流れがある、その中にまさに不正流用が隠されているということで、大変問題だというふうに思って、一刻も早い解明をお願いしたいと思うわ けです。
これに関連をして、中国側からは既に声明が出されておりますね、外交部から。この事業の進捗におくれがあってはならない、大変遺憾であるというような趣 旨の声明が出されていると思いますが、今回の事件によって事業のおくれが生じるということが現在もう既にわかっているのかどうか、そしてまた、事業がおく れる場合というのはどの程度のものなのか、この辺のことを大臣、お聞かせください。
岸田国務大臣
今回の事案が報じられることによってこの事業のおくれが生じたということは我 々認識をして おりませんし、今後も、中国との関係において、こういった事件が報じられることによって事業におくれが生じるということはあってはならないと思っておりま すので、この事業を予定どおり進めるべく全力で努力をしていかなければいけない、そのように考えております。
泉委員
これは実は、平成十一年からこの事業が始まって、この新聞記事で言うところの国、そ して三段目、 真ん中にあるPCIなどの共同企業体、そもそもは、このPCIなどの共同企業体に対して当初は直接の委託を行っていたわけですね。直接の委託を行っていた ものが、平成十六年四月に株式会社遺棄化学兵器処理機構というものを設立して、そしてわざわざそこから、今まで委託業務を行ってきたPCIと日揮の共同企 業体にさらにコンサルティング業務が委託をされる。これは非常にわかりにくいですね。機構をつくり、間にかませ、結局はまた同じように機構からコンサル ティング業務を発注する、これは非常に理解しにくい構図であります。
これはそもそも、どうしてこのような機構の設立に至ったのか、大臣、御説明をお願いします。
岸田国務大臣
今、泉委員御指摘のように、まず、平成十三年二月に、この新聞記事にあります PCIの企業 共同体、これはPMCと呼んでおりますが、PCIと日揮の共同企業体でありますが、このPMC、共同企業体と公募型のプロポーザル方式にて内閣府は調達を 行いまして、平成十五年度まで施設設計等の技術コンサルティング業務、これを委託していたわけです。
そして、十六年からどうして変わったかという御質問ですが、十六年以降、処理事業の中身が本格化いたしました。従来のコンサルティング業務だけではなく して、それに加えまして発掘回収施設等の建設、あるいは各種装置の製造にかかわる調達、あるいは現地の施設の運転管理等に関する業務、こうした調達ですと か運転管理業務が十六年から加わるようになったわけであります。
十五年まで、この共同体に対しましてはコンサルティング業務を委託していました。十六年からは、コンサルティング業務だけにとどまらずに、調達ですとか 管理運用業務が必要になってきたということでありますので、これを両方委託できるような存在が必要になってきたということで、コンサルティング業務、調 達、運営管理、こういったものをトータルでできる管理会社が必要になってきたということで平成十六年から、十六年三月に株式会社遺棄化学兵器処理機構を設 立して、この機構にトータルの管理をお願いするという体制になったわけであります。
そして、その管理会社の業務のうち、コンサルティング部分は従前からPMC、新聞でいきますとPCIの企業共同体、このコンサルティング部分はさまざま な知見や技術の蓄積がありますので、その知見の蓄積のあるPMCにお願いし、それ以外の部分は、他のさまざまな企業に委託をするというような委託を機構の 方から行ったという体制に切りかわったということでございます。
泉委員
やはり非常にわかりにくいですね。なぜ機構が必要なのか。
では、PMCは、施設設計業務あるいはコンサル業務を主に行うところであった。建設関係の調達業務がさらに加わるから機構をつくりました。別につくらな くたって、PMCがその業務を加えてやったらいいんじゃないですか。だって、機構の中にはほとんどPMCが丸のまま入っている状態で、コンサル業務、頭脳 部分はそれまでと同様に行っているわけですね。それに調達業務がくっついた。それをもって、わざわざPMCと別な機構をつくらなければならない、その理由 がわからないということなんです。
余り下世話な話なのでちょっと言いたくはありませんが、資料六をごらんください。これは、処理機構ができた当初の経費の一部、個人名が入っておりますの でその部分は消してございますけれども、ちょうどまだ設立当時、役職員が少ないときの資料でございます。
これを見ていただくと、機構の給与報酬人件費、十二月給料というところを見ていただくと、数字がいっぱい書いてあります。一番高いので、一月分役員報酬 百九十一万、さらに、四十一万九千円というのがプラスされている。さらには、百万円の月給をもらう方が六人ぐらいずらっと並んでいる、こういう状況です ね。
では、機構というのは何をしていたのか。一般の国民にも全くわかりませんし、大臣、ホームページを見たことがございますでしょうか。機構のホームページ というのは、特殊な会社だからという理由で、あるいは内閣府だけが契約をしている、委託を受けている会社だから、表に出す情報は何もないんですという理由 で会社概要が書いてございません。調達に関する情報だけがそのホームページには載っていて、会社が何をしているのか、何人職員がいるのか、どういう方々が おられるのか、全くわからないというような会社でございます。
そこが、こういった形で、一般の国民からすれば多額のお給料をずっといただき続けている。もちろん、専門的なお仕事かもしれません。知見を集めて、最高 のスタッフを集めていただいているのかもしれません。だけれども、それも、やはり情報公開を、透明性を高めていただいて初めて我々は理解できることでござ いまして、残念ながら、今の段階では大変不透明だと言わざるを得ません。
ですから、私は委員会に要求をしたいんですが、ここの機構の、会社の組織図、これは平成十六年の設立当時のものと現在のもの、これをぜひ委員会に提出し ていただきたい。そして人数。そして、この機構に対する出向者、他の会社、団体、こういったところからの出向者の一覧。そしてまた、この機構の中におけ る、例えば特定の資格を有した方がおられるかどうか、それも一覧。これをぜひ提出いただきたいというふうに委員長にお願いしたいと思います。
中野委員長
ただいまの委員の要求につきましては、理事会で協議いたします。
泉委員
さらに言えば、この処理機構というのは、資本金はすべてPCIG、PCIという名前 が再三出てい ますが、そのグループ会社でございます、その統括持ち株会社でございますPCIGが、資本金三億円全額を出資して設立をされております。PCIGについて も非常にその中身が理解できないということでございまして、ぜひ、その株主の一覧も提出をお願いしたいというふうに思います。
中野委員長
その件につきましても、理事会にて協議いたします。
泉委員
そういったことで、非常にわかりにくい中で機構が設立をされて、実際には、続いて資 料二、三、四と、平成十六年から十七年、十八年、これは遺棄化学兵器処理機構への委託費執行状況というものが書いてございます。
まず資料の二を見ていただきますと、先ほどの新聞でも説明がありましたが、国から約七十六億円、処理機構に対して資金が流れております。これは資料の中 ほど、契約額・精算額というところの、平成十七年三月三十一日精算、七十五億五千四百二十四万九千円、これが先ほどの約七十六億という数字でございます。 そこからさらに、再委託として明らかになっているものがずらっと並んでいるわけですね。今回はさらに、表の一番上の、遺棄化学兵器処理事業総合コンサル ティング業務、PMC(PCI・日揮共同企業体)、三十四億一千四百七十一万九千円、ここに再委託をされているわけですが、ここからさらに、その事業が PPM、そして都内の設計会社などに渡ったということになっております。
改めて、資料の一で、この事業の一部は約三億円で機構からPCIなどの共同企業体に委託されたというふうに新聞報道ではなされておりますが、担当室長、 このコンサルティング業務の中の三億円の事業とは何という事業なんでしょうか。
西政府参考人
お答え申し上げます。
今先生、この三億円という事業が具体的にというお尋ねでございますが、先ほど来申し上げておりますように、私ども、こうした再委託があるのかどうか、ま ずその事実が把握できないでおります。
もう一つ、細かいことでございますが御説明させていただきますと、コンサルティング会社というところは、必要なコンサルタントを集めてチームを組みま す。そのチームを組んだ場合、何日、かつ、どれくらいのクオリティーの人間が働いたか、それによって支払い額が決まってまいります。さらに、それに通常、 一般管理費というものがついて、それぞれが支給されます。
ですので、今問題になっておりますこのPMCには、PCIグループからの人の派遣と日揮の側からの人の派遣、これによってこのPMCというコンサルティ ングの機構が動いておるわけでございますけれども、そのPMCにPCIグループから来ている会社の中に一部PPM出身の者がいるというようなことが一方で ございます。ですので、PCIからPPMにお金が流れるということは、そうした点で、コンサルティング業務を行うことに対する正当な報酬として流れる、こ ういうことは十分あり得るところでございます。
ですので、先ほど来申し上げておりますように、平成十六年当時におきましてPMCが再委託を行った事案、これにつきましては、正規に上がってまいります ものをすべて私ども書面で確認しておるわけでございますが、そうした再委託の契約なく何らかの業務が再委託されておったのか、あるいは、ただいま申し上げ ましたような形での正当な形での資金の動きがあったのか、それについての事実関係は私ども現時点で把握できない、これが事実関係でございます。
以上でございます。
泉委員
この平成十六年でいうと、私、ちょっと足し上げて引き算をしてみたんですが、二の表 でいきますと、右側にずらっと書かれている随意契約、一般競争入札、ここに再委託額というのが書かれていますね。
それで、一番最初に国から機構に支払われた七十五億からこの足し上げたものを引くと、ちょっと手書きで恐縮なんですが、三十九億八千三十三万六千円。そ して、これは同様に、十七年度は四十三億二千六百三十四万八千円。十八年度は五十一億六百五十万六千円。この遺棄化学兵器処理事業総合管理業務の中だけで いいましても、再委託分はこうして表に見えているんですが、それ以外のこの三十億円から五十億円、これはどのような使い道に主に流れているんでしょうか、 それを教えてください。
再委託以外のこの機構の中の三十九億円とは何なのか。再委託以外の四十三億円、五十一億円というのは何なのか。これを担当室長、お答えください。(発言 する者あり)
西政府参考人
大変失礼いたしました。
恐れ入ります、にわかなお尋ねでございます。
ちょっと私ども、今先生御指摘のこの数字、私どももう一度きちんと計算をして、改めて御報告をさせていただければと思います。申しわけございません、 誤ってはいけませんので再度確認させてください。
泉委員
では、少なくとも、再委託されている金額がずらっと並んでおります。だけれども、一 番大もとに来 ている契約額・精算額の七十五億五千四百二十四万九千円、この数字はあるわけですね。その差額というのは、主に何に使われているんですか。正確な数字じゃ なくても結構ですが、これは何に使われているお金なんですか。
西政府参考人
今先生がお尋ねになっていらっしゃいます件、私どもの方で、株式会社遺棄化学 兵器処理機構 の方にまずお金を支払います。それが今申し上げました、一番大きいところでそのPMC、そういったところに再委託でお金が流れます。他方、この機構自体に 一般管理費というものが出てまいります。
今、にわかなお尋ねですので、改めて額を確認した上でもう一度申し上げさせていただくことになろうかと思いますが、今お尋ねの件は、この機構自体の一般 管理費の方のお金ではないかと思われます。恐縮でございます。
泉委員
いや、担当室長の認識が本当にそうだとは私は信じがたいですね。担当室長、本当です か。
西政府参考人
失礼いたしました。一項目落としておりまして、対中要請経費というものが入っ てまいります。そちらの方の額が、今先生御心配の額に当たってくるところになろうかと思っております。大変失礼いたしました。
泉委員
資料の七をごらんください。総合管理業務支出済額内訳表でございます。丸をつけてい る二つがあり ますね。ちょっと赤ペンで丸をつけましたので。ここに、直接費、6再委託費、これが三十四億三百七十二万九千三円ございます。これも、ちょっと細かい数字 でいうと先ほどの二の表の再委託額と多少違いますので、税込み、税抜きの関係なのか、非常にややこしいわけですが、ただ、大きくは再委託費として三十四億 円なんですね。先ほど室長がおっしゃった一般管理費は、一億七千九百万でございます。
そして、その下、中国側協力経費というのがございまして、三十二億五千三百七十五万五千五百六十九円。単年度で三十二億円、中国側協力経費というのがご ざいます。いわゆる対中経費と言われるものですが、大臣、もしわかればぜひお答えいただきたいんですが、やはりかなりの額が対中経費という形になっており ますが、対中経費の、この事業が始まってからの各年度の額、そして総額を教えてください。
西政府参考人
恐れ入ります。事実関係ですので、私の方からお答えさせていただきます。
対中要請事業といいますのは、本事業執行に当たりまして、これは中国の法規に従いという約束になっております。その関係で、日本国政府側で事業を行うこ とが必ずしも合理的でないようなもの、これに関しては、中国の窓口であります外交部弁公室を通じて必要な役務その他を調達するような形になっており、その 支払いというものが年々行われております。
その点に関しましては、先生のお手元の資料、五ページ目にありますように、私ども、平成十二年度から支払いを開始いたしまして、これまで、十八年度まで の間、百七十七億円余りを支出させていただいておる、この数字で間違いございません。
泉委員
そうです。資料五、対中経費執行額一覧、これが載っております。十一年から十八年ま で百七十七億二千万円、大変な多額でございます。
ただ、ここは私も、また一般の国民も誤解があってはいけないというふうに思っておりますので改めて確認なんですが、そもそも、この対中要請事業経費とい うものの定義、これを教えてください。というのは、対中要請事業経費とは、中国側にすべて払っているという経費なのか、中国側で行う事業についての費用な のか、ですから日本の側でも使用しているという費用であるのか、その定義がよくわかりません。これを改めて教えてください。
西政府参考人
お答え申し上げます。
先ほど先生に申し上げましたとおり、中国国内における本事業につきましては、これは条約に従いまして、我が国が必要な資金を負担する、このようになって おります。さりながら、日本側が直接実施することが困難あるいは非効率な事業につきましては、これを中国政府に対しましてその事業の実施を依頼いたしま す。中国政府からの請求に基づきまして、日本側が中国政府に所要の経費等の支払いを行います。これを指して、対中要請事業経費、かように申しておる次第で ございます。
この経費の支払いに当たりましては、まず、事業実施前に中国政府から提出されました見積書などにつきまして、日本側で積算の考え方や、あるいは専門家の 意見を交えての検討を行いまして、積算根拠、内容の確認、あるいは中国側の規定の調査、入手、さらにそれに基づいた質疑を行いまして、その真偽を精査して まいります。
また、対中要請事業の実施中、またその事後におきましては、政府より政府の職員、私ども担当室の人間でございますが、これが現場に赴きまして、その事業 内容を確認する、このようなことを行っております。
このようにいたしまして、中国側から提示されました請求に対しては、事業ごとにその内容の妥当性、具体性を十分に精査しており、この事業を進めておる、 このように私ども行っております。
泉委員
改めてお伺いをいたします。
今の御説明ですと、中国国内の事業で実施は中国側にゆだねざるを得ないもの、こういったものを対中要請事業経費。では、これを、一括で払っているのか個 別に払っているのかはよくわかりませんが、どこにお支払いになられているんですか。窓口は一つ、それともそれぞれ事業を行う者に個別にお支払いをされてい るんでしょうか。
西政府参考人
お答え申し上げます。
支払いは、私ども、これは中国側外交部に弁公室、本事業のためのプロジェクトチームがございます。そちらの弁公室の方に対し一括支払いをする、このよう な形で処理をしております。
中国国内のそれぞれの経費の配分に関しましては、弁公室がそれぞれ必要な機関に支払いをする、このような形で行っておる次第でございます。
泉委員
改めて確認をいたします。
二〇〇五年七月五日、参議院外交防衛委員会で、自民党の山谷えり子氏がこの件について質問をいたしております。中国側の作業員には平均で日当数十ドルを 払っているが、本人に払われているのは百三十円、中国側はきちんと説明していない、こういうような質問がなされております。
そのとき、当時の外務大臣であります町村大臣は、向こうからどんと請求があって、それを全部支払うようなことをやっているわけではないというふうに答え られておりますが、これは今も変わりませんか。
岸田国務大臣
この対中要請事業経費の支払いにつきましては、事業前の段階で中国政府より提 出された見積 書等につきまして、日本側で積算の考え方等を専門家の意見を交えて検討する。そして、積算根拠、内容の確認のため、中国側の規定の調査、入手及び質問等の やりとりを行っている。こうした中国側の数字につきまして、専門家を交えての確認を行っているところでありますし、また、この事業が始まってから、それか ら事後におきましては、日本側より政府職員が現地に赴き、事業内容の確認を行っているところであります。
そして、これはどの事業も同じでありましょうが、この事業も他の事業と同じく、年二回、会計検査院の検査を受けているわけであります。今まで、その検査 の中でも一度も指摘を受けたことはないという事実が残っております。
泉委員
これは中国側も、いわれない批判を受けるのは心外だというふうに思います。今まさ に、日中で協議 をしながらその支払い額を決めている、そういうことであれば、これは〇五年当時ですが、一方で、日当数十ドルをもらっているが本人に払われているのは百三 十円だなんていう誤解は起きるわけがないですね。その起きるわけがないことを検証するためには、やはりこの資料を出していただく必要があるというふうに私 は思いますし、これはもうお互いに適正な価格を定めてやっていられるわけですから、何も怪しい資料ではない、また情報を公開できないものでもないというふ うに私は思っております。
別にその交渉の過程の中身をすべて教えてくれということではございません。決まったその経費のそれぞれの単価を教えてほしいという話でございまして、委 員長、これも私は、それぞれの人件費、中国側、対中経費におけるそれぞれの費用の中身について一つ一つお示しをいただきたいということを要求したいと思い ます。
中野委員長
ただいまの委員のお申し出につきましては、理事会で協議をさせていただきます。
泉委員
この対中経費、百七十七億でございます。今こうして日本の国内が大変財政難だという 中で、いつも批判をされますが、最大総額一兆円だとか五千億円だとか、本当にいろいろなことが言われているわけですね。これは与党の議員さんからもたくさ んの声が上がっております。
そういう中で、国内財政が厳しい折、やはり国民の血税が使われている、最近は毎年三十億円から四十億円、対中経費が使われているということをもってして も、この透明性を高めずして国民にどう説明するのか。私は、これは国民の声だというふうに思っております。ぜひとも、この対中要請事業経費はしっかりと明 らかにしていただきたいというふうに思います。
もう時間が余りありませんけれども、今後のことをちょっと触れたいと思います。
今回、ことしの四月二十七日に、日本国内閣府とパシフィックコンサルタンツグループ会社、PCIGが確認書というのを交わしております。そもそも機構と いうのは、このPCIGと日本国内閣府が合意をしてつくったのが機構なわけですね。基本契約書があり、また協定書ですとかがあるわけですが、この新しく四 月二十七日につくった確認書においては、これまでは、基本的には事業はずっと継続して一括して行っていくということだったわけですが、適正なリスク評価が されるなどということで、よって、この基本契約書等を廃止することを相互に確認したということでございます。
これは大きな動きだというふうに思います。実は、かつて随意契約をしてきたときの政府側の理由というのは、この会社じゃなければ、この事業体でなければ 代替不可能、知見から技術から、すべてにおいてここ以外にあり得ないということをずっと言い続けて随意契約を行い、多額の費用を出してきたわけですね。に もかかわらず今回は、この確認書において基本契約書を廃止する、これは大変大きなことでございます。
どうしてこんなことに至ったわけですか。
岸田国務大臣
まず、本事業につきましては、長期間にわたって埋蔵されていた大量の化学兵器 を処理しなけ ればいけないという特殊性があります。また、こうした世界でも類を見ないような事業を進めるに当たって、事業を進めながら知見や技術を蓄積していく、そし て、この蓄積した知見や技術をもってさらに事業を進めていく、こうした手法をとらなければいけないという特殊性もありました。加えて、実際その化学兵器が 爆発をした場合にどれだけの威力があるか、どれだけの被害が生じるのか、なかなかリスクの予見が難しい点もありました。
こうした特殊性の中で、平成十六年、株式会社の機構を設立してこの事業を進めていくことになったわけでありますが、あれからことし十九年まで、だから三 年間の月日がたち、事業が進められてきたわけであります。
当初は、今申し上げました特殊性、そして大きなリスクを担わなければいけないということで、この基本契約の中で、通常よりは国の方がリスクを多く負うと いうような内容の基本契約書を結んできたわけであります。しかし、それから三年たち、さまざまな知見や技術が蓄積された今日、そうした蓄積が整ってきたわ けですので、今までどおり国が通常ベースより多くリスクを担っていくという基本契約のありようを見直すべきではないかという議論になるわけであります。
ですから、三年間たち、知見、技術も蓄積されてきた、通常よりは国が多く担っていたリスクを通常の一般保険論理のベースに戻すべきではないか、通常の契 約のあり方に戻すべきではないか、そういった考え方から、本年四月に確認書を取り交わして、その基本契約書等を破棄する、そして一般保険論理の世界に戻す という作業を行った、これがこの確認書のありようだと認識しています。
泉委員
もう質問を終えますけれども、官房長官、これはもしかすると化学兵器禁止条約、今五 年延長になり ましたけれども、既に計画は大分おくれているという中で、守れない、この期間の中でこの事業を終結できない可能性が大変高くなっております。政府としてこ のことについて現在どのようにお考えになられているのか。
そしてまた、官房長官には、これまで歴代の官房長官も御認識を述べられていますのでお伺いをしたいんですが、そもそも、この化学兵器禁止条約や日中覚書 に基づいてこの事業がスタートしているわけですが、日本政府が、あるいはどこかでこの遺棄化学兵器については遺棄をしたものではないという資料が出てくれ ば、それは日本の政府の処理の責任ではないんだということの答弁が以前ございましたけれども、これは現在も変わらないということでよろしいでしょうか。
町村国務大臣
まず、この事業に関連して地検の捜査が入ったというのはまことに遺憾なことで あり、できるだけ早く正常化してもらいたいし、必要な捜査を厳正にやってもらいたい、こう思っております。
化学兵器禁止条約上の義務の誠実な履行、これは国家として約束したわけですから、しっかりとやっていかなければいけないのは当然のことであります。確か に、おくれぎみ、これは日本側の事情ばかりじゃなくて、先方の事情というのも実は結構あるんですね。ですから、一方的におくれていることの責めが日本側に あるというふうには私は必ずしも認識をしておりませんが、まあ、そんなことを言ってもしようがありません。日中共同でこれは作業をしていかなきゃならな い。そういうことはことしの四月の日中首脳会談でも確認をされたところであるわけであります。
そして、この事業について透明性が必要だという委員の御指摘、まことにごもっともであると私も思いますし、特に、対中要請事業経費について、今のような 御疑問があることは納税者の立場からして当然の疑問であろうかと思いますので、その辺にしっかりとした対応ができるように、中国政府との間でもこの点は透 明性を高めるようにやっていかなければいけないだろうと思います。
そして、どちらの責めに負うかわからない事業、確かにあるのかもしれません。そういう場合に、でも、すべてこれは日本だろうということにもそれはならな いんだろうと思いますし、そこは先方政府とよく話し合いをして、しっかりする。
いずれにしても、中国国民に被害が出てしまってはこれは元も子もないわけでしょうから、そこのところはお互いに理解をした上で、この化学兵器、埋蔵され ているものについてしっかりとした処理をできるだけ早くやっていく必要があるんだろう、かように思っております。
泉委員
終わります。
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